NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2004年1月後半分

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

1月16日号

アポロ同盟の報告書、クリーンエネルギー技術への大規模投資を要求

アポロ同盟(Apollo Alliance)、向こう10年間でクリーンエネルギー技術に3,000億ドルの投資を行うことを提唱する「米国の新エネルギー:アポロ雇用報告書(New Energy for America - The Apollo Jobs Report: For Good Jobs & Energy Independence)」を発表。エネルギー資源の多様化を含む4つの広範な戦略の追求によって、新たに330万の高級職を創出し、経済成長およびエネルギーの自立を達成することが可能であると主張。(Greenwire, January 15, 2004)

Spencer Abrahamエネルギー省長官のフィリピン訪問

DOEのSpencer Abraham長官、米国DOE長官による歴代初のフィリピン訪問で、同国のVincente Perezエネルギー長官と会談。両長官は「持続可能なエネルギー開発計画(Sustainable Energy Development Program)」を強化し、クリーン燃料を促進するという覚書に署名。(DOE, January 13, 2004)

第2巡回区連邦控訴裁判所、ブッシュ政権の空調装置効率改善規定撤回措置に違法判決

米国第2巡回区連邦控訴裁判所(US Court of Appeals for 2nd Circuit)、2006年までに空調装置の30%効率改善を義務付けたクリントン前政権時代の規定を撤回するというブッシュ政権の決定は違法であるという裁決。今回の判決は、新政権が前政権の政策や規定を覆す権限を制限するもの。(The Washington Post, January 14, 2004)


1月20日号

デューク大学とGM社、燃料電池技術問題の研究で協力

デューク大学とGM社、2010年までに水素燃料電池自動車を開発することを目指し、研究・教育プロジェクトで協力する予定。GM社は共同プロジェクト参加者としてデューク大学に50万ドルを寄付。同援助は学術研究の推進およびその研究を現行の授業に結びつけることを支援。(Duke University, January 13, 2003)

ハイドロ・ケベック社、バイオマス発電公募の落札業者を発表

ハイドロ・ケベック・ディストリビューション社、75%以上バイオマスの供給原料から発電する事業について落札業者を発表。選定された3社は2006-2007年度以降20年にわたり、森林バイオマス製品で発電した年間総計約74メガワットの電力をハイドロ・ケベック社に供給する予定。 (Solar and Renewable Energy Outlook, January 1, 2004)

ブッシュ大統領、製造技術支援に対する見解を180度転換

ブッシュ大統領、本日発表された新製造業界アジェンダに関する報告書で、製造技術普及計画(Manufacturing Extension Partnership = MEP)に関する見解を180度転換し、MEP への長期的・持続的コミットメントを宣言。商務省に不公平貿易慣行を扱う新たな部署を新設するなどの組織変革も含まれており、Jerry Jasinowski全米製造業協会会長は同報告書を高く評価。(Wall Street Journal, January 16, 2004)

NASA、月・火星ミッションを担当する探査システム部の新設を発表

ブッシュ大統領発表の新宇宙探査イニシアティブに対応するため、月・火星ミッションに必要な新技術の開発を担当する探査システム部(Office of Exploration Systems)を新設する予定であるとNASAが発表。有人探査宇宙船の開発およびプロメテウス計画(Project Prometheus)用の原子力推進システムの開発が当初の優先事項となる。(New York Times, January 16, 2004)


1月21日号

ノースウェスタン大学の研究チーム、複雑な構造を自己形成するナノロッドを開発

ノースウェスタン大学の研究チーム、曲面構造を自己形成することの出来る、金とポリマーから成るハイブリッド型ナノロッドを開発。同発見が投薬システムや電子回路等の製造者にとって有益なものとなる可能性。(Northwestern University, January 15, 2004)

新型有人探査宇宙船、アポロ宇宙船に似たカプセル型か?

宇宙専門家達、米航空宇宙局(NASA)の新たな有人探査宇宙船がアポロ宇宙船に酷似したデザインになるものと予想。新型有人探査宇宙船の建設・実験・運転で2020年までにかかる総コストは、推定300億ドル。(New York Times, January 20, 2004)

年頭教書演説で環境問題に触れなかったブッシュ大統領

ブッシュ大統領、1月20日の年頭教書演説で、スポーツ界のステロイド問題から同性愛者の結婚問題まで幅広いトピックに触れたものの、エネルギー問題には一言だけ、環境問題に関しては全く言及しないままで演説を終了。(Greenwire, January 21, 2004)


1月22日号

メリーランド州議会、州知事の拒否権を無効とし、メリーランド州エネルギー効率基準法が成立

メリーランド州議会が、Robert Ehrlich州知事(共和党)の発動した「メリーランド州エネルギー効率基準法案(Maryland Efficiency Standards Act)」に対する拒否権を覆した。同基準によってメリーランド州は、2020年までに400メガワット(MW)の節電および6億ドルの節約という恩恵(ベネフィット)を受けることになる。(ACEEE, January 20, 2004)

Energy Visions Inc.、流動電解質を用いたメタノール直接型燃料電池の開発計画を発表

カナダのEnergy Visions Inc. (EVI)社、Hibar Systems社との提携で、EVI社占有技術の「流動電解質(flowing electrolyte)」を利用したメタノール直接型燃料電池の開発と改良を開始。 (Fuel Cell Today, January 20, 2004)

ブッシュ大統領の製造技術アジェンダ:名ばかりのコミットメント

近代化フォーラム(Modernization Forum)、ブッシュ大統領が先週発表した製造技術アジェンダを批判するプレスリリースを発表。特に、大統領の製造技術普及計画(Manufacturing Extension Partnership = MEP)へのコミットメントを疑問視。(Modernization Forum, January 16, 2004)


1月23日号

ニュージャージー州、カリフォルニア州の低公害自動車計画を採用

ニュージャージー州、カリフォルニア州の低公害自動車計画を採用。マサチューセッツ州・メイン州・ニューヨーク州・バーモント州に続き、米国で5番目。(Greenwire, January 22, 2004)

環境保護庁、現行の新排出源査定評価(NSR)規制に従い、違反者摘発に努力すると発言

環境保護庁(EPA)のMike Leavitt長官、連邦裁判所がブッシュ政権提案の新排出源査定評価(New Source Review = NSR)改定規制に関して最終判決を下だすまでは、現行NSR規制を積極的に施行する意向であると発言。(Greenwire, January 22, 2004)

ブッシュ大統領が提案する米航空宇宙局(NASA)の2005年度予算は162億ドル

NASAのSean O'Keefe局長、ブッシュ大統領は2005年度のNASA予算として、2004年度比5.6%増の162億ドルを要求する意向であると報告。この増額分は大統領の新宇宙イニシアティブに当てられる見込み。 (Reuters, January 21, 2004)

製造技術普及計画(MEP)予算壊滅の苦汁の中から出現した新たな製造業ロビー団体

MEPセンターの利益を議会に働きかけるため、首都ワシントンに、米国小規模製造業者同盟(United States Small Manufacturing Coalition)という新たな同業者組合が誕生。(Manufacturing and Technology News, January 16, 2004)


1月26日号

連邦政府エネルギー規制委員会、信頼度基準規制の発行計画を中止

連邦政府エネルギー規制委員会(Federal Energy Regulatory Commission =FERC)、信頼度基準に関する規制を発行する計画を中止。FERC規制の基礎となるはずの北米電力信頼度協議会(North American Electric Reliability Council = NERC)の任意規定が、違反に関する定義について曖昧すぎ、施行が不規則であると判断。(Greenwire, January 23, 2004)

環境保護庁、石炭燃焼廃棄物処分に関する規定発効を延期する模様

EPA、当初2004年夏に発行される予定であった石炭燃焼廃棄物の地表での密閉処分に関する規定案を延期。また、石炭燃焼廃棄物の鉱山充填に関する規制案は、この慣行の全米科学アカデミー(National Academy of Sciences = NAS)による審査が完了するまで先送りされる見込み。(Inside EPA, January 23, 2004)

国立海洋大気局の研究者、硝酸汚染が気候変動の一因である可能性を発表

国立海洋大気局(National Oceanic and Atmospheric Administration = NOAA)、硝酸汚染によって対流圏上部の巻雲が薄くなっていることを示唆する新たな研究を発表。(Greenwire, January 23, 2004)

組織形成の小さな組立要素として注目を集めるナノワイヤー

カリフォルニア大バークレー校の研究チーム、酸化亜鉛の結晶をナノワイヤーの配列に自己組織化させ、ナノスケールのレーザーを創製。また、テロリストの攻撃を察知できる鋭敏な化学物質検知機も作成。ハーバード大学の研究者等は、ナノワイヤーを単にコネクタとしてでなくトランジスタや論理回路に利用する革新的な利用法を発表。(Small Times, January 19, 2004)


1月28日号

インターナショナルビルダーショー、Pardee Homes社のゼロエネルギー住宅を展示

ラスベガス市で開催されたインターナショナルビルダーショー(International Buildersユ Show)、Pardee Homes社製のゼロエネルギー住宅を展示。太陽電池や窓の先端技術等を装備した「Ultimate Family Home」と呼ばれる同住宅の消費エネルギーは、同タイプの伝統的住宅より90%減。(Greenwire, January 26, 2004)

環境保護庁、Westar Energy社に新排出源査定評価(NSR)の規制違反を通告

EPA、カンザス州を本拠地とするWestar Energy社に対し、NSRの規制違反を通知。発電所相手のNSR規定行使措置としては、実に半年以上ぶりの違反通告。(Greenwire, January 27, 2004)

ナノビジネス同盟、「ナノテクノロジー法」の目標達成に向けて業界の協力を要請

ナノビジネス同盟(NanoBusiness Alliance)のMark Modzelewski氏、「21世紀ナノテクノロジー研究開発法(21st Century Nanotechnology Research and Development Act)」に対する批判家達の第一の不満は、分子製造研究(molecular manufacturing research)に関する条項が同法に盛り込まれなかったことにあると指摘。しかし、ナノテク支持者等は不満を訴える代わりに、この新産業革命が繁栄する環境を育てる努力をすべきであると主張。(Small Times, January 26, 2004)

John Kerry上院議員好戦の一要因はエネルギー自立問題

民主党大統領指名候補を決定する予備選挙で善戦しているJohn Kerry上院議員(マサチューセッツ州)、自らの最優先事項の一つとしてエネルギー自立問題を取り上げ、有権者からポジテイブな反応を獲得。(Knight Ridder Newspapers, January 23, 2004)


1月29日号

Frost & Sullivan社、太陽エネルギー産業の成熟には政府補助が不可欠であると報告

Frost & Sullivan社が発表した新報告書「北米の太陽エネルギー市場(North American Solar Power Markets)」、太陽エネルギー産業が天然ガスや石油等の一般的なエネルギー資源と競合できるようになるまでには、あと3〜5年間の連邦政府補助金が必要であろうと指摘。(SolarAccess.com, January 28, 2004)

Jeb Bushフロリダ州知事、水素技術と基盤整備への2005年度予算として1,500万ドルを要求

Jeb Bushフロリダ州知事(共和党)、2005年度予算案で、同州における水素ベース輸送インフラの構築を推進するインセンティブとして1,500万ドルを要求。フロリダ州環境保護局のAlan Bedwell副長官は、同イニシアティブが大気質改善および雇用創出でも一役かうことになると宣伝。(Fuelcellstoday.com, January 23, 2004)

地球の冷却

ハーバード医科大学保健地球環境センター(Center for Health and the Global Environment)のPaul Epstein氏、米国東部を襲っている寒冷前線は実のところ、地球温暖化の結果であると説明。(New York Times, January 28, 2004)

ロシア政府高官、京都議定書批准遅延でのロシア批判は不公平であると反論

ロシア政府高官、京都議定書の批准遅延に関してロシアが受けている批判は不公平であると不満を表明。ロシア政府が同条約を批准しない可能性を示唆していることは事実だが、議定書が経済にもたらす影響を現在も検討中であると主張。(Yahoo News, January 23, 2004)


1月30日号

ブッシュ政権、新排出源査定評価(NSR)違反で同政権初の訴訟を起こす

司法省、EPAに代わり、ケンタッキー東地区裁判所(District Court for the Eastern District of Kentucky)においてEast Kentucky電力協同組合をNSR規制違反で提訴。これはクリントン前政権時代(1999年〜2000年)の訴訟以来、初めてのNSR違反訴訟となる。(Greenwire, January 29, 2004)

NASAのSean OユKeefe局長、上院商業科学運輸委員会の公聴会で新宇宙計画を擁護

NASAのSean OユKeefe局長、1月28 日に開催された上院商業科学運輸委員会の公聴会で、大統領の新宇宙計画の将来に関する数々の厳しい質問に直面。同局長は、2005年度予算に同プログラム資金の使用方法が記載されているとして、大統領予算に目を通すまでは判断を保留にするよう上院議員等に要求。(New York Times, January 29, 2004)

米航空宇宙局、ハッブル宇宙望遠鏡放棄決定の再考に合意

ハッブル宇宙望遠鏡の放棄を決定して以来、政治家や天文学者から無数の抗議電話やEメール攻撃を受けたNASAのOユKeefe局長、コロンビア号事故を調査したHal Gehman提督に、同宇宙望遠鏡に関する決定のレビューを要請することを決定。(New York Times, January 30, 2004)

上院の共和党指導層、エネルギー法案の行詰まり打開策を検討中

上院の共和党指導層は、このままでは可決の見込みが全くたたない包括エネルギー法案を蘇らせて今年中に可決させるため、規模縮小したエネルギー法案と高速道路法案を合併させることを含む4戦略を検討中。(Roll Call, January 29, 2004)


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