NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2003年12月後半分

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

12月16日号

エネルギー省、クリーンコール発電イニシアティブ公募草案に対するコメントを要請

エネルギー省(DOE)、クリーンコール発電イニシティブ(Clean Coal Power Initiative = CCPI)公募の最終案を準備するにあたり、公募草案に対するコメントを要請。同公募は、第2回目のCCPI競争公募で、複数のプロジェクトに総額3億〜4億ドルのグラントを給付する予定。(DOE, November 26, 2003)

環境保護庁、2003年度の環境規制施行・遵守データを発表

環境保護庁(EPA)、2003年度(2002年10月〜2003年9月)の規制施行・遵守データを発表。EPAは@6億ポンドの汚染物質の処理・除去・管理を行ない;A370万トンの汚染土壌を処理し;B65億ガロンの汚染地下水の処置を行なったと報告。(EPA, December 11, 2003)

米航空宇宙局、ナノテクノロジーの宇宙利用第一号を計画中

米航空宇宙局(NASA)、紫外線放射を観測する為、ハブル宇宙望遠鏡に新型の広角カメラとスペクトルグラフ、及び、冷却システムを2年以内に設置の予定。その際、カーボンナノチューブを使ってハブル望遠鏡と冷却システムを接続することを計画中。(Small Times, December 15, 2003)


12月17日号

気候変動:政治的問題

気候変動枠組条約締約国会議への前米国主席代表Robert Watson、Science誌12月12日号に京都議定書に関する論説を投稿。米国は、@科学面で不確実(uncertainty);A高額な遵守コスト;B途上国免除という不公平;C途上国に排出削減義務がない為に条約は無力という4つの欠陥があるとして京都議定書を拒絶しているが、この論議こそ欠点だらけであると主張。(Science, December 12, 2003)

環境保護庁、石炭火力発電所の水銀排出を規制する電気事業水銀削減規定案を発表

EPA、電気事業水銀削減規定案を公式に発表。同規定案には、水銀排出削減方法として、@最大達成可能抑制技術(Maximum Achievable Control Technology = MACT) を使い2007年末までに年間水銀排出量を現行の48トンから34トンに削減;A上限設定取引(cap-and-trade)システムに基づき、石炭火力発電業界からの水銀総排出量の上限を年々引き下げ、2018年までに現行レベルの70%減まで削減するという2つのアプローチを提示。(EPA, December 15, 2003)


12月18日号

太陽エネルギー利用の水素製造装置

ネバダ大学ラスベガス研究財団(University of Nevada Las Vegas Research Foundation = UNLVRF)とProton Energy Systems社、太陽エネルギーを利用して水から水素を製造する装置を開発するため、総額約137.7万ドルのプロジェクト契約を締結。同予算の内約68.8万ドルは、UNLVRFがDOEの「水素補給所(Hydrogen Filling Station)」プロジェクトで受領したグラントから支出される見込み。(Solar and Renewable Energy Outlook, December 8, 2003)

ピューセンターの新報告書、国際的気候変動努力の推進における主要課題を検討

世界気候変動に関するピューセンター(Pew Center on Global Climate Change)、国際気候変動政策に関する新報告書「京都議定書を越えて:世界気候変動への国際対応努力の推進(Beyond Kyoto: Advancing the International Effort Against Global Climate Change)」を発表。気候変動政策は各国の国内事情に見合うようフレキシブルでなければならず、米国を始めとする排出国は気候変動に歯止めをかける長期的努力に着手する必要があると結論。(Pew Center, December 3, 2003)

大統領の科学技術諮問委員会、米国半導体産業の競争力を保持するイニシアティブを提案

半導体産業の未来に関して夏から研究・評価を行っていた大統領の科学技術諮問委員会(Presidentユs Council of Advisors on Science and Technology = PCAST)、半導体技術と製造技術に焦点をあてた「ベル研究所」型の研究センター新設を提言。また、米国が競争面で不利な立場にあるかどうかを判断するために、米国の税制および他国の税制を見直すよう答申する予定。(Manufacturing and Technology News, December 5, 2003)


12月19日号

環境保護庁、スーパーファンド浄化基準の対象を全国優先浄化リストの用地に限定か?

EPA、クリントン前政権時代にDOEとの間で成立させたカリフォルニア州ロケットダイン用地の放射能汚染土壌の浄化作業に関する1995年合意を放棄する模様。EPAは、全国優先浄化リスト(NPL)に指定されていないロケットダインの浄化作業をスーパーファンド基準に従って行なうようDOEに強制する権限がないと判断した模様。(Inside EPA, December 19, 2003)

環境保護庁、米国東部州発電所からの汚染排出を大幅削減する提案を発表

EPA、米国東部29州およびコロンビア特別区の発電所から放出される窒素酸化物(NOX)と二酸化硫黄(SO2)の排出削減を目的とする「州間大気質規制(Interstate Air Quality Rule)」案を発表。同案で、SO2排出量が2015年までに現行レベルの70%減、NOX排出が65%減まで削減される見込み。(EPA, December 17, 2003)

環境保護団体と産業界、環境保護庁提案の州間大気質規制を批判

環境保護団体や産業界、EPAが提案したNOXとSO2の排出規制では汚染削減に時間がかかりすぎると批判。環境保護団体は提訴も検討中であると発言し、エジソン電気協会(Edison Electric Institute)ですら、同提案よりも汚染を早く削減するクリアスカイの方がよほど望ましい代替案であると主張。(Greenwire, December 18, 2003)

ハーバード大学研究チーム、シリカを使った50ナノメートルのワイヤーを開発

ハーバード大学の研究チーム、シリカを使った、太さが僅か50ナノメートルというナノワイヤーを開発。このワイヤーを利用することで、医療製品、および、ナノレーザー装置や通信・センサー用ツールといった微小な光学装置(photonics equipment)が一層小型化されるものと期待。(National Science Foundation, December 17, 2003)


12月22日号

カリフォルニア州エネルギー委員会、2003年のエネルギー政策報告を発表

カリフォルニア州エネルギー委員会(California Energy Commission = CEC)、同州の電力、天然ガス、輸送用エネルギーの現状を概説し、この3部門に提言を行う「2003年総合エネルギー政策報告(2003 Integrated Energy Policy Report)」を発表。(CEC Report, December 2003)

カリフォルニア州エネルギー委員会、185MWの地熱発電所建設プロジェクトを認可

CEC、カリフォルニア州インペリアル郡カリパトリア市の北6マイルに185メガワット級の地熱発電所を建設する「Salton Sea第6号地熱発電プロジェクト(Salton Sea Unit 6 Geothermal Power Project)」を認可。同州の地熱発電量を10%以上拡大し、再生可能エネルギー使用基準(RPS)目標達成にも大きく貢献するものと期待。(SolarAccess.com, December 19, 2003)

世界保健機関(WHO)、気候変動が疾病増加を招いていると報告

世界保健機関(World Health Organization = WHO)、下痢やマラリア等の疾病と気候変動との関係を調査した新報告書「気候変動と人間の健康(Climate Change and Human Health:Risks and Responses)」を発表。2000年に世界で報告された下痢の事例の2.4%、マラリアの事例の2%、そして15万人の死亡が気候変動に起因しており、旱魃・猛雨・猛暑が伝染病の発生率に影響を及ぼしていることを特記。(Yahoo News, December 17, 2003)  

水素製造装置の北米基準、2004年までに設定される見込み

CSA AmericanとUnderwriters Laboratories Inc、化石燃料からの水素抽出方法に関する新たな北米基準を共同策定する予定であると発表。新基準が2004年12月に完成されれば、全米規格協会(American National Standard Institute = ANSI)による認定第一号の水素製造装置基準となる。(Fuel Cell Today, December 12, 2003)


12月24日号

Fuel Cells Canada、水素村パートナーシップの結成を発表

Fuel Cells Canada、産官学の26機関が参加する「水素村(Hydrogen Village)」パートナーシップを結成したと発表。「水素村」プロジェクトでは、水素技術と燃料電池技術の進歩のほかに、コスト削減;市場構築;基準や規制の策定;同分野への投資拡大等を目指す予定。(Fuel Cells Canada, December 9, 2003)

米国高速道路交通安全局、新燃費基準を提案予定

米国高速道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration = NHTSA)、早ければ今週中にも軽トラックの燃費規制提案を発表し、一般からのコメントを募る予定。新規定では軽トラックの分類方法を重量ベースの基準に変更し、軽量なトラックには重トラックよりも厳格な燃費基準を義務付けることになる見込み。(Greenwire, December 22, 2003)

新たな診断ツールとして期待されるナノワイヤー・センサー

ハーバード大学の研究チーム、人間の髪の毛よりも細いナノワイヤー・センサーは在来型テストよりも効率的に嚢胞性線維症(cystic fibrosis)の遺伝子を判定することを確認。同センサーを小型コンピューターに接続することで、診療所や患者の自宅でも即時にテスト結果を出すことが可能になるほか、バイオテロリズムの早期発見にも役立つ可能性があると期待される。(American Chemical Society, December 16, 2003)


1月6日号 

世界銀行、ガーナの小規模風力パイロットプロジェクトに資金提供

世界銀行、開発市場(Development Marketplace = DM)年次競争公募で「ガーナの貧困層に電力を(Power to the Poor in Ghana)」というパイロットプロジェクトを支援プロジェクトに選定。ガーナの電力網に連系されていない地域で小規模ビジネスに小規模風力発電の電力を提供するという同プロジェクトのコストは推定約17.9万ドル。(Solar & Renewable Energy Outlook, December 15, 2003)

コロンビア特別区の訴訟院、NSRの日常的保守作業に関する改正規定の施行に延期を命令

コロンビア特別区の控訴院、ニューヨーク州 対 EPAの訴訟で、行政府が提案する新排出源査定評価(New Source Review = NSR)の日常的な部品交換と修理条項に関する改正規定の施行に延期措置を命令。これで、2003年12月26日に発効予定であったNSR改正規定は、裁判所における審議検討期間中には施行停止となる。(Greenwire, December 24, 2003)

全米科学評議会、全国ナノテクノロジー基盤ネットワークへのグラントを認可

全米科学評議会(National Science Board)、全国ナノテクノロジー基盤ネットワーク(National Nanotechnology Infrastructure Network = NNIN) の創設を承認。NNINは、ナノスケール科学技術に専念する13の大学施設を結び付けるというもので、10ヵ年のプロジェクト期限が満期終了となる国家ナノ加工利用者ネットワーク(National Nanofabrication Users Network)に取って代わることになる。(National Science Foundation press release, December 22, 2003)

ニューヨーク州、バイオテクノロジーとハイテク産業のタスクフォースを新設

ニューヨーク州議会のJoseph Bruno上院院内総務(共和党)、ハイテクやバイオテクノロジー産業の発展を検討するタスクフォースの設置を発表。経済開発と新興産業に関する上院タスクフォース(別名、NextGen)は1月中に、州内各地で公聴会を開催する予定。(The Business Review, December 30, 2003)


Top Page