NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2002年9月前半分

エネルギー

エネルギー省、州政府への省エネルギー技術振興プロジェクトの採択を発表(2002/9/4)

エネルギー省(DOE)、産業技術発展のための州政府エネルギー効率・再生可能エネルギーイニシアティブの一環として米国25州のプロジェクトに300万ドルを授与すると発表。国内主要産業の90%を占める農業・アルミニウム・石油・化学・林産物・ガラス・鋼鉄・鉱業・鋳造といった9主要産業が中心。

 

米州間石油ガス協定委員会、石油・天然ガスR&Dの連邦政府支出の減少を批判(2002/9/6)

米州間石油ガス協定委員会の「米国エネルギーの未来に出資するのは誰か?」、エネルギー消費の増加を考慮した場合、石油とガスのR&D支出が必要レベルを下回っていると主張。米国議会の2003年度R&D予算を遥かに下回るブッシュ政権のDOE化石エネルギー部予算を批判。

 

自動車メーカー同盟、上院エネルギー法案の企業平均燃費条項支持を再考か?(2002/9/6)

自動車メーカー同盟(AAM)、今年4月に上院本会議で可決された際には上院エネルギー法案(上院第517号議案) に盛り込まれた企業平均燃費(CAFE)に関する条項を支持していたが、この支持を再考する見通し。同法案の第802項に明示された議会自らがCAFE基準を設定できる「特別処理プロセス」に懸念を表明。

 

ウィスコンシン大学、低温でグルコースから水素を発生させるプロセスを開発(2002/9/6)

ウィスコンシン大学の研究チーム、華氏440度という低温でグルコースから水素を発生させるプロセスを開発。白金をベースとした触媒で生じる科学反応は、水の気化が必要なため在来型の方法よりもかなりの省エネが可能。

 

再生可能エネルギー使用基準論争、立法化間近のカリフォルニア州を後目に激化(2002/9/10)

カリフォルニア州議会、同州民間電力会社3社に対して、同州小売レベル消費者への販売総電力に占める再生可能資源電力の割合を2010年までに20%まで引上げることを義務付ける法案を可決。ホワイトハウスや電力会社等は電力業界の負担を考慮し国家レベルの再生可能エネルギー使用基準(RPS)に反対。

 

RAND社、太平洋北西部州の電力ニーズを再生可能資源で賄うことは可能と指摘(2002/9/10)

RAND Corp社の研究報告、ワシントン州・オレゴン州・アイダホ州・モンタナ州の人口増加で必要となる新電力ニーズは再生可能資源で賄えると指摘。2010年までに22%まで拡大すると予想される同4州の天然ガス発電の代わりに、将来の新設発電容量の20%をソーラーや風力で賄う努力を行うよう勧告。

 

DOEは太陽集光発電(CSP)の研究を縮小、太陽利用産業は議会に協力を求める(2002/9/11)

DOEは、2月にCSP研究開発予算の削減を決定。主な理由は、競争力が低く、発電コストの削減も難しいとのこと。但し、連邦政府や州政府からの大幅なインセンティブがあれば建設が可能との見解も示し、太陽利用産業はコスト削減試算や費用対効果のデータを示し、CSPの支援を議会に求める意向。

 

電力研究所、クリーンコール技術R&Dへの投資は大きな利益を生むと報告(2002/9/12)

電力研究所は、「米国電力部門における石炭火力発電と石炭R&Dの市場ベース評価」、という報告書の中で、先端石炭技術R&Dへ50億ドルから60億ドルの投資を行うことで、2007年~2050年の間に3,000億ドルから1兆3,000億ドルの利益が生まれる可能性があると報告。

 

北米燃料電池企業と憂慮する科学者同盟、燃料電池と水素に関する報告書を提出(2002/9/13)

北米燃料電池企業26社の連合と憂慮する科学者同盟、ブレークスルー技術研究所作成の報告書「燃料電池と水素:未来の方針」を議会とブッシュ政権に提出。自動車や発電用燃料電池の完全市場化のために産官でコストを分担する10ヵ年包括戦略を詳細に説明。

 

米国税務局、ホンダのハイブリッド車を2,000ドルの連邦税控除対象として承認(2002/9/13)

米国税務局(IRS)は、2001年・2002年・2003年型ホンダInsightと2003年型ホンダCivicハイブリッド車の所有者に2,000ドルの連邦税控除を承認。所有者は購入年の税申告でこの税控除を申請する資格を持つが、2001年型Insight車の購入者は確定申告修正を新たに提出することで控除の受領可能。


環境

環境保護団体2社、二酸化炭素排出削減に関する新アプローチの検討に合意(2002/9/3)

環境保護団体2社、Carper上院議員(民主党、デラウェア州)提案の二酸化炭素排出規制に関する新アプローチ「発電実績基準(GPS)メカニズム」を上下両院の議員の間で回覧させることに合意。汚染者負担原理に基付いたJeffords法案とは異なり、化石燃料使用発電所に発電量1MW毎の二酸化炭素クレジットを授与。

 

フォード自動車、電気自動車計画の中止を決定(2002/9/4)

フォード社、予想外の販売不振で電気自動車計画の中止を決定。2001年は54.5億ドルの赤字を記録。今後は燃料効率化や排出削減に集中し、ハイブリッド車や燃料電池自動車といった広範な市場対応型技術に注目する予定。

 

ロシア政府、京都議定書批准を表明:Powell国務長官は米国の立場を擁護(2002/9/5)

ロシア政府、ヨハネスブルグサミットの各国首脳会議で京都議定書に批准する意向を表明。これによって議定書発効に必要な世界温暖化ガス総排出量の55%が達成可能。一方、米国代表のPowell国務長官が気候変動に関するブッシュ政策を擁護した際、環境保護者等は激しく非難。

 

EPAが作成中の新報告書、ディーゼル排出と肺癌・呼吸器疾患の関連を明白化(2002/9/5)

EPA、ディーゼル・エンジンの排出と肺癌・その他呼吸器疾患の関連を長期徹底研究した衛生査定報告書の発表を準備中。動物と人間を対象とした実験データに基付く今日の詳細報告書がディーゼル基準強化努力に拍車をかけることに期待。

 

米国公益研究団体、ディーゼル排出権取引の反対根拠にEPA報告書の結果を活用(2002/9/6)

米国公益研究団体(USPIRG)、EPAのディーゼル排出と肺癌の関連を示す報告書をブッシュ政権のオフロード・ディーゼル・エンジン規制策定計画に含まれたオンロード車とオフロード車の排出権取引計画への反対議論に利用。

 

テキサス州のCO2排出量は、発展途上国119カ国分の合計より多い(2002/9/11)

非営利団体NET(National Environmental Trust)は、米国各州と発展途上国が排出する地球温暖化ガスを比較。テキサス州のCO2排出量は、119カ国の発展途上国の合計より多く、住人1人あたりの排出量は47倍。全米各州のCO2排出量トップ7の州は、テキサス、カリフォルニア、オハイオ、ペンシルベニア、フロリダ、インディアナ、イリノイ。


サイエンス・テクノロジー

NSET、国家ナノテク・イニシアチィブの新報告書を発表(2002/9/5)

国家科学技術会議のナノスケール科学工学技術小委員会(NSET)の「国家ナノテクノロジー・イニシアティブ(NNI):先導策と実施計画」、ブッシュ政権が確認した2003年度の研究優先分野を概説。また、NNIプログラムの進歩状況に関する情報・NNI参加省庁のナノテク活動包括リストも掲載。

 

DOEの年次報告書、同省傘下国立研究所の技術移転は2001年度も成功と発表(2002/9/5)

未発表のDOE報告書「国立研究所とその他エネルギー省施設の技術連携活動に関する年次報告書」、DOE傘下国立研究所における技術移転は2001年度も成功であったと発表。発明ライセンス・その他知的所有権ライセンス・パテント・共同研究開発協定による2,140万ドルの収入を報告。

 

パシフィック・ノースウエスト国立研究所、北西地域エネルギー技術計画を結成(2002/9/6)

DOE傘下のパシフィック・ノースウエスト国立研究所、ボネビル電力事業部・スポケーン大学連合技術所・ワシントン技術センター・Avista 社と共に北西地域エネルギー技術協力(NWETC)を結成。米太平洋北西地域におけるエネルギー産業技術の成長に、向こう5年間で研究支援・財政支援を行う予定。

 

大統領の科学技術諮問委員会、研究開発の優先事項を大統領に答申(2002/9/10)

大統領の科学技術諮問委員会(PCAST)、大統領宛ての書簡で生物学・生命科学R&D予算の増額のために物理科学工学が犠牲にされてきたことを指摘し、物理科学工学分野R&Dへの公共投資増額の必要性を強調。

 

オークリッジ国立研究所と米国東南部州の大学を繋ぐ新高速ネットワークが完成(2002/9/10)

DOE、先端コンピューティングによる科学的発見イニシアティブの一環として同省傘下のオークリッジ国立研究所と米南東部州の大学を結ぶコンピューター新高速ネットワークを完成。DODの既存ESnetを多数の有名大学が使用する「Internet2」と連結。スピードは家庭用最高速インターネットの20万倍。

 

HP社が最新コンピュータチップ製造技術を公開(2002/9/11)

HP社は、分子レベルでの回路作成が可能な「ナノリソグラフィ技術」を公開。プラチナのワイヤーを用いる方式で、1cm2 当たりで1兆ビットの記憶容量を持つチップの製造が可能。研究成果はDARPAが2004年までに開発を進めているメガチッププロジェクトの一部。

 

商務省、1999年度~2000年度の連邦政府研究所における技術移転活動結果を発表(2002/9/13)

商務省(DOC)の技術政策局(OTP)が発表した「連邦政府研究所の技術移転動向:1999年度~2000年度の隔年報告」、1990年度~2000年度の技術移転活動の大半は国立衛生研究所(NIH)・DOE・国防省によるもので、発明によるロイヤリティ収入獲得のトップはNIH、第2位はDOEであったと報告。


議会・その他

米国とEU、環境・開発に対する取組みの相違で衝突(2002/9/3)

米国とEUの資源保全・開発・環境保護に対する取組み、ヨハネスブルグサミットにおいて相違が明白化。EUは大気汚染・水質汚染の抑制や再生可能エネルギー開発のための具体的な達成目標や期限の設定を奨励。一方、米国は開発や環境保護において産業・政府・社会の自発的パートナーシップを重視。

 

環境保護者・途上国・欧州代表等、ヨハネスブルグサミットで米国を非難(2002/9/4)

環境保護者・途上国・EU代表等、米国の持続的発展に対するコミットメントに失望。米国は水産資源の確保・下水設備の創設・絶滅の危機にある植物・動物の保護などでは具体的な数値目標や達成期限を認めたが、EU主張の2015年までに世界エネルギーの15%を再生可能エネルギーで賄う合意を拒否。

 

行政管理予算局、2004年度予算策定過程の業績評価対象プログラムを発表(2002/9/5)

行政管理予算局(OMB)、ブッシュ政権の2004年度予算策定課程の一環として業績評価を受ける250件の連邦プログラム(予算総額の約24%:4,800億ドルに相当)のリスト原稿を発表。プログラム評価基準の一貫性・客観性・信頼度・透明度を向上させるためプログラム評価採点ツールを策定。

 

OMB、国土安全省に取り込まれる7部局の情報技術計画投資に一時停止命令(2002/9/5)

OMB、新設される国土安全省(DHS)に取込まれる予定の連邦緊急時管理局・移民局・沿岸警備隊・農務省・財務省秘密検察部・運輸保全局・税関の7部局に総額10億ドルを越えるIT関連新プロジェクトの一時停止を命令。新規契約に関しては新設される国土安全局投資査定グループの承認を要求。

 

上院歳出委員会、産業技術計画に大統領予算を上回る予算を計上(2002/9/10)

上院歳出委員会、全米科学財団(NSF)予算・国防省予算・国立標準規格技術研究所(NIST)予算・DOEの科学技術予算・米航空宇宙局(NASA)予算を含む産業技術R&Dの増強を目的とする2003年度歳出法案を、大統領予算を上回る予算を計上して可決。

 

会計検査院、特許商標局と中小企業庁に米国小企業の海外特許入手支援を要請(2002/9/10)

会計検査院(GAO)、米国特許商標局(USPTO)と中小企業庁(SBA)に対して米国小企業による海外特許の入手支援のために@特許規定と特許システムの国際的な調整;A海外特許プロセスや海外特許法の主要事項に関する情報を小企業に提供するよう要請。

 

上院環境・公共事業のSmith上院議員、対抗馬のSununu下院議員に敗北(2002/9/12)

上院環境・公共事業(EPW)委員会の共和党最上級メンバーであるRobert Smith上院議員(ニューハンプシャー州)、ニューハンプシャー州予備選挙において対抗馬のJohn Sununu下院議員(共和党)に敗北。Sununu議員は同州代表の上院議席を狙い、11月の選挙でJean Shaheen同州知事(民主党)との対決を予定。

 

上院の厚生・教育・労働・年金委員会、全米科学財団予算倍増法案を可決(2002/9/13)

上院の厚生・教育・労働・年金委員会は、2003年度〜2007年度の5年間で全米科学財団(NSF)の予算を倍増して総額376億ドルを計上する「全米科学財団予算倍増法案(上院第2817号議案)」を可決。下院本会議も、向こう3ヵ年でNSF予算を大幅増額する下院第4664号議案を既に圧倒的多数で可決。


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