NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2003年1月前半分

エネルギー

ニューメキシコ州公益電力会社を対象とした再生可能エネルギー使用基準を制定(2003/1/9)

ニューメキシコ州公益規制委員会(New Mexico Public Regulation Commission)が、公益電力会社の再生可能エネルギー資源利用率を2006年までに最低5%、その後年率1%づつ引き上げて2011年までに10%にするという再生可能エネルギー使用基準(renewable portolio standard = RPS)を承認。

 

フォード自動車、水素燃料内熱機関を搭載したSUVコンセプト・カーを発表(2003/1/9)

フォード自動車が、水素燃料を使用する新型スポーツ多目的車(SUV)のコンセプト・カーを発表。「モデルU」と呼ばれ、燃料電池の代わりに、水素を燃料として使用する2.3リットル・4シリンダーの内熱機関とハイブリッド型電気変速装置を搭載。他にも、トウモロコシ・ベースから作ったマットや屋根用カンバスなど革新的で環境に優しい要素も取り入れられている。

 

下院科学委員会、昨年合意に至ったエネルギー研究開発法案を再提案(2003/1/10)

下院科学委員会のSherwook Boehlert委員長(共和党、ニューヨーク州)と同委員会の主要メンバーであるRalph Hall議員(民主党、テキサス州)は、昨年のエネルギー法案における上下両院協議会で合意に至ったエネルギー研究開発法案(下院第238号議案)を再提案した。

 

炭素樹脂製のドリルパイプ、実地試験を難なく合格(2003/1/14)

国立エネルギー技術研究所(NETL)は、炭素樹脂で造ったドリルパイプの実地試験を成功裏に終えた。ACPT社製の直径2.5インチのドリルパイプは、軽量で、在来型ドリルパイプの半分以下の重さであるほか、しなやかで曲げることが可能であり、探査が困難な水平油井へのアクセスを可能にすることやコスト削減の面でも有用であると期待。

 

ホワイトハウスに新たな太陽電池発電システムと太陽熱温水システムが導入(2003/1/15)

ホワイトハウスは、新たに9KWの太陽電池発電システムと2つの太陽熱温水システムを導入し、ホワイトハウス関連施設に電気と温水を供給。最初にホワイトハウスに太陽エネルギー利用システムが導入されたのは、ジミー・カーター大統領の時代。


環境

環境保護庁と行政管理予算局、オフロード・ディーゼル車の排出削減新規定を草案中(2003/1/7)

環境保護庁(EPA)と行政管理予算局(OMB)は、「オフロード」ディーゼル車(トラクターやブルドーザー等)の放出する汚染物質排出量を2008年から大幅に削減するという新規定を草稿中。2003年春に発表予定で、トラクター・ブルド−ザー・フォークリフト・空港サービス車両といった約100万台の「オフロード車」に影響を与えることになるという。

 

カナダ政府、厳格な自動車排出基準の導入を発表(2003/1/7)

カナダのDavid Anderson環境大臣は、現在よりも厳格な自動車の排出基準を2004年1月1日から導入する意向であると発表。新基準の対象は2004年型車から2010年型車で、同規定により、2020年までに @窒素酸化物の72%削減;A粒状物質の64%削減;B一酸化炭素の23%削減;C揮発性有機物質の14%削減が達成されるものと期待。

 

新排出源評価(NSR)に抜け道ありと環境保護団体が指摘(2003/1/8)

環境保護団体のEnvironmental Integrity Project (EIP)は、環境保護庁(EPA)が発表した新排出源評価(New Source Review =NSR)の改定内容について、規定が厳しくなっても汚染者らが基準となるベースライン見積りを高くすることができてしまい、多くの企業がNSR基準から逃れられると指摘。

 

ローレンスリバモア国立研究所、圏界面の上昇は地球温暖化が原因と発表(2003/1/8)

ローレンスリバモア国立研究所(LLNL)の研究者達は、地球温暖化が圏界面(対流圏と成層圏の境界)を上昇させる原因になっていると発表。圏界面の高さを測定することにより、気候変動およびオゾン層の減少過程を判断できると報告。

 

環境保護庁(EPA)がオフロード車両に関する基準が「緩い」として訴えられる(2003/1/8)

環境保護団体であるEnvironmental Defenseとthe Blue Water Networkは、EPAが制定したオフロード車両に関する基準が不当に緩いものとして、連邦裁判所に訴えを起こした。訴えによると、スノーモービルなどでは、既にメーカーが達成している削減基準より低い基準に設定しており、基準設定が誤っているという。

 

米国北東部諸州の司法長官、NSR改訂に反対しブッシュ政権を告訴(2003/1/9)

クリーンエア法(CAA)の新排出源査定(NSR)に対する改訂条項は2002年12月31日、正式規定となったが、この数時間後に、米国北東部9州(ニューヨーク・コネチカット・メイン・メリーランド・マサチューセッツ・ニューハンプシャー・ニュージャージー・ロードアイランド・バーモント)の司法長官達は、ブッシュ政権とNSR改訂に対する訴状をコロンビア特別区の控訴院に提出。

 

積極的な気候変動対策を求めて、上院議会の公聴会が開催される(2003/1/10)

上院議会の商業・科学・運輸委員会は、同委員長のJohn McCain上院議員(共和党、アリゾナ州)やJoseph Lieberman上院議員(民主党、コネチカット州)によって提案される予定の気候変動対策の法案について議論を行うため、2003年最初の気候変動対策に関する公聴会を開催。

 

地球温暖化現象が生物相へ悪影響を与えるという調査結果が根拠不足として批判(2003/1/10)

2つの新たな調査研究が、地球温暖化現象が生物相に悪影響を与えているとの報告を出したが、経済学者達は、これまでの調査研究と同じように気候変動が生物相に悪影響を及ぼしているという十分な証拠が示されておらず、先入観に基づいた調査結果だとして激しく批判しているという。

 

特定の汚染物質を除去する化学物質の濃度が予想より高いとの調査結果が発表(2003/1/10)

オランダの海洋・大気研究所による調査の結果によると、大気中の一酸化炭素やメタンを減少させる水酸基の濃度レベルは、安定したレベルだという。これは、昨年発表された1990年以降、水酸基が急激に減少したという研究結果を否定するものであり、さらに地球温暖化ガスの削減に影響を与えることから重大な事項。

 

第108回議会における大統領府の環境政策の対応方針(2003/1/13)

2003年1月から新たに第108回議会が開催されるが、この議会においるブッシュ政権の環境政策対応方針は、@クリアスカイ・イニシアティブの可決、A環境保護庁(EPA)の省レベルへの格上げ、B山林火災危険防止に関連する法案の可決について努力すること。

 

EPAが新たな温暖化防止対策として、貨物運搬事業の効率化プログラムを検討(2003/1/13)

環境保護庁(EPA)は、新たな地球温暖化防止対策として、地球温暖化ガスの排出削減を図るため、トラック事業者や鉄道事業者にエネルギー効率化技術の導入・実践を勧めるための自主的なプログラム「スマート・ウェイ」の準備を進めている。

 

気候変動コストモデルは不十分で、米国は温暖化対策の選択を誤っていると指摘(2003/1/13)

持続可能なエネルギーに関する国際プロジェクト(IPSEP)のFlorentin Krause局長は、米国の公正な気候問題解決を考える会(AECS)主催の会合の中で、米国の京都議定書及び二酸化炭素排出削減に対する見解は、間違ったデータや不完全な予測モデルに基づくものであり、米国に損失を与え、米国の先端技術での優位性を失うとともに、発展途上国の温暖化対策を減速させる結果になると指摘。

 

温暖化ガス排出削減義務化法案の上院公聴会により、地球温暖化問題の議論が再熱(2003/1/14)

John McCain上院議員(共和党)とJoseph Lieberman上院議員(民主党)が、温暖化ガス排出削減を義務化する気候変動法案の提出予定を発表してから一週間、先週の上院商業・科学・運輸委員会での公聴会以後、ブッシュ大統領の地球気候変動政策に厳しい批判が寄せられている。しかし、ブッシュ政権は自主削減に基づく慎重な政策が適切な行動方針であるという見解を維持。

 

DOEが、クリーンコールイニシアティブとして新たに2件のプロジェクトを採択(2003/1/15)

エネルギー省(DOE)は、ブッシュ政権が推進するクリーンコールイニシアティブの新たなプロジェクトとして、ウエストバージニア州のくず炭(Waste Coal)を使ったコプロダクションプラントの開発・実証事業に1億700万ドル、ミシガン州の低コスト型公害防止装置の実証試験に2500万ドル、合計で2件、1億3200万ドルの採択を決定。

 

EPAの2003年度執行予算が減額の危機に曝されている(2003/1/15)

EPAの2003年度執行予算については、2002年度の執行予算より大幅に増額されるということで、昨年の11月に既に上院及び下院の委員会で決定されているが、イラク戦争が差し迫っている状況や国土安全保障経費の上乗せなどにより、多くの予算が厳しい状況におかれており、削減の危機に曝されている。

 

気候変動対策の強化を目指すリーバーマン議員、マッケイン議員に思わぬ障害(2003/1/15)

John McCain上院議員(共和党、アリゾナ州) とJoseph Lieberman上院議員(民主党、コネチカット州) は、地球温暖化ガスの排出規制法の制定を目指しており、上院の商業・科学・運輸委員会に法案が提出することとなっていたが、環境・公共事業委員会委員長James Inhofe上院議員(共和党、オクラホマ州)が、準備されている法案は、同委員会の権限範囲であるとして提案を阻止。


サイエンス・テクノロジー

ブッシュ大統領、全米科学財団(NSF)の予算倍増法を承認(2003/1/7)

向こう5年間で全米科学財団(NSF)の予算を倍増するという2002年全米科学財団認可法案(National Science Foundation Authorization Act of 2002:下院第4664号議案)は先頃、ブッシュ大統領の署名を受け、法令として成立。

 

緊縮予算のため、予算増額率の縮減が予想される国立衛生研究所(2003/1/7)

大幅な予算増額を享受してきた国立衛生研究所(NIH)が、倍増計画の最終年度である2003年度予算として議会が270億ドルを承認するか否か、更には、2004年度のNIH予算の行方を危ぶむ声が上がっている。これは、国土安全省・国防予算・大型減税という大統領の優先事項、および、景気停滞によって、国内プログラムは引き締められる傾向にあるため。

 

景気回復や国家安全のためには、製造業支援が必要(2003/1/8)

議会や全米科学アカデミーは、アメリカ経済の景気回復や国家安全の維持のためには、製造業にもっと注目すべきとして「製造業タスクフォース」や「製造・エンジニアリング検討委員会」で議論を行っており、今後の政策論議の中心になることが予測される。

 

スタンフォード大学で幹細胞を使った癌治療の研究などを行う新たな研究所が設立(2003/1/8)

スタンフォード大学は、幹細胞を使った癌治療や糖尿病やパーキンソン病などの治療方法の研究を行う新たな研究所を設立すると発表。スタンフォード大学では1億ドルの資金を集めてこの研究を成功させ、大学における学際的研究のプロトタイプとしたい考え。

 

全米科学財団、環境研究に関する将来プランを提示した報告書を発表(2003/1/9)

全米科学財団(NSF)の環境研究・教育諮問委員会が、向こう10年間の米国環境研究開発に対する一連の提言を盛り込んだ報告書を発表。現行の科学分野別という研究や教育枠組みを超えた学際的アプローチが要求されていると指摘し、この為には長期的な財政支援が必要であると勧告。更に、産官学パートナーシップの増設や環境研究成果の社会還元等も提言している。

 

民間企業では、国立研究機関との共同研究への関心が強まる(2003/1/13)

産業研究所(IRI)のRoss Armbrecht所長は、IRIが行った調査結果が、民間企業が国立研究機関との共同研究にいっそう強く関心を示していることについて、特段驚いていないとコメントし、さらに、企業は国立研究機関との共同研究が非常に価値が高いことから、今後も共同事業を模索していくであろうと指摘。

 

カリフォルニアが最も研究開発費を支出、また全米の研究開発費は6つの州に集中(2003/1/13)

全米科学財団(NSF)が行った調査によると、全米の研究開発費の2分の1以上が6つの州に集中しており、さらに上位20州の研究開発費を合計すると全米の研究開発費2650億ドルの87%に達するという。また、下位20州の合計は、全体のたった4%。

 

米国特許商標局、2002年の特許獲得第一位はIBMと報告(2003/1/14)

米国特許商標局(U.S Patent and Trademark Office)は、2002年の特許リストを発表。第一位は、3,288件の特許を獲得したIBMで、同社は10年連続での一位保持となった。第二位は1,893件獲得のCanon、第三位は1833件のMicron Technologyで、これに1821件のNEC、そして1602件のHitachiが続いている。

 

全米州知事協会、小規模製造業者への支援継続を連邦議会に要請(2003/1/14)

全米州知事協会(NGA)は、上下両院の歳出委員会商務省担当小委員会の指導者に、2003年度予算で製造技術普及計画(Manufacturing Extension Partnership = MEP)を救うよう働きかけている。経済難の現在、MEPは小規模製造業者にとってこれまで以上に重要であり、また、連邦政府もMEPの恩恵を受けていると指摘している。


議会・その他

エネルギー省が「統合管理ナビゲーション・システム」を発表(2003/1/10)

エネルギー省(DOE)は、各部門における全データのリアルタイム利用をDOEの各管理者に提供する「統合管理ナビゲーション・システム(Integrated Management Navigation System = I-MANAGE)」を発表。DOEはこれにより、財政管理の簡素化および情報技術(IT)経費の重複削減を行うことでコストを大幅削減する予定である。

 

西部諸州出身の上院議員、上院環境・公共事業委員会の共和党席をほぼ独占(2003/1/14)

前議会(第107議会)では東部諸州出身議員が殆どであった上院環境・公共事業委員会の共和党メンバーが、大幅に入れ替わり、同委員会の共和党席は西部出身の上院議員で殆ど占められおり、環境保護団体の活動家達は、環境保護的イニシアティブの審議を初期段階で妨害する可能性があるほか、ブッシュ政権に現行環境法令緩和の余地を認めてしまう可能性があると批判。


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