NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2003年9月前半分

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

9月2日号

超高感度の水素センサーとしての用途が期待されるチタニア・ナノチューブ

ペンシルバニア州立大学、チタニア・ナノチューブは、炭素ナノチューブよりも水素に対する感度が高いため、水素センサーとしての用途に理想的な優れた特性を有していると発表。また、水素への反応感度はナノチューブの表面積ではなく、その構造と関係があるものと推定。(Penn State University News, July 29, 2003)

全米科学財団、ナノテクノロジーの社会的影響研究で2件のグラントを給付

全米科学財団(NSF)、@ナノテクノロジ−問題に関する多様な社会階層間の対話の場を確立し研究するサウスカロライナ大学のプロジェクト;A新技術が研究所から市場に届く仕組みについて研究するカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のプロジェクトに、いずれも百万ドルを上回るグラントを授与すると発表。(NSF Press Release, August 25, 2003)

環境保護庁、プログラムの対費用便益分析を完了

環境保護庁(EPA)、行政実績成果法(Government Performance and Results Act = GPRA)によって義務付けられているEPAプログラムの対費用便益分析を完了。この分析結果は、近日出版の「2003〜2008年 GPRA 計画」の付録として掲載される予定。(Inside EPA, August 29, 2003)


9月5日号

下院エネルギー・商業委員会における停電原因調査公聴会:概要(その1)

下院エネルギー・商業委員会、米国北東部・中西部およびカナダ東部で8月14日に発生した大停電の原因を調査するため、9月3日〜4日の二日間にわたり、公聴会を開催。Billy Tauzin委員長(共和党、ルイジアナ州)が、本公聴会の目的は近日開催予定の包括エネルギー法案に関する上下両院協議会で正しい決断を行なうための地固めであると発言したのに続き、同委員会の各メンバーが、電力規制条項や送配電基盤整備の必要性等について各自の見解を表明。また、Spencer Abrahamエネルギー長官が第一パネルで証言。


9月6日号

下院エネルギー・商業委員会における停電原因調査公聴会:概要(その2)

8月14日の停電で影響を被ったオハイオ州やミシガン州の州知事、連邦政府や州政府の規制担当機関、および、産業界の代表等、下院エネルギー・商業委員会で開催された公聴会の第二・第三パネルで証言。いずれの証言者も、具体的に停電の原因に言及することはなく、米加合同タスクフォースと州政府による調査の結果を待つべきであると発言。


9月8日号

環境保護庁、「エネルギースター」に類似した、自動車向けラベリング方法を検討中

環境保護庁(EPA)、車両の排ガス量に基づいた乗用車とトラックの現行の環境格付(green rating)を改善するため、自発的な消費者プログラムを策定中。電気製品向けの「エネルギースター」計画をモデルとする新プログラムは、車両の大気汚染スコアを燃費と組み合わせることになる予定。(Greenwire, September 4, 2003)

温室効果ガス排出に関する環境保護庁の覚書に、北東部3州の司法長官が異議申立て

マサチューセッツ州、コネチカット州、メイン州の各司法長官、EPAにはクリーンエア法の下で温室効果ガス排出制御を命じる権威がないと詳述する同庁の覚書に対し、意義申し立ての訴訟を起こすと発表。3州は、この覚書は責任放棄を意味すると主張し、気候変動に関するEPAの過去の声明や証言とも矛盾していると指摘。(Greenwire, September 5, 2003)

厚生省、バイオテロ防衛・新興感染症地域研究センター建設へのグラント給付を発表

厚生省(HHS)、バイオテロや新興・再興感染症に対応する新治療法やワクチン等の開発推進を狙い、バイオテロ防衛・新興感染症地域研究センター(Regional Centers of Excellence for Biodefense and Emerging Infectious Diseases Research = RCE)8ヶ所の建設に総額約3億5,000万ドルのグラントを提供すると発表。同グラントの給付やRCE計画の管理は、国立アレルギー感染病研究所(NIAID)が担当予定。(National Institutes of Health News, September 4, 2003)

包括エネルギー法案にクリアスカイを盛り込むことを希望するホワイトハウス

Bill Frist上院共和党院内総務(共和党、テネシー州)のスポークスマン、上下両院協議会の審議が間近な包括エネルギー法案にクリアスカイ法案を付随させるというブッシュ政権の意向を確認。しかし、共和党議員は包括エネルギー法案の可決が阻止される可能性があることから、行政府の戦略には消極的。(Greenwire, September 5, 2003)


9月9日号

農務省とエネルギー省、19件のバイオマスプロジェクトに総額約2,300ドルを合同出資

農務省(USDA)の天然資源保全部(Natural Resources Conservation Service)とエネルギー省(DOE)のエネルギー効率化・再生可能エネルギー部(Office of Energy Efficiency and Renewable Energy)、19件のバイオマス研究・開発・実証プロジェクトに、総額約2,300万ドル(USDAが約1,600万ドル、DOEが約700万ドル)を授与すると発表。(DOE Press Release, September 5, 2003)

クリントン上院議員、EPA次期長官の承認審議を保留に付すと発表

クリントン上院議員(民主党、ニューヨーク州)、2001年9月11日テロ攻撃後のロウアーマンハッタン地域の大気質および公衆衛生情報に関する政府の対応方法について、ホワイトハウスが回答するまで、環境保護庁(EPA)の次期長官に指名されたユタ州のMike Leavitt州知事に関する承認公聴会に保留をかける意向であると発表。(Greenwire, September 8, 2003)

米国陸軍研究所、共同バイオテクノロジー研究所プロジェクトに5,000万ドルを給付

マサチューセッツ工科大学(MIT)・カリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)・カルテック(California Institute of Technology)、軍事用の新材料やツールの開発を目的とした「共同バイオテクノロジー研究所(Institute of Collaborative Biotechnologies = ICB)」設置プロジェクトで、米国陸軍研究所(Army Research Office)から5,000万ドルのグラントを授与。

(MIT Press Release, August 27, 2003)


9月10日号

産業団体、包括エネルギー法案に再生可能エネルギー条項を盛り込むよう要求

再生可能エネルギー産業団体、上院エネルギー・天然資源委員会のPete Domenici委員長(共和党、ニューメキシコ州)や下院のBilly Tauzinエネルギー・商業下院委員長(共和党、ルイジアナ州)等に書簡を送り、上下両院協議会で討議される包括エネルギー法案に、再生可能エネルギー部門の発展を奨励する優遇税制や政策を盛り込むよう要請。 (SolarAccess.com September 9, 2003)

ツンドラ地帯の土壌中に生息する菌類の微生物バイオマス活動、冬期に活発化

コロラド大学とサンディエゴ州立大学の科学者による研究論文、ツンドラ地帯の土中の微生物バイオマス活動は、同地帯の土壌に生息する菌類の成長率が最高となる冬期に最高潮を迎えると報告。同研究結果は、ツンドラ地帯の土壌がこれまで考えられていた以上に生物多様性に富んでおり、同地帯の生物地球化学的機能(biogeochemical function)が予想以上に複雑なものである可能性を示唆。(Science, September 5, 2003)

上院歳出委員会、製造技術普及計画(MEP)の2004年度予算として1億660万ドルを承認

製造技術普及計画(Manufacturing Extension Program = MEP)の2004年度予算は、7月に下院本会議で3,960万ドルの配分が可決されていたが、この度、上院歳出委員会が2004年度MEP予算として1億660万ドルを承認。(SSTI Weekly Digest, September 5, 2003)


9月11日号

Cinergy社、ブッシュ政権の自主的二酸化炭素排出削減計画に参加することを表明

Cinergy社、気候リーダー先導策というブッシュ政権の自主的排出削減計画への参加第一号として名乗りをあげ、2010年〜2012年の間に温室効果ガス排出を5%削減する予定であると発表。同社は約2,100万ドルをかけて、年間の電力売上を2%増大しつつこの排出削減目標を達成していく最もコスト効率の高いオプションを検討する予定。(Greenwire, September 10, 2003)

未使用時のパーソナルコンピュータを最大活用する分散型コンピューティング

数百万人のコンピュータユーザー、AIDS治療薬や天候予測、および、タンパク質の研究を支援するため、分散型コンピューティング(distributed computing)と呼ばれるプロセスによって、未使用のコンピューター処理能力を自発的に提供中。(New York Times, September 11, 2003)

全米科学財団、国際材料研究所プロジェクトで提案受け付け中

全米科学財団(National Science Foundation = NSF)、材料研究部門における国際的な協力とコミュニケーションの促進を目的とする国際材料研究所(International Materials Institute = IMI)の創設に関し、提案を受け付け中。2004年には、2件から4件のプロジェクトに各々50万ドルから100万ドルの助成金が給付される予定。(SSTI Funding Supplement, September 5, 2003)

米航空宇宙局、スペースシャトルの復帰目標日は来年3月

米航空宇宙局(NASA)、スペースシャトルの「飛行再開(return to flight)」計画を発表。次回打ち上げ予定日は2004年3月11日であるが、安全面の必要条件が同日までに満たされない場合には、打ち上げ予定日が変更される可能性もあると示唆。(CNN.com, September 8, 2003)


9月12日号

ブッシュ政権のエネルギー法案に関する見解声明書:概要

DOEのSpencer Abraham長官、エネルギー法案に関するブッシュ政権の見解を概説した声明書を、包括エネルギー法案に関する上下両院協議会のPete Domenici委員長(共和党、ニューメキシコ州)あてに送付。声明書では協議会メンバーに、@海外エネルギー依存度の削減;A環境保護;B省エネルギー推進;Cエネルギー効率改善;D新技術や再生可能エネルギー資源の利用拡大を謳った、バランスのとれた包括エネルギー法案を可決するよう要求。(DOE Letter to Senator Pete Domenici, September 10, 2003)


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