NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2002年12月前半分

エネルギー

米国で最も成功したハワイの太陽熱プログラムが中止の危機に直面(2002/12/3号)

米国で最も成功したと言われている、ハワイ州の住宅用太陽温水システム普及プログラムが中止の危機に面している。購入補助や州税額の控除などが2003年半ばに期限を迎えることになっており、プログラムの継続は州の歳入問題となることから、州議会が短期的なコスト面だけで議論を行った場合、プログラムの中止が決定されるかもしれない。

 

エタノール業界がエネルギー法案の検討中止を憂う(2002/12/3号)

エネルギー法案の中において、比較的議論が少なかった再生可能燃料基準( RFS)が、第107回議会中に可決されなかったことはエタノール業界関係者に失望を与え、次期議会でのエネルギー法案が更に良くなるとは考えづらいことから憂慮している。さらに、次期議会でも法案成立の遅延が予測され、業界に悪影響を及ぼす事から、さらに不安が更に募っている。

 

ホンダとトヨタ、カリフォルニア州に燃料電池自動車を納入(2002/12/9号)

ホンダがロサンジェルス市に1台、トヨタがカリフォルニア大学に2台の燃料電池テスト車を納入。更にトヨタがカリフォルニア大学アーバイン校とデービス校に計4台を、ホンダがロサンジェルス市に4台を2003年中にリース提供する予定。今回のリース提供が、燃料電池自動車の商用化に繋がる「第一歩」になるものと期待。

 

エネルギー省、石炭ガス化技術プロジェクトの公募発表(2002/12/10号)

エネルギー省(DOE)が近い将来に導入可能な石炭ガス化技術の研究プロジェクトを募集を発表。同公募の目的は、ガス化技術の商用化を妨げている問題点を解決することで、総額360万ドルが3件から6件のプロジェクトに配分される見通し。

 

コンサルタント会社の調査では、米国中西部電力市場では石炭火力発電が最も有利(2002/12/11号)

あるコンサルタント会社の調査によれば、アメリカ中西部の電力市場においては、天然ガスによる発電は、供給過剰で有利でなくなり、石炭火力発電が最も有利になるという。また、今後10年間は、中西部の電力事業者にとって困難な状況が続くとのこと。

 

連邦裁判所はホワイトハウスのエネルギー政策案資料、開示請求を却下(2002/12/11号)

アメリカ連邦裁判所のJohn D Bates裁判官は、ホワイトハウスのエネルギー法案検討にかかる資料の開示を拒否したことは不当であるとして訴訟を起した会計検査院及び議会の調査グループの訴えを却下。判決理由は、GAOは法律上独立した組織ではないため、連邦裁判所に訴えるのであれば議会の全面的支援が必要とした。

 

エネルギー省、水素を発生する有機体を造るため、ゲノム研究にグラント供与(2002/12/13号)

DOEが、コスト効率的な生物学的エネルギー源を開発するための合成染色体(synthetic chromosome)開発として、総額300万ドルの3ヵ年グラントを発表。バイオ倫理委員会が同プロジェクトを進めてはならない技術的・倫理的・宗教的理由はないという結果を出したことをうけの今回のプロジェクト着手。


環境

カナダの石油産業が、京都議定書批准反対運動を激化(2002/12/3号)

カナダの石油産業が、カナダ議会が正式に京都議定書批准の討議を始めたことによって、抗議活動をさらに強化。しかし情勢は、カナダ首相のJean Chretien率いる自由党(Liberal Party)が議会の過半数を占めていること、さらに多くの世論調査でカナダ国民は京都議定書批准に賛成していることから厳しい状況。

 

エネルギー省が気候変動対策技術のアイデアを募集(2002/12/3号)

エネルギー省(DOE)は、ブッシュ大統領が提唱する国家気候変動対策技術イニシアティブ(National Climate Change Technology Initiative)の参加希望者からのアイデアを募集中。地球温暖化ガスの排出抑制、捕獲、隔離、変換技術などの技術的な課題について調査研究を行うもの又は排出ガスなどのモニタリングや計測手法の向上も対象となる。募集締め切りは2003年1月末。

 

自動車メーカーのクリーン度番付:トップはホンダ(2002/12/9号)

憂慮する科学者同盟(UCS)が、6大自動車メーカーの環境実績を分析した「自動車メーカー番付:環境実績」を発表。クリーン番付のトップは前回同様にホンダ、これにトヨタ、日産、フォード、GMの順で続き、最下位がダイムラー・クライスラー。

 

環境保護庁、ENERGY STARを始めとする自主的気候変動対応計画の成功を報告(2002/12/10号)

環境保護庁(EPA)は自主的気候変動プログラムの成果を報告する年次報告書「世界を変えるパートナーシップ:ENERGY STARとその他自主的プログラム (Partnerships Changing the World: ENERGY STAR and Other Voluntary Programs)」を発表。この中で、各プログラムの成果と今後の計画を記述している。

 

国連環境計画がオゾン保護のために途上国に5億7300万ドルの資金提供を決定(2002/12/11号)

国連環境計画(UNEP)は、ローマで開催されたオゾン問題に関する会合で、開発途上国におけるオゾン破壊ガス削減事業を支援するために5億7300万ドルの資金提供を行うことを決定。これにより途上国におけるCFCガスの生産及び消費を2005年までに半減するという。

 

商務省、気候変動科学プログラムに関するワークショップを開催(2002/12/12号)

商務省は12月3日〜5日、ブッシュ政権が新たに提案した気候変動科学プログラム(CCSP)の草案に対する科学界の評価を聞くためのワークショップをワシントンDCで開催。CCSP局長に予定されているJames Mahoney博士やDOE長官、EPA長官のほか多数の科学者や利害関係者が出席、新提案を分析・評価し、問題点を指摘。

 

カナダの下院議会、京都議定書を圧倒的多数で承認(2002/12/12号)

州政府や一部カナダ産業界から反対にも拘わらず、カナダの下院は京都議定書を197対77の圧倒的多数で承認。カナダでは、国際条約の批准に上院と下院の承認は不要であるが、Chretien首相は、カナダ国民に同条約の正当性を納得させるため、議会承認の後に内閣で決定するという。

 

欧州連合の環境大臣、国際排出権取引市場の形成計画で合意(2002/12/12号)

欧州連合(EU)の環境大臣等が、国際的温暖化ガス排出権取引市場の設立計画を承認。排出権取引システムでは、2005年からEUメンバー諸国間での排出権取引を認め、自国の削減割当を達成出来なかった場合は厳しい罰金を科すというもの。なお、2008年までは自主参加で、2008年以降はEU全諸国に義務づけられる。

 

スタンフォード大学の研究者が二酸化炭素濃度が植物の成長を阻害すると発表(2002/12/12号)

スタンフォード大学は、3ヵ年調査研究により、大気中の二酸化炭素(CO2)濃度上昇に、@気温上昇;A降雨量増加;B土中の窒素濃度上昇という条件を組み合わせると、植物の成長が妨げられることが明らかになったことを発表。

 

米航空宇宙局、自動車の排ガスを削減するレーザー技術を開発(2002/12/13号)

米航空宇宙局(NASA)は、ラングリー研究センターで開発したレーザー技術が自動車の排ガス削減装置として近々導入される可能性があると発表。NASAの技術商用化計画は既に、ニューヨーク州ロチェスターにあるAirflow触媒システム社と、独占ライセンスを締結しており、低温酸化触媒を1年以内に、市場化する計画であるという。

 

米国化学産業界、自主的な温暖化ガス排出削減協定でホワイトハウスと合意(2002/12/13号)

米国の主要化学会社とホワイトハウスが、2012年までに、生産量1ポンドに対する温暖化ガス排出量を1990年レベル比18%減に削減するという自主協定で合意。ホワイトハウスでは、温暖化ガス集約度の18%削減というブッシュ大統領の気候変動イニシアティブの一環として、産業界にコミットメントを求めて働きかけているが、今回の化学業界との合意はその一つとなる。


サイエンス・テクノロジー

商務省が、エネルギー省の技術移転促進に対する事業を称賛(2002/12/3号)

商務省(DOC)は、 “国立研究所の技術移転に関する取組み概要(Summary Report on Federal Laboratory Technology Transfer Agency Approaches)”の中で、エネルギー省(DOE)が行った技術移転事業に対する取り組みを称賛。同報告書は、技術移転に関し各政府機関から提出されたデータを取りまとめているが、DOEは、技術移転情報の標準化を図り、統一的な形にすることを進めているという。

 

国立技術移転センターが連邦政府機関の技術移転促進キャンペーンを準備(2002/12/11号)

国立技術移転センター(NTTC)のJoseph Allen長官は、NASA、退役軍人省(VA)、環境保護庁(EPA)の技術移転を積極的に展開するための新たなキャンペーンとして、「当該技術がどれだけ製品開発に役立つのか」「投資によりどれだけの利益が得られるのか」について、評価を行うこととした。

 

米国と欧州の技術移転の成果を検証(2002/12/11号)

ドイツのMarshall Fundが資金を提供し、米国と欧州が共同で技術移転プロジェクトの成果を検証するプロジェクトが実施中。対象は、米国はテキサス州にあるNASAの研究所など計3ヶ所 と、欧州は、ドイツのTechnologies-Transfer-Zentralなど計4ヶ箇所。2003年の1月末までには、レポートがまとめられる予定。

 

観測衛生3基の打上げに備える米航空宇宙局(2002/12/13号)

米航空宇宙局(NASA)では、地球に対する理解を深めると同時に、宇宙の他の生命を捜すため、3基の観測衛星を打ち上げる予定。氷・雲・大地の測定を行うICESat、海洋上の風向と風速をモニターするSeaWinds、太陽系や銀河の形成に関する情報を収集するCHIPSの3基。同プロジェクトは、日本宇宙開発事業団 (NASDA) との共同ミッションで、SeaWindsはNASDAの環境観測技術衛星に搭載される。


議会・その他

民主党の大統領候補John Kerry上院議員が再生可能エネルギーの推進を宣言(2002/12/9号)

2004年大統領選挙に向け、民主党大統領候補予備選への出馬を表明しているJohn Kerry上院議員(民主党、マサチューセッツ州)は、ブッシュ政権による再生可能エネルギー推進の努力が不十分であることを批判し、自分が大統領になった暁には、再生可能エネルギー計画を進めていく意向であると宣言。

 

環境保護団体、自動車の排ガス規制で環境保護庁を告訴(2002/12/10号)

シエラ・クラブ、国際技術評価センター、グリーンピースが、ワシントンDCの連邦地方裁判所に、「二酸化炭素も含めた温暖化ガスを汚染物質として取り扱うことを求めた請願にEPAが回答しなかったことは、法律違反。」としてEPAを提訴。目的は自動車の排ガスが気候変動の一因であることをブッシュ政権に認識させること。

 

EPAの主席補佐官辞職で、Whitman長官も辞職の憶測が流れる(2002/12/11号)

環境保護庁(EPA)のEileen McGinnis主席補佐官が、2002年末をもって辞職することとなり、同時にWhitman長官自身もホワイトハウスのポストに納まり、辞任するのではないかという噂がでている。なお、後任の主席補佐官には、Tom Gibson(現、経済・政策・革新局次長が就任する予定。 

 

米国とチリ、自由貿易協定に合意(2002/12/13号)

米国とチリが12月11日、南北アメリカ全諸国間の包括的合意の先ぶれとも言える、自由貿易協定に合意。両国間で取引される製品の85%に対する関税が撤廃され、残りの15%も向こう10年間で徐々に廃止されていくことになる。同協定ではまた、知的所有権基準に関する新規定、および、投資の規定も設定している。


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