NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2002年11月後半分

エネルギー

エネルギー省、エネルギー効率改善・再生可能エネルギー(EERE)の新戦略計画を発表(2002/11/19号)

エネルギー省(DOE)の研究開発活動の大半を管轄している、エネルギー効率改善・再生可能エネルギー(EERE)部のDavid Garman EERE担当次官は、Spencer Abraham長官の要望に応えて、新たなEERE戦略計画を発表。

 

水素と電気を併給する世界初のエネルギー補給所、ラスベガスに開設(2002/11/19号)

エネルギー省(DOE)は、ラスベガス市の車両保守サービスセンターに、水素燃料(自動車用)とクリーン電力(燃料補給所用)を併給する世界初の水素エネルギー補給所を開設したと発表。DOE・ラスベガス市・Air Products and Chemicals社・Plug Power社の産官パートナーシッププロジェクトで、総額は1,080万ドル。

 

エネルギー省と州政府、エネルギ−研究開発の有効活用を目的とする合意書に調印(2002/11/19号)

エネルギー省(DOE)は、カリフォルニア州ナパ市で行なわれた州政府エネルギー研究・技術移転研究所協会(ASERTTI)の会合で、各州政府エネルギー担当官と連邦政府担当官の協力関係を改善する合意書に調印。新合意によって州政府技術推進提携(STAC)が設立され、DOEと州政府が同意したエネルギープロジェクトに共同で資金を提供していく予定。

 

ブッシュ政権、スポーツ用多目的社(SUV)と軽トラック向けの新燃費基準を検討中(2002/11/21号)

ブッシュ政権の規制担当官達は、スポーツ用多目的車(SUV)と軽トラックの燃費を2007年までに1ガロンあたり1.5マイル引き上げて22.2マイルにするという米国高速道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration = NHTSA)の提案を検討中。

 

SUV及び小型トラックの燃費改善基準が緩いと批判の声があがる(2002/11/22号)

ブッシュ大統領が、先日SUVと小型トラックの新しい燃費基準を出したが、クリントン政権や上下両院合同のエネルギー協議会の提案より厳しいにもかかわらず、環境主義者やJohn Kerry上院議員(民主党、マサチューセッツ州)は、見せかけだけのものと批判。また、憂慮する科学者同盟も、フォード社の誓約より低いと指摘。

 

エネルギー情報局、2001年の再生可能エネルギー消費の減少を報告(2002/11/27号)

エネルギー省(DOE)のエネルギー情報局(EIA)が発表した「2001年再生可能エネルギー年報(Renewable Energy Annual 2001)」によると、2001年の国内再生可能エネルギー消費は前年度比12%減で、国内エネルギー消費に占める再生可能エネルギーのシェアも6%に落ち込み、過去12年間で最低レベルを記録。

 

太陽光発電を積極的に進めるサンフランシスコ市(2002/11/27号)

カリフォルニア州では、エネルギー危機以降、再生可能エネルギーの人気が高まっており、サンフランシスコ市では、コンベンションセンターに675キロワット級の太陽光発電システムが設置されることが決定。同市の公益事業委員会では、向こう5年間で10メガワット(MW)の太陽光発電を電力系統に追加、長期的には、ピーク時に同市の電力の5%を供給できるよう、太陽発電を増設する意向。


環境

カリフォルニア州が新排出源基準の実施に関し、環境保護庁に要望提出を検討(2002/11/18号)

カリフォルニア州大気資源局(CARB)とサウスコースト大気保全部(AQMD)は、同地区の環境基準を維持するとともに遵守義務が企業の負担にならないことを前提として、ブッシュ政権で検討中の新規排出源再評価(the New Source Review =NSR)に対する変更条項を実施するよう環境保護庁(EPA)に要請するものと見られる。

 

民主党は今後の環境政策対応を検討するため、環境保護団体と会合を開催(2002/11/18号)

民主党上院議員、環境保護団体及び州政府職員らが出席し、共和党勝利に終わった中間選挙後における民主党の環境政策戦略を検討するための会合を開催。民主党は、環境政策こそ2004年の選挙の鍵を握るとし、また共和党との政策の相違を明確にするものと考えている。

 

気候変動に関するピューセンター、米国気候変動政策検討のため州政府活動を分析(2002/11/20号)

気候変動に関するピューセンターは「温暖化と州政府:気候変動における州政府役割の進展(Greenhouse & Statehouse: The Evolving State Government Role in Climate Change)」と題する報告書を発表。1990年代以降、気候変動問題に取り組む州政府のイニシアティブが増大していることを証明している。

 

ドイツの気候変動対策から学ぶアメリカの気候変動対策の検討(2002/11/20号)

AECS(Americans for Equitable Climate Solutions)の責任者であるLee Lane氏は、アメリカの気候変動政策として、ドイツの気候変動政策が適用できないという内容で講演を行った。

 

排出権取引は幾つかの地域で汚染を悪化させていると報告(2002/11/21号)

Eric Schaeffer元環境保護庁(EPA)規制施行部長が率いるEnvironmental Integrity Projectの行なった調査によると、二酸化硫黄 (SO2) 排出権取引は全国的にはSO2排出量の削減をもたらしたものの、排出権購入のみで削減を行なった発電所周辺では排出量の増加を見たという。

 

地球温暖化現象により、米国西部では深刻な水不足が生じると予測(2002/11/22号)

Scripps海洋学研究所、エネルギー省(DOE)、米国地質調査の研究者から構成される研究チームは、海洋データから気候変動の影響を検討した結果、この先25年から50年は、深刻な水不足が訪れるだろうと予測。また、この先数十年間も、都市、農場、農業などの需要に対して十分な供給ができず、水利権の争議も激化するとしている。

 

ホワイトハウスは引き続き京都議定書を批判(2002/11/22号)

ホワイトハウスのJames Connaughton 環境問題委員会委員長は、先日、アメリカ石油協会(API)が開催した会合で「京都議定書は根本的に欠陥がある」と発言。地球気候変動対策のための国際的な取組みを行っている国々からの圧力が続いている中、ブッシュ政権はそれでもなお京都議定書を批判し続けている。

 

エネルギー企業各社がスタンフォード大学に地球温暖化防止技術の研究資金を提供(2002/11/22号)

スタンフォード大学が、地球温暖化ガス排出削減に向けたエネルギー技術の研究開発を行うため、“Global Climate and Energy Project”という新しい研究開発イニシアティブの創設を発表した。エクソンモービル、GE、E.ON.EG、シュルムバーガーなど主要なエネルギー企業が10年間で2億2500万ドルの資金を提供し、水素燃料、風力、太陽エネルギーなどの研究を支援。

 

エネルギー省長官が、二酸化炭素固定化プロジェクトへの参加を呼びかける(2002/11/25号)

エネルギー省(DOE)のAbraham長官は、二酸化炭素固定化技術の確立、基準の策定、施設整備を広めるため、地域における二酸化炭素固定化プロジェクトへの参加を呼びかけた。計画の策定に200万ドル、実証試験や具体的な事業に700万ドルの予算を各事業に拠出する予定で、2002年11月末にも公募を開始する予定。

 

環境保護庁が、新規排出源再評価の公表を決定(2002/11/27号)

環境保護庁(EPA)は、「新規排出源再評価」の見直し内容を確定し、正式に連邦規制として登録することを決定した。今回の見直しの主なポイントは、@プラント施設全体の排出制限(PALs)は、各設備毎に環境汚染物質の割り当てを行う、Aプロジェクト承認申請中にも着手が可能、Bベースライン計算方法の統一など。

 

新排出源査定(NSR)改訂案、産業界・州政府・連邦議員からの批判高まる(2002/11/27号)

ここ数週間で発表予定のブッシュ政権の新排出源査定(New Source Review = NSR)に対する改訂案が、産業界からは称賛と批判の声が、9州政府からは訴訟問題が、そして、連邦議員からは環境保護庁(EPA)のChristie Whitman長官の辞任を求める声があがっている。


サイエンス・テクノロジー

テキサス大学とダウ・ケミカル社、ナノテク契約に調印(2002/11/19号)

ダウ・ケミカル社とテキサス大学が、同大学が開発した薬吸収技術の独占ライセンシング契約に調印。大学当局者はトップ5件の契約に入る規模であると言う。テキサス大学研究チームが開発した技術は、噴霧 (spray)、凍結、または脱水によって、薬の組成物質を原子レベルに分解し、その微小粒子にコーティングを行なって互いの粘着を防ぐというもの。

 

エネルギー庁がIBMにスーパーコンピューターの開発を依頼(2002/11/20号)

エネルギー省(DOE)は、世界でもっとも処理速度が速い2台の超高速スーパーコンピューターの開発に関し、IBMと契約を締結したことを発表。契約金額は2億9000万ドル。2005年までに開発され、完成すれば再びアメリカがスーパーコンピューター分野でトップの位置を取り戻したいと考えている。

 

共和党が国土安全保障省法案に絡み技術政策を変更し、技術産業を支援(2002/11/20号)

今回の選挙で多数派となった上院の共和党議員らは、メディア上の著作権問題、ネットワークセキュリティ、ブロードバンドの規制緩和、インターネットでのプライバシー問題などの対策強化を検討中。一部の提案は国土安全保障省法案の中で既に共和党優先課題として議論中。内容は情報産業を支援するものとなっている。

 

上院と下院は全米科学財団の予算を倍増する「2002年米国未来への投資法案」を合意(2002/11/20号)

上院と下院は、向こう5年間で全米科学財団(NSF)の予算倍増を認可する「2002年米国未来への投資法案(Investing in Americaユs Future Act of 2002):下院第4664号議案」に合意。これにより全米科学財団(NSF)は、議会が歳出予算配分を忠実に実施した場合、2007年度までに98億ドルの予算を獲得する。

 

選挙での共和党圧勝を受け、科学者たちは科学技術政策の将来を憂慮(2002/11/20号)

中間選挙での共和党勝利を受け、科学者達の間で将来の科学技術政策や科学技術予算を憂慮する声があがっている。特に、@クローン生成と胚幹細胞などの問題で、著しい方針変更が予想されること、A共和党が認可予算法案(Appropriations Bill)の決定を遅らせ、研究費の配分が遅れることの2点について心配している。

 

1億ドルの資金調達に成功して開始される「ハプマップ(HapMap)」プロジェクト(2002/11/21号)

国立衛生研究所(National Institute of Health = NIH)が、「ハプマップ (HapMap:ハプロタイプ・マップの略称)」という大規模なゲノム新プロジェクト着手を発表。この3ヵ年プロジェクトの目標は、各種疾病とゲノムの相互関係を明白にすること。プロジェクトに必要な1億ドルの資金は、米国・カナダ・英国・日本・中国およびSNP協会(非営利団体)から成るコンソーシアムが負担する。

 

全米研究委員会の新報告書、NASAは物理科学研究を重視すべしとし波紋(2002/11/21号)

全米研究委員会(NRC)が発表予定の国際宇宙基地(ISS)の研究開発プログラムに関する報告書は、基礎物理学研究をISSの最優先事項にすべきであると結論。先に今年7月に発表されている、Silverレポートが生物学と新材料研究に重点をおいて、基礎物理学を縮小すべきであるという内容と異なることから波紋をもたらしている。

 

ゲノム研究の先駆者2人が共同で、新しい生命体の創出計画を発表(2002/11/22号)

2人の著名な科学者であるDr. J Craig Venter氏(人ゲノム研究の先駆者)とDr. Hamilton Smith氏(ノーベル賞受賞学者)は、新たな生命体を作り出す計画を発表。エネルギー省(DOE)から3年間で3百万ドルの予算を受け、「マイコプラズマジェニタリウム(Mycoplasma genitalium)」という単細胞の微生物から遺伝子を排除し、部分的に人工的な有機細胞体を作成しようというもの。

 

ブッシュ政権、製造技術普及計画(MEP)を支持する意思なし(2002/11/27号)

次期第108議会は上下両院とも共和党主導となるため、ブッシュ政権による製造技術普及計画(Manufacturing Extension Partnership = MEP)予算の大幅削減努力に拍車がかかるものと見られている。ブッシュ政権の2003年度MEP予算要求額は1,300万ドルであるが、2004年度要求はゼロになるものとの予想。

 

対テロ戦略として、連邦政府研究開発イニシアティブに大幅な予算増額(2002/11/27号)

2003年度の軍事研究開発(R&D)費は、冷戦時真最中の国防省研究予算(インフレ調整後)を遥かに越える588億ドル(2002年度予算比18%増)に達する可能性と伝えられる。また、国立衛生研究所(NIH)の予算も260億ドル近くまで増額される見込みで、連邦政府の2003年度R&D予算は総額1,150億ドルになるものと推定。


議会・その他

北極圏野生生物保護区域掘削解禁条項を2004年度財政調整法案に盛り込む計画(2002/11/27号)

上院エネルギー・天然資源委員会の次期委員長となるPete Domenici上院議員(共和党、ニューメキシコ州)は、北極圏野生生物保護区域(ANWR)の掘削解禁条項を2004年度の財政調整法案に盛り込む考えに合意を表明。上院予算委員会の次期委員長であるDon Nickels上院議員(共和党、オクラホマ州)もこの提案を支持している模様、民主党は絶対阻止の構え。


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