NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2004年4月前半分

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

4月1日号

Southern Methodist大学、ナノ粒子は水生動物にとって有害であると報告

ナノ粒子が水生動物に及ぼす影響を初めて調査したSouthern Methodist大学の報告書、ナノ粒子が臓器障害やその他中毒症状を引き起こす可能性を指摘。研究チームによると、カーボンナノ粒子は、水槽の水に混ぜた濃度が僅かであったにも拘わらず、魚の脳に有害な生化学的反応を引き起こしたほか、ミジンコを全滅させたという。(Washington Post, March 29, 2004)

ブッシュ大統領とKerry上院議員、ガソリン価格高騰で再熱化したエネルギー問題で非難

ブッシュ大統領と民主党大統領候補のJohn Kerry上院議員(マサチューセッツ州)、先頃のガソリン価格高騰により再熱したエネルギー問題で激しく非難合戦。Kerry上院議員は3月30日、ガソリン価格引下げを狙ったプランを発表。ブッシュ大統領は、Kerry議員のガソリン税引上げに対する支持歴を非難するテレビ広告を開始。(Greenwire, March 31, 2004)

下院議員が超党派で、下院の「2004年気候管理法案(Climate Stewardship Act)」を提出

Wayne Gilchrest下院議員(共和党、メリーランド州)とJohn Olver下院議員(民主党、マサーチューセッツ州)の起草した「2004年気候管理法案(Climate Stewardship Act, 2004)」、下院へ提出される。しかし、共和党指導層が気候変動問題への対応を望まないことから、同法案可決のチャンスは殆どない模様。(Environment and Energy Daily, March 30, 2004)


4月5日号

フロリダ州、水素ビジネス・パートナーシップを結成

フロリダ州、水素および水素関連技術の商品化を可能とするための戦略を模索する目的で、水素ビジネス・パートナーシップを結成。このパートナーシップは、政府と業界が水素技術の開発、実証、商品化を加速化できるような方法を提言する目的で、2004年の春に会議を重ねる予定。(Fuelcellstoday.com, April 2, 2004)

技術移転が途上国の温室効果ガス排出削減で果たす役割

Charles River AssociatesのDavid Montgomery副社長、途上国における技術移転・経済成長・温室効果ガス排出削減の関係について論説。Robert M. Solow博士が考案した、技術開発を融合する成長モデルを基にして創った経済成長モデルを使い、投資拡大や技術移転の拡大が中国やインドに及ぼす影響を検討。(George C. Marshall Institute Roundtable Discussion, March 31)

地球温暖化に立ち向かうシリコンバレー

シリコンバレーの大手企業数社、サンノゼ市、米航空宇宙局(NASA)エイムス研究所、サンタクララバレーウォーター地区と協力して、2010年までに温室効果ガスの排出量を1990年水準の20%減にまで削減することに合意。(Mercury News, March 29, 2004)

ナノ半導体研究、全米科学財団から大型助成を獲得

全米科学財団(NSF)、大学のナノエレクトロニクス研究プロジェクトの募集・管理・助成を目的としてセミコンダクター・リサーチ社(SRC)と提携。NSFは半導体に関する国際技術ロードマップ(International Technology Roadmap for Semiconductors)に概説されている研究分野を研究者等に奨励するために、2004年のNSFナノスケール科学・工学競争公募の助成金として400万ドルを提供。(Small Times, March 26, 2004)


4月6日号

エネルギー省、Robert Card次官の辞任を発表

DOE、Robert Card次官が個人的な家庭の事情により、2004年4月18日付けで辞任すると発表。ホワイトハウスは、DOE次官代行に、DOEエネルギー効率・再生可能エネルギー部のDavid Garman次官補を指名。(DOE, April 2, 2004)

最小の回路を冷やすミクロ冷却装置

Purdue大学の研究チーム、NSFの助成を受けて、携帯電話やノート型コンピュータ等の小型装置を水や他の冷却液を使用せずに冷やすことが出来るミクロサイズの冷却装置を開発。空気で冷やすこの新型冷却装置は、次世代可搬型ミクロエレクトロニクスにとって欠かすことの出来ないシステムとなる可能性。(NSF, March 31, 2004)

Marburger科学顧問、ブッシュ政権が科学的事実を曲解しているという批判を否定

ブッシュ大統領の科学顧問であるJohn Marburger科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy = OSTP)局長、ブッシュ政権は政治目的で科学を曲解しているという非難に反駁する書簡を議会に送付。(New York Times, April 3, 2004)


4月7日号

報告書「ペンシルバニア州における再生可能エネルギーの経済的影響」:概要

Black & Veatch社、@米国とペンシルバニア州における再生可能エネルギー開発の現状;A再生可能資源を利用する発電技術とその特性;B同州で再生可能資源を開発する技術的・短期的ポテンシャル;C2015年に10%の再生可能エネルギー使用基準(RPS)を達成する為に最もコスト効率的な資源、及び、最適な技術ミックス;D再生可能資源の開発が同州の電力価格に及ぼす影響;同州がRPS政策を採用することで受ける経済的な利益と負担を分析・検討した報告書を発表。(Black & Veatch, March 2004)

エネルギー省、科学部の再編成を発表

エネルギー省(DOE)、管理体制の合理化と業務の効率化を目指し、科学部の再編成を発表。国立研究所の現場マネージャーとDOE本部の科学部を仲介する管理層を撤廃する予定。(DOE, April 5, 2004)

製造技術普及計画を巡る動向

近代化フォーラム(Modernization Forum)のMike Wojcicki会長、製造技術普及計画(Manufacturing Extension Program = MEP)は、連邦政府による2004年度予算の大幅削減…2003年度の1億650万ドルから3,800万ドルに削減…の為に、減速段階を超え、停止状態に陥っていると指摘。こうした状況下で、下院科学委員会の科学小委員会が、Vernon Ehlers下院議員(共和党、ミシガン州)提案の「2004年製造技術競争力強化法案(Manufacturing Technology Competitiveness Act of 2004)」を可決。(Manufacturing and Technology News, April 2, 2004)

2本立てのエネルギー法案戦略に出た上院共和党

Bill Frist上院共和党院内総務(テネシー州)、包括エネルギー法案の税制条項を企業税法案(上院第1637号議案)に添付。Frist院内総務は明日にも、企業税法案に関する討議終結(cloture)の採決を取るものと見られている。(Environment and Energy Daily, April 6, 2004)


4月9日号

フォード自動車、ハイブリッド車生産へのコミットメントを強化

フォード自動車、ハイブリッド車の車種を増やすことを計画。2004年夏発売予定のハイブリッド型スポーツ用多目的車(SUV)Escapeに続き、2006年には2007年型車種として、ハイブリッド型SUV Marinerと未だ命名されていないハイブリッド型セダンを発表する予定。(The Wall Street Journal, April 8, 2004)

米航空宇宙局、NASA生物科学工学研究所の創設でミシガン大学にグラント給付

米航空宇宙局(NASA)、NASA生物科学・工学研究所(NASA Bioscience and Engineering Institute = NBEI)を創設するため、ミシガン大学に向こう5年間で総額640万ドルのグラントを授与。ミシガン大学の研究は@組織生物科学および組織工学;A生態と機器における輸送現象(transport phenomena);B分子生物物理学および分子生物工学;CバイオMEMS(BioMEMS)および生体材料という4テーマに焦点を当てる予定。(Small Times, March 30, 2004)

企業税法案に包括エネルギー法案の税制条項を添付した戦術が失敗

包括エネルギー法案の税制条項を添付した企業税法案に対する討議終結(Cloture)動議の採決が上院本会議で行われたが、結果は49対48で、可決に必要な60票に11票及ばず失敗。しかし、米国の一連の企業優遇税制を改定することが急務となっているため、同法案が、復活祭休会後に再度の討議終結採決にかけられる可能性。(Environment and Energy Daily, April 8, 2004)


4月13日号

首都ワシントンで水素関連事業を開始したシェル・ハイドロジェン社

シェル・ハイドロジェン社、首都ワシントンで水素燃料供給スタンドの建設を開始。シェルのものとしては米国初となるこの水素燃料供給スタンドは、GM製の燃料電池自動車6台にガス体および液体の水素を提供する見通し。(Shell Hydrogen News, April 6, 2004)

DOE、マイノリティ大学支援を狙った化石エネルギー研究公募のグラント受賞校を発表

エネルギー省(DOE)、少数民族学生の多い大学や研究機関における革新的化石エネルギー研究を支援する目的で昨年11月に発表した公募の、グラントを受賞する7機関を発表。同グラントの受給期間は最高3年間で、助成額はプロジェクトあたり2万〜20万ドル。今回の受給プロジェクトの3件が石炭関連、2件が探索的研究、残りの2件が石油と天然ガス。(DOE, April 12, 2004)

2004年第1四半期のベンチャーキャピタル投資

ダウ・ジョーンズ・ベンチャーワイヤー社、第1四半期のベンチャーキャピタル投資に関する第一次データを発表。2003年の第4四半期には446件の投資で41億ドルが捻出されたのに対し、2004年の第1四半期には、417件で46億ドル。2004年第1四半期にはバイオテク企業が最高額の投資を獲得。(Silicon Valley/San Jose Business Journal, April 5, 2004)


4月14日号

Business Communications社、軍事部門の燃料電池・高性能電池市場見通しを発表

Business Communications社、新報告書「軍事用の燃料電池と電池の進化:動向と市場 (Evolution of Fuel Cells and Batteries for the Military: Trends and Markets)」を発表。米国の軍事用燃料電池・高性能電池市場は、戦時の需要激増で[2000年の4,400万ドルから]2003年には3億1,340万ドルまで拡大したものの、今後は年平均7.7%の率で減少し、2008年には2億1,000万ドルまで落ち込むと予測。(Fuelcelltoday.com, April 13, 2004)

マサチューセッツ工科大学、太陽光発電が温室効果ガス排出削減に与える影響を分析

マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者達、太陽光(PV)発電の温室効果ガス排出削減効果が米国48州(アラスカとハワイを除く)でどのように違うのかを調査。太陽光発電による排出削減のベネフィットは、システムが利用される場所と時期に強く関係していることが判明。太陽光発電開発を奨励する場合には、既存の電力資源がクリーンか否かも考慮に入れる必要があると示唆。(MIT, April 8, 2004)

ブッシュ政権、商務省の製造・サービス業担当次官補にAlbert A Frink, Jr氏を指名

ブッシュ政権、昨年9月に商務省に新設された製造・サービス業担当次官補に、最高級絨毯の製造会社Fabrica International社の創設者であるAlbert A. Frink, Jr氏を指名。Frink氏の指名は今後、上院の承認を必要とする。(New York Times, April 9, 2004)


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