NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2003年11月前半分

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

11月4日号

世界資源研究所とSAM社、二酸化炭素排出制限政策が自動車産業に及ぼす影響を報告

Sustainable Asset Management (SAM)社と世界資源研究所(World Resources Institute =WRI)が作成した新報告書「変容するドライバー:自動車産業の競争力と価値創成に気候変動が及ぼす影響(Changing Drivers: The Impact of Climate Change on Competitiveness and Value Creation in the Automotive Industry)」、2003年から2015年にかけて、二酸化炭素排出制限政策が主要自動車メーカー10社の価値創成にいかなる影響をもたらすかを分析。(SAM/WRI Report, October 2003)

エネルギー省、大学石炭研究イニシアティブのプロジェクト公募を発表

エネルギー省(DOE)、今年で25年目を迎える「大学石炭研究(University Coal Research)」イニシアティブの公募を発表。@コア・プログラム;A革新的概念フェーズ1;B革新的概念フェーズ2という3つのカテゴリーでプロジェクトを募る同グラントの総額はほぼ300万ドル。(DOE, October 30, 2003)

ホワイトハウス、連邦機関のエネルギー管理チーム5組を省エネ貢献で表彰

ホワイトハウス、国家エネルギー政策支援措置の一環として、「連邦エネルギー管理リーダーシップ大統領賞(Presidential Awards for Leadership in Federal Energy Management)」の2003年受賞者5組を発表。陸軍・海軍・空軍・厚生省(HHS)・米国郵政公社(USPS)のエネルギー管理チーム5組を選定。(DOE, October 30, 2003)

米国公益研究団体、米国で最も汚い548の発電所を発表

米国公益研究団体(Public Interest Research Group = PIRG)、2002年に「米国で最も汚い発電所」548ヶ所から放出された窒素酸化物(NOx)・二酸化硫黄(SO2)・二酸化炭素(CO2)の排出量を分析した報告書「死の遺産:米国の最大汚染発電所に関する総合調査(Lethal Legacy: A Comprehensive Look at America's Dirtiest Power Plants)」を発表。(Greenwire, October 29, 2003)


11月5日号

カナダ天然資源局、建築物のエネルギー使用合理化を目標とするプログラム2本を改正

カナダ天然資源局(Natural Resources Canada)、@新築ビルを対象とする「商業ビルディング先導策(Commercial Building Incentive Program = CBIP)」;A既存ビルのエネルギー使用合理化を支援する「エネルギー刷新者先導策(Energy Innovators Initiative = EII)」という建築物のエネルギー使用合理化プログラム2本ついて最新情報を発表。(Natural Resources Canada, November 3, 2003)

エネルギー情報局、「米国の温室効果ガス排出量:2002年」を発表

DOEのエネルギー情報局(Energy Information Administration = EIA)が発表した「米国における温室効果ガス排出量:2002年(Emissions of Greenhouse Gases in the United States 2002)」、2002年の米国における温室効果ガス排出量は68億6,200万トン(二酸化炭素換算)で前年比0.5%増となり、経済成長率(2.4%)よりもゆっくりした速さで増大したと報告。(Energy Information Administration, October 31, 2003)

環境保護庁、水銀排出基準の達成目標期限を2009年に延期する可能性

環境保護庁(EPA)、発電所から放出される水銀等の有毒排出物の削減達成期限を、クリーンエア法が特定する「2007年」ではなく「2009年」に延期する可能性を発表。(Greenwire, November 4, 2003)

カナダ連邦政府とヌナブト準州政府、気候変動問題の協力に関する覚書に署名

カナダ連邦政府とヌナブト準州政府、カナダの京都議定書批准以来、連邦政府と州政府の間で締結される気候変動協力に関する覚書(Memorandum of Understanding = MOU)第一号に署名。エネルギー効率化計画や再生可能エネルギー計画等での協力方法を探求する見込み。(Environment Canada, October 31, 2003)

大統領の気候変動政策優先事項を審議する公聴会が開催予定

下院科学委員会のエネルギー小委員会、11月6日に公聴会を開催し、技術の進歩で気候変動に立ち向かうというブッシュ政権の気候変動優先事項を審議する予定。同小委員会では、行政府が炭素隔離に膨大な資源を投入している理由を解明し、予算10億ドルのFutureGen石炭火力発電プロジェクトに関する情報を聴取する予定。(Environment and Energy Daily, November 3, 2003)


11月6日号

北東部州大気調整管理同盟、連邦政府による厳格な水銀排出抑制基準を支持

北東部州大気調整管理同盟(Northeastern States for Coordinated Air Use Management = NESCAUM)が発表した新報告書「石炭火力発電所の水銀排出:規制措置問題(Mercury Emissions From Coal-Fired Power Plants: The Case For Regulatory Action)」、発電所が厳しい水銀基準を「タイムリーかつコスト効率的に」遵守することは可能であると主張。(NESCAUM, November 4, 2003)

カナダ政府、気候変動に関する啓蒙広報プロジェクトに100万ドルのグラントを授与

カナダ政府、気候変動活動基金(Climate Change Action Fund = CCAF)の「啓蒙広報(Public Education and Outreach)」プログラムの下で行なわれる21件のプロジェクトに、100万(カナダ)ドルの助成金を授与すると発表。(Environment Canada, November 4, 2003)

地球の温暖化につれ、議論が白熱するエネルギー問題

ニューヨークタイムズ紙、地球温暖化の予測が現実化した際に対応を迫られる最大重要問題、「エネルギー問題」を考察。地球温暖化問題への対応策として、@再生可能エネルギー利用の拡大;A炭素隔離の促進;B原子力利用の拡大という三つの方針が頻繁に提案されるが、いずれにも深刻な欠陥があり、我々のエネルギー生産・エネルギー使用方法を根本的に変えるような「革命的技術」が必要であると主張。(New York Times, November 4, 2003)

上院本会議、2004年度内務省・関連省庁歳出法案を可決

上院本会議、下院本会議で可決されていた「2004年度内務省・関連省庁歳出法案(下院第2691号議案)」を82対2の圧倒的多数で可決。同法案は、エネルギー省(DOE)の化石燃料および省エネルギー計画に、前年度比4,000万ドル減・2004年度大統領要求額の300万ドル減となる17億ドルを計上。(CQ Bill Analysis HR 2691, November 3, 2003)


11月10日号

新ベンチャー企業BrainChild Maryland、メリーランド州で技術研究の実用化促進

大学や政府の研究施設で行われている新研究を基盤にして新規事業を創設する目的で、BrainChild Marylandと呼ばれるベンチャー企業が新設された。同社の資金として、メリーランド州経済開発省(Department of Business and Economic Development =DBED)が向こう4年間で100万ドルを助成するほか、民間の投資家がマッチング投資を行う見通し。(MSNBC.com, November 3, 2003)

健康な組織に影響を与えずに、癌細胞を破壊する高温ナノ粒子

金属製ナノシェルの特性の一つであるプラズモン共鳴現象に注目したBetterhumans社、ナノ粒子と近赤外線を組み合わせて健康な組織に損傷を与えずに癌細胞を破壊する新療法「熱凝固療法(thermal ablation)」を開発。(Betterhumans, November 3, 2003)

上院のナノテク法案、社会・倫理センター設置に関する論争で承認プロセスが立ち往生

上院本会議での可決が間近と思われていた「21世紀ナノテクノロジー研究開発法案(21st Century Nanotechnology Research and Development Act)」、社会・倫理面問題の考察を行うセンター設置の条項をめぐる論争のために、本会議での承認プロセスが立往生。(Small Times, November 6, 2003)


11月12日号

DTEエネルギー社、水素技術パークプロジェクトの第1フェーズを完了

DTEエネルギー社、ミシガン州のSmartZonesにおいて5年間の「水素技術パーク(Hydrogen Technology Park)」プロジェクトの第1フェーズ(開発およびシステム設計)を完了。完全な多目的水素エネルギーシステムの形成を目的とする同プロジェクトは、現在、許可書申請中。(SolarAccess, November 6, 2003)

カナダ政府とプリンスエドワードアイランド州政府、気候変動取組に関する覚書に署名

カナダ政府とプリンスエドワードアイランド州政府、気候変動取組での協力に関するMOUに署名。両者は@再生可能エネルギー・代替エネルギー問題に関する協力方法の明確化;Aエネルギー効率化の促進;B温室効果ガス排出削減に向けた個人レベルのイニシアティブの促進等に取組む予定。(Natural Resources Canada, November 7, 2003)

商務省の製造戦略報告書、11月中旬に発表される予定

当初2003年9月に発表予定となっていた商務省(DOC)の製造産業戦略報告書、11月中旬にも発表される可能性。政府による産業界支援の意義及び貿易政策についての論議によって、政府間レビューが遅延。最大の論点は、製造技術普及計画(Manufacturing Extension Partnership = MEP)と先端技術計画(Advanced Technology Program = ATP)の継続されるか否か関する論議。(Manufacturing and Technology News, November 4, 2003)

エネルギー省、DOE科学局の科学施設に関する20年間ロードマップを発表

DOE、同省科学局が所管する研究所の施設整備における今後20年間のロードマップ「科学の未来に関する施設:今後20年間の見通し(Facilities for the Future of Science: A Twenty-Year Outlook)」を発表。米国を科学技術の最先端に維持し、DOEの将来の科学技術投資計画を支援するために、合計28施設を最優先施設としてリストアップ。(DOE, November 10, 2003)

包括エネルギー法案のエタノール条項の解決により審議の進展が期待

上院財政委員会のCharles Grassley委員長(共和党、アイオワ州)と下院歳入委員会のBill Thomas委員長(共和党、カリフォルニア州)、上下両院協議会で審議中の包括エネルギー法案のエタノール条項に関する打開策を発表。(Environment and Energy Daily, November 6, 2003)


11月13日号

共和党の上下院、包括エネルギー法案について合意に至る

上院天然資源委員会のDomenichi議長(共和党、ニューメキシコ州)と下院のエネルギー・商業委員会のTauzin議長(共和党、ルイジアナ州)、共和党が包括エネルギー法案の最終合意に至ったと発表。今後は週末に民主党が両院協議会報告書案をレビューし、17日に両院協議会の採決の後、上院、下院でそれぞれ審議・採決が行われる予定。(Environment and Energy Daily Breaking News, November 14, 2003)

エネルギー情報局、「再生可能エネルギー年次報告書2002」を発表

EIAが発表した「再生可能エネルギー年次報告書2002(Renewable Energy Annual 2002)」、2002年の再生可能エネルギー消費は5.88 quadrillion Btus(前年比11%増)となり、再生可能エネルギー産業全体としてある程度の成長を見せたと報告。同増加は水力発電の著しい増加に起因。再生可能エネルギーの主要エネルギー源は3年連続でバイオマスに。 (Greenwire, November 11, 2003)

上院、ブッシュ政権のクリアスカイ法案の改定案を発表:水銀排出量の上限を緩和

上院環境公共事業委員会のJames Inhofe委員長(共和党、オクラホマ州)と同委員会クリーンエア・気候変動・原子力安全小委員会のGeorge Voinovich委員長(共和党、オハイオ州)、ブッシュ政権のクリアスカイ法案(上院第485号議案)の改定案を発表。発電所による水銀排出量の上限設定を(第485議案の26トンに対して)2010年までに34トンに設定。(Greenwire, November 11, 2003)

上院発表のクリアスカイ法案改定案の反応は賛否両論

上院が発表したブッシュ政権のクリアスカイ法案(上院第485号議案)の改定案に対する反応は予想通り。水銀排出量の上限設定緩和を求める議会ロビー活動を行っていた産業界は、同改定案を支持。一方、環境保護者等は、水銀排出量が大幅に増大するとしてこれを批判。(Greenwire, November 11, 2003)

会計検査院(GAO)、2025年までにCO2排出量は増加するが、炭素原単位は減少と報告

会計検査院(General Accounting Office = GAO)が発表した新報告書「気候変動:米国とその他排出国における温室効果ガス排出および炭素原単位に関するトレンド(Climate Change: Trends in Greenhouse Gas Emissions and Emissions Intensity in the United States and Other High-Emitting Nations)」、米国における2001年~2025年の二酸化炭素排出量は、[ドイツや英国を遥かに上回る]43.5%増となるものの、同期間における米国の炭素原単位は、欧州先進国等と同等となる30.1%減になると予想。(Greenwire, November 11, 2003)

Pacific Fuel Cell社とUCR、炭素ナノチューブ電極利用PEM燃料電池を開発

Pacific Fuel Cell社とカリフォルニア大学リバーサイド校(UCR)の研究員等、炭素ナノチューブの電極を使用した陽子交換膜型(Proton Exchange Membrane = PEM)燃料電池の開発に成功。多層ナノチューブはPEM燃料電池交換膜の土台として機能することから、製造コストの削減および白金の活性度増大に期待。(Pacific Fuel Cell Corp, November 11, 2003)


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