NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2003年10月前半分

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

10月1日号

発表された包括エネルギー法案に関する第二草稿

Pete Domenici上院議員と下院エネルギー商業委員会のBilly Tauzin委員長(共和党、ルイジアナ州)、包括エネルギー法案の第二草稿を発表。民主党協議会メンバーが提案したクリーンコール、地熱、石油・天然ガス、水力発電関連等の些細な改正が幾つか盛り込まれたものの、燃費や再生可能エネルギー等の大物条項は含まれず。(Environment and Energy Daily, September 24, 2003)

全米科学財団、Extensible Terascale Facility計画推進に1,000万ドルのグラントを授与

全米科学財団(National Science Foundation)、地球最高速の研究ネットワーク構築を目的として2001年に開始された「Extensible Terascale Facility (拡張可能なテラスケール・ファシリティー = ETF)」の能力を、コンピューティング資源・科学機器・データ収集によって強化するために、インディアナ大学・Purdue 大学・テキサス大学・オークリッジ国立研究所に総額1,000万ドルのグラントを給付すると発表。(NSF, September 29, 2003)


10月2日号

シカゴ気候取引所、競売を通じた初の二酸化炭素排出権取引により事業を正式開始

シカゴ気候取引所(Chicago Climate Exchange = CCX)、二酸化炭素換算12万5,000トン相当の排出権について初の競売を行い、正式に事業を開始。2003年基準排出権として10万トン相当がトン当たり98セント、残りの2万5,000トン相当が2005年基準排出権としてトン当たり84セントで取引が成立。(DOE, September 30, 2003)

国立衛生研究所、「医学研究ロードマップ」を発表

国立衛生研究所(National Institutes for Health= NIH)、産官協力の増進および患者に対する新医療技術の迅速な提供を目的とした新生物科学研究イニシアティブ「医学研究ロードマップ(road map for medical research)」を発表。既存のNIH予算から向こう5年間で総額21億ドルが投入される見込み。(New York Times, October 1, 2003)

カリフォルニア大学バークレー校、3次元プリンタのプロトタイプを完成

カリフォルニア大学バークレー校、「サンタクロース・マシーン(Santa Claus machine)」と呼ばれる将来的に電子部品の印刷を可能にする3次元プリンタのプロトタイプを完成。同プリンタは実験段階であるものの、NASAは長期宇宙ミッションで予備部品のプリントが可能になるとして、既に関心を表明。(CNN.com, September 29, 2003)

Eva Harris博士、途上国向けに新バイオテクノロジーの安価な複製方法を研究中

カリフォルニア大学バークレー校のEva Harris助教授、バイオテクノロジー分野における新発見を、途上国の公衆衛生従事者等のために安価な方法で複製する技術を研究中。この複製方法は特許保護のない途上国における公共事業支援として利用されているため、米国の知的財産法には違反しないと言及。(New York Times, September 30, 2003)

民主党議員等、EPA次期長官承認に関する委員会採決を拒否

上院環境公共事業委員会におけるEPA次期長官の承認に関する委員会採決、民主党議員等による審議拒否の為に延期。同委員会のJames Inhofe委員長(共和党、オクラホマ州)は、同採決を2003年10月14日に変更すると発表。(Greenwire, October 1, 2003)


10月3日号

DOE、「SECA固体型エネルギー計画第2フェーズ」グラント受領計画を発表

エネルギー省(DOE)、燃料電池利用に関する問題の解決を目的とした「SECA固体型エネルギー計画(Solid State Energy Conversion Alliance Core Technology Program)第2フェーズ」でグラントを受領する10本のプロジェクトを発表。キロワット(kW)当たり400ドルという燃料電池設備コストを達成するために、DOEが約420万ドル、その他参加機関が約120億ドルを拠出する予定。(DOE, September 17, 2003)

ローレンスリバモア国立研究所、「人類起源の二酸化炭素と海洋酸性度」を発表

エネルギー省(DOE)傘下のローレンスリバモア国立研究所が発表した新報告書「人類起源の二酸化炭素と海洋酸性度 (Anthropogenic CO2 and Ocean pH)」、向こう数世紀における二酸化炭素の排出が、過去3億年における排出よりも早い速度で海洋の酸性度を増大する可能性があり、ひいては、海洋生物に深刻な影響を与えることになると警告。(Lawrence Livermore National Laboratory, September 24, 2003)

ベンチャー投資会社、生物科学分野におけるナノテクノロジー投資は時期尚早と予測

OVP Venture Partners 社のGerry Langeler氏、生物科学分野におけるナノテクノロジーへの投資は早すぎると発言。米国北西部のベンチャー投資家も、同地域には投資する価値のある有望なナノテクプロジェクトや新しい生物科学企業が存在しないと批判。(Small Times, October 1, 2003)

エネルギー法案に関する上下両院協議会審議、コロンブス記念日以降に延期

Pete Domenici上院議員、当初10月第1週後半に予定されていたエネルギー法案に関する上下両院協議会レポート(conference report)に関する審議をコロンブス記念日(10月13日)の議会休会後まで延期すると決定。この決定は、税制規定・エタノール・電力改革関連の条文案が未だ最終化されていないことに起因。(Environment and Energy Daily, October 2, 2003)


10月7日号

持続可能なエネルギー連合、エネルギー効率化計画の2004年度予算拡大を要求

持続可能なエネルギー連合(Sustainable Energy Coalition)、2004年度内務省予算法案に関する上下両院協議会に対して、同法案に含まれるエネルギー省(DOE)のエネルギー効率化計画12本の予算拡大を要求する書簡を送付。(Solar Access.com, October 1, 2003)

シカゴ気候取引所:専門家は低い排出権価格に懐疑的、環境保護者は透明性の欠如を批判

専門家筋、シカゴ気候取引所(Chicago Climate Exchange = CCX)の初の競売で付けられた二酸化炭素排出クレジット価格が欧州の排出権取引制度下の予測値に比べて異常に低いと指摘。一方、環境保護団体等はプロセスの透明性が欠如しているとしてCCXを批判し、メイン州に参加を思い止まるよう要請する書簡を送付。(Inside EPA, October 3, 2003)

国立標準技術研究所(NIST)、住宅用燃料電池システムの性能データを作成する予定

国立標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology = NIST)、天然ガス等の炭化水素系燃料を用いて住宅用燃料電池システムの性能データを生成する予定であると発表。これによって、製造業者による製品の性能向上および各自の消費者ニーズに適したシステムの選択が可能となる予定。(Tech Beat, September 26, 2003)

Affymetrix 社、「ヒト・プラス・アレー」の注文受付を開始

Affymetrix 社、既知のヒト遺伝子3万個が全て含まれているヒト・ゲノム・チップ「ヒト・プラス・アレー(Human Plus Array)」の注文受け付けを開始。既存の2チップ遺伝子セットの半額となる単価300〜500ドルで販売される同チップが、疾患の迅速な診断と新薬開発の高速化につながることに期待。(San Francisco Chronicle, October 3, 2003)

米国議会、スーパーファンド予算に関する予算継続決議を可決

米国議会、環境保護庁(EPA)予算が最終決定されるまでスーパーファンド・プログラムの予算を2003年のレベルに保つという暫定予算の継続決議(continuing resolution)を可決。この決定により、環境浄化作業は10月いっぱい継続されることになる。(Environment and Energy Daily, October 2, 2003)


10月8日号

オクラホマ州Tulsa市近郊の超クリーンディーゼル燃料発電所が実証試験を開始

DOEの「超クリーン燃料計画(Ultra-Clean Fuels Program)」の一環としてオクラホマ州Tulsa市近郊に建設された超クリーンなディーゼル燃料発電所が実証試験を開始。同発電所では1日に100万立方フィートの天然ガスから約4,000ガロンの無硫黄輸送用燃料を生産する予定。(DOE, October 3, 2003)

エネルギー省傘下の国立エネルギー技術研究所、ISO 14001認証を取得

国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory = NETL)、環境マネジメントに関する国際規格「ISO 14001認証」を取得。NETLでは環境マネジメント措置・計画を引き続き改善する努力を続け、年2回の監査を受けて、同認証を維持していく意向(NETL, October 1, 2003)

EPAの内部報告書、燃料電池利用に伴う有害廃棄物管理には体制が不十分であると指摘

EPAの内部報告書「燃料電池に関連する廃棄物管理の新たな課題(Emerging Issues in the Management of Waste Streams Related to Fuel Cells)」、水素経済社会の到来によって国内における有害廃棄物の排出量が著しく増加することになるものの、米国における当該廃棄物の管理対策は未だ不十分であると主張。(Inside EPA, October 3, 2003)

Lieberman上院議員、製造業政策アジェンダを発表

2004年の大統領選において民主党指名候補を目指すJoseph Lieberman上院議員(コネチカット州)、自らの製造業政策アジェンダを発表。ブッシュ政権の製造業政策が「内容と見通し」に欠けるものであると批判し、製造部門における問題に取組むためには商務省(DOC)と国防省(DOD)の協力が必要であると主張。(Manufacturing and Technology News, October 3, 2003)

米航空宇宙局、スペースシャトルの復帰目標日を来年9月に変更

米航空宇宙局(NASA)、安全面の必要条件を満たすための時間が必要であるとして、スペースシャトルの次回打ち上げ予定日を2004年3月から同年9月に延期。(CNN.com, October 3, 2003)

Cato研究所、「連邦政府の規制の現状に関する年次報告」を発表

Cato研究所(Cato Institute)発表の「連邦政府の規制の現状に関する年次報告(Ten Thousand Commandments: An Annual Snapshot of the Federal Regulatory State)」、策定した規制数の多かった連邦政府機関は運輸省・財務省・EPAの順と指摘。連邦議会は、政府省庁から規制策定権限を奪回し、規制策定に自ら従事すべきであると示唆。 (Greenwire, October 6, 2003)


10月9日号

ノースカロライナ州、再生可能エネルギー利用の促進に消費者向け自主行動計画を開始

ノースカロライナ州の非営利団体NC GreenPower、住宅や営業部門の電力消費者に再生可能エネルギー開発推進への献金を奨励する自主行動計画を設立。(SolarAccess.com, October 2, 2003)

米国が石油・天然ガス部門による温室効果ガス排出量を過小評価している可能性

カリフォルニア大学アーバイン校による新報告書「米国南西部における広域な地域大気炭化水素汚染(Extensive Regional Atmospheric Hydrocarbon Pollution in the Southwestern United States)」、米国のメタン放出量は過去の推定よりも年間で400万〜600万トン多い可能性を指摘。石油・天然ガス産業からの温室効果ガス排出量を米国が過小評価している可能性を示唆。(Greenwire, October 7, 2003)

2004年上期におけるナノテク工具資金が増大する可能性

Lux Capital社とTheInfoPro社が発表した「半導体関連測定装置およびナノテク工具に関する報告(Semiconductor Capital Equipment Metrology and Nanotech Tools Study)」、ナノテクノロジー研究者の90%が、2004年度上期におけるナノテク工具およびその他の資本向け資金を2003年度下期と同等以上とする計画であると発表。(Small Times, October 8, 2003)

国立衛生研究所、2003年ノーベル医学生理学賞受賞博士を祝福

国立衛生研究所(National Institute of Health = NIH)のElias Zerhouni所長、NIHの助成を受けた磁気共鳴映像法(magnetic resonance imaging)の研究によって2003年ノーベル医学生理学賞(2003 Nobel Prize in Physiology or Medicine)を受賞したPaul Lauterbur博士とPeter Mansfield博士を祝福。(NIH, October 6, 2003)


10月10日号

米陸軍、燃料電池利用全地形走行車両の開発で契約を締結

米陸軍、向こう10ヶ月間における燃料電池利用全地形走行車両(all-terrain vehicle)の開発でQuantum Fuel Systems Technologies Worldwide社と契約を締結。Quantum社は、自社製の特殊高圧タンクに内臓された水素燃料電池で走行する2人乗り・荷台付きの新全地形型車両を開発する予定。(Los Angeles Times, October 9, 2003)

Schwarzenegger氏、同州の環境政策を激変しない可能性

カリフォルニア州新知事に選出されたArnold Schwarzenegger氏(共和党)、Gray Davis知事(民主党)の環境政策を再検討する可能性は高いものの、民主党州政府高官および同州の民主党多数議会との協調を進める必要があるため、同州の環境政策を抜本的に変革することはない見込み。(Inside EPA, October 10, 2003)

サンディア国立研究所、在来型照明に代わる高効率照明資源として量子ドット技術を開発

サンディア国立研究所、在来型の照明器具の代替品となるエネルギー効率に優れた「量子ドット(quantum dots)」技術を開発。量子ドットは大型蛍光体のように光波の散乱で光学的効率を50%削減してしまう恐れもないため、より効率的な照明資源として米国エネルギー資源の需要・コスト削減を推進することに期待。(Small Times, October 9, 2003)


10月14日号

包括エネルギー法案に関する上下両院協議会、2004年初旬まで延期となる可能性

包括エネルギー法案に関する上下両院協議会、送電網・エタノール・アラスカ天然ガスパイプライン計画に関する執拗な見解の相違、および、2003年10月末で休会するという下院の意向のために、2004年初旬まで延期される可能性。(Environment and Energy Daily, October 9, 2003)

米国林野庁と発電業界、国立公園近郊における「新排出源査定の保留」を検討中

国立公園やその他保護地帯近郊における石炭火力発電所の新設を認可するため、米国林野庁(US Forest Service)と電力業界は、新設発電所からの排出量による影響が極めて低いこと、及び、新設地域における全般的な排出量の削減傾向を妨害しないことを条件に、「新排出源査定の保留(new source set-aside)」を検討中。(Inside EPA, October 10, 2003)

アルバータ州(加)エドモントン市で建設開始された国立ナノテクノロジー研究所

アルバータ州(加)のエドモントン市で、カナダの国立ナノテクノロジー研究所(National Institute for Nanotechnology = NINT)建設開始を祝う起工式が開催。4,000万ドルの研究所建設費、及び、向こう5年間で8,000万ドルという設備・人件・運営費は、国家研究審議会(National Research Council = NRC)・アルバータ大学・カナダ政府・アルバータ政府が分担する予定。(Small Times, October 9, 2003)

DARPA、ラジオ周波数マイクロマシン基盤の廉価アンテナ開発にグラントを提供

カリフォルニア大学アーヴィン校のFranco De Flaviis教授、ラジオ周波数マイクロマシン(MEMS)を基にした廉価アンテナの開発に向けて、国防省の防衛先端研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency = DARPA)から120万ドルのグラントを受領。(Small Times, October 9, 2003)


Top Page