NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2005年3月前半分

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

3月11日号

ブルックヘイブン国立研究所の科学者、コバルト酸塩系の熱電材料で高質のコバルト酸薄膜を作製

エネルギー省(DOE)傘下のブルックヘイブン国立研究所(BNL)の科学者達が、先頃発見された積層コバルト酸塩(layered cobaltate)系統の熱電材料(thermoelectric material)を使って、薄膜を作製した。熱電変換材料で作った薄膜は、熱を電気エネルギーに、または、電気エネルギーを熱に直接変換出来るため、マイクロチップ・ベースの化学センサーや生体センサー、および、コンピューターチップの冷却等、多様な用途への使用が期待される。しかしながら、これまでは、在来型の熱電変換材料の特性、および、経済的な加工プロセスの欠如が原因で、こうした用途の開発は限定されていた。

酸化によって容易に壊れる在来型の熱電変換材料と異なり、BNLの科学者達が使用したコバルト酸塩は融点が高く、しかも、化学安定性にも優れている。科学者達は、基板やバッファー層を化学的に事前処理することなく、PLD法(pulsed laser deposition method)を用いて、通常のシリコンウェハの上に高質のコバルト酸薄膜を形成させたという。BNLの材料学者Qiang Li氏によると、クリーンエネルギー発電、thermochemistry-on-a-chip、bio-thermoelectric chip等への応用が期待されるという。(Brookhaven National Laboratory News, March 7, 2005)

環境保護庁、クリーンエア州間規定を発表

クリアスカイ法案が上院本会議で挫折したことを受け、環境保護庁(EPA)は3月10日に、石炭火力発電所から放出される二酸化硫黄(SO2)と窒素酸化物(NOx)排出を向こう10年間で大幅に削減することを狙ったクリーンエア州間規定(Clean Air Interstate Rule = CAIR)を発表した。同法の基準が完全実施されることになれば、東部28州とコロンビア特別区において、(1)NOx 排出量が2003年水準から60%以上削減され、(2)SO2排出量は2003年水準から70%以上削減されることになる。

EPAでは、CAIR規定が非常にコスト効率的な排出削減方法であり、健康面や環境面のベネフィットは規定遵守コストの25倍以上になると主張し、排出削減の義務付けがもたらす健康面や可視性向上などのメリットを2015年までに年間1,000億ドル以上と推定している。これに対し、発電所が規定遵守のために行う汚染抑制技術への投資は約170億ドルと算出している。

CAIR規定にもとづき、州政府の担当官は下記の2つの遵守方法のいづれかを用いて、排出削減義務を達成することになるという:

  • 2段階式の排出上限が設置されたEPA運営の州間上限設置-排出権取引(cap-and-trade)型制度への参加を電力会社に義務付ける。
  • 州政府が選択した施策によって、州別の排出上限を遵守する。

(EPA Press Release, March 10, 2005)


3月10日号

環境調査用の先進航空機がコロラド州の国立大気研究センターに到着予定

全米科学財団(NSF) が3月11日に、環境調査用の高性能計測機搭載航空機(High-performance Instrumented Airborne Platform for Environmental Research = HIAPER)と呼ばれる8,150万ドルの新型航空機をコロラド州の国立大気研究センター(National Center for Atmospheric Research =NCAR) に納入する。同機は2005年後半に研究ミッションを開始する。

既存の環境観測用航空機と異なるHIAPERの特長として、航続距離(7,000マイル)、高高度能力(最高51,000フィート)、搭載計測器の充実(5,600パウンド相当)が挙げられる。今後のミッションとして下記が予定されている:

  • 大陸や海を越えて汚染プリュームを追い、汚染物質の発生源をつきとめ、それらが大気に与える影響を判断すること。
  • 順次発生するハリケーンの研究
  • 種々の遠隔センサーを駆使した地球表面のマッピング
  • 高高度の巻雲の中を飛び、巻雲の垂直断面の物理的・化学的特性を解明すること。

(NSF News, March 9, 2005)

ナノテクノロジー部門で有力勢力となりつつある、カーボン・ナノテクノロジーズ社

ヒューストンを本拠とする株式非公開企業カーボン・ナノテクノロジーズ社が先頃、カーボン・ナノチューブの生産に関連する重要な特許を多数取得したと発表した。これによって、ライス大学のノーベル賞受賞学者Rick Smalley博士が2000年に創業した同社は、萌芽期にあるこの新興産業でリーダー的地位を確立したことになる。

これらの特許は、生産方法のほかに、ナノチューブの上部と側面に粒子を付着する方法を規定している。このような粒子付着はほとんどのナノチューブ用途に必要な工程となる可能性が高い。

カーボン・ナノテクノロジーズ社CEOのGower氏は、競合企業がいずれも同社の知的所有権を侵害していると考えているため、一連の知的所有権訴訟につながる恐れもある。しかし、どの企業もまだ収益計上に至っていないため、裁判沙汰はまだ先の話である。その時点で、同社の特許ポートフォリオと市場占有率が真価を問われると言ってよかろう。(Houston Chronicle, March 5, 2005)

新設された上院商業委員会気候変動影響小委員会の委員長は一年生議員

上院商業委員会のTed Stevens委員長(共和党、アラスカ州)が3月8日、新設の気候変動影響小委員会(Global Climate Change and Impacts Subcommittee)の委員長に一年生議員であるDavid Vitter上院議員(共和党、ルイジアナ州)を指名した。同小委員会は、このテーマを専門に扱う両院初のグループである。

情報筋によると、Vitter上院議員は、自州のエネルギー業界支援のためにこの任務を引き受ける模様であるという。Vitter上院議員はまだ二酸化炭素排出規制を支持する意思表示を行っていない。彼の事務所によれば、彼の最優先事項は以下の通りである。

  • 包括的なエネルギー法案の可決
  • 石油・天然ガス探査の推進
  • 沿岸地域における石油・ガス生産の推進
  • 気候変動影響小委員会の民主党上級メンバーはFrank Lautenberg上院議員 (ニュージャージー州)が務める。

(Environment and Energy Daily, March 9, 2005)


3月8日号

テキサス州議会のFraser上院議員、再生可能エネルギー使用基準(RPS)引上げ案を提出       

テキサス州議会のTroy Fraser上院議員(共和党)が、2025年までに同州電力の10パーセントを再生可能エネルギー源で賄うことを義務付ける法案を提出した。再生可能エネルギー使用基準(renewable portfolio standard = RPS)10%の大半は、風力発電施設の増設で満たされることになる。

同州におけるRPS引き上げで問題となるのは、風力発電施設のある遠隔地から電気を送るために必要となる送電線の新設コストである。テキサス州政府は、風力発電容量が5,000メガワット増設された場合、これを支援する送電線の建設費は10億ドルになると推定している。一方、クリーンエネルギーの唱導者達は、同コストは数十年間かけて回収されるため、平均家庭の月間電気料金に換算すれば1ドル6セントほどの増額にすぎないと指摘しているほか、2020年までにRPSを20%まで引き上げることを要請している。

憂慮する科学者同盟(Union of Concerned Scientists = UCS)の分析によると、RPSは10%であれ20%であれ、今後20年間で約55億ドルの節減を消費者にもたらすことになるが、経済にもたらすベネフィットはRPS 20%の方が遥かに大きいという。UCSでは、RPS 20%提案により創出される雇用を3万8,290件、温室効果ガスの年間排出削減量を3万4,000トンと推定している。(Texas Star-Telegram, February 25, 2005)

カナダ政府、2005年予算を発表

カナダ政府が2005年政府予算を発表した。Stephane Dion環境大臣が同国の「最もグリーンな予算」と称賛する2005年予算は、気候変動への対応;環境技術開発の推進;再生可能エネルギーやエネルギー効率化への投資奨励に、向こう5年間で50億カナダドルをコミットしている。この予算に盛り込まれた主要なプログラムは下記の通り:

  • 温室効果ガス排出を削減するコスト効率的なプロジェクトや活動を奨励する、新規のクリーン基金(Clean Fund)に5年間で10億(加)ドルを計上
  • 連邦・州・地方政府が共同実施する大型かつ戦略的なグリーン・インフラ整備への投資を目的とするパートナーシップ基金(Partnership Fund)に2億5,000万(加)ドル
  • 住宅の省エネ設備投資を助成するEnerGuide for Houses Retrofit Incentive計画に2億2,500万(加)ドル
  • 持続可能なエネルギー科学技術戦略の策定支援に2億(加)ドル
  • 風力発電の利用を推進する風力発電インセンティブ(Wind Power Production Incentive)に2億(加)ドル
  • 小規模水力・バイオマス・埋立地ガス他の再生可能エネルギー技術利用を促進する新規の再生可能資源利用発電インセンティブ(Renewable Power Production Incentive)に9,700万(加)ドル。

(Environment Canada News Release, February 28, 2005)

米国政府とイリノイの電力会社、クリーンエア法違反訴訟で和解

司法省、環境保護庁(EPA)、および、イリノイ州政府が、クリントン政権終焉の1999年にクリーンエア法の新排出源査定(New Source Review = NSR)条項違反で訴えたイリノイ電力およびその後継者であるDynergy Midwest電力と、和解に達したと発表した。訴訟対象となった5つの発電所の中でも、イリノイ州ボールドウィンにあるボールドウィン発電所は全米でも最悪の大気汚染排出源の一つで、1999年には年間24.5万トンの二酸化硫黄(SO2)と5.5万トンの窒素酸化物(NOx)を排出していたが、1999年に提訴されて以来、低硫黄炭への切り換えによりSO2排出を90%、抑制装置設置によりNOx排出を65%削減している。

今回の和解条件に基づき、Dynergy Midwest電力は900万ドルの罰金を支払うほか、同社の5ヵ所の発電所で下記を実施することになる:

  • SO2排出抑制の為に、4基の煤煙脱硫装置(スクラバー)を新たに設置する。
  • 粒状物質を抑制するため、新たに4つのバグフィルターハウスを設置する。
  • 選択還元型触媒(selective catalytic reduction)方式システムを含む、既存抑制装置の使用を継続する。

EPAでは、この和解でSO2とNOxの排出が5.4万トン削減され、Dynargy Midwest社は排出抑制装置設置等に約5億ドルを費やすことになると推定している。(EPA National News, March 7, 2005)


3月7日号

Talent上院議員とWyden上院議員、深刻化する有害電子廃棄物問題に対処する法案を提出

Jim Talent上院議員(共和党、ミズーリ州)とRon Wyden上院議員(民主党、オレゴン州)は3月3日、「2005年電子廃棄物リサイクル推進・消費者保護法案 (Electronic Waste Recycling and Promotion and Consumer Protection Act of 2005)」を上院に提出した。米国で深刻化している電子廃棄物 …一部専門家の推定では、2004年に破棄処分された電子機器は1億5,000万トン以上… の問題に対処するため、この法案では、(i)米国初の全米電子廃棄物リサイクル基盤を構築するインセンティブを提供し;(ii)消費者にとって便利かつコスト効率的な電子機器リサイクルの環境を整え;(iii)環境保護庁(EPA)に様々な電子廃棄物リサイクル・プログラムの対費用便益分析を実施して国家プログラムを提言するように指示している。Wyden-Talentの電子廃棄物リサイクル法案に盛り込まれた具体的条項は下記の通り:

  • 年間5,000台以上のディスプレイスクリーンやコンピューターをリサイクルする企業向けに1台あたり8ドルの税控除を確立する。
  • 古いコンピューターやテレビをリサイクルする消費者向けに15ドルの税控除を確立する。
  • 同法案の可決3年後から、4インチ以上のディスプレイスクリーン付きの電子機器やコンピューターをゴミ埋立地に捨てることを禁止する。
  • ディスプレイスクリーンやコンピューターの回収・搬送・リサイクルを容易にするため、EPAの一般廃棄物規制法(Universal Waste Rule)を改訂して、これらを「一般廃棄物」に分類する。
  • EPA長官に、全米リサイクル・プログラム創設の可能性について調査し、議会に答申するよう指示する。

全米リサイクル連合(National Recycling Coalition)、環境技術評議会(Environmental Technology Council)、家電小売業者同盟(Consumer Electronics Retailers Coalition)、廃棄物管理コーポレーション(Waste Management Corporation)、ヒューレットパカード社、インテル社等が同法案に支持を表明している。(Senator Jim Talent Press Release, March 3, 2005)

ブッシュ大統領、Stephen Johnson環境保護長官代行を新長官に指名

ブッシュ大統領は3月4日、Mike Leavitt前環境保護庁(EPA)長官が今年1月26日に厚生省長官に就任して以来、EPA長官代行を努めてきたStephen Johnson氏を、公式にEPA長官に指名した。Johnson氏の指名が上院で承認されれば、EPA初の「キャリア」高官出身長官が誕生することになる。

上院の共和党および民主党の指導層、産業界および環境保護団体も同氏の指名を歓迎し、支持を表明しているため、Johnson氏のEPA長官承認公聴会は問題なく順調に進むものと見られている。ブッシュ大統領は同氏の承認公聴会を迅速に行なうよう上院に要請しているが、現時点では承認公聴会や採決の日程等は未だセットされていない。

ある情報筋では、ホワイトハウス環境問題委員会(Council of Environmental Quality)のJim Connaughton委員長がEPA新長官に指名されるのではと憶測していたが、Connaughton氏ではかなりの論議を巻き起こしていたであろう。(Greenwire, March 4, 2005)


3月4日号

Charles River Associates社のMontgomery副社長、温室効果ガス排出削減の政策オプションを提示

気候政策センター(Climate Policy Center)とジョージ・マーシャル研究所が3月1日に主催した、温室効果ガスを削減する政策オプションに関するフォーラムで、Charles River Associates社のW. David Montgomery副社長は、炭素のCap-and-Trade型制度は気候変動の長期的解決策にはならないと発言した。同氏によると、産業界が研究開発(R&D)に投資する第一の動機は将来予想される炭素価格の高騰であり、R&Dに投資する企業が期待するのは、自社投資に十分な収益をもたらすほどに炭素排出権の将来価格が高騰することであるという。一方、米国政府は、技術の導入を促すと同時に経済に悪影響を与えない最適な価格の設定を望むため、排出権取引制度は短期的には効果があるとしても、長期的な企業のR&D投資意欲を削ぐ結果になるという。Montgomery氏は、気候変動への対応で実行可能な事項として下記をあげている:

  • 炭素のCap-and-Trade型制度よりもむしろ、ブレークスルー技術の果たす重要な役割を認識する。
  • 過去のエネルギー関連R&Dの過ちから学ぶ。
  • 技術的ブレークスルーを生みだすようなインセンティブ …各種の賞や業界コンソーシアム、および、国際協力等… を採用する。

(March 1, 2005)

自然環境における放射性物質の反応を理解する上で役立つ、ナノ構造を持った新材料

ノートルダム大学とアルゴンヌ国立研究所の研究者等が、ウラニウムと過酸化ネプツニウム(neptunium peroxide)溶液の中で直径約2ナノメーターの球体を自己形成する、過酸化アクチニル化合物(actinyl peroxide compound)と呼ばれる新材料を発見した。過酸化アクチニル・ナノ球体は中空の鳥かご(cage)のようなもので、台頭するナノテクノロジー分野にとって重要かつ有用な電気的・磁気的・構造的特性を持っている可能性があると期待されている。

自然環境中の放射性物質移動に関連する分子相互作用の基礎的科学は未だ殆ど解明されていないものの、ナノ粒子は地質流体における重金属や放射性核種の移動に影響を及ぼす可能性があり、環境システムの上で重要であると考えられている。過酸化アクチニル・ナノ球体は、液体に完全に溶けるにしては大きすぎ、固体として懸濁するには小さすぎるという、非常に異例なサイズのナノ粒子である。ノートルダム大学のPeter Burns工学地質学部長は、溶液中に自己形成したこの特異なナノサイズのアクチニド集合体(nanoscale aggregates of actinides)が、自然環境中のアクチニド移動で重要な役割を果たしている可能性があると指摘している。

ノートルダム大学の研究チームは今後、下記の問題を調査する予定である:

  • 過酸化アクチニル・ナノ球体はどのように形成されるのか?
  • このナノ球体は溶液内で安定しているか?
  • 同ナノ球体を変態させる外部要素は何か?
  • 放射性廃棄物の側でもナノ球体は形成するのか?
  • 形成する場合には、自然環境の中でナノ球体がどの程度移動するのか?

(Argonne National Laboratory News, February 18, 2005)

下院議員が超党派で、環境保護庁に自動車燃費テスト方法論の改正を義務付ける法案を提出

Nancy Johnson下院議員(共和党、コネチカット州)とRush Holt下院議員(民主党、ニュージャージー州)が3月3日、「2005年燃費広告真偽法案 (Fuel Efficiency Truth-in-Advertising Act of 2005)」という超党派法案を下院に提出した。同法案では、気温差やエアコン使用、および、制限速度の違いといった現実の運転状況を反映させるように現行の燃費テスト基準を変更するよう環境保護庁(EPA)に指示する一方、EPAが採用すべき具体的方法については言及していない。

EPAが使用している現行テストシステムは、1970年代後半の自動車技術に基づくものである。消費者団体は、多くの車種でマイレッジが最高30%も過大評価されていると指摘していたが、このところ、優れたマイレッジで人気上昇中のハイブリッド自動車を購入した者の多くが、EPA算出燃費と実際の運転状況下での燃費が合致しないことに気づいたことで、この問題に対する関心が高まっている。

主要な環境保護団体はもちろんであるが、全米自動車協会(American Automobile Association)も、多くの車種のマイレッジはEPA推定よりも低く、宣伝されている燃費は不正確であるとして、この法案に支持を表明している。(Environment and Energy Daily, March 4, 2005)


3月2日号

エネルギー省、メタンハイドレート資源の探索船をメキシコ湾に派遣予定

エネルギー省(DOE)は、メキシコ湾共同産業プロジェクトの一環として、2005年3月にメタンハイドレート資源のデータ収集を目的とする探索船をメキシコ湾に派遣する予定である。

この半潜水型掘削船「Uncle John」は、メキシコ湾深海のKeathley CanyonおよびAtwater Valleyという2箇所の鉱区で深井戸を掘削するが、各鉱区では、深井戸の1つがメタンハイドレートの豊富な場所に、2つ目がメタンハイドレート資源の少ない場所に掘られて、標本が採取されることになっている。この井戸によって科学者等はメタンハイドレート埋蔵量を掘削前に推定するプロセスをテストすることができる。メタン・ハイドレートの標本は研究者等による実験室試験に使われ、そこから得られる情報は、様々な分析モデルの正当性の確認や、掘削の安全技術の向上のために用いられることになる。(DOE News Release, March 1, 2005)

環境保護庁、州政府との自主的エネルギー・パートナーシップに着手

環境保護庁(EPA)が、EPA-州政府・エネルギー効率化・再生可能エネルギー・プロジェクト(EPA-State Energy Efficiency and Renewable Energy Projects = EERE)、および、クリーンエネルギーと環境に関する州パートナーシップ計画(Clean Energy-Environment State Partnership Program)という2つの新たな自主的エネルギー・パートナーシップを開始した。

EEREパートナーシップはEPAと6州政府 …アーカンソー・コネチカット・ワシントン特別区・ハワイ・ミネソタ・ニューメキシコ… の公益事業当局の共同事業であり、電気料節減方法としてクリーンなエネルギーと省エネ慣行を推奨する政策やプログラムを協力して探求するものである。

もう1つの自主的な取り組みである州パートナーシップ計画の方は、EPAが10州 …カリフォルニア・コネチカット・ジョージア・ミネソタ・ニュージャージー・ニューメキシコ・ニューヨーク・オハイオ・ペンシルバニア・テキサス… と協力して空気の質とエネルギー効率を改善し、同時に温室効果ガス排出を削減する行動計画を策定し実施するもので、参加州には計画の策定・実施において、EPAから技術的援助や計画立案の援助を受けるメリットがある。(EPA News Brief, February 16, 2005 and February 17, 2005)

米国の科学者758名、ブッシュ政権の細菌研究政策を批判

758名の科学者は2月28日、Elias Zerhouni国立衛生研究所(NIH)所長宛に署名入りの請願書を送った。書簡は、 NIHの研究予算が過去3年間で、重篤な健康問題を引き起こす病原菌や細菌から、バイオテロリズムに使われる可能性のある少数のバクテリアに移行したことを批判する内容となっている。具体的には、炭疽病や野兎病他の稀な病気の研究グラントが2001年9月11日以降1,500%増大したのに対し、結核や梅毒等を引き起こすバクテリアや細菌の研究費が27%減少したことを指摘している。

Zerhouni所長が応答を辞退した一方、NIHのバイオ防衛研究費の約95%を掌握する国立アレルギー感染病研究所のAnthony S. Fauci所長が、この書簡に幾つか誤りがあることを指摘している。たとえば、ブッシュ政権が2003年より支出を決定した年間15億ドルのバイオ防衛費は、新たな資金であって、NIHの現存のプログラムから流用されるものではないという。

ウイルス学者等は彼等のグラントが別個に扱われているという理由からこの書簡への署名の要請を受けなかったが、同様の請願書をまとめることに一部の学者が関心を表明している。(The New York Times, March 1, 2005)


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