NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2005年10月前半分

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

10月13日号

アトランタのブラウンフィールド再開発プロジェクト

米国最大のブラウンフィールド再開発プロジェクトであるアトランティック・ステーション(Atlantic Station)プロジェクトのリーダー達は、プロジェクトの一環として多様な先端エネルギー技術を実証するため、南部燃料電池連合(Southern Fuel Cell Coalition = SFCC)、運輸省の連邦輸送局(Federal Transit Administration)、エネルギー省(DOE)、ジョージア州他と提携している。このパートナーの中でも、SFCCが召集した同地域のエネルギーおよび燃料電池の専門家から成る諮問委員会は、約8.2メガワットの熱併給発電を行う革新的な燃料電池システムの企画および設置努力の指揮をとっている。

アトランティック・ステーション・プロジェクトは、ジョージア州アトランタの中心部に立地する総面積138エーカーの用地を再開発して、小売店やレストラン、住宅、ホテル、および、公園などを建設するプロジェクトで、燃料電池や太陽光発電によってこれらに電力を供給することを予定している。諮問委員会では、燃料電池による発電目標を達成させる為の戦略を立案することになる。委員会の主要な現行メンバーは下記の通り:

  • ジョージア工科大学革新的燃料電池・バッテリー技術センターのTom Fuller教授
  • SENTECH社最高経営責任者のRajat Sen博士
  • オークリッジ国立研究所水素・燃料電池プログラム・マネージャーのTim Armstrong博士
  • サバンナリバー国立研究所水素技術研究室のTed Motyka博士
  • Logan Energy Corporation最高経営責任者のChris Davis氏

(FuelCellToday, October 11, 2005)

環境保護庁と司法省、有害大気汚染物質の大幅削減でエクソンモービル社との調停成立

環境保護庁(EPA)と司法省(DOJ)がエクソンモービル社と、同社の事業活動に起因する有害大気汚染物質を大幅削減することで合意に達したと発表した。EPA-DOJの17番目の共同調停となった今回の共同合意は、5州に所在する7ヶ所のエクソンモービル精製所(全米精製能力の約11パーセントにあたる)に影響を与えるもので、これらの精製所が以下の実績を挙げることを規定している。

  • 二酸化炭素排出量を年間42,000トン以上削減する。
  • 窒素酸化物排出量を年間11,000トン以上削減する。

このほかにも、エクソンモービル社は漏洩検知システムに投資し、修理慣行をグレードアップし、ガス炎上を低減し、排出削減に役立つ他の方策を導入する。エクソンモービル社の見積では、プログラム経費は年間約5億7,100万ドルで、このほかにも同社は民事罰金870万ドルを支払い、地域社会に恩恵を与える環境プログラムに970万ドルを拠出することに同意している。(EPA News Release, October 11, 2005)

全米科学財団、ナノテクノロジーの社会的影響を調査するプロジェクトにグラントを授与

全米科学財団(National Science Foundation = NSF)が、環境リスクやプライバシーへの脅威を含むナノテクノロジーの社会的影響に関する研究に対して1,400万ドルを上回るグラントを授与した。NSFではナノスケール科学工学プログラムの予算を使い、アリゾナ州立大学テンピ校とカリフォルニア大学サンタバーバラ校の構内に「Centers for Nanotechnology in Society (CNS)」を新設するほか、サウスカロライナ大学およびハーバード大学で既に行われているnanotechnology-in-societyプロジェクトを拡張する意向である。

このグラントは、ナノサイズのセンサーが人体に植え込まれた場合に個人の健康に関する情報が盗用される恐れについて理解したいと望んでいるプライバシー保護の唱導者、ナノサイズの粒子が感知も制御もしにくい新種の汚染を引き起こすことを懸念する環境保護者を始めとして、公的機関からも幅広い支持を享受している。支持者層には、国民の支持がなければナノテクノロジー産業は繁栄できないと考えるナノテクノロジー業界の人材も含まれている。

連邦政府は2000年以降、大型のナノテクノロジーセンターやネットワークを21設置したものの、全てがエレクトロニクスや材料、バイオ医療や製造技術といった分野での進歩を狙ったもので、社会的局面の研究には僅かな投資が行われているにすぎない。従って、今回のグラントはNSFにとっての新たな出発点を意味するものと言える。各プロジェクトの概要は下記の通り:

  • アリゾナ州立大学テンピ校(助成総額は5年間で620万ドル)… ナノテクノロジー研究の為の「リアルタイム技術評価 (real-time technology assessment = RTTA)」プログラムを確立。新センターはRTTAを使って、ナノテクノロジー研究ダイナミクスの精査、一般市民や研究者の価値観変化のモニター等を行う。
  • カリフォルニア大学サンタバーバラ校(5年間で約500万ドル)… 新センターでは、ナノテクノロジー分野におけるイノベーションプロセスおよびアイディアの世界的普及、ナノテクノロジーに対する社会的反応等を重点的に調査する。
  • サウスカロライナ大学(5年間で約140万ドル)… ナノテクノロジーについて語る際にイメージ(images)が果たす役割、ナノテク分野の研究が研究者自身の科学的・技術的慣行を如何に変えるか、を調査する。
  • ハーバード大学(5年間で170万ドル)… ナノテク研究者や研究機関、企業や特許に関する情報を提供するNanoBankというデータベースが既に開発されているが、これを手本として、NanoEthicsBank、NanoEnviron|Bankを追加する。

(NSF Press Release, October 6, 2005)

自動車メーカー、「米国安全保障の為のガソリン法案」に懸念を表明

自動車メーカー等は、下院本会議で可決された「米国安全保障の為のガソリン法案」がもし法制化されれば、使用燃料の品質に関連する悪影響が出ることを懸念している。下院法案は、2種類のみのディーゼル燃料ブレンドを許可するものであるため、他の配合のディーゼル燃料に合わせて製造され較正されているエンジン触媒システムや電子システムに問題が起こる可能性があり、そうなれば、クリーンディーゼル技術のもたらす恩恵が大きく減り、相殺される可能性すらあると自動車メーカー等は主張している。(White House Bulletin, October 11, 2005)


10月11日号

フォ−ド自動車とボーイング社、車両や航空機の改善を狙ったナノテクノロジー研究で協力

車両と航空機の設計および燃料効率の改善を目標として、10月6日にフォード自動車とボーイング社が事業提携を発表した。フォード社とボーイング社の研究者等はノースウェスト大学のスタッフと協力して、車両や航空機の「強度、重量、出力ならびに製造コストを改善する」ためのナノ複合材料、特殊金属、断熱材やセンサーを開発する計画である。

フォード社はその車種の一部ですでにナノテクノロジーを活用し、より効率の高い触媒コンバータを製造している。さらに、フォードGT向けに耐性の優れた塗料も開発中である。他の自動車メーカー各社もナノテクノロジーを利用して、より強度の優れた踏み板、荷台、外装パネルを製造している。(Greenwire, October 7, 2005)

環境保護庁、自主排出削減プログラムの実績をまとめた年次報告書を発表

環境保護庁(EPA)が同庁の実施する大型自主削減プログラムの現状と実績をまとめた年次報告書を発表した。『我が将来への投資:Energy Star他の自主プログラム (Investing in Our future: Energy Star and Other Voluntary Programs) 』の大部分はEnergy Starに関する内容だが、他のプログラムの実績も取り上げている。同書では、2004年に次のような進展があったことが報告されている。

  • 米国民はEnergy Starプログラムのおかげで、米国の電力総需要の約4%にあたる1,250億kWhの節電とピーク時電力25GWの節電を達成し、エネルギー費を約100億ドル節減した。
  • Energy Starプログラムに起因する温室効果ガス排出削減量は、2,000万台の車両から放出される排出量に相当し、これは向こう10年間で4,000万台相当分へと倍増する見通しである。
  • EPAパートナーシップ計画の結果、温室効果ガス排出が57 MMTCE削減された。この内、約24 MMTCEはメタンやパーフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボンや六フッ化硫黄といった二酸化炭素以外の温室効果ガスの削減量である。
  • 大企業や大学、政府省庁他の機関による再生可能エネルギーの購入量が20億kWh以上に増大した。
  • 行政府の企業リーダーシップ計画である「Climate Leaders」に参加する企業が66社に増えた。
  • 州政府高官に包括的なクリーンエネルギー戦略の策定・導入を奨励するため、「クリーンエネルギー環境州パートナーシップ計画」という新たな自主的イニシアティブを設置した。

(EPA Energy Star and Other Voluntary Programs 2004 Annual Report, September 2005)

Lieberman上院議員、米国の輸入原油依存からの脱却計画を発表

Joe Lieberman上院議員(民主党、コネチカット州)は10月7日にジョージタウン大学で講演し、米国の安全保障や経済そして環境を脅かす、危険な輸入原油依存から米国を脱却させるための一連の提案を発表した。

Lieberman上院議員は、石油採掘と内熱機関という2つの発見を背景にして19世紀末から20世紀初旬に生まれた我々の現行エネルギー・運輸システムは、米国や世界の繁栄に多大な貢献をしてきたものの、21世紀となってビッグオイルの時代は終わったと語り、精製所からテールパイプへという我が国のインフラストラクチャーを改変して、エネルギー自立型の新時代を築くのは今であると主張した。同氏はまた、自動車やトラックの燃料である石油への絶対的依存がゆっくりとではあるが着実に、米国の経済や軍事力、更には政治的独立を蝕んでいると指摘し、自国産燃料であるバイオマスを原料とする燃料の生産・商業化を更に促進するために新たな法案を提出する意向であると発言した。Lieberman提案の概要は下記の通り:

  • 20年で1,000万バレルの石油消費削減を義務付け
  • ガソリンと代替燃料の双方を燃焼できる車両、または、ハイブリッド自動車の大量生産を義務付け
  • ハイブリッド技術の開発および市場化を推進する積極的な戦略
  • 十分な数の代替燃料小売販売店を確保するプログラム
  • トラック向け燃費基準の設定
  • 先端技術、代替燃料自動車、および、代替燃料トラックを製造する施設の設備整備に対する財政支援

(Senator Joe Lieberman News Release, October 7, 2005)


10月10日特別号

下院本会議、「2005年米国安全保障の為のガソリン法案」を僅差で可決

下院本会議は10月7日、「2005年米国安全保障の為のガソリン法案(注1)(Gasoline for America's Security Act of 2005:下院第3893号議案:以下「ガソリン法案」とよぶ)」を212対210(注2)で可決した。

本会議での審議手順 …本会議で審議する修正法案の数や審議時間等…は、本会議審議の前に規則委員会(Committee on Rules)によって決定される。下院規則委員会が10月6日に決定した「ガソリン法案」に関する下院本会議での審議手順は、修正法案の提出・審議を行なわず(注3)、(1) Barton下院議員提出の「ガソリン法案」を1時間 …共和党30分、民主党30分… 審議し;(2) Bart Stupak下院議員(民主党、ミシガン州)の提出した代替法案を30分間 …共和党15分、民主党15分… 審議してから、代替法案の採決、そして、「ガソリン法案」の採決を行うというものであった。下院本会議は、下院規制委員会が決定した審議手順法案(下院第481号議案)を216対201で可決、この手順に従って「ガソリン法案」と民主党の代替法案を審議した。

下院本会議での討論は、ハリケーン・カトりーヌとハリケーン・リタによって露呈された米国石油精製キャパシティの不足は新精製所建設や既存精製所の拡大を妨げている環境関連規制に起因すると主張する共和党議員と、石油製品不足が利益増に繋がることを熟知する石油業界が精製所新設を望んでいないのが真の理由であって、規制は関係ないと主張する民主党議員で二分した。

下院本会議は、「ガソリン法案」と民主党代替法案の討議終了後、先ず、民主党代替法案の採決を行ったが、これは199対222で否決されたため、その後、「ガソリン法案」の採決へと移った。エネルギー法案は地域別の事情が絡み、必ずしも投票結果は党派別とはならない。事実、投票時間の5分間が終る段階では反対票が賛成票を上回り、「ガソリン法案」は否決の危機に直面した。危険を感じた共和党指導層は、未投票の共和党議員および反対票を投じた共和党議員を説得するために、5分間の投票時間を過ぎても投票時間終了を宣言せず、民主党からは何時になったら投票を終了するのかという質問が数度にわたり議長に投げかけられた。票決は暫くの間209対213で硬直状態にあったが、「ガソリン法案」は投票開始から約50分後に、212(注4)対210で可決された。

下院本会議で審議・可決された「ガソリン法案」(注5)とStupak下院議員(民主党、ミシガン州)の提出した代替法案の概要は下記の通り:

「2005年米国安全保障の為のガソリン法案」

  • 精製施設の立地・建設・拡張・運転を助長するため、連邦政府と州政府の規制を調整する指針を策定する。
  • 連邦所有地(閉鎖された軍事施設、野生生物保護区域を含む)の中から精製施設建設に適した用地を指定するよう、大統領に命じる。
  • エネルギー省(DOE)を、精製施設に関する連邦政府の認可規制や環境影響査定の主要調整機関に指定し、DOE長官に精製施設認可手順のタイムラインを設定するよう命じる。
  • 「2005年エネルギー政策法」を修正し、精製業界再活性化に関する連邦政府-州政府の規制調整と支援に関するガイドラインを撤回する。
  • 連邦政府の手続きの遅れや訴訟が原因で新設精製所の運転を開始できない精製所建設者を保護するため、財務省に「スタンバイ精製所支援会計(Standby Refinery Support Account)」を設置する。
  • クリーンエア法案の大気汚染防止関連要件を修正し、自然災害に起因する燃料や燃料添加物供給の非常時には、大統領が燃料や燃料添加物の使用制限を一時的に撤回することを認可する。
  • 風下諸州に対する連邦大気質基準遵守期限を延期する。
  • 環境保護庁(EPA)長官に、「連邦政府燃料リスト(Federal Fuels List)」として6種類のブティック燃料を確認するよう義務付ける。
  • 連邦取引委員会(Federal Trade Commission = FTC)に、ハリケーン・カトりーヌの後で起きた全国的なガソリン価格高騰を調査するよう指示する。ガソリンとディゼール燃料の価格操作を規制し、違反者に違反毎に11,000ドルの罰金を科す権限をFTCに付与する。
  • DOE長官に、戦略石油備蓄(Strategic Petroleum Reserve = SPR)から石油製品を売却する権限を付与する。
  • 財務省に、SPR拡張基金を創設する。
  • カープールとバンプール」の連邦プログラムを設立し、これを導入する州政府や地方政府に助成金を給付する。
  • ハリケーンで倒れた落木等をバイオマス発電所の燃料として使用することを認める。

Stupak代替法案

  • 連邦取引委員会(FTC)に、ガソリンとディーゼル燃料だけでなく天然ガスやプロパンに関しても価格操作を定義付ける権限を付与するほか、違反者への罰金 …価格操作によって得た不正利益の最高3倍まで… を新たに決定する権限を付与する。FTCは規制施行時に、米国内での売上が年間5億ドルを超える原油・ガソリン・石油抽出物(petroleum distillates)の卸売りおよび小売業者を最優先とする。
  • 違反者から徴収した罰金を、財務省に設ける「消費者救済信託基金(Consumer Relief Trust Fund)」という別会計に入れ、これを低所得者へのエネルギー支援に使用する。
  • 戦略石油備蓄(SPR)をモデルとして、戦略精製品備蓄(Strategic Refinery Reserve)を創設する。戦略精製品備蓄は、米国におけるガソリン・暖房用石油・その他石油精製品の日間需要の5%に匹敵する備蓄を常時維持する。通常はこれを国防省を始めとする連邦政府機関に提供するが、非常時には一般にも開放する。

(October 7, 2005)

 

注釈:

1:下院エネルギー・商業委員会のJoe Barton委員長(共和党、テキサス州)が9月26日に検討素案として公表したものであるが、9月29日に下院エネルギー・商業委員会が16時間のマラソン審議でこれを可決したもの。

2:反対票の内訳は、民主党議員全員の196票、無所属の1票。更に、Boehlert(ニューヨーク州)・Bradley(ニューハンプシャー州)・Castle(デラウェア州)・Fitzpatrick(ペンシルバニア州)・Jones(ノースカロライナ州)・Johnson(イリノイ州)・LaHood(イリノイ州)・Leach(アイオワ州)・LoBiondo(ニュージャージー州)・Saxton(ニュージャージー州)・Shays(コネチカット州)・Smith(ニュージャージー州)・Weldon(ペンシルバニア州)という13名の共和党議員が反対票を投じた。

3:本会議では、規則委員会の規定に従って、共和党および民主党の議員から提出された修正法案を審議・採決し、可決された修正法案を追加・統合した法案を最終的に採決するのが通常。

4:Environment & Energy Newsは、反対から賛成へと票を変じた共和党議員は、Bill Young下院議員(フロリダ州)、Charlie Bass下院議員(ニューハンプシャー州)、Wayne Gilchrest下院議員(メリーランド州)であると報告している。

5:Joe Barton下院議員(共和党、テキサス州)が9月26日に提案した法案に盛り込まれていた新排出源査定評価(NSR)規定の改訂案には、共和党議員の中においてもかなりの抵抗があったため、下院本会議にかけられる前にNSR規定改定案は「ガソリン法案」から削除された。


10月7日号

Samuel Bodmanエネルギー長官、全国省エネキャンペーンを開始すると発表

エネルギー需要の増大とハリケーン・カトリーヌによるエネルギーインフラの被害が原因で、今年の冬はエネルギー価格、特に暖房費の高騰が予想されている。こうした現状を踏まえ、Samuel Bodmanエネルギー省(DOE)長官は10月3日、米国の家庭やビジネスにエネルギー消費削減方法を教示するため、「容易なエネルギー節減方法(Easy Ways to Save Energy)」という全国キャンペーンを開始すると発表した。

この全国キャンペーンは、エネルギー節約同盟(Alliance to Save Energy)とDOEの共同事業として行なわれるもので、エネルギー使用合理化施策と省エネ施策を(1)消費者;(2)事業と産業;(3)政府施設という対象毎に整理した3本立て戦略を採用する。キャンペーンの概要は下記の通り:

1. 消費者対象

  • 家庭で簡単かつ安価に実行できる数十の省エネ方法を概説した、DOE作成の「省エネルギーガイド(Energy $avers Guide)」を全国で配布
  • 全国約4,500のラジオ局を使って、省エネのヒントを英語とスペイン語で放送する広報サービスの実施
  • DOEの新マスコットであるエネルギー・ホッグ (エネルギーを暴食する豚で、悪漢) を使った「エネルギー・ホッグ」省エネキャンペーンを2006年1月から開始。エネルギー・ホッグ広告を雑誌や地方新聞、ビルボードやバスの停留所、バスやタクシーの広告掲示スペースに掲載するほか、3学年から8学年までを対象とするインターネットの教育ゲーム等に着手

2. ビジネス対象

  • 省エネ・チーム:エネルギー集約度が最も高い米国の工場200ヵ所でエネルギー効率を10倍改善するため、DOEはエネルギー効率改善専門家チームをこうした施設に派遣
  • DOEとの提携関係:「省エネルギー・ガイド(Energy $aver guide)」を消費者だけでなくビジネスにも流布させるため、DOEは、製造業者や小売業者、および、地方公益事業による同ガイドの複写・配布を認可

3. 政府省庁

  • 省エネ・チーム:今年の冬に迅速に実施できる容易な省エネ方法を確認するため、エネルギー専門家チームを連邦施設に派遣。

(DOE News Release, October 3, 2005; The Wall Street Journal, October 4, 2005)

Pombo下院資源委員長、石油・天然ガス開発法案を棚上げ

下院資源委員会のRichard Pombo委員長(共和党、カリフォルニア州)は、自分が提出した、海上掘削および北極圏野生生物保護地域(Arctic National Wildlife Refuge = ANWR)内での掘削を許可する内容の法案を棚上げすることに決めた。同法案は、下院エネルギー・商業委員会のJoe Barton委員長(共和党、テキサス州)提案の「2005年米国安全保障の為のガソリン法案(下院第3893号議案)」と共に、10月7月に下院本会議で審議されることになっていた。

争点となったのは海上掘削に関する条文で、Pombo委員長案では、沿岸諸州に連邦管轄大陸棚(outer continental shelf = OCS)でのエネルギー開発を行うか否かの選択肢を与えるという文言であったものが、下院資源委員会のマークアップではこれが、天然ガス開発の為にOCSモラトリアムを完全撤回するという文言に変わり、州政府は連邦政府の意のままという内容になってしまった。この条文に賛成できないカリフォルニア州選出のPombo委員長は、改定案の提案者であるJohn Peterson下院議員(共和党、ペンシルバニア州)とNeil Abercrombie下院議員(民主党、ハワイ州)と妥協案の交渉を行ったが、交渉は実を結ばず、結局、改定案は下院資源委員会で発声投票で可決された。Peterson-Abercrombie改正案にはPombo委員長自身が異議を唱えていたほか、Jeb Bushフロリダ州知事(共和党)およびフロリダ州選出議員等が大反対しているため、委員長は同法案を下院本会議にかける計画を放棄したもの。(CO.com, October 3, 2005)


10月4日号

全米科学アカデミーの専門家パネル、石炭ガス化複合発電(IGCC)プログラムの評価に着手

全米科学アカデミー(National Academy of Sciences = NAS)の独立専門家パネルが、 エネルギー省(DOE)の (1)石炭ガス化複合発電(IGCC);(2)分散型エネルギー源;(3)化学工業技術;(4)天然ガス探査;(5)炭素隔離;(6)ハイブリッド軽自動車という6つの研究開発(R&D)プログラムを精査し、その経済・環境・国家安全保障面での利益を査定評価する予定である。

米国議会はNASに、各R&Dプログラムの目標と目標達成への道程を分析する方法論(methodology)、および、プログラムが税金投入に値するか否か、また、非政府研究の方が(政府支援研究よりも)進歩的またはコスト効率的であるか否かを判定する方法論を策定するよう要請していた。

各パネルは2日間のミーティングを2回開催してから報告書の作成にとりかかることになるが、IGCCパネルでは第一回ミーティングを10月5日に開催する予定となっている。IGCCパネルのJack Siegel議長によると、パネルはIGCC研究に関する産業界の見解、および、DOE目標に影響を及ぼす可能性のある市場要素すべてを調査する予定であるという。(Greenwire, October 3, 2005)

Patakiニューヨーク州知事、州知事エタノール連合に加盟

George Patakiニューヨーク州知事(共和党)が、エタノール燃料の開発と利用の全国的および世界的に推進することを目的とする超党派組織「州知事エタノール連合(Governors' Ethanol Coalition)」に加盟すると発表した。米国31州の州知事と5ヵ国 …カナダ、メキシコ、ブラジル、スエーデン、タイ… の代表から成る同連合ではあるが、米国北東部諸州からの参加はPataki州知事が初めてとなる。

2006年にはニューヨーク州にエタノール工場が3ヵ所建設される予定であり、Pataki州知事は、同州におけるエタノールとバイオ燃料産業の発達がクリーンで再生可能な自州産燃料を増加させ、海外エネルギー資源への依存度軽減にも役立つことになると発言している。オスエゴ郡フルトン市に建設されるNortheast Biofuels工場は年間生産容量1億ガロンで、米国北東部では最大のエタノール工場になる見込みである。(RenewableEnergyAccess.com, October 3, 2005)

米国人対象のアンケート調査:地球は温暖化傾向にあるが、大型ハリケーンの発生とは関係なし

ワシントンポスト紙とABC Newsのアンケート調査により、米国人の大半は地球温暖化が発生していると信じているものの、米国を今年襲った破壊的ハリケーンが地球温暖化のせいであるという議論には懐疑的であることが明らかになった。9月23日から27日にかけて行なった1,019名への電話インタビューの結果は下記の通り:

  • 地球温暖化が発生していると思うという回答者が全体の56%で、発生していないと思うという回答者は40%
  • 民主党支持者の3分の2が地球温暖化を信じると回答した一方、共和党支持者の3分の2は信じないと回答
  • 大型ハリケーン発生は地球温暖化に起因するという回答者は39%で、今年のハリケーンシーズンは時として発生する事象であると回答した者が54%
  • 地球温暖化の影響を軽減する政府努力については、行動を起こす前に地球温暖化を更に研究すべきであるという回答が46%で、政府は直ちに行動するべきであるという回答が41%。

(Washington Post, October 2, 2005)


10月3日号

GE、Bechtel、アメリカン電力のクリーンコール発電所計画

GE Energy社、Bechtel電力、および、アメリカン電力 (American Electric Power) が9月29日、石炭ガス化複合発電 (IGCC) 施設建設に向けての重要な第一歩として、629メガワット級IGCC発電所の基本設計(front-end engineering design = FEED)段階に着手する合意書に調印した。米国内でのIGCC発電所建設は約10年ぶりのこととなる。10〜12ヵ月間のFEEDプロセス終了後に、オハイオ州メイグス郡で建設が始まることになるが、これを所有・運転するアメリカン電力によると、2010年を発電所の運転開始目標にしているという。

GE Energy社とBechtel電力では、IGCCシステムのコスト低減と米国内での普及を狙い、共同でスタンダードなIGCCシステムを開発・提供している。このシステムには電力数社が関心を表明しており、GE EnergyとBechtel電力は現在、Cinergy社およびVectren社と600メガワット級IGCC発電所の設計で交渉中であるという。(The Wall Street Journal, September 29, 2005; GE Energy Press Release, September 29, 2005)

米国陸軍とChevron Technology Ventureが水素燃料供給技術の開発で提携

Chevron Technology Ventureと米国陸軍の戦車車両研究開発技術センター (TARDEC) が、水素燃料供給技術の助長を目的とした共同研究開発協定 (Cooperative Research and Development Agreement = CRADA) を締結した。この協定に基づき、TARDECとChevron Technology Ventureは、統合された水素製造・基盤技術を設置、実験、評価、実証するため、知識や資源を共有して協力することが可能となる。

Chevron Technology VentureのRick Zalesky社長によると、このCRADAの目的は、水素燃料供給技術を輸送・発電ニーズに応える新エネルギー源として利用する可能性について調査し、実用的と判断された場合にはこの技術を軍事・民生用に応用することであるという。

TARDECとChevron Technology Ventureは、同提携に適切な技術とプロジェクト …Chevron社専有の水素製造技術を統合した水素エネルギーステーション等… を確認し、開発していくことになる。(Chevron News Release, September 29, 2005)

自主排出削減プログラムで目標以上の排出削減を達成したIBM社

9月29日のIBM社発表によると、同社は2つの環境団体との提携によって、自主排出削減目標を上回る128万トンの二酸化炭素排出削減を実現したという。世界自然保護基金(World Wide Fund for Nature = WWF)、および、エネルギー気候ソリューションセンター(Center for Energy & Climate Solutions = CECS)の協力の下、IBMはエネルギー費を1億1,500万ドル節減した。当初の目標は、同社の燃料および電力使用による年間二酸化炭素排出量を4%削減することだったが、省エネ対策や再生可能エネルギー源の活用により、目標値を上回る5.7%の削減を実現できたという。

WWF とCECSはいずれも、IBMの成功は、連邦政府の実質的対策が皆無の状況で、地球温暖化対策を導入する企業、州政府、地方自治体が増加傾向にある兆候だとみなしている。WWFでは二酸化炭素排出削減への先頃のコミットメント例として、電話帳や時刻表用の紙の製造で世界一の製紙会社ノルスクカナダがWWFのClimate Saversプログラムに加わり、2010年までに二酸化炭素排出量を1990年水準から70%削減すると公約したこと、更には、メリーランド州の州都アナポリスがやはり同プログラムに加わり、購入電力の20%を再生可能エネルギーにすること、および2020年までにエネルギー効率を15%改善することを公約したことを挙げている。(Greenwire, September 30, 2005)


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