NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2005年2月後半分

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

2月28日号

下院科学委員会、エネルギー研究開発実証商用化法案を可決

下院科学委員会が2月10日、「2005年エネルギー研究開発実証商用化法案(Energy Research, Development, Demonstration, and Commercial Application Act of 2005:下院第610号議案)」を可決した。下院科学委員会エネルギー小委員会のJudy Biggert委員長(共和党、イリノイ州)が提案した同法案は、2006年度から2010年度までの5年間にエネルギー省(DOE)研究開発予算として440億ドルを認可するというもので、下院の包括エネルギー法案に統合される予定である。下院第610号議案に盛り込まれた主要プログラムとその認可予算額は下記の通り:

(単位:億ドル)

科学局の2006年度〜2010年度予算
 核融合技術と国際熱核融合実験炉(ITER)研究
 バイオ・ベース研究

237
18
16

エネルギー効率化プログラムの2006年度〜2010年度予算
 自動車のエネルギー使用合理化研究
 ビルディングのエネルギー使用合理化研究
 産業部門のエネルギー使用合理化研究

40
14
8
7

再生可能燃料プログラムの2006年度〜2010年度予算
 バイオ・ベース製品の研究開発
 太陽エネルギー研究開発
 各州政府への太陽光発電実証グラント

39
15
9
8

クリーンコールおよび先進石油技術の2006年度〜2010年度予算

31

原子力発電研究開発の2006年度〜2010年度予算

25

水素および燃料電池研究開発の2006年度〜2010年度予算

21

電力および信頼度研究開発の2006年度〜2010年度予算
 電力系統の改善
 マイクロ・コジェネレーション発電技術

13
7
1

(Office of Congresswoman Judy Biggert Press Release, February 11, 2005)

カリフォルニア州議会に提出されたソーラーエネルギー計画

カリフォルニア州議会のJohn Campbell上院議員(共和党)とKevin Murray上院議員(民主党)が、昨年失敗に終わったArnold Schwarzenegger州知事(共和党)のソーラーエネルギー計画をカリフォルニア州議会に再提出している。この議案は、州知事が昨年提案した「ソーラー家屋100万軒(million solar homes)」計画から、論争の的となった幾つかの条項 …新築住宅の半分を太陽光発電にするという義務条項等… を外した改訂案ではあるものの、2018年までに太陽エネルギーで3,000メガワットの発電を目標とする、米国では最も野心的なソーラー・イニシアティブとなっている。同議案には下記の条項が盛り込まれている:

  • 住宅や業務用ビルに太陽光発電システム設置を奨励するため、日本の施策に倣った10ヵ年インセンティブ基金を設置する。
  • 住宅購入者に太陽光発電システムのコストと電気料金節約を説明し、太陽光発電をオプションとして提供するよう、大規模開発業者に義務づける。
  • 過去に節水トイレの義務づけを行なったカリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)に対して、太陽光発電システム設置の義務づけ検討を指示する。

太陽光発電装置導入では、カリフォルニア州は日本とドイツに続く3番目の消費者であるが、年間日照時間の方は日本より20%、ドイツより40%も長い。Campbell上院議員によると、同法案が可決・施行されれば、10年間で最高10億ドルの節約が期待できるという。(San Francisco Chronicle, February 25, 2005)

製造技術R&Dに関する省庁間作業グループ、3月3日にワークショップを開催

製造技術R&Dに関する省庁間作業グループ(Interagency Working Group = IWG)は、(i)ナノテクノロジー;(ii)水素;(iii)インテリジェント統合製造システム(Intelligent and integrated manufacturing systems)という重要3分野における製造技術の現状を査定評価するため、首都ワシントンで3月3日に一般公開フォーラムを開催する。

製造技術R&Dに関するIWG …連邦政府14省庁と科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy)および行政管理予算局(Office of Management and Budget)の高官で構成されたグループ… は現在、連邦政府の既存計画についてカタログを作成中であるが、ワークショップに参加する専門家から (i)現行リサーチ分野の評価;(ii)今後の研究課題やギャップに関する意見を聴取し、上記3分野に関する3つの白書を完成させるためにこうした情報を活用する計画であるという。同IWGの白書には、向こう5年〜10年間の連邦政府製造技術R&Dプログラムを指導することを目的とする提言が盛り込まれる予定である。(Manufacturing & Technology News, February 22, 2005)


2月25日号

国立再生可能エネルギー研究所のSverdrup博士、水素・燃料電池関連の新イニシアティブを概説

国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory = NREL)の水素・燃料電池・基盤整備技術部のテクニカル・マネジャーであるGeorge Sverdrup博士が、2月17〜18日にニューメキシコ州サンタフェ市で開催された「ニューメキシコ水素ビジネス評議会」の会合で、水素や燃料電池製品の製造技術に重点をおくエネルギー省(DOE)の新イニシアティブを概説した。Sverdrup博士の発言のポイントは下記の通り。

水素生成には現在、メタン水蒸気改質プロセス(steam methan reforming process)が使用されているが、この技術はかなりの資本金を要するため、水素価格を吊り上げる一因になっている。そこで、新たな水素生成工程が必要となるが、その為には、小型改質装置の設計や再生可能原料の製造技術といった新製造技術が不可欠となる。また、現時点における燃料電池製造技術は、研究所の技術のスケールアップに過ぎないが、燃料電池の市販化・大量生産を目指すのであれば、燃料電池サブシステム部品の標準規格化も必要となってくる。加えて、現行の製造工程が、ナノベースの製造管理(nanobased manufacturing regime)に最適であるとはとても思えない。

DOEでは、製造技術を強化するため、政府と産業界との協力方法について検討中であるが、下記の活動を予定している:

  • ロードマップを策定するため、2005年初夏に利害関係者等とのワークショップを開催する。
  • 核心となる製造技術ニーズを確認する。
  • 産学共同R&Dプログラムを主体として、設置するべきR&Dイニシアティブを確認する。

(February 18, 2005)

カナダの2州が、エネルギー省の炭素隔離パートナーシップに参加

エネルギー省(DOE)は、二酸化炭素(CO2)隔離のための7つの地域パートナーシップの内の2つに、カナダのアルバータ州とブリティッシュ・コロンビア州が新加入したと発表した。

アルバータ州は、Plaines CO2 削減パートナーシップに加入した。アルバータ州エネルギー公益事業委員会とアルバータ州環境省が同パートナーシップにCO2排出源、同州の交通インフラ、および地質学的情報を提供することになるほか、Ducks Unlimited Canadaという環境保護団体がアルバータ州の湿地帯でCO2隔離を行う可能性を調査する予定である。

ブリティッシュ・コロンビア州はWest Coast地域炭素隔離パートナーシップに加わった。ブリティッシュ・コロンビア州エネルギー・鉱業省がCO2排出源、交通インフラ、隔離候補地について情報を提供する予定である。(DOE News Release, February 16, 2005)

オレゴン大学のHutchison教授、環境に優しい金ナノ粒子合成方法で特許獲得

オレゴン大学のJames Hutchison材料科学研究所所長が、環境に優しい金ナノ粒子合成方法を発見し、先頃、特許を獲得した。Hutchison所長はまた、ナノ粒子に基づく製品開発を促進するために、他の非営利な研究者達にも同技術の利用を提供している。

金ナノ粒子の合成にはジボラン(diborane)やベンゼンが使用されるが、これらは有毒である。Hutchison所長が開発した新合成方法では、この有毒化学物質に代わり、水酸化ホウ素ナトリウム(sodium borohydride)とトルエンを使用する。また、旧方式では100〜200ミリグラムの金ナノ粒子合成に約1週間かかったが、新方式では1日で1グラム以上を合成することが可能であるという。

Hutchison教授は現在、トルエンよりも更に環境に優しい溶剤を調査研究しているほか、ナノ粒子を大量生成するマイクロリアクターの開発で、オレゴン州ナノ科学・ミクロ技術研究所(Oregon Nanoscience and Microtechnologies Institute)と協力している。一方、米国や日本の科学者数十名は既に、超小型トランジスターといったナノエレクトロニクスの開発を目指して、Hutchison金ナノ粒子の電子特性の研究に取り組んでいるという。(Environmental Science & Technology News, February 16, 2005)

ニューイングランド地域の二酸化炭素Cap-and-Trade型計画、コストは最小限

ニューイングランド地域の諸州環境担当官等が、2月17日にニューヨーク市で開催された会合で、地域別温室効果ガス先導策(Regional Greenhouse Gas Initiative = RGGI)のコストに関するモデリング・データを発表した。ICF Consulting社作成の同モデリングは、発電所の放出する二酸化炭素(CO2)排出に対して4つの上限設定シナリオを想定し、その結果を査定評価したもので、一番厳格なシナリオ …2020年までに1990水準の25%減… の場合でも、エネルギーの卸売価格の上昇率は5%で、炭素排出権価格は1トンあたり7ドル;2020年までに15%減の場合には、エネルギー価格は僅か2%の上昇で、炭素排出権価格は1トンあたり約3ドルと結論づけている。また、エネルギー効率の改善によって、Cap-and-Trade型プログラムのコストは大幅に低減することになるとも指摘している。

これに対して、産業界幹部等は、エネルギー効率の改善が本当に実現可能であるのかを疑問視しているほか、このモデルが将来の天然ガス価格を過小評価していることを批判している。また、環境保護者達も、このモデルには同地域の外で発生する排出増加の推定が盛り込まれていないことを指摘し、追加のモデリングが必要であると主張している。(Inside EPA, February 23, 2005)


2月24日号

燃料電池技術の開発・商品化を支援するカナダの2州

オンタリオ州のJoseph Cordiano経済開発貿易長官が、同州を世界イノベーション経済のリーダーへと変貌させるため、オンタリオ燃料電池革新プログラム(Ontario Fuel Cell Innovation Program)を創設する予定であると発表した。このプログラムでは、企業による燃料電池技術の製造・商品化を支援するため、2007年から2008年にかけて年間300万カナダドルを提供する計画であるという。

一方、ブリティッシュ・コロンビア州も自州を水素経済の世界的リーダーにするべく力を入れている。同州産業界の策定した「BC水素・燃料電池戦略(BC Hydrogen and Fuel Cell Strategy)」の重要要素である水素技術・燃料電池の開発を支援するため、同州のRichard Neufeldエネルギー・鉱業長官は2月21日に、バンクーバー市を本拠とするFuel Cells Canada…カナダの全国燃料電池企業団体…に200万ドルのグラントを供与すると発表している。(FuelCellsCanada, February 14, 2005 & February 21, 2005)

米国とドイツ、環境問題に関する共同声明を発表

ブッシュ大統領は、技術の開発と導入合意を通して他国に関与するという自身の気候変動政策を推し進めている模様である。ヨーロッパ諸国の指導者との関係修復努力の一環としてドイツを訪問したブッシュ大統領は、ゲアハルト・シュレーダー首相と会談した後、二国間の環境保護活動に焦点を当てた共同声明を発表している。この声明は次の3点を主な協力分野として取り上げている:

  • 環境に良い効率的な技術
  • 気候調査と気候政策
  • エネルギー効率と汚染削減

この声明は、具体的な目標値を欠いてはいるものの、ドイツと米国が先進8カ国の維持可能な開発について行動計画を策定する形で協調活動を継続すると述べている。(Greenwire, February 23, 2005)

温室効果ガス排出削減で、態度を軟化させるアラスカ選出の2上院議員

アラスカ州は、暴風雨や洪水、および、永久凍土層の溶解で大きな被害を受けている。同州選出のTed Stevens上院議員とLisa Murkowski上院議員は、2年前に二酸化炭素(CO2)抑制法案に反対票を投じた共和党議員であるが、今回のWall Street Journal紙とのインタビューでは、人造の温室効果ガス排出がこうした被害の一因であることが明らかにされたならば、排出削減を中心とする気候政策を再検討する用意があると表明している。これは、何等かの国家気候政策を容認する気運が超党派で高まっていることを示唆するもので、現に、上院には先頃、下記の4件の気候変動関連法案が提出されたばかりである:

  • John McCaine上院議員(共和党、アリゾナ州)とJoe Lieberman上院議員(民主党、コネチカット州)が2月10日に、CO2排出上限設定-取引(cap-and-trade)制度を盛り込んだ気候管理法案を共同提案。
  • Chuck Hagel上院議員(共和党、ネブラスカ州)が2月15日に、温室効果ガス原単位削減技術の開発・普及を狙い、(1)途上国における技術導入の促進を国務長官に指示する上院第386号議案;(2)温室効果ガス排出の原単位削減プロジェクト投資にインセンティブを提供するため、税規定を改訂する上院第387号議案;(3)こうした技術の導入にインセンティブを与え、温室効果ガス登録システムを設置するために1992年包括エネルギー法を改訂する上院第388号議案を提出。

Stevens議員やMurkowski議員が反対から賛成に転じたとしても、昨年11月の選挙で規制反対派の共和党議員が増えているため、気候変動関連法案の可決が必ずしも容易になったわけではない。しかしながら、Hagel法案を支持する共和党議員の層が広がっている可能性はあるといえる。(Wall Street Journal, February 22, 2005)


2月23日号

シェブロン・テキサコ社、初の水素燃料供給ステーションをカリフォルニア州にオープン

シェブロン・テキサコ・テクノロジー・ベンチャー(CTTV)社 …シェブロン・テキサコ社の子会社… が、カリフォルニア州チノ市にあるHyundai-Kiaアメリカ社のテクニカルセンターに、シェブロン水素燃料供給ステーションの第一号をオープンした。同プロジェクトは、安全かつ実用的な水素技術を実環境で実証することを目的としたエネルギー省(DOE)の「水素自動車フリートおよびインフラストラクチャー実証・確認プログラム(Controlled Hydrogen Fleet and Infrastructure Demonstration and Validation Program)」の一環として行なわれるもので、同ステーションでは、オンサイトで天然ガス等の炭化水素燃料をコスト効率的に水素に変換するCTTV社の専有技術を使用して、Hyundaiの水素燃料電池車Tucsonに燃料供給を行なうことになる。

シェブロン・テキサコ社では、DOEとの5ヵ年コスト分担プログラムの下で、最高6ヵ所の水素燃料供給ステーション建設を計画しているが、その殆どはカリフォルニア州に置かれる予定であるという。(ChevironTexaco Press Release, February 18, 2005)

全地球観測システムの10ヵ年実施計画で合意成立

地球観測グループ(Group on Earth Observations)のメンバー諸国約60ヵ国と欧州委員会が2月16日、ベルギーのブリュッセルで開催された第3回地球観測サミットにおいて、全地球観測システム(Global Earth Observation System of Systems = GEOSS) の10ヵ年実施計画に合意した。また、約40の国際機関もこの全地球規模ネットワークを支援することになる。GEOSSへの関心は、アジアとアフリカの一部に壊滅的な被害をもたらした津波の悲劇によって高まっており、今後数ヵ月の間に、更に多くの諸国や国際機関が同イニシアティブに加入するものと見られている。

第3回地球観測サミットへの米国代表団団長であるCarlos Gutierrez商務長官は、GEOSS実施計画の採択によって、包括的かつ統合的で中断することのない地球観測システムを開発し、気象予報の向上や自然災害への備えの改善、および、人々や財産保護の強化に役立てるという目標の実現に向けた第1フェーズが達成されたことになると語っている。GEOSSの応用例として、(1)津波他の自然災害の軽減;(2)マラリヤやSARS等の突発予告;(3)大気質や野火の監視;(4)気象予報の向上、等があげられている。(NOAA News Online, February 16, 2005)

中西部の5州、石炭火力発電所の排出基準強化を検討中

イリノイ・インディアナ・ミシガン・オハイオ・ウィスコンシンの中西部5州にある石炭火力発電所から放出される二酸化硫黄(SO2)と窒素酸化物(NOX)の排出量は、全国の発電所から放出されるSO2とNOXの4分の1にあたる。この状況を打開すべく、中西部5州は共同で、石炭火力発電所から放出される大気汚染物質をブッシュ大統領提案のクリアスカイ・イニシアティブよりも更に厳格に規制するという、地域計画を検討中である。この地域計画案では、新規発電所に汚染抑制技術の設置を義務づけ、新規石炭火力発電所向けの新たな排出基準を設定するほか、クリアスカイの取引制度に類似した排出権取引制度を設置することになるという。同地域計画に基づいて向こう10年間で削減されるSO2の量は、クリアスカイの下での削減量の4倍になると見られている。一方、二酸化炭素の排出削減の方は、クリアスカイおよび中西部5州の地域計画のどちらにも盛り込まれていない。(Greenwire, February 15, 2005)


2月17日号

全米エネルギー効率経済委員会、2005年型車の年次環境格付けを発表

全米エネルギー効率経済委員会(American Council for an Energy-Efficient Economy = ACEEE) が2005年型車全車の年次環境格付けを発表した。これによると、最も「グリーンな」環境優良車上位5車は、圧縮天然ガス(CNG)車のホンダ・シビックGX、続いてホンダ・インサイト、トヨタ・プリウス、ホンダ・シビック・ハイブリッド、トヨタ・カローラだった。環境に最も悪いワースト車は、500馬力8.3リットルのドッジ・ラムSRT10ピックアップ・トラックで、フォードのエクスカージョンとハンマーH2が総合で環境に悪い車のワースト2位と3位に格付けされた。

特筆に価するのは、フォード・エスケープ・ハイブリッドが環境優良車上位15位内に入ったことであろう。ガソリン車のスポーツ多目的車(SUV)が全車総合の年次格付けで環境優良車の上位にランキングしたのはこれが初めてであり、エスケープは小型スポーツ多目的車の分類でも首位に輝いている。(ACEEE News Release, February 15, 2005)

クワンタム社、携帯用水素燃料補給システムで特許を獲得

クワンタム・フュエル・システムズ・テクノロジーズ・ワールドワイド(Quantum Fuel Systems Technologies Worldwide)社が、内蔵型水素生成システムを組み込んだ移動可能な携帯用燃料補給システムで特許を取得した。この特許には、外部補給源から低圧水素を受け入れ、これを圧縮して5,000 psiまたは 10,000 psiで水素を供給するシステムも含まれている。

特許は、クワンタム社のHyHauler? および HyHauler Plus? を対象とするもので、燃料補給システムは、大手自動車メーカーや米国陸軍用に商品化が試みられている。クワンタム社は他の燃料補給システム製造業者にも同技術のライセンス供与を行うつもりである。(Quantum Technologies News Release, February 15, 2005)


2月16日号

最新の気象スーパーコンピュータを稼動させた、国立海洋大気局

国立海洋大気局(National Oceanic and Atmospheric Administration = NOAA)は先頃、全地球観測システム(Global Earth Observation System of Systems = GEOSS) の主力構成要素である3台の新しい気象スーパーコンピュータの稼動を開始した。これらのコンピュータはIBMとの9カ年契約 (総額1億8,000万ドル) の一部として納入されたものである。

主要システムとバックアップ・システムが、サービスに中断のない確実な気象予報の提供を可能としる一方で、研究開発システムが、新しい研究結果を使用可能な気象モデルへと移行する速度を加速し、官民に提供される気象予報製品の質が向上することになるという。新システムの導入によって、NOAAのコンピュータ処理能力は、毎秒の演算数にして4,500億回から1兆3,000億回へと急上昇する。この能力拡大により、一層複雑な応用物理学を使用した高解像モデルが可能となり、ハリケーンや洪水、竜巻や冬の嵐といった異常気象を予報する能力が向上すると期待されている。(NOAA News Online, February 10, 2005)

国務省、科学者と学生に対する査証規定を緩和

査証の必要条件の厳格化に伴い、海外の学生や科学者が研究目的で渡米することが難しくなっているという懸念の広まりを受けて、国務省は国土安全保障省と協議を重ねていたが、この度、こうした科学者等が米国内で仕事をしやすいよう、次のような変更を行った。

  • 保安調査許可証(セキュリティ・クリアランス)を更新せずに米国内に滞在できる期間を、海外の科学者の場合は2年、学生の場合は4年に延長。改正前は、海外の学生や科学者は毎年保安調査許可証の申請を行わねばならず、9月11日のテロ事件以降、この処理には平均67日を要していた。
  • プロセスの迅速化のため、技術更新に100万ドルを投資。

(New York Times, February 14, 2005)


Top Page