NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2003年4月後半分

エネルギー

メキシコの「サマータイム導入」、電力消費削減に著しく貢献(2003/4/16)

2002年におけるメキシコの「サマータイム導入」は電力消費削減に著しく貢献し、メキシコ全体の省エネルギーの4分の1を担ったという。具体的には、年間1,118ギガワット時(GWh)の節電、900メガワット(MW)以上のピークカットが達成され、電気関連設備への投資90億ペソ(約1080億円)以上を削減することができたという。

 

アラスカ、ノースロップでメタンハイドレード採掘プロジェクトを実施(2003/4/16)

アラスカのノースロップの陸地でメタンハイドレードを採掘しようというプロジェクトが動いている。アメリカで初めての試みで、地中3000フィートの地層まで掘削するというもの。アラスカのノースロップだけでも590兆立方メートルの天然ガスが埋蔵されていると推定されるという。

 

トヨタ自動車とフォード社が2004年モデルの新型ハイブリッド車を初公開(2003/4/18)

トヨタ自動車とフォード社は、ニューヨークで開催された国際自動車展示会(International Auto Show)で、2004年モデルの新型ハイブリッド車をそれぞれ初公開した。フォード社の新型ハイブリット車は、スポーツ用多目的車(SUV)である「Escape」。一方トヨタ社は、2003年秋販売予定の大型化された新型「Prius」。

 

農務省が、バイオマス産業・再生可能エネルギー推進プロジェクトを公募(2003/4/23)

米国農務省(USDA)が、再生可能エネルギー推進やバイオマス産業の促進を図るための、総額4400万ドルの助成金について、プロジェクト公募を開始。1つは、郊外地域における再生可能エネルギーシステム導入やエネルギー有効利用プログラムに対する助成で、もう1つはバイオマス関連の研究開発や実証試験。1件あたりの助成金は25万ドルから200万ドルとのこと。公募締め切りは6月6日。

 

ロスアンゼルス近郊で23の水素供給ステーションの建設が計画中(2003/4/23)

南カリフォルニアの南海岸地区大気質管理局(SCAQMD)は、南カリフォルニア地区における水素燃料自動車の導入促進を図るため、水素供給ステーションを来年までに23ヶ所設置することを計画。また、今年度末にも20台〜30台の水素燃料自動車(水素を内燃機関で燃焼するタイプのもの)をロスアンゼルスなどの自治体に導入することを考えているという。

 

IEAが、OECDに対し、省エネルギー機器の導入促進政策推進を提言(2003/4/23)

国際エネルギー機関(IEA)は、経済協力開発機構(OECD)に加盟する国々で省エネルギー機器の導入が進めば、2010年までにはエネルギー消費量が1/3削減され、年間のCO2排出量で3億2200万トン削減できるであろうという調査結果を発表。省エネルギー基準やラベリング制度と自主的な省エネルギー性能検証制度などを組み合わせた取り組みを行い、各国は省エネルギー機器の導入政策を推進すべきと提言した。

 

エネルギー省、固体電解質型燃料電池の実用化推進計画で2つのプロジェクトを選定(2003/4/24)

エネルギー省(DOE)は、Solid State Energy Conversion Alliance(SECA)計画に、FuelCell Energy社の作動温度を現在の摂氏1,000度から700度まで引き下げるプロジェクトとAcumentrics社主導のストロー程の大きさのセラミックス製シリンダーを組み合わせて、10キロワット級モジュールを作るプロジェクトを追加する予定と発表。SECAは、向こう10年で固体電解質型燃料電池(SOFC)の商業化を図るというもので、これまでに4チームが選定されている。

 

カナダ政府、民間団体との協力で作成した「燃料電池市場化ロードマップ」を発表(2003/4/25)

カナダ政府は、カナダ産業省(Industry Canada)、カナダ燃料電池協会(Fuel Cell Canada)、PricewaterhouseCoopers社を含む、民間団体との協力によって作成した「カナダにおける燃料電池市場化ロードマップ(Canadian Fuel Cell Commercialization Roadmap)」を発表。また、引き続きカナダが燃料電池市場化において、今後直面するであろう様々な問題に打ち勝つために、主な関係者から情報収集を行い、国家燃料電池戦略を策定することを考えているという。


環境

NSR違反の解決案として、Alcoa社の発電プラント閉鎖案を提示(2003/4/16)

新排出源評価(NSR)の違反で対処方針を検討してきた政府とAlcoa社は、解決案の1つとして、発電プラント閉鎖を選択肢の1つとして認めることを合意。他の解決案としては、@高性能な公害排出抑制装置の導入、Aボイラーの改修工事の実施が示されている。反対派は、何の罰則なしに、2006年まで発電プラントが運転できることを批判。

 

環境保護庁、オフロード・ディーゼル車の排出削減規制案を発表(2003/4/17)

環境保護庁(EPA)がトラクターや建設機械といったオフロード・ディーゼル車からの排出を大幅に削減する規制案を発表。新規制の対象となるオフロード・ディーゼル車からの大気汚染物質の排出は、移動発生源に起因する粒状物質排出の44%、窒素酸化物排出の12%にあたると推定。

 

共和党環境派グループと労働者組合が協力し、新たな保守派環境活動組織を設立(2003/4/18)

共和党環境推進会議(CREA)と国際的な労働組合組織が一緒になって、「経済発展、雇用確保と環境保護」が共存できる政策を支援する「労働者環境連合(LEA)」設立。ブッシュ政権のクリアスカイ法や温室効果ガス削減のための自主的なプログラムやアラスカ野生動物保護区域における掘削についても支持。

 

行政管理予算局と環境保護庁、温暖化データの解説方法で大論争(2003/4/22)

気候変動が米国環境に及ぼす影響を、環境保護庁(EPA)の来るべき報告書でどのように説明すべきかについて、ホワイトハウスとEPAが激論していると伝えられている。これは「環境白書 (Report on the Environment)」のEPA現行草案には、米国のエコシステム全体におよぶ深刻な温暖化傾向を示唆するデータと解説が盛り込まれているため。

 

全米国政アカデミーの報告書、新排出源査定(NSR)の改革を提言(2003/4/22)

全米国政アカデミー(NAPA) が、「爽やかな新風:新排出源査定プログラムの一新)」という研究報告を議会に提出。報告書では、NSRプログラムが、一部の新設産業施設からは効果をあげているものの、旧式の発電所では殆ど役立っていないことを指摘し、NSRプログラムの改革を提言している。

 

カナダ政府が交通部門の温室効果ガス削減に向けた活動に資金を提供(2003/4/23)

カナダ環境省(EC)は、交通部門からの温室効果ガスを削減するため、1270万カナダドルの予算を計上し、キャンペーンを展開すること発表。このプロジェクトは、同じくカナダ政府が目標としている、「個人が排出する温室効果ガスを10年以内に1人1トンの削減する」事業の一環としても位置づけらている。

 

憂慮する科学者同盟とアメリカ生態学会、五大湖地域の気候変動の報告書を発表(2003/4/24)

憂慮する科学者同盟(UCS)とアメリカ生態学会(ESA)は、気候変動は米国とカナダの五大湖地域に深刻な影響を与えることになるという報告書を発表。「五大湖地域の気候変動に挑戦」という報告書では、気候変動が五大湖地域全体に及ぼす影響のほかに、米国とカナダの各州が受ける影響をも取り上げ、エネルギー効率の改善や漁業や農耕管理の改定などの対策を提言している。

 

電力会社と石炭業界、FutureGen計画を支援する団体を設立(2003/4/25)

電力会社と石炭企業9社は、向こう10年間で無公害の石炭火力発電所および水素生産設備を建設しようという、ブッシュ政権のFutureGen計画(提示予算10億ドル)を支援する団体を設立。この団体は、非営利の研究開発団体であるBattelle社がとりまとめとなり、設立したもので、ブッシュ大統領に提出した書簡の中では、FutureGenに関するDOEとの合意が成立後、同計画に参加したいという意思を表明しているという。


サイエンス・テクノロジー

シカゴ大学、光によるマイクロマシンへの電力供給実験に成功(2003/4/16)

シカゴ大学の研究員らは、光を用いてナノスケールまたはマイクロマシン(MEMs)に電力を供給するという実験に成功。ナノスケール装置は、大型装置と同様、モーターを必要とするが、静電気および磁気発電電動機が研究されているものの、どちらの装置にも耐久性や力が足りない。しかし、光を用いたモーターは、光学上の渦巻きとして知られる小さな光の環を基にしているため、全く性質が異なるという。

 

全米科学振興協会主催の科学技術政策会議がワシントンDCで開催 (2003/4/17)

全米科学振興協会(AAAS)の第28回科学技術政策会議が、4月10日と4月11日の2日間にわたってワシントンDCで開催。昨年同様、ホワイトハウス科学技術政策局(OSTP)のJohn Marburger局長が基調演説を行なった。また、国立研究所や大学の研究機関を代表する者から今年度予算のや長期的な課題について意見が出された。

 

ハーバード大学がナノテク技術を駆使して医療用電子センサーの性能向上に成功(2003/4/18)

Charles Lieber博士率いるバーバード大学の研究チームは、ナノテク技術を駆使して、人体の疾患を発見するための電子診断センサーの性能を大幅に向上する方法を発見。微小シリコン・ワイヤー製のナノスケールFETに置き換えることで、これまでのものより感度が100倍も良くなり、さらに性能が向上すれば、複数疾患の即時発見に使用することが可能になるという。

 

米国宇宙産業の直面している課題(2003/4/22)

コロラドスプリングスで開催された第19回全米宇宙シンポジウムの席で、米国高官や宇宙産業の代表者等が、業界の直面している課題を討議。国防と宇宙産業の関係やNASAの将来と宇宙事業に関する官民パートナーシップの将来が主なトピックで、熟練エンジニアの不足や民間企業の規制強化などについて議論が行われた。

 

病気を最も初期段階で検出する分子画像カメラ(2003/4/24)

分子画像技術の発展により、最も初期段階の病気の発生を微妙な細胞の変化で検出できるであろうと言われている。分子画像は、陽電子放射断層法(PET)と呼ばれるここ5年程で広く普及した技術を基にしているが、分子画像ではPETに、病細胞に狙いを定める新しい診断用化学媒介を組み合わせ検出精度を高めている。同技術の世界市場は15億ドルに達する可能性があるという。

 

Zyvex社が分子スケールの操作が可能なマニピュレータを新発売(2003/4/25)

アメリカのナノテク産業の先端企業の1つであるZyvex社が、ナノテク研究開発を支援するために “S100ナノマニピュレータ”という操作性及び解像度に優れ、分子スケールの試料の配置やテストをキーパッドやジョイスティックなどを使って操作することが可能なツールの販売を発表した。同社では“S100”がSEMを使って行われる研究のプラットフォームになることを期待しているという。

 

議員や産業団体が、バイオマス研究などへの実質的な予算削減提案に反対を表明(2003/4/25)

民主党議員や共和党議員、及び産業団体等は、下院歳出委員会の内務省歳出小委員会およびエネルギー・水資源開発歳出小委員会に対し、DOEのエネルギー効率・再生可能エネルギー局が管理する予算を削減するというブッシュ政権の提案に反対するよう書簡を提出。これは、殆どが気候変動技術イニシアティブや水素燃料電池開発といったものに割り当てられてしまい、従来から行われてきたバイオマスや風力、地熱などの研究開発については、実質的に削減されてしまっているため。


議会・その他

下院科学委員会で将来ナノテクノロジーが与える負の影響について考える(2003/4/18)

下院科学委員会は、ナノテクノロジーが社会・倫理・環境に与える影響について、議論するための公聴会を開催。ナノテクノロジーの開発・応用の禁止を防ぐためにも、「ナノテクノロジーが社会・倫理に与える影響に関する社会科学研究」や「ナノ材料・装置などが将来的に人間の健康や環境に与える影響についての科学的研究」が重要という方針が支持されている。

 

ブッシュ政権がE-政府計画を発表;予算不足のため、効果に懸念(2003/4/24)

ホワイトハウスの行政管理予算局 (OMB) では、大統領の行政管理アジェンダの一環であるE-政府拡大プランを実現させる第一歩として、E-政府開発室の正式発足を発表。これと同時に、大統領のE-政府アジェンダを実施する為に連邦省庁が取るべき具体的な指針を盛り込んだ2003年のE-政府戦略(E-Government Strategy)も発表したが、予算不足により新プログラムの有効性が懸念されている。


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