NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2004年4月後半分

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

4月15日号

メリーランド州議会、再生可能エネルギー使用基準(RPS)法案を可決

メリーランド州議会、同州の再生可能エネルギー使用基準(Renewable Portfolio Standard = RPS)を確立する法案を超党派大多数で可決。同州RPS法案は、2014年までに同州電力需要の7.5%を再生可能エネルギー資源で発電することを義務付けている。 (SolarAccess.com, April 14, 2004)

Xcel Energy社、二酸化炭素排出原単位を削減する自主計画を発表

Xcel Energy社、2003年から2012年までの間に二酸化炭素(CO2)排出原単位を7%削減する意向であると発表。設備容量増設とCO2排出原単位の低下を遂行するため、風力発電設備容量を3倍に増やすことを計画。また、既存の化石燃料発電所からの排出も削減する予定。(Platts Coal Trader, April 14. 2004)

環境保護庁の科学諮問委員会、要求予算額は新興技術の環境問題対応に不十分と警告

環境保護庁(EPA)の科学諮問委員会(Science Advisory Board = SAB)、同庁の2005年度科学予算はナノテクノロジー等の新興技術に関連する環境問題に対処するには不十分であるという懸念を表明した書簡をMike Leavitt EPA長官に送付。(Inside EPA, April 9, 2004)

パーデュー大学研究者、移植組織の生成に役立つナノチューブを発見

パーデュー大学の研究者、人工関節や移植組織の生成に利用することが出来る、自己組織形成ナノチューブを発見したと発表。同大学の研究チームは、ナノチューブは人体の特定部分への適合が可能であるため、バイオ医療への利用が特に期待できると指摘。 (Small Times, April 12, 2004)

超党派で製造技術普及計画予算の増額をブッシュ大統領に要請する米国の上院と下院

158名の下院議員、ブッシュ大統領へ書簡を送り、2004年度の製造技術普及計画(MEP)予算を2003年度水準に戻すため、他のプログラムからMEPに予算を移すよう要請。Olympia Snowe上院議員(共和党、メイン州)とJoseph Lieberman上院議員(民主党、コネチカット州)も、2005年度MEP予算の2003年度水準(1億660万ドル)復活を要望する同様の書簡を発起し、これまでに上院議員55名の支持を獲得。(Modernization Forum, April 6, 2004)


4月16日号

Abrahamエネルギー長官、エネルギー二国間協力拡大の討議でブラジルを訪問

Spencer Abrahamエネルギー長官、エネルギー問題での二国間協力推進のためにブラジルを訪問し、ブラジルの鉱山エネルギー大臣や外務大臣、科学技術大臣と協議する予定。二国間エネルギー・パートナーシップの枠組みの中での協力推進が話し合われ、特に水素と科学の分野での協力に焦点が当てられる予定。(DOE, April 15, 2004)

西部州知事協会、西部諸州での再生可能エネルギー開発を検討するサミットを開催

西部州知事協会、「北米エネルギー・サミット」を開催。Bill Richardsonニューメキシコ州知事 (民主党) が再生可能エネルギーの必要性を強調し、エネルギー法案の中でも特に信頼性問題と再生可能エネルギーのインセンティブに関連する部分を可決するよう議会に呼びかけ。(Greenwire, April 15, 2004)

環境保護庁、新オゾン規定の未遵守地域を発表

環境保護庁(EPA)のMike Leavitt長官、新オゾン規定を遵守しない米国31州の約470郡を発表する予定。未遵守地域には、自動車やトラック、および、産業施設からの排出を削減する義務が課され、州政府には、オゾン発生原因である窒素酸化物と揮発性有機化合物の削減計画を2007年〜2008年までに提出することが義務づけられる。(Greenwire, April 15, 2004)

Mike Honda下院議員、官民ナノテク・パートナーシップの創設を懸案中

Mike Honda下院議員(民主党、カリフォルニア州)、ナノテクノロジーの研究から実用化に向けた投資の低迷を解決するため、官民パートナーシップを創設する法案を提案予定。同法案は、同パートナーシップを監督するナノマニュファクチャリング法人を商務省内に設置するほか、官民パートーナーシップに7億5,000万ドルの連邦予算を認可。(Small Times, April 8, 2004)


4月19日号

エネルギー情報局、「2004年世界エネルギー見通し」を発表

DOEのエネルギー情報局(Energy Information Administration = EIA)、世界のエネルギー消費量は2001年からの24年間で54%増大し、2025年には623千兆Btuに達すると予測。特に、中国やインド等のアジア途上国におけるエネルギー消費の増加は著しく、2025年までに倍増すると推定。(International Energy Outlook, April 2004)

ニューメキシコ州の太陽光発電プロジェクト

ニューメキシコ州北部の数企業、太陽光発電プロジェクトで協力。太陽電池パネルはマサチューセッツ州に本拠を置くスパイア・コーポレーションが製作する予定で、同社はこの目的のためにタオスに製造施設を建設する計画。発電された電気はキット・カールソン電気共同組合を始めとするニューメキシコ州の電力会社が購入する予定。(SolarAccess.com, April 16, 2004)

ナノテクノロジーは世界を救うのか?それとも、主に誇大宣伝か?

走査型トンネル顕微鏡を使った実験でナノ粒子の様々な特性が発見されるにつれ、ナノテクノロジーをめぐる期待が過熱気味。科学者等は、同技術が誇大宣伝に終わらず、5〜10年のうちにその可能性に託された期待に恥じない貢献を行うことを願望。(CNN.com, April 16, 2004)


4月20日号

米国利害関係団体、米国100大発電所からの汚染排出を分析報告

利害関係団体3グループ、「米国100大発電所の大気排出量ベンチマーキング:2002年(Benchmarking Air Emissions of the 100 Largest Electric Generation Owners in the U.S. - 2002)」を合同発表。2002年には、クリーンエア法規制対象の窒素酸化物と二酸化硫黄の排出量が全体として減少したが、未規制の二酸化炭素排出は増加したと報告。(Platts Coal Trader, April 19, 2004)

NASA、スペースシャトル飛行再開に向け、改変の第一段階を完了

飛行再開タスクグループ(Return to Flight Task Group)、コロンビア事故調査委員会による15項目提言の内、@米国地球空間情報局との協定再評価;Aシャトルの主要プロジェクトの監査;Bシャトル熱防護システムの新たな検査プラン採用という3項目をNASAが完了したと確認。(CNN.com, April 16, 2004)


4月21日号

憂慮する科学者同盟、現行技術利用でカリフォルニア州の自動車排ガスが減少すると報告

憂慮する科学者同盟(Union of Concerned Scientist)の「気候管理:カリフォルニア州に自動車のための地球温暖化解決策(Climate Control: Global Warming Solutions for California Cars)」という報告書、変動性バルブリフトや無段変速装置等の既存自動車技術をカリフォルニア州で販売される全べての新車に利用した場合、同州の温室効果ガス排出は相当に削減されると指摘。(Union of Concerned Scientists, April 19, 2004)

気候温暖化で、アラスカ原住民の生活に支障

気候変動がアラスカでオオツノシカや白熊、鮭や他の海生動物に影響をもたらし、アラスカ原住民達の生活に支障が発生。アラスカ現住民科学委員会のOrville Huntington氏、同地域の気温が過去30年で華氏5度上昇しており、気候変動の影響は否定できないと指摘。(Yahoo News, April 16, 2004)

ナノテクノロジー関連特許申請の審査過程で苦悩する特許審査官

4月20日のナノテクノロジー・アウトリーチ会合開催に向け準備を進める特許商標局(Patent and Trademark Office = PTO)、同産業部門に関する特許申請の審査過程で未だに苦悩。毎月約50名の特許審査担当官をナノテク専門トレーニングに参加させるというPTOの努力にも拘わらず、生来が学際的なナノテク特許の審査には複数分野の専門家が必要であることが考慮されていないとして、ナノテク特許申請書審査の適切性に対する批判は絶えず。(Small Times, April 20, 2004)


4月22日号

地球温暖化問題で世界舞台への復帰を希望する環境保護庁のMike Leavitt長官

環境保護庁(EPA)のMike Leavitt長官、今週パリで開催される経済協力開発機構フォーラムにおける各国環境大臣等との会合を機に、気候変動に関する国際討議への再参加を希望。温室効果ガス排出削減義務化に反対、自主的排出削減の支持というブッシュ政権の立場には変わりがないと強調した後、大統領目標である2012年温室効果ガス排出原単位18%削減を達成するために努力を続ける意向であると発言。(Yahoo News, April 20, 2004)

Richard Muller教授、気候変動解決策は京都議定書ではなく省エネルギーであると主張

国家安全保障問題コンサルタントのRichard Muller物理学教授、科学界における気候変動の議論が個人攻撃になり下がり、気候変動という極めて複雑な問題に対する各人の見解が京都議定書への賛否で分類されていることに遺憾を表明。上院の京都議定書批准は絶望的である為、京都議定書の代わりに、経済成長にも役立つ省エネルギーとエネルギー使用合理化を推進することを提案。(Technology Review, April 16, 2004)

米航空宇宙局、国際宇宙基地滞在期間を1年に延長するロシア宇宙省の提案を却下

財政難のロシア宇宙局、ロケットを宇宙ツーリズムに利用するため、宇宙飛行士の国際宇宙基地滞在期間を6ヵ月から1年に延長することを提案。米航空宇宙局(NASA)、長期滞在ミッションを実施する前に、無重力が人間に与え得る影響を更に研究する必要があると主張して、同提案を却下。(CNN.com, April 20, 2004)


4月26日号

エネルギー省とWe Energies社、火力発電所水銀排出90%削減プロジェクトに共同着手

エネルギー省(DOE)とWe Energies社、クリーンコール発電イニシアティブの一環として、石炭火力発電所の水銀排出を90%削減する共同プロジェクトに着手すると発表。We Energies社、「TOXECONプロセス」という特許技術をミシガン州のPresque Isle発電所用の統合排出抑制システムとして設計・設置、その運転と評価を実施。(DOE, April 21, 2004)

John Kerry上院議員とブッシュ陣営、環境政策の批判合戦

民主党大統領候補のJohn Kerry上院議員(マサチューセッツ州)、地球の日にテキサス大学で、ブッシュ大統領の環境政策を批判。一方のブッシュ再選陣営、Kerry議員が健全な森林イニシアティブ(Healthy Forests Initiative)の採決に欠席し、大統領のエネルギー法案に反対したことを批判するChristie Whitman前EPA長官の書簡を公開。(Greenwire, April 23, 2004)

新排出源査定評価(NSR)規制を緩和する環境保護庁発表の新8時間オゾン基準

環境保護者と州政府高官、4月15日にEPAが発表した新オゾン規制にはNSR新義務要件を州政府が緩和することを認める文言が含まれていると批判。EPAは、NSRプログラムは排出削減達成を特に狙った排出抑制義務政策ではなく、大気質のある程度の改善と地域の産業発展を目的とする成長促進政策であると主張して新オゾン規制を正当化。(Inside EPA, April 23, 2004)

ハイブリッド自動車、米国人の間で人気上昇中

R. L. Polk 社、2003年に米国で登録されたハイブリッド自動車台数が2002年比26%増の43,435台であったと報告。州別登録台数では、カリフォルニア州が11,425台で第一位、二位がバージニア州の3,376台、三位がフロリダ州で1,996台。ハイブリッド車種別では、ホンダCivicがトヨタPriusより僅かに優勢。ガソリン価格の高騰により、2004年にはハイブリッド車の登録台数が更に増える見通し。(The Wall Street Journal, April 22, 2004)


4月26日号

コネチカット州知事、再生可能エネルギー使用を州政府機関に義務付ける行政命令を発動

John Rowlandコネチカット州知事(共和党)、州政府機関と州立大学で使用する電力需要の20%を2010年までに再生可能エネルギーで賄うよう義務付ける行政命令を発動。更に、2020年までに再生可能エネルギー使用基準(Renewable Portfolio Standard =RPS)を50%、2050年までにRPSを100%にするという長期的なクリーンエネルギー目標も設定。(SolarAccess.com, April 27, 2004)

全米科学振興協会(AAAS)、2005年度大統領予算案は研究活動に害をもたらすと批判

全米科学振興協会(American Association for the Advancement of Science = AAAS)、ブッシュ大統領の2005年度予算要求は連邦政府の研究活動従事24省庁の内の21機関の予算削減に繋がるとして、同予算案を批判。向こう5年間で財政赤字半減を狙うブッシュ誓約達成のため、物理学・医学・海洋学・天文学・地質学・心理学・生物学・気候学・人類学・生態学・数学・考古学・気象学・社会学・エネルギーという分野が予算削減を受け、減額対象外は軍事・国土安全保障・宇宙探査だけと推定。(New York Times, April 23, 2004)

技術革新における米国のリーダーシップ、危機に直面する可能性

全米科学財団(National Science Foundation = NSF)と将来の米国技術革新対策委員会(Task Force on the Future of American Innovation = TFFAI)、技術革新と研究分野における米国のリーダーシップが揺るぐ可能性があるという警告。TFFAI、過去20年間で数々の意義ある技術革新を生み出してきた基礎研究の予算が著しく減少したことを指摘し、NSFや国立標準規格技術研究所、エネルギー省科学部や国防省研究費目への予算増額要求キャンペーンを開始すると発表。一方のNSF、「インベンション(INVENTION:Enhancing Inventiveness for Quality of Life)」という報告書を発表し、技術革新の推進のために、教育課程の強化や特許法・特許申請過程の定期的見直しと改正等を提言。(SSTI Weekly Digest, April 26, 2004)

最高裁判所、チェイニー副大統領のエネルギー・タスクフォースに関する訴訟で審理開始

最高裁判所、2001年に招集されたエネルギー・タスクフォースの記録公開を巡る訴訟で審理を開始。エネルギー・タスクフォースに参加した連邦省庁に関連する資料を提出済みの行政府側、チェイニー副大統領に直接関係する資料の公開は三権分立に違反し違憲であると抵抗。2004年7月までに最高裁判所は裁決の見通し。(Greenwire, April 27, 2004)


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