NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2004年10月後半分

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

10月15日号

環境保護庁主導の携帯電話再生利用協議、電子機器の世界的リサイクルへと繋がる可能性

米国はバーゼル会議を未批准だが、米環境保護庁(EPA)は同会議の枠組内で試験的取組「環境に優しい廃携帯電話の管理に関する持続的パートナーシップ」を開始すべく他国と協議中。同取組には世界の10大携帯電話メーカーが関与し、参加国は自国の携帯電話再生利用インフラの調査や指針書の作成に着手済。米国は、コンピュータの再生利用については、携帯電話に係る取組が成功するまで待つようバーゼル会議事務局に勧告中。(Inside EPA, October 15, 2004)

先端技術計画、ミクロ及びナノテクノロジー関連企業に2,000万ドル強の助成金を供与

9月下旬に公表された国立標準規格技術研究所(NIST)の先端技術計画(ATP)の32件8,010 万ドルの研究助成金のうち、6件2,000万ドル以上はミクロおよびナノテクノロジー関連製品、さらに500万ドルが微小技術産業用の材料や計器開発に向けられる。(Small Times, October 4, 2004)

全米科学財団、情報技術研究プロジェクト約120件に総額1.3億ドルの助成金を授与

全米科学財団(NSF)は32州とコロンビア特別区の新規情報技術研究(ITR)プロジェクトを支援するため、120件近くのグラントを供与。一件あたり平均125万ドル、総額は5年間で1億3,000万ドル超の見込み。インターアクティブな海洋観測所と深海探検、材料の応力腐食割れ、重要インフラの保護、医療プロセスの向上、機密性の高い社会学的データへの安全保護されたアクセスなど。(NSF Press Release, September 30, 2004)

上院本会議、エネルギー省のスーパーコンピュータ研究開発を推進する法案を可決

上院本会議が10月10日、「2004年DOE高性能コンピューティング再活性化法案」を全会一致で可決。エネルギー省(DOE)先端コンピュータ研究開発プログラムの3年間(2005〜2007年度)予算として1億6,500万ドルを認可し、日本に対抗するスーパーコンピュータ・ユーザー施設を構築するもの。下院本会議の審議待ちだが反対が出る可能性は殆どなく、11月の選挙後にも可決の見込み。(Energy and Environmental Daily, October 13, 2004)


10月18日号

エネルギー省、水素研究グラントを発表

10月13日、オハイオ州カントン市のStark State Technical Collegeの最新式の燃料電池センターの起工式で、エネルギー省(DOE)のSpencer Abraham長官は、ブッシュ大統領の水素燃料イニシアティブの一環として、同州の大学や企業に600万ドルを超える水素研究グラントの給付を発表。翌日にはDavid Garmanエネルギー次官代行が、ウィスコンシン州のVirent Energy Systems社、および、ミシガン州のREB Research & Consulting社への水素研究グラントの交付を発表。(DOE News Release, October 13 & 14, 2004)

エネルギー省、国立研究所管理運営に関する提案依頼書草案に一般コメント受け付け

エネルギー省(DOE)は、ローレンス・バークレー国立研究所(LBNL)の管理運営を行うコントラクターの募集に先立ち、提案依頼書(RFP)案の契約条項に関する質問やコメントや意見を受け付け中。DOE発表の草案は管理方法を重視し、コントラクター選択の基準として、@科学・事業管理両面の管理方法;A主要人事;B科学・事業管理両面での経験と実績;C DOE任務の履行戦略等を列挙。最終RFP発表は今年12月の予定。(DOE News Release,October 15, 2004)


10月19日号

オンタリオ州、石炭火力発電所閉鎖計画を再確認:クリーンコール技術導入可能性を否定

オンタリオ州のDwight Duncanエネルギー長官は、2007年までに同州の石炭火力発電所を5ヵ所閉鎖するという計画を厳守する意向と主張。クリーンコール技術を導入による発電所閉鎖回避の可能性については、同技術が京都議定書下での同州のコミットメント達成にとって重要な二酸化炭素排出問題を解決しないとして否定した。(Platts Coal Trader, October 11, 2004)

カナダの産業界省エネパートナーシップ、年次報告書を発表

カナダ政府と産業界の自主的パートナーシップであるカナダ産業界省エネプログラム(CIPEC)が10月12日、産業部門の省エネに関する年次報告書 モEnergy Ideas At Workモ を発表。@参加企業は2002年にエネルギーコストを約34億ドル節減、A1990年から2002年の間に、CIPECメンバー産業界が全体でエネルギー集約度を8.1%改善し、25.2メガトンの温室効果ガス排出を回避、等が内容。(Natural Resources Canada News Release, October 12, 2004;Natural Resources Canada Report, October 2004)

商務省とイリノイ大学、技術革新と科学者育成の協力関係を拡大強化する覚書に調印

商務省とイリノイ大学は、技術革新推進と労働者育成に係る既存の協力関係を拡大・強化する2本の覚書(MOU)に調印。@イリノイ大シカゴ校・アーバナ/シャンペン校とNISTとの間のエネルギー・バイオサイエンス等の研究協力、Aイリノイ大スプリングフィールド校経営学部と商務省技術政策局との間のナノテクノロジーの社会経済的影響に係る共同検討につき、共同研究・分析等を実施。(Technology Administration Press Release, September29, 2004)

全米科学財団、全米初のナノスケール学習教育センターに助成金を交付

全米科学財団(NSF)が、全米初のナノスケール学習教育センター(NCLT)の支援のため、ノースウェスタン大に1,500万ドルのグラントを交付。同大やパーデュー大、ミシガン大等が参加するNCLTパートナーシップは、中高等学校から大学院までの学生にナノ科学・工学の概念を紹介し、彼等が当該産業の研究開発労働人口となりうるよう、大学院生の訓練、中高等学校等の教師に対する専門教育プログラムの提供等を行う。(NSF Press Release, October 1, 2004)


10月20日号

エネルギー省、水素燃料イニシアティブ支援で7,500万ドルの研究グラントを発表

エネルギー省(DOE)のSpencer Abraham長官は10月19日、ブッシュ大統領の水素燃料イニシアティブを支援する研究プロジェクト36件に総額7,500万ドル超のグラントの給付を発表。光電気化学による水分解、太陽熱化学による水分解等8つのカテゴリーのもとに選定されたプロジェクトは36件で、学界・産業界・DOE国立研究所等80以上の機関が関与。各プロジェクトへの助成額は30万ドルから450万ドル。(DOE Press Release, October 19, 2004)

近代化フォーラム、米国小規模製造業同盟と改名し、本拠を首都ワシントンに移転

製造技術普及計画(MEP)センターの支援団体である近代化フォーラム(Modernization Forum)が、ミシガン州リボニアの本部を閉鎖する。同フォーラムは他団体と合併して、名称を米国小規模製造業同盟(American Small Manufacturing Coalition = ASMC)に変更するほか、本部を首都ワシントンに移転中。新同盟の理事会は現在、ASMCのミッションを策定中だが、まずはMEP存続がASMCの当初目標。(Manufacturing and Technology News, October 6, 2004)


10月22日号

水素燃料電池システム試験を開始するアルゴンヌ国研の先進パワートレイン研究施設

アルゴンヌ国研(ANL)の先進パワートレイン研究施設がグレードアップされ、水素燃料電池システムと水素内燃機関の両方を試験可能となった。ANLでは先進パワートレイン研究プラットフォーム(APRP)と呼ばれる高度なwheeled platformの構築も行っており、これによって研究者等が各種の水素燃料車の動力体系を試験可能となる。(DOE Press Release, October 15, 2004)

カナダ政府、全国風況マップを発表

カナダは風力発電推進を目的に、世界主要国の中で初めて、国土全域の利用可能な風力資源の詳細な報告書を発行。「カナダ風況マップ」はカナダ全国における高精度な風力統計データベースであり、風力発電プロジェクトの企画者が歴史的な風のパターンを検討し、風力発電所の立地をより的確に決定可能となるため、経費と所要時間の削減を通じて新規の風力発電プロジェクト企画が助長される。(Natural Resources Canada News Release, October 15, 2004)

バージニア州、中小企業研究商業化賞を6社に授与

初のバージニア州中小企業研究商業化賞が、10月13日に開催された同州の第10回SBIR大会で6社に授与。同賞は、中小企業革新研究(SBIR)プログラム、中小企業技術移転(STTR)プログラム及び先端技術計画(ATP)で開発された技術の商品化における業績や可能性を認識することが目的で、過去3年間に第2フェーズの SBIR又はSTTRグラント、もしくはATPグラントを受領したバージニア州の企業(過去10年間で2,800件)に応募資格がある。(Virginiaユs Center for Innovative Technology Press Release, October 19, 2004; Washington Post, Octrober 21, 2004)


10月25日号

2005年に新設備容量への投資激増が期待される米国風力エネルギー業界

ブッシュ大統領が10月4日に風力エネルギー生産税控除を2005年末まで延長する法案に署名してから、風力発電プロジェクトが新たに活気づいている。米国風力エネルギー協会(AWEA)が発表した一次予測によると、2005年の推定新設備容量は、過去最高の2003年の1,673MWを大きく上回り、最高2,500MWに達する可能性がある。しかしながら、重要設備の供給不足、中国の鉄鋼需要増大に伴う鉄鋼価格の高騰といった懸念もある。(Greenwire, October 19, 2004)

Global Research Technologies社、CO2を大気から直接分離する機械の実証試験に着手

風力利用の機械を使ってCO2を大気から直接分離し岩石や地中に貯留するという、Klaus Lackner博士(コロンビア大)のアイディアを実現すべく、アリゾナ州ツーソン市郊外で、Global Research Technologies社が同機械試作品の建造・実証試験を行う。先ずCO2回収問題に取り組み、次に回収CO2の処理を検討予定。処理方法としては、CO2と鉱物が反応して炭酸塩を形成する自然プロセスを加速化。一方、同機械には膨大なエネルギーが必要であり、むしろCO2排出増加の可能性があるとの批判も。(Wall Street Journal, October 22, 2004; Greenwire, October 22, 2004)

ロシア下院、京都議定書を可決

ロシア下院が10月22日、予想通り、京都議定書を334対73の圧倒的多数で可決。議定書はロシア上院へ送られることになるが、上院でも容易に可決されるものと見られる。上院可決後にプーチン大統領が署名すると、この国際気候変動条約は90日以内に発効する。Margot Wallstrom欧州連合環境委員長が、ロシアの承認で米国の京都議定書論争が再熱化することを期待している一方、ブッシュ政権高官はロシアの批准が気候変動問題に関する行政府の見解に影響を与えることはありえないと主張。(Greenwire, October 22, 2004)


10月26日号

カリフォルニア州、土地所有者に森林保護インセンティブを提供 

カリフォルニア州の「Climate Action Registry」は10月22日、森林を維持する(森林を既存条件以上に管理し、保全地役権等によって森林地を永久に保存する)土地所有者に排出クレジットを供与する自主計画を承認。同州は年間約6万エーカーの森林(自動車250万台分のCO2排出に相当)を失っているという。 (California Climate Action Registry Press Release, Ocrtober 22, 2004; Greenwire, October 25, 2004)

商務省、米国本拠の標準機関コンソーシアムによる北京事務所開設を支援

商務省は、北京に中国標準適合性評価(CSCA)事務所を設置するため、米国機械学会(ASME)・米国石油協会(API)・米国材料試験協会(ASTM)インターナショナル・CSAアメリカの4団体が形成した対中非関税障壁除去のためのコンソーシアムに399,500ドルの助成金を交付すると発表。CSCA北京事務所は、重要市場・標準情報の取得、中国のマーケティング資料やウェブサイト準備等の活動を予定。(Technology Administration Press Release, October 14, 2004)


10月27日号

自主的に温室効果ガス排出削減努力を行う大手米国企業

世界資源研究所(WRI)が、企業の自主的な温室効果ガス排出努力をまとめた報告書「技術革新の風土:北東部諸州企業の温室効果ガス削減行動」を発表。同報告書は、気候変動に対する企業の先行的行動は、国内外で温室効果ガス排出規制が避けられなくなっている現状では、企業イメージの改善に加え、将来発生する[削減]コストの低減・規制下での増収といった実利もあり、後々に事態に対応するよりも遙かに低コストですむと結論付けている。(Wall Street Journal, October 26, 2004; WRI News Release, October 26, 2004)

全自動ロボット飛行船の人工衛星ドッキング実験を行う米航空宇宙局

米航空宇宙局(NASA)は10月26日に、DARTと呼ばれる自動ランデブー技術デモンストレータをカリフォルニア州の空軍基地から打ち上げる予定。DARTは、軌道上で人工衛星にドッキングする米国初の自動ロボット飛行船で、搭載された「高度ビデオ誘導センサー」を駆使して、接近・ドッキング・切り離しを行う能力を20時間にわたり実験予定。ブッシュ政権はDARTを月や火星への「宇宙探査ビジョン」の幕開けと宣伝。(Washington Post, October 25, 2004)


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