NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2004年2月前半分

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

2月2日号

コロラド州議会に提出された超党派の再生可能エネルギー法案

コロラド州議会議員の超党派グループ、同州議会に再生可能エネルギー使用基準(Renewable Portfolio Standard = RPS)法案を提出。同法案には2006年までに500 メガワット、2010年までに900メガワット、2020年までに1,800メガワットのRPSを設定する規定が含まれている。(New Energy Technologies News, January 28, 2004)

製造技術普及計画(MEP)、2004年米国政治革新賞で準最終選考入り

MEP、存続が危ぶまれている最中に2004年の米国政治革新賞(Innovation in American Government Awards)で準最終選考入り(50件)という朗報を受領。5件の入賞プログラムには10万ドルのグラントが授与される。(Modernization Forum, January 29, 2004)

IBMの研究チーム、ナノ結晶フラッシュメモリを生成する加工技術を発表

IBMの研究者2名、国際電子機器会議において 新たなナノ結晶 フラッシュメモリ技術を発表。カーボン・ナノチューブのトランジスタなど、他のナノテクノロジー・プロジェクトにもこの技術の応用が可能だと考えられている。(Small Times, January 28, 2004)

大統領管理アジェンダの進捗状況、エネルギー省と人事局の改善が顕著

行政管理予算局(Office of Management and Budget =OMB)、2001年に大統領の行政管理アジェンダ(Presidentユs Management Agenda =PMA) が発表されて以来最も大きな進歩を遂げた政府省庁として、DOEと人事局(Office of Personnel Management =OPM)を選定。(Office of Management and Budget, January 29, 2004)


2月3日号

エネルギー省、二酸化炭素貯留プロジェクトの準備作業開始

DOE、気候変動対策の一環として世界最大規模の炭素隔離プロジェクトを行なうため、ワイオミング州のTeapot Dome油田で準備中。2006年までには貯留作業が開始され、貯留活動は7〜10年以上続く見込み。(Yahoo News, January 29, 2004)

全米研究委員会、米国の大気質管理システムを査定した報告書を発表

全米科学アカデミーの全米研究委員会(National Research Council = NRC)、米国大気質管理システムの過去の業績、および、将来の見通しに関する新報告書「米国の大気質管理(Air Quality Management in the United States)」を発表。現行の大気質管理システムを確実に修正・改良するため、5つの主要提言を提示。(The National Academies, January 29, 2004)

ブッシュ政権、環境政策への批判鎮静化を図る

ブッシュ政権、John Kerry上院議員(マサチューセッツ州)を始めとする民主党議員による環境政策への辛辣な批判に対し応戦を開始。昨今になってこれまでの[反環境的な]立場を改めたり、180度の政策変更を行なっている。(Washington Post, February 2, 2004)

共和党上院議員、包括エネルギー法案を分割する案に傾きつつある模様

共和党議員達、先週末のフィラデルフィアでの会合において、包括エネルギー法案を分割して主要部分を高速道路再認可法案と合併する案の採用を決めた様子。エタノール条項が、高速道路法案に合併される主要条項となるが、その他の条項も[高速道路法案に対する]追加条項として検討される可能性。(Environment and Energy Daily, February 2, 2004)


2月5日号

Connecticut Transit、同州最大規模の太陽光発電システムを設置

コネチカット州の交通公社Connecticut Transit(CTTransit)、同州で最大規模となる23.1キロワット級の太陽光発電システムを、自動車整備修理所の屋根に設置。同プロジェクトの総費用は32万4,600ドル。(SolarAccess.com, February 4, 2004)

HydrogenSource社、自社占有の貴金属水性ガス変成触媒を実証

コネチカット州を本拠地とするHydrogenSource社、燃料電池や水素生成装置用の燃料処理システムで使用可能な、自社占有の先端貴金属水性ガス変成(water gas shift = WGS)触媒の実証を行なったと発表。この貴金属使用のWGS触媒は、在来型WGS触媒よりも10倍小型で、取り扱いも簡単で安全であり、耐久性にも優れている。(Fuelcellstoday.com, January 29, 2004)

全米科学評議会、全米科学財団の任務遂行には年間190億ドル必要と報告

全米科学評議会(National Science Board = NSB)が議会の要請を受けて発表した「約束の遂行:全米科学財団(National Sceince Foundation= NSF)の予算およびプログラム拡張に関する議会への報告書(Fulfilling the Promise: A Report to Congress on the Budgetary and Programmatic Expansion of the National Science Foundation)」、NSFが議会の定めた業務を全て実行する為には190億ドルの年間予算が必要であると指摘。(National Science Foundation, February 2, 2004)

カリフォルニア大学ロサンジェルス校、ナノテク活用の癌研究で150万ドルの助成を受領

米国の著名な慈善団体であるW.M. Keck財団、ナノテクノロジーを利用して、乳癌や前立腺癌、および、肺癌や膀胱癌の原因を解明するため、カリフォルニア大学ロサンジェルス校(UCLA)の研究チームに150万ドルのグラントを給付。(UCLA, January 29, 2004)

上院共和党の指導層、規模縮小した包括エネルギー法案を近々発表の模様

上院共和党の指導層、論議の的であるMTBE債務条項等を排除し、更に、規模縮小した包括エネルギー法案を近々提出の模様。現在書き直しが進むエネルギー法案の条項は、今月上院本会議で審議される予定の運輸省再認可法案、または、福祉法案のいずれかに対する修正法案として提案される見通し。(Environment and Energy Daily, February 4, 2004)


2月9日:

全米研究委員会、水素経済への移行に関する報告書を発表

全米科学アカデミー(National Academy of Sciences = NAS)の全米研究委員会(National Research Council)が発表した「水素経済:好機、費用、障壁、および、研究開発の必要性(The Hydrogen Economy: Opportunities, Costs, Barriers, And R&D Needs)」、水素経済を達成する為のビジョンを検討し、基盤整備問題等の課題を克服するため、DOEに対して11項目を提言。(National Research Council, February 2004)

Andersonカナダ環境大臣、地球温暖化はテロリズム以上に深刻な脅威であると発言

カナダのDavid Anderson環境大臣、気温上昇によって起る洪水で5億人の難民が生まれる可能性があるほか、気候変動のために小麦生産者の収穫量がカナダ全国の消費量に満たなくなる可能性があると警告し、地球温暖化はテロリズムよりも大きな脅威を世界に呈していると発言。(CNN.com, February 5, 2004)

環境保護者、スーパーファンド課税の復帰をブッシュ大統領に要請

環境保護者等、1995年の失効までスーパーファンド・プログラムの一財源となっていた石油・化学企業への課税を復帰させるようブッシュ大統領に要求。(Greenwire, February 4, 2004)

ナノテクノロジー時代の始まりを待ちわびる産業界

USA Today紙、ナノテク業界の進捗を評価し、その将来的可能性を検討する新しい記事を掲載。米国政府は2015年までに1兆ドルの市場創出が実現すると予測。モトローラやIBMのような大企業の多くはナノテク研究に深く関与し始めている。(USA Today, February 5, 2004)

上院共和党指導層、運輸省再認可法案にエネルギー法案を添付する戦略を発表

上院エネルギー天然資源委員会のPete Domenici委員長(共和党、ニューメキシコ州)、包括エネルギー法案からMTBE条項を排除するとともに、同法案を優遇税制の排除により「数十億ドル」縮小するという上院計画を、下院エネルギー商業委員会のBilly Tauzin委員長(共和党、ルイジアナ州)に伝えたと発表。(The White House Bulletin, February 5, 2004)


2月11日号

太陽電池会社のKonarka社、新型の薄膜系太陽電池を開発

太陽電池会社のKonarka社、薄膜系太陽電池の試作品で8%近い変換効率を達成したと発表。Konarka社では、ここ数ヶ月で10%の変換効率を達成できると期待しており、2004年後半にはパイロット規模の生産を開始し、2005年には生産能力を拡大していく予定。(SolarAccess.com, February 9, 2004)

ローレンスバークレー国立研究所、自動式需要対応制御システムの実験に成功

エネルギー省(DOE)傘下のローレンスバークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)、インターネットを利用してビルディングの電力使用を管理する「自動式需要対応(automated demand response)」のポテンシャルを評価する実験を成功裏に終了。カリフォルニア州エネルギー委員会(California Energy Commission)の公益エネルギー研究計画(Public Interest Energy Research = PIER)が同試験に出資。(Lawrence Berkeley National Laboratory, February 9, 2004)

EPAのLeavitt長官、貨物部門との自主的計画であるSmartWay輸送パートナーシップを推進

環境保護庁(EPA)のMike Leavitt長官、燃費向上と温室効果ガス排出削減を達成する方法として、貨物部門とEPAの自主的計画である「SmartWay輸送パートナーシップ(SmartWay Transport Partnership)」を宣伝。同計画が、ブッシュ政権の掲げる温室効果ガス集約度の18%削減という目標に大きく貢献するばかりでなく、米国経済を強化することにもなると主張。(EPA, February 9, 2004)

Bruce Buckheit前EPA大気施行部長、ブッシュ政権の新排出源査定評価(NSR)改訂を批判

EPAを2003年12月に辞職した前大気施行部長のBruce Buckheit氏、民主党政策委員会(Democratic Policy Committee)において、ブッシュ政権による新排出源査定評価(New Source Review = NSR)規制の改定および施行政策の改訂案を批判。(Greenwire, February 9, 2004)

全米科学財団、ナノテクノロジーへの投資を大幅拡大

全米科学財団(National Science Foundation = NSF)、Rita Colwell NSF総裁が財団の「最大優先投資分野」であると指摘するナノテクノロジー研究に、2005年度予算として前年度比20%増の3億500万ドルを要求。NSFの全体予算は57億ドルで前年度比の3%増に過ぎないが、国家安全保障・防衛・経済分野での緊急課題を考慮すると満足のいく増額と評価。(Washington Technology, February 3, 2004)


2月12日号

Dow Chemical 社、GM社製の75キロワット級水素燃料電池を発電目的で工場に設置

Dow Chemical 社とジェネラルモーターズ(GM)社、Dow工場で使用する電力の一部を水素燃料電池で供給する合同プロジェクトの第1フェーズに着手。Dow社のテキサス製造工場においてGM社製の75キロワット級燃料電池1個の運転試験を4〜6ヶ月間行ない、夏期には燃料電池を数個追加して発電容量を増やす予定。(Dow Corporate News, February 10, 2004)

Emerging Energy Research社、2004年の世界風力エネルギー市場は縮小すると報告

Emerging Energy Research 社の分析報告書「2002〜2010年の世界風力エネルギー市場と戦略」、世界の風力エネルギー市場は2003年には10%拡大して7,500メガワットまで成長したものの、2004年には、ドイツ市場の減速、および、生産税控除満期終了に伴なう米国市場の収縮が原因で幾分縮小するものと予測。(SolarAccess.com, February 3, 2004)

急激な気候変動を示唆する数々の証拠

劇的な気候変動が僅か10年の間に起きる可能性。原因の一つは、北大西洋を温暖に保つメキシコ湾流の流れがストップすること。科学者等はその証拠として、北極最大の棚氷が最近解けて崩れ、氷のダムに囲まれた淡水湖が海洋に流れ出していること;北大西洋の塩度は過去40年間で確実に低下していること等を指摘。(Fortune, February 11, 2004)


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