NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2003年2月後半分

エネルギー

2002年度に米国内でのエタノール製造が急増(2003/2/19)

再生可能燃料協会(RFA)の調査によると2002年度の米国でのエタノール製造量は前年度約20%増の21.3億ガロンに急増。1999年からの増加は約45%増、14.7億ガロン増。試算によるとエタノール配合燃料を自動車で使用することにより、米国内でCO2換算で約430万トンのGHGガスが削減され、自動車63万6千台の削減と同じ効果。

 

上院環境・公共事業委員会に提出された、再生可能燃料に関する新法案(2003/2/20)

「2003年燃料安定保証法案 (Fuel Security Act of 2003)」が、上院環境・公共事業委員会に提出。法案では、2012年までに輸送用燃料総供給量に占める再生可能燃料の割合を3%に拡大するという再生可能燃料使用基準を規定。これによりエタノールなど再生可能燃料の国内消費は2012年までに、現在の年間17億ガロンから50億ガロンへ拡大される見込み。

 

EPA、ホンダFCXを初めての「ゼロエミッションビークル」として認定(2003/2/21)

環境保護庁(EPA)は、全米排出基準を完全クリアするホンダの水素燃料電池自動車「FCX」を初めての「水素燃料電池によるゼロエミッションビークル」として認定。ホンダFCXは4人乗りで、最高速度は93mph、航続走行距離220マイル。5,000psiの高圧貯蔵タンクに水素約3.75kgの貯蔵が可能で、燃料電池はバラード社のPolymer Electrolyte。

 

米国エネルギー効率化経済委員会が議会勉強会で省エネルギー重要性を主張(2003/2/24)

米国議会の環境及びエネルギー研究会が開催した勉強会で、米国エネルギー効率化経済委員会(ACEEE)のBill Prindle副委員長がエネルギー政策を解説し、「省エネルギーは米国経済とエネルギー保障の鍵を握っており、省エネルギーなしでは米国エネルギー消費は現在より80%も多いだろう」として、省エネルギーの重要性を訴えた。

 

連邦政府公有地の再生可能資源利用発電のポテンシャル分析結果を発表(2003/2/25)

内務省の国土管理局(BLM)とエネルギー省の再生可能エネルギー国立研究所(NREL)が、公有地の再生可能エネルギー資源を確認・評価した研究報告書を発表。これによると西部11州の63ヵ所で少なくとも1種類、7州の20ヵ所では最低3種類の再生可能資源を利用した発電を行なうポテンシャルがあるという。


環境

ブッシュ政権が温暖化防止対策として“Climate VISION”イニシアティブを創設(2003/2/19)

ブッシュ政権は、地球温暖化防止対策として、政府と産業界とが協力し温暖化ガス排出を削減する“Climate VISION(Voluntary Innovative Sector Initiatives: Opportunities Now)”イニシアティブを創設。石油産業から製造業まで幅広い産業分野での自主的な取り組みを支援する。エネルギー省(DOE)の国際プログラム局が統括する予定。

 

上院議会で新たな大気汚染物質排出削減法案が提出される(2003/2/19)

上院議会で“Clean Power Act of 2003”という、新たな大気汚染物質排出削減法案がJim Jeffords 上院議員により提案。法案は、SO2、NOx、CO2、水銀を6年間で削減することを義務付けた強制法規で排出権取引についても規定。共和党議員や民主党議員ら併せて19名がこの法案の共同提案者になっている。

 

エネルギー情報局、2001年の温暖化ガス排出量は前年より1.2%減少したと報告(2003/2/20)

エネルギー情報局 (EIA) 発表の新報告書「米国の2001年温暖化ガス排出量 (Emissions of Greenhouse Gases in the United States 2001)」によると、気候変動関連の大気汚染は2001年に炭素換算で19億メトリックトン (前年比1.2%減) 減少したという。しかし、原因は不景気や暖冬などによるもので、新エネ導入や排出削減努力によるものではないとのこと。

 

米国三大自動車メーカー、ブッシュ政権提案の企業平均燃費(CAFE)基準強化を批判(2003/2/20)

米国の三大自動車メーカーが、2007年までにSUVと小型トラックの企業平均燃費 (CAFE) 基準を引き上げるというブッシュ政権の提案は、費用対効果が悪く、自動車の安全性も犠牲になると米国高速道路交通安全局 (NHTSA) に意見を提出。一方、トヨタとホンダは、自動車業界による利用可能な最良技術の採用を奨励するとコメント。

 

全米大気研究センター、地球温暖化に関する新報告データを発表(2003/2/21)

全米大気研究センター(NCAR)の気候変動研究グループ(CCRG)は、地球の平均気温が今後100年間で最高7〜8度(華氏)上昇することを発見したという新しい研究報告を米国科学振興協会(AAAS)の会議で発表。この研究からCCRGのWarren Washington局長は、米国産業界に対し、地球温暖化ガスの排出レベルを削減するよう要求。

 

新排出源評価に続き、北東部7州が新排出源運用基準(NSPS)を提訴(2003/2/24)

ブッシュ政権の「Climate VISION」イニシアティブに反発し、クリーンエア法の新排出源運用基準(NSPS)の中に二酸化炭素(CO2)規制が含まれていないことを提訴すると、北東部7州の司法長官連合が発表。EPAは、「基本となるクリーンエア法でCO2が有害物質に指定されておらず、規定することはできない」と反論。

 

カナダ政府、2003年度環境関連予算は気候変動対策に重点化(2003/2/26)

カナダ政府の2003年度環境関係関連予算は、これまでで最も多い、約30億カナダドル(約2340億円)となる見込み。環境省David Anderson大臣も、これまでにない「もっともグリーンな予算」と宣伝し、予算の多くが2002年に発表した、“気候変動対策計画”の活動に充当。

 

米国企業228社が2001年度に地球温暖化ガスを2億2200万トン削減したと報告(2003/2/26)

DOEのエネルギー情報局(EIA)の報告によると、2001年において民間企業が1705件の地球温暖化ガス削減プロジェクトに着手。結果として、米国全体の約3.2%の温暖化ガス削減に成功したという。これは、米国企業228社から提出された“温暖化ガス報告書”の内容を集計した結果で、もっとも多く温暖化ガスを削減した部門は発電事業部門とのこと。

 

全米研究委員会ブッシュ政権の気候変動科学プログラム戦略に関する分析評価を発表(2003/2/27)

全米研究委員会(NRC)が、ブッシュ政権の気候変動科学プログラム(CCSP)戦略案を分析した「気候変動研究とグローバルチェインジ研究の計画設計:米国気候変動科学プログラム戦略計画案のレビュー」を発表。世界的な重要問題に対する第一歩ではあるものの、短所も多く存在し、大幅な改訂が必要と指摘する。

 

環境保護庁の水銀報告書発表をうけ、クリアスカイ・イニシアティブの批判が再熱化(2003/2/27)

上院のJim Jeffords議員(無所属、バーモント州)、Hillary Clinton議員(民主党、ニューヨーク州)らは、クリアスカイ法案に対抗し、汚染者に課す有毒廃棄物浄化料を復活させ、クリーン発電法案(Clean Power Act)の審議採決を求める声明を発表。これは、EPAの「アメリカの子供達と環境」という報告書を受けて発表されたもの。

 

ブッシュ政権が民間企業に対し、自主的な温暖化ガス削減イニシアティブへの参加を要請(2003/2/28)

ブッシュ政権は、ビジネス円卓会議(BRT)の気候問題解決プログラムワークショップで、規制によらないプログラムが効率的であること立証するために、自主的な温暖化ガス削減イニシアティブに参加するよう企業に要請。これは、企業による自主的な削減努力が強制的な規制ほど効果的でないという批評家等による非難に対処するためのもの。

 

証券取引委員会、地球温暖化対策にかかる財政への影響説明を要求する株主の対応に苦慮(2003/2/28)

証券取引委員会(SEC)は、“地球温暖化対策が企業財政に与える影響”について、株主が企業に対し公表を求める権利を持つか否かについての対応に苦慮。SECはこれまでに内容が矛盾する見解を表明しており対応が不明瞭。環境活動家等は、地球温暖化対策の企業財政への影響について公表を要求できるよう改訂を要求している。


サイエンス・テクノロジー

ナノテクノロジー発展を目指して2つの法案が議会に提出される(2003/2/19)

ナノテクノロジー発展を目指し、新たに2つのナノテクノロジーに関する法案が議会に提出された。1つは、ナノテクノロジーに関し、大統領にアドバイスを行う「ナノ科学及びナノテクノロジー諮問委員会」の創設に関する法案。もう1つはナノテクノロジー研究開発の連邦予算増額に関する法案。

 

「DEMO 2003」、急進的な革新よりも過去の技術発展による問題解決を展示(2003/2/21)

起業家および技術部門の重役らが集い、企業が最新の商品や技術開発などを展示・発表する「DEMO 2003」が今年も開催。最近の経済不況にも拘わらず技術革新のペースは著しく低下しなかったとの報告も、発表された多くの商品は革新的というより、これまでの商品の問題解決を図るものが多かったとのこと。

 

J.Carig Venter博士が環境問題を解決するための微生物研究を実行中(2003/2/24)

ヒトゲノムの解析で功績を残したJ. Craig Venter博士が、世界的な環境問題を解決するため、気候変動問題やクリーンエネルギー生産に役立つ、100%合成の微生物の開発に挑戦中。これまでSFの世界では語られてきたが、実際に合成DNAを作成しようとしたものはいない。

 

カーネギーメロン大学のBourne所長、切迫する米国製造業界崩壊の可能性を警告(2003/2/25)

カーネギーメロン大学のDavid Alan Bourneラピッド・マニュファクチャリング研究所所長は、米国企業がMTO (manufacturing-to-order) 対応の新加工技術を導入しない場合、国家の製造業基盤が崩壊することになると警告。現状を打開する方策として、産学提携を示唆している。


議会・その他

米国議会が2003年度オムニバス歳出法案を可決、大統領の署名待ち(2003/2/20)

米国議会は、総額3,974億ドルという2003年度オムニバス歳出法案を可決。連邦政府省庁やプログラムの予算を一律削減しているにも拘わらず、上・下院の多数の特別交付金により、史上最大の歳出予算。国防、科学研究、教育、国土安全保障関連が大幅増のほか、北極圏野生生物保護区域 (ANWR)関連やNASAの予算も増額。

 

国際宇宙ステーション管理における資金援助で、米国とロシアの政治的論争が激化(2003/2/21)

ロシアと米国は、スペースシャトルの運航が再会されるまでの間、ISS維持資金をロシア宇宙局に提供するかどうかで、難しい政治的局面に立たされている。これは、ロシア軍が核ミサイル技術でイランに協力しているとの懸念があり、問題解決までの間、米航空宇宙局(NASA)がロシアへの資金提供を禁止されているため。

 

Reid上院議員、再生可能エネルギー生産税控除法案を発表(2003/2/25)

Harry Reid上院議員(民主党、ネバダ州)が「再生可能エネルギーインセンティブ法案 (Renewable Energy Incentives Act)」と呼ばれる再生可能エネルギー税控除法案を議会に再提出する予定。同法案は、生産税控除を、地熱・ソーラー・オープンループ型バイオマス・小規模水力・埋立地ガス・家畜糞尿にまで拡大し、恒久化するというもの。

 

連邦エネルギー規制委員会が国家安全保障のための情報非公開規定を確立(2003/2/26)

連邦エネルギー規制委員会(FERC)は、国家安全保障の観点からテロリスト活動などに有効な、エネルギー基盤に関する重要な情報について、情報公開法(FOIA)の規定適用を免除することができる規則を制定。政府機関としては、国家重要情報の具体的な取扱いを定めた初めての規定。

 

Lieberman上院議員とKerry上院議員、環境政策と国土安全保障政策は不可分だと主張(2003/2/28)

民主党の次期大統領候補者であるJoseph Lieberman上院議員(コネチカット州)とJohn Kerry上院議員(マサチューセッツ州)は、環境政策と国土安全保障政策とは不可分であると指摘し、ブッシュ大統領の環境問題に対する国際協調性の欠如が、米国の国際的な反テロ対策に害を与えていると主張。


Top Page