NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2005年6月後半分

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

6月30日号

優れた汚染防止技術のイノベーター表彰される

6月20日、2005年大統領グリーン・ケミストリー・チャレンジ賞が、製造工程における汚染や廃棄物の削減をもたらす、明確な用途を伴う目ざましい科学的貢献を行った6人・団体の個人・組織に与えられた。同賞は、既存技術よりも毒性の低い代替物の開発や、工業生産における廃棄物発生の削減に向けた研究を促進するために設けられた、環境保護庁(EPA)のプログラムである。今回の賞は第10回目であり、EPAによれば、これまでの受賞者が起こしたイノベーションによって、年間で1億4,000万ポンドの有毒化学物・溶剤、5500万ガロンの排水、5700万ポンドの二酸化炭素の削減がもたらされたという。独立選考委員会によって80以上の候補者の中から選ばれた、5つの分野における6人・団体の受賞者は、以下のとおり。

  • 学界:Robin D. Rogers(アラバマ大教授)
    • 環境に優しい溶剤の開発と、生物学的に再生可能なセルロースを用いた新素材の開発
  • 中小企業:Metabolix, Inc.
    • コーンスターチ等の生物触媒反応を用いた生物由来有機高分子であるPHA(ポリヒドロキシ・アルカネーツ:polyhydroxyalkanoates)の開発
  • 代替合成法:Archer Daniels Midland Company and Novozymes, Inc. および、Merck & Co., Inc. 
    • 前者は、酵素によるエステル交換反応を用いて植物油からトランス型脂肪酸を減らす技術。後者は、化学療法から引き起こされる嘔吐の治療法の一つにおける有効成分の効率的合成法。
  • 代替溶剤・反応条件:BASF Corporation
    • 紫外線により修復可能で、かつ単一成分で、揮発性有機物質(VOC)の少ない、自動車用表面塗装下塗剤
  • より安全な化学物質の設計:Archer Daniels Midland Company
    • ラテックス塗料内の揮発性有機物質(VOC)量を減らす、非揮発性の反応性合体物の開発

(EPA, News Room, June 21, 2005)

上院議員たちはEPAの水銀規則を撤廃するため、従来あまり使われなかった法制手続きを利用

Patrick Leahy(民主党、バーモント州)、Susan Collins (共和党、メイン州)、Jim Jeffords (中立、バーモント州)の各上院議員は、他の27人の発起人とともに、議会再評価法(Congressional Review Act, CRA)に基づく不賛成決議案を提案した。この決議案は、EPAが3月に導入した水銀規則に不賛成を示すもの。EPAは、かつて2000年に、水銀が有毒汚染物質であり、したがってクリーン・エア・アクトに基づいて、ほとんど全ての石炭・石油火力発電所に対し、個別に最新の制御技術を導入するよう決定していたが、3月の水銀規則において、この決定を撤廃する代わり、キャップ・アンド・トレード方式によって水銀排出を現行水準(48トン)から2018年までに15トンに下げるプログラムを設定していた。これに対して今回の決議案は、EPAによる決定撤廃によって多くの発電所が水銀制御技術を導入せずに水銀排出を継続することとなることを問題視したもの。

決議案において、Leahy議員は、EPAの新規則は特定企業提案の文案をそのまま規則に採用するなど、国民の健康保護を犠牲に特定企業の利益を優先したものであると政権を厳しく批判した。同議員はまた、CRAが1995年に創設されて以来、このような決議案のプロセスがとられるのはわずかに3回目であることも指摘した。この決議案は、CRAに基づき、EPA新規則が議会に提示された4月21日から60日以内に提起されたものであり、当初所管委員会(ここでは環境・公共事業委員会)に付託されるが、当該委員会で議論がなされずに放置される場合…ちなみに当該委員会の委員長James Inhofe(共和党、オクラホマ州)は、現政権の環境政策の熱心な支持者である…は、30人の署名を集めれば当該委員会の議論を飛び越えて、直接本会議で議論、さらにはおそらく採決、が可能となる。

決議案を成立させるためには、決議案は両院での(単純多数決による)承認および大統領の署名が必要となる。下院でも、Tom Allen (民主党、デラウェア州)、Marty Meehan(民主党、マサチューセッツ州)の両下院議員が上院同様の決議案を提出することを計画中だが、共和党議員の多い下院では、同決議案への支持を集めるのはやや見込み薄とみられている。

(Greenwire, June 29, 2005; Office of Sen. Patrick Leahy, June 29, 2005)

新たなロボットは患者の歩行、接触、感覚を助ける

シカゴのリハビリテーション研究所(RIC)は、6月28日から7月1日まで、リハビリテーション・ロボットに関する国際会議を開催する。20カ国以上の国々から、300人以上の研究者や臨床医学者がこの国際会議に参加の予定である。

展示されるロボットは、脳卒中患者や身体機能に障害のある患者を治療するために必要な臨床医学者の数を減らしうるとともに、こうした患者がリハビリテーションの間、長期間の運動を行うのを可能とする。また、ロボットは、食事の給仕や他の家事の実行を通じて、歩行移動に限界がある人々の自立を助けたり、電話会議や自宅療養期間中のデータの収集を通じて、医師が患者を診断・治療するのを支援したり、重傷や重病に遭った人々が、移動をもっと制御できるようになるのを助けたりすることもできる。

展示会では、以下のような、臨床試験を間近に控えた数々のロボットシステムが実演される。

  • Lokomat スイス人設計士が開発。患者の身体を装具で吊るし、ストラップにより患者の足を普通の歩行パターンに動かすことを通じて、患者が早期に歩行学習を行うことを助ける。
  • KineAssist RICの関連会社(ChicagoPT)が開発。500ポンド(225キログラム)の車輪付ロボットが患者の後を歩き、つまずいても倒れないように支持することによって、患者が、倒れる危険を感じずに、より幅広い動きを試みることができるようにして、患者の歩行能力回復を支援する。創立者は数年内に5万−10万ドルの価格で市場化されることを期待。
  • 仮想現実ロボットシステム RICが開発。脳卒中などにより脳に障害のある人々に対し、コンピュータゲームを楽しみながら物体をつかむ訓練を行い、新たな神経経路の形成を支援する。

(PhysOrg.com, June 29, 2005)

両院協議会に向け、下院で新たなエタノール関連提案

下院において新しいエタノール関連法案(下院第3081号議案)が提案された。これは今後結成予定のエネルギー法案関連両院協議会が上院法案の条項と同様のエタノール製造基準を採択するよう、圧力をかけるためのものである。超党派の法案は2012年までに80億ガロンの製造基準を定めるもの。法案はまた、米国農務省(USDA)のバイオエネルギー・プログラムを強化するとともに、同省に再生可能燃料の需給の動きを監視し農業への経済的インパクトの分析結果を報告するよう求めている。

この新たな下院エタノール法案の発起人は、Gil Gutlnecht下院議員(共和党、ミネソタ州)、Stephanie Herseth下院議員(民主党、サウスダコタ州)、そして下院農業委員会委員長であるBob Goodlatte下院議員(共和党、バージニア州)など、合計18名。Goodlatte議員が再生可能燃料法制を支持するのは初めて。

(Environment and Energy Daily, June 29,2005; Office of Rep. Stephanie Herseth, June 28, 2005; H.R. 3081)


6月29日号

北米環境協力委員会会合開催

北米環境協力委員会(The North American Commission for Environmental Cooperation (CEC))は6月22日、カナダ国ケベック市において第12回の委員会会合を開催した。会合には米国のStephen Johnson環境保護庁(EPA)長官、カナダのStephane Dion環境相、そしてメキシコのJose Manuel Bulas環境相代行が参加し、協力のための戦略計画を採択した。

新たな戦略計画は2005年から2010年までの期間にわたるもので、3つの優先課題として以下を設定し、それぞれにつき、特定の達成目標、目的を定めた。

  • 意思決定のための情報の整備
  • 域内共通の環境課題を取り扱うための能力開発
  • 貿易と環境との関係に関する理解の促進

大臣らは、カナダ商工会議所、メキシコ商工会議所、米国国際ビジネス協議会などの利害関係団体とも会合をもった。

(EPA, June 23, 2005; CEC, June 22, 2005)

GE水処理グループが最初の主要プロジェクトを発表

ジェネラル・エレクトリック社(GE)が、2億7,000万ドルの海水淡水化プラントをアルジェリアの首都アルジェに建設する協力計画を公表する見込み。プロジェクト名はハンマ(Hamma)淡水化共同持株会社で、アフリカ最大の海水淡水化プラントになる。同プラントは日量5,300万ガロンの飲料水…首都人口の約25%にあたる35万5千人分に対応…を産出すると期待されている。本件はGEが3年前に水処理ビジネスに参入してから最初の主要な開発プロジェクトであるとともに、GEが今後10年間の収入増の60%を期待する新興市場への参入としても意義深いものである。

GEはこのプラントに5,000万ドルを投資し、70%の所有権を確保するとともに同プラントの運転を担当する。GEのパートナーとなる、国有アルジェリアエネルギー会社が2,000万ドルを出資し、30%の所有権を確保する。米国の開発機関である海外民間投資公社(The Overseas Private Investment Corp.)がのこりの2億ドルを資金調達する。GEの水処理ビジネス担当責任者は、この投資の理由として「水不足が深刻になれば水の価格が上がる。海水淡水化や水の再利用は経済的にとても魅力的な解決策だ」と語る。

今回の動きは、GEが今年初めに、世界中に1,100もの…ただしアルジェリア案件よりは小規模の…水処理施設を持つIonics社を買収したことに続いている。GEはこれらの施設を引き続き運転するほか、追加的に、1件あたり2−3億ドルの大規模なプラントを年間3−4件のペースで世界中に、例えば中東、豪州、中国、インド、南欧、そして米国の何部・南西部などにおいて、建設・運転していこうとしている。

(Wall Street Journal, June 24, 2005)

会計検査院、クリーン・エア・アクト修正法規則改正の期限超過に係る報告書をまとめる

会計検査院(The Government Accountability Office; GAO)が、1990年クリーン・エア・アクト修正法の目的に応えるために環境保護庁(EPA)がどのような措置を講じてきたかに係る報告書を発行した。同報告書は、上院環境・公共事業委員会のJim Inhofe委員長(共和党、オクラホマ州)およびGeorge Voinovich上院議員(共和党、オクラホマ州)の要請によるもの。

報告書においてGAOは、1990年クリーン・エア・アクト修正法がEPAに求めた452の措置のうち、404の措置が2005年4月までに完了したが、多くの措置は設定された期限を守ることができず、したがっておそらく便益効果を遅らせたであろうと述べている。期限が設定された338の措置に対して、256措置の導入が期限を超過した。162の措置が期限超過後比較的短期に措置されたが、94の措置は期限超過後2年以上たってから導入された。EPAは期限超過を認め、なぜそうなったかについて多くの説明を提示している。EPAによれば、遅延の原因は例えば、規則作成の際の関係者の緊密な関与、新たな責任業務が生じた際の優先度の再設定、資源の限界、訴訟などである。

Inhofe上院議員は、GAOの報告書はクリーン・エア・アクトがきわめて複雑で、再精査を要する証拠であると指摘し、ブッシュ政権のクリア・スカイ法案がクリーン・エア・アクト規制を簡素化し、早期の汚染削減につながるはずだと述べている。

(Energy and Environment News, June 27, 2005; GAO-05-613)

カナダ政府、カナダ・ナノビジネスアライアンスのナノ製造業センター創設に455万加ドルを投資

2つのカナダ政府組織、カナダ経済開発庁(Canada Economic Development)のJacque Saada大臣及びカナダ研究審議会(National Research Council of Canada: NRC)のPierre Coulombe理事長が、21日、カナダ・ナノビジネス・アライアンス(Canadian NanoBusiness Alliance; CNBA)とNRCとの共同プロジェクトであるナノインプリント・リソグラフィー技術のプロトタイプ化施設に対し、双方合わせて455万(カナダ)ドルの投資を表明した。同施設は研究者、中小企業、多国籍企業に対してプロトタイプ化サービスおよび少量生産を提供するもので、カナダ経済開発庁が240万ドル、NRCが215万ドルを拠出し、新規施設の投資コストの一部にあてる。産業界からの追加的資金支援もある。

同施設は、Quebec州Boucherville市にあるNRCの産業材料研究所(Industrial Materials Institute:NRC-IMI)内の、現在のナノ・インプリンティン グ・リソグラフィー(NIL)に係る研究施設の隣に建設される予定。

Coulomb理事長によれば、「新施設はこの重要分野におけるNRCの専門能力を構築し、カナダの先端的ナノテク研究の商用化を加速する」ものであるという。

(Nanotechwire.com, June 21, 2005)

上院議員たちはATPを支援

Carl Levin上院議員(民主党、ミシガン州)およびMike DeWine上院議員(共和党、オハイオ州)が、6月16日、商業・法務・科学に関する上院歳出小委員会に対し、先端技術計画(Advanced Technology Program; ATP)への支援を求める書簡を書き上げた。この書簡では、歳出小委員会の幹部に対し、ATPに対する2006年度予算として、1億4600万ドルを資金拠出するよう求めている。この金額は、今年度の資金拠出水準1億4,040万ドルに比べれば微々たる増分を示しているにすぎないが、大統領の2006年予算要求や先週下院で承認された歳出法案では廃止とされていたのに比べれば、プログラムを救う効果があるといえる。

この書簡は、小委員会の議長であるRichard Shelby上院議員(共和党、アラバマ州)および野党筆頭委員Barbara Mikulski上院議員(民主党、メリーランド州)に宛てられ、議会で配布された結果、21上院議員の署名を集めた。このうち共和党からはDeWine, Olympia Snowe(メイン州)、John Warner(バージニア州)の3人だけであった。

書簡においては、ATPの重要性は、「(ATPは)米国企業が次世代のブレークスルー技術を開発することを可能にし、われわれの国が、海外の、しばしば大規模で効果的なプログラムを使って自国産業界を支援しようとするライバル国と競争することを可能とするものだ」と表現されている。この要請は、Levin議員自身が3月にATPの継続支援を認める「上院見解」を出すよう求め、53対46で可決された修正条項に立脚するものである。同議員は2週間前にも、Tom Coburn上院議員(共和党、オクラホマ州)によるATPに関する公聴会で、同プログラムのことを「将来の米国内の製造業雇用(の確保)を直接の狙いとし、政府が(それを支える)技術を支援すべく積極的に関与している数少ないプログラムのひとつ」であると述べている。

(Manufacturing & Technology News, June 22, 2005)

エネルギー法案、上院を通過

上院は6月28日、包括エネルギー法案を85対12の票差で可決した。今後、同法案は上院・下院の両院協議会に送られることとなる。

反対票を投じた12人の上院議員は、7人が民主党、5人が共和党で、民主党の反対議員は、Bill Nelson(フロリダ州), Charles Schumer (ニューヨーク州), Frank Lautenberg (ニュージャージー州), Jon Corzine (ニュージャージー州), Ron Wyden (オレゴン州), Jack Reed (ロードアイランド州), Russ Feingold(ウィスコンシン州) 。共和党の反対議員は、 John McCain (アリゾナ州), Jon Kyl (アリゾナ州), Mel Martinez (フロリダ州), Judd Gregg (ニューハンプシャー州), John Sununu(ニューハンプシャー州)。 Joe Lieberman (民主党、コネチカット州), Chris Dodd (民主党、コネチカット州), Jeff Sessions (共和党、アラバマ州)は投票しなかった。

上院エネルギー・天然資源委員会委員長Pete Domenici上院議員(共和党、ニューメキシコ州)は、両院協議会がエネルギー法案を採択するにはそう時間がかからないだろうが、法案が大統領執務室に2005年8月までに送られるかどうかはわからないと発言している。Domenici議員は、「論点はあるものの最終的な法案の完成に比べればさほど重要ではない」と指摘している。

(エネルギー法案については、当事務所ウェブサイトに掲載中の調査レポート「米国エネルギー法案の現状と行方」が随時更新されているので、ご参照ください)

(Greenwire, June 28, 2005; The White House Bulletin, June 28, 2005)


6月28日号

David Garman、エネルギー・科学・環境担当のエネルギー次官に就任

上院本会議が6月15日に全会一致でエネルギー省(DOE)次官として承認していたDavid Garman氏の宣誓就任式が、首都ワシントンのDOE本部で6月23日に行なわれた。Garman新次官は、エネルギーの研究開発・実証・普及、環境浄化、および、放射性廃棄物管理他の活動を管理する、年間約140億ドルの予算を持つエネルギー・科学・環境(Energy, Science and Environment = ESE)プログラムを監督することになる。

Garman新エネルギー次官の誕生によって空席となったエネルギー効率・再生可能エネルギー (EERE)担当次官補には、2001年6月からEERE主席次官補代理の地位にあったDouglas Faulknerが指名された。(DOE News Release, June 23, 2005 & June 24, 2005)

水素経済のリーダー役を狙う、サウスカロライナ大学

サウスカロライナ大学が、同州を水素経済の中心地として確立すべく、州レベルおよび国際的レベルで活動をおこしている。

州レベルの活動としては、アイケン市・コロンビア市・グリーンビル市にある大学や連邦研究施設の資産にてこ入れするため、Next Energy Initiativeという共同イニシアティブに着手した。また、国際的レベルでは、韓国において燃料電池研究を専門とする唯一の研究所である韓国エネルギー研究所(Korea Institute of Energy Research = KIER)との合意書に調印している。サウスカロライナ大学とKIERは研究者交流計画を通して、燃料電池研究における意見交換や共同研究プログラムを行なう予定であるという。両機関が重視する燃料電池開発分野は、固体高分子型(PEM)燃料電池、固体電解質型燃料電池(SOFC)、および、直接メタノール型燃料電池で、両機関は特許と知的財産に関する共同指針でも合意済みであるという。(The University of South Carolina News, June 17, 2005 & June 21, 2005)

下院、科学技術予算を盛り込んだ2006年度科学関連省庁・国務省・司法省・商務省歳出法案を可決

下院本会議が6月16日に、2006年度科学関連省庁・国務省・司法省・商務省歳出法案(下院第2862号議案)を可決した。同歳出法案には下記の予算が盛り込まれている:

  • 製造技術普及計画(Manufacturing Extention Partnership)の2006年度予算として、大統領要求額を5,900万ドル上回る1億600万ドルを認可。
  • 商務省技術局(Technology Administration)の認可予算は645万ドルで、大統領要求より420万ドルの増額。
  • 先端技術計画(Advanced Technology Program)には予算計上なし。
  • 米航空宇宙局(NASA)の宇宙研究予算として、ブッシュ政権の5,400万ドル削減要求を却下し、現行レベルの9億600万ドルを認可。
  • 科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy)の2006年度予算は、大統領要求額である560万ドルが認可。但し、これは現行レベル比では76万4,000ドルの削減。

(Manufacturing & Technology News, June 27, 2005)


6月27日号

下院科学委員会のBoehlert委員長、エネルギーと環境の現状に関する見解を披露

未来資源研究所(Resources for the Future = RFF)主催の政策リーダーシップ・フォーラムで、Sherwood Boehlert 下院議員(共和党、ニューヨーク州) が環境・エネルギー問題を論じた。Boehlert議員は議会で現在繰り広げられているエネルギーと環境の論議について、彼なりの「穏健な展望」を発表した。

Boehlert議員は冒頭で、現在の環境の実態は自分の望む状態より確かに悪化しているが、他者がよく指摘するほどひどくはないと述べた。下院のエネルギー法案に自分が反対する理由を説明し、企業平均燃費(CAFE)基準の引き上げと気候変動を緩和する対策を擁護した。一方でBoehlert議員は、気候変動に取り組む総合的政策の要素として原子力発電を含める必要性も指摘した。

Boehlert下院議員は、最後に、米国史を通して、環境の変化がごくゆっくりと進行したことに言及し、環境保護者等にあせらないよう助言したほか、立法者は究極的にはロビイストの圧力よりも有権者の懸念に耳を傾けるものであるため、選挙区や地方自治体レベルでの活動を盛んにするよう要請した。(RFF Policy Leadership Forum, June 23, 2005)

米国製造業の国際競争力保持に不可欠な7つの戦略的製造技術

全米先端製造技術連合(National Council for Advanced Manufacturing = NACFAM)が『業界の見解:イノベーションおよび革命的要素を秘める先端製造技術 (Industry Views Towards:Categories of Innovation and Potentially Disruptive Advanced Manufacturing Technologies)』と題される報告書を発表した(www.nacfam.org)。NACFAMは、米国製造業界の国際競争力を保つために、米国は7つの革命的(disruptive:報告書ではこれを大多数の製造業者の計画や操業や工程を根本から変える「臨界点」に達した技術的進展と定義している)製造技術を飛躍的に前進させることに注力する必要があると指摘している。報告書の挙げる7つの製造技術や工程は下記の通り:

  • センサー
  • ナノファブリケーション
  • モデリングとシミュレーション
  • 再構成の可能なツールやシステム
  • スマートシステム
  • 三次元成形と視覚化
  • プラニングと知識管理

NACFAMは44の企業や研究機関の協力を得て報告書を作成した。この作業は、国立標準規格技術研究所(National Institute of Standards and Technology)の製造工学研究所のグラントを基に行われた。(Manufacturing & Technology News, June 22, 2005)


6月23日号

ノースダコタ大学、輸送用水素燃料の研究開発でエネルギー省から270万ドルのグラントを獲得

ノースダコタ大学(University of North Dakota)のエネルギー環境研究センター(Energy and Environmental Research Center = EERC)が上院歳出委員会のメンバーであるByron Dorgan上院議員(民主党、ノースダコタ州)の助力によって、水素経済を進展させる様々な技術の研究開発で、エネルギー省(DOE)から270万ドルのグラントを獲得した。EERCでは、水素燃料電池の用途を確認・開発するほか、水素の貯蔵・圧縮・運搬方法について研究を行なう予定である。(Sen. Byron Dorgan News Release, June 22, 2005)

手術室で医師と看護婦の助手役を見事にこなした新型ロボットのペネロペ

コロンビア大学医療センターのMichael R. Treat教授が創立したRobotic Surgical Tech, Inc. (RST) という会社が、全米科学財団(National Science Foundation)の第1および第2フェーズ中小企業革新研究(Small Business Innovation Research = SBIR)グラントを利用して、人間が操縦しなくても独力で医師の外科手術を援助する新ロボットを設計開発した。6月16日にニューヨーク・プレスビテリアン病院アレン・パビリオンの外科手術チームは、患者の前腕から良性腫瘍を取り除く手術を行ったが、この手術でRST社製造のペネロペ手術器具サーバー(Surgical Instrument Server = SIS)が実証され、見事な腕を発揮した。

ロボットが外科医の口頭の指示に従って行動し、独立した助手を務めるのはこれが初めてのことである。ロボットには音声認識ソフトと特殊設計されたロボットハンド、デジタルカメラと高度な画像処理ソフト、そして外科医が次にどの器具を必要とするかを予測し、使われた器具を詳細に記録するソフトウェアが装備されている。(Columbiia University Medical Center News, June 16, 2005)

ベンチャーキャピタルの投資を惹きつける、クリーンテクノロジー

ニューヨークタイムズ紙によると、代替エネルギー生産・浄水装置・輸送用石油代替燃料といった「クリーンテク」に投資するベンチャーキャピタリストが増加しているという。2004年にクリーンテクに投資されたベンチャーキャピタルの総額は5億2,000万ドルで、ベンチャーキャピタル全体の僅か2.6%に過ぎないものの、2000年にはシェアが1.2%であったことから、過去4年間で倍以上の拡大を遂げたと指摘している。

ベンチャー企業のクリーンテク投資におけるリーダー格は、カリフォルニア州パロアルト市にあるTechnology Partners社のベンチャーキャピタリストで、クリーンテク・ベンチャー・ネットワーク諮問委員会の共同委員長であるIra Ehrenpreis氏である。同氏によると、石油価格の高騰、及び、中国やインドの電力需要激増といった現状に乗じた事業利益の追求が、こうした投資の動機になっているという。Ehrenpreis氏の例に従い、クリーンテクに投資するベンチャーキャピタリストの数が確実に増えているが、特筆すべきは、1990年代後半のドットコムやテレコムのブームで重要な役を演じた個人や投資家 …インターネット広告のパイオニアであるBill Gross氏、Google創設者のSergey Brin氏とLarry Page氏等… が今度は、代替エネルギーのスタートアップ会社に投資していることである。(The New York Times, June 22, 2005)


6月21日号

世銀が中国の再生可能エネルギープロジェクトを支援

中国における大規模な再生可能エネルギーの拡充と使用を目標とするプロジェクトに対し、世銀が8,700万ドルの貸付金を許可し、地球環境ファシリティー(Global Environment Facility)が4,020万ドルのグラントを供与した。プロジェクトは「再生可能エネルギー・スケールアップ・プログラム(Renewable Energy Scale-up Program = CRESP)」と呼ばれ、プロジェクトの総コストは2億2,880万ドルと見積もられている。

このプロジェクトは中国政府の包括的再生可能エネルギー開発戦略を支援するもので、具体的には4省を試験省に指定して100 MWの風力発電施設や25MWの麦わら燃焼バイオマス発電所といった、数々のイニシアティブを実施する予定である。

このプロジェクトは、中国の再生可能エネルギー発電能力を20 GW以上引き伸ばすほか、以下のように大気汚染の大幅な削減にも寄与すると予測されている。

  • 二酸化炭素の排出量を8億トン削減
  • 粒状物質の排出量を8億トン削減
  • 硫黄酸化物の 排出量を3,000万トン削減
  • 窒素酸化物の 排出量を600万トン削減

(RenewableEnergyAccess.com, June 20, 2005)

カリフォルニア大アーヴィン校の科学者達、ナノチューブを使用し、世界最速の情報伝達方法を実証

カリフォルニア大学アーヴィン校(University of California Irvine = UCI)の科学者達が、炭素ナノチューブを使って、在来型の銅製ワイヤーやアルミニウム製ワイヤーよりも迅速に(最高10ギガハーツで)電気信号を伝達できることを実証した。このブレークスルーにより、コンピューターの処理速度が増し、ワイヤレスネットワークや携帯電話システムが向上するものと期待されている。

半導体業界は電気信号の伝達速度という面から、相互連係ワイヤーをアルミニウム製から銅製に切り替えたばかりであるが、今回のUCI研究は、銅からナノチューブへ切り替えることで半導体業界がスピード面で更に大きな利益を取得できることを明示するものである。

UCIの研究は陸軍研究局や海軍研究局、および、防衛先端研究計画局(DARPA)や全米科学財団(National Science Foundation)の支援により実施されたもので、研究結果はNano Lettersの2005年6月号で発表されている。(UCI Press Release, June 9, 2005)

米国の「エネルギー穀倉地帯(energy breadbasket)」を目指す、西部州知事連合

西部州知事連合(Western Governors' Association = WGA)がコロラドで開催された年次会合の席で、エネルギー・環境に関連する27本の決議案を承認した。これには、下記のような電力インフラストラクチャーや大気質に関する方策が含まれている:

  • Dave Freudenthalワイオミング州知事(民主党)とJon Hunstmanユタ州知事(共和党)の提案で、送電インフラ新設への投資を勧誘する為に、送電公社が発行した公債を税控除対象とすることを支援する決議案。
  • Bill Richardsonニューメキシコ州知事(民主党)が提案した、北米エネルギー評議会(North America Energy Council)の設立を求める決議案。評議会は、米国の主要なエネルギー供給者としての西部諸州の役割を強化するとともに、エネルギー源の多様化、及び、カナダやメキシコとの国境を越えた協力関係の構築を目標とする。
  • Richardson州知事、Huntsman州知事、および、Janet Napolitanoアリゾナ州知事(民主党)による共同提案で、新設の発電所や工場に利用可能最良排出抑制技術の設置を義務づけるよう連邦政府に要請する決議案。同決議案ではまた、州政府が必要に応じて、連邦政府よりも厳格な排出削減施策を義務づける権利を保有することを認めている。

(Greenwire, June 15, 2005; Western Governors' Association Press Release, June 14, 2005)


6月20日号

ニューエネルギー・ニューヨーク、燃料電池ネットワークを形成

ニューヨーク州の合弁事業であるニューエネルギー・ニューヨーク(New Energy New York = NENY)が、ニューヨーク燃料電池ネットワークと呼ばれる小グループを傘下に設立した。この小グループには燃料電池に関心のあるニューヨークを拠点とするNENYメンバー6社が参加する。

ニューヨーク燃料電池ネットワークの目標は、州内に燃料電池産業を発展させ、それによって経済発展を推し進めることである。ネットワークが問題点を特定し、研究開発の優先事項を提案する。現在すでに、二大優先分野として燃料電池の液体拡散と断熱特性が挙げられている。ネットワークは各種のプロジェクトで連邦政府や州政府のグラントに応募する予定である。(FuelCellsToday.com, June 15, 2005)

G-8気候変動プランを骨抜きにしようと圧力をかける米国交渉代表

来月スコットランドで開催される年次サミットに向けてG-8各国が準備を進めるなか、交渉担当者等はこのサミットで採択される「気候変動、クリーンエネルギー、および、持続可能な開発」と題される国際文書の原案策定に取り組んでいる。この文書の言い回しによって、G-8諸国が一団で取り組む地球温暖化対策が(その有無も含めて)決まると言える。

しかし、ワシントンポスト紙が入手した文案によれば、米国代表が交渉担当者らに圧力を与えたために、気温上昇が地球に与える影響の詳述や、二酸化炭素排出目標の設定、行動の時間的枠組み、世銀からグラントを受ける電力プロジェクトの環境基準策定、発展途上国のプロジェクトに対する具体額の誓約などを行う文面が削除されているという。

さらに、米国高官によれば、彼等は「二酸化炭素ゼロ」の原子力発電を支持するよう参加国に働きかけており、この件についてサミット行動計画として別に討議を行うことを求めているという。

こうした添削に対し環境保護者や民主党議員は、ブッシュ政権によるこういった試みが温暖化防止の取り組みを骨抜きにしていると批判している。(Washington Post, June 17, 2005; Greenwire, June 16, 2005)

米国とインドの企業代表、バイオテクノロジー貿易の推進について協議

米国とインドの2国間のバイオテクノロジー事業と貿易の機会拡充について討議する目的で、6月15日、印米ハイテク共同グループ(U.S.-India High Technology Cooperation Group = HTCG)が、「バイオテクノロジー分野の貿易と投資の協力推進 (Facilitating Biotechnology Cooperation in Trade and Investment)」というワークショップに参加した。この私的な会合は、印米経済協議会(U.S.-India Business Council)の主催、各種業界団体の後援で米商工会議所で開催された。

Benjamin Wu技術政策担当商務次官補は、HTCGの参加したこの会議が米国とインドの関係拡充の次の段階を切り開くであろうと語り、その1つの結実としてManmohan Singhインド首相が来月、首都ワシントンを訪れ、ブッシュ大統領と会談することを伝えた。

会議には米国とインドの企業を代表した150名以上の上級管理職、および、米国政府やインド政府の高官が出席した。特に農業、製薬、ライフサイエンスを中心に、バイオテクノロジー分野での二国間貿易と投資の機会に焦点を当てて討議が行われた。(Commerce Department Technology Administration Press Release, June 16, 2005)

ディーゼル排気削減法案の添付先を模索するGeorge Voinovich上院議員

George Voinovich上院議員(共和党、オハイオ州)とTom Carper上院議員(民主党、デラウェア州)が「2005年ディーゼル排気削減法案 (Diesel Emissions Reduction Act of 2005:上院第1265号議案)」を提出した。この法案は、在来型ディーゼルエンジンの排気対策であり、在来型ディーゼルエンジンの改修とアイドリング削減計画の支援に向こう5年間で10億ドルを認可する。

環境保護庁(EPA)が同予算の約70%を配分する責任を担う。法案では、EPA管轄予算の最低50%を公共機関の車両に使用するよう定めているほか、残額の内20%を州政府プログラムへ直接配分し、10%を連邦政府予算にマッチング投資を行う州政府へのインセンティブとして計上するよう定めている。

Voinovich上院議員とCarper上院議員は、できるだけ早くこの法案を上院本会議で可決したい意向で、同法案をエネルギー優遇税制法案か高速道路法案に添付する可能性を検討しているという。法案は両党の議員からかなりの支持を得ている。(Environment and Energy Daily, June 17, 2005)


6月16日号

未来自動車を設計・製造する大学対抗プロジェクト:最優秀はカナダチーム

2004年5月に開始された北米大学対抗の「チャレンジ X」は、自動車の推進装置・材料・排出抑制といった最新技術を学生に体験させることを目的とする3ヵ年プロジェクトで、エネルギー省(DOE)とゼネラルモーターズ(GM)の選定した北米17大学のエンジニア専攻学生チームが、燃費の良い低公害のクロスオーバー車の設計・製造で競い合っている。

プロジェクトの1年目はパワートレインの開発で、Hydrogenics社製の固体高分子型(PEM)燃料電池とCOBASYS 228ボルトの水素吸蔵合金バッテリーから成る革新的な燃料電池ハイブリッド型推進装置を設計したウォータールー大学が、一等賞の名誉を獲得した。同プロジェクトに参加する17チームの内、水素と燃料電池技術を使用したのは、唯一のカナダチームであるウォータールー大学1校のみであったという。17チームは、プロジェクトの2年目と3年目で、シボレーEquinox コンパクトスポーツ多目的車 (SUV)に自らの技術を統合していくことになる。(Natural Resources Canada News Release, June 10, 2005)

マサチューセッツ水素同盟、水素・燃料電池部門の拡大を目的とするイニシアティブを発表

2004年に形成されたマサチューセッツ水素同盟 (Massachusetts Hydrogen Coalition) が、州内の水素部門と燃料電池部門の拡大を目的とする7つの州政府イニシアティブを発表した。今回発表されたイニシアティブは、研究開発だけでなく、実証計画・商品化・啓蒙活動にも焦点をあてているが、特に留意すべきは水素技術や燃料電池技術の輸出を重視している点である。7つのイニシアティブは下記の通り:

  • 本同盟は州政府・産業界・大学の代表者と協力し、マサチューセッツ水素ロードマップを策定する。
  • マサチューセッツ州クリーンエネルギー回廊(Massachusetts Clean Energy Corridor)を構築する。
  • 水素・燃料電池センター(Hydrogen and Fuel Cell Center)を創設する。
  • クリーンエネルギー輸出プログラムを設置する。
  • 教育・啓蒙努力を拡大する。
  • 州政府による調達を拡大する。
  • 適切な優遇税制や金融インセンティブを確立する。

(Massachusetts Hydrogen Coalition Press Release, June 13, 2005)

ラックスリサーチ社、ナノテクの環境・健康・安全リスク問題対応に関する報告書を発表

ラックスリサーチ社(Lux Research)が、「ナノテクの環境・健康・安全リスクに対する賢明なアプローチ (A Prudent Approach to Nanotech Environmental, Health, and Safety Risks)」という報告書を発表した。同報告書は、ナノ粒子に関連する環境・健康・安全(EHS)リスクの更なる研究とリスク管理のための基本的枠組みを設定している。

ラックスリサーチ社は同報告書を作成するにあたり、徹底的な文献調査に加え、スタートアップ会社の幹部や企業のEHS担当者、学界や政府省庁や非政府機関の代表者等42名へのインタビュー調査を行なっている。主要な調査結果は下記の通りである:

  • ナノテクのEHSリスクは、(1)特定のナノ粒子が危険かもしれないという真のリスクと、(2)リスクが本物であるか否かに拘わりなく、ナノ粒子が脅威をもたらすという知覚リスク(perceived risk)の二つに分類される。
  • 異なる種類のナノ粒子は、異なるレベルの慎重さを必要とする。
  • 工場労働者はナノ粒子大量暴露の危険があるものの、こうした環境は厳格な管理が可能である。
  • 消費者が、懸念の対象となるほど大量なナノ粒子暴露にあう可能性は低い。
  • 製品のライフサイクル最後(製品の破棄)の段階で、ナノ粒子が環境に暴露する可能性がある。
  • ナノ粒子のライフサイクルは非常にあやふやであるため、一層の研究が必要である。

ラックスリサーチ社は下記の提言を行なっている:

  • スタートアップ会社や企業は、ナノ粒子のライフサイクルの全行程を検討し、ナノテクの利益とリスクの双方を消費者に伝え、製品開発初期段階における基本的な毒性研究の実施で協力すべきである。
  • 投資家は、ナノテク関連のスタートアップ会社や公開株式企業を評価する際にEHSリスクも検討すべきである。
  • 2006年の国家ナノテクノロジー・イニシアティブ (NNI) 予算は10億5,000万ドルであるが、EHS研究への配分額はその僅か3.7%に過ぎない。政府のナノテクEHS研究予算を現在の2倍から4倍に増額しなければならない。
  • 各国政府は、世界中でばらばらなナノテクEHSイニシアティブの調整を図り、ナノ粒子規制計画を産業界に明示しなければならない。

(Lux Research News, June 15, 2005)

Robert Byrd上院議員、クリーンコールの研究開発実証を推進する法案を提案

Robert Byrd上院議員(民主党、ウェストバージニア州)が、John Rockefeller上院議員(民主党、ウェストバージニア州)およびArlen Specter上院議員(共和党、ペンシルバニア州)と共同で、「2005年クリーンコール研究開発実証普及法案 (Clean Coal Research, Development, Demonstration, and Deployment Act of 2005:上院第1133号議案)」を5月26日に提出した。同法案は、グラント、および、優遇税制や投資奨励策によって先端クリーンコール技術の促進を図るというもので、2006年度から2010年度の5年間でクリーンコール発電イニシアティブ(Clean Coal Power Initiative)に総額14億ドルを計上する。

同法案は産官クリーンコール研究開発実証プロジェクトへの予算配分を認可するものであるが、プロジェクトはコスト分担型であり、民間部門には総コストの最低50%拠出が義務づけられることになる。また、石炭ガス化複合発電(IGCC)技術を開発する10,000 MW計画という10ヵ年計画を創設することになる。(Coal Outlook, June 6, 2005)


6月15日号

エネルギー省、地域炭素隔離パートナーシップの第2フェーズ、7件に約1億ドルのグラント給付

Samuel Bodmanエネルギー省(DOE)長官が6月8日、温室効果ガス回収・貯留に必要な炭素隔離技術の開発推進を目的とする地域的炭素隔離パートナーシップ(Regional Carbon Sequestration Partnerships)の第2フェーズで、7件のプロジェクトに4年間で約1億ドルのグラントを給付すると発表した。今回のグラント受給者は、 二酸化炭素(CO2)の回収・貯留・隔離に必要な最適技術・規制・基盤を判定する目的で2003年に行なわれた第1フェーズで選ばれた7つのパートナーシップであり、第2フェーズ(4年間)では各地域に最も適した炭素隔離技術の実地試験と確認を行なうほか、各地域の最有望なCO2貯留場所を査定評価することになる。選定されたパートナーシップとそのプロジェクトは下記の通り:

パートーナーシップ
プロジェクト
DOE出資額
その他出資

西海岸地域炭素隔離パートナーシップ

カリフォルニア州で2件、アリゾナ州で1件のCO2貯留実験を実施。更に2つの別地層で地中貯留の潜在能力を査定評価。

1,430万ドル

1,563万1,646ドル

南西部地域炭素隔離パートナーシップ

最有望の炭素隔離技術と基盤概念を確認するため、5件の実地試験を実施

1,429万ドル9,999ドル

357万5,000ドル

北ロッキー山脈・グレートプレーン炭素隔離パートナーシップ

苦鉄質岩層や玄武岩層における炭素地中貯留を実証

1,420万8,102ドル

367万3,144ドル

プレーンズ二酸化炭素削減パートナーシップ

4件の技術実証実地試験、および、2件の炭素隔離概念調査を実施

1,430万ドル

716万1,549ドル

中西部炭素地中隔離協会

イリノイ盆地において様々な地層のCO2貯留能力や可能性を判定するため、6件の小規模実地試験を実施

1,425万8,105ドル

551万9,328ドル

南東部地域炭素隔離パートナーシップ

CO2地中貯留の潜在能力を明確にするため、目標の3種の地層で隔離実証テストを実施

1,429万4,555ドル

568万489ドル

中西部地域炭素隔離パートナーシップ

地中隔離システムの安全性と効率を実証するため、同地域の深部井にCO2を注入する小規模実地試験を3件実施

1,429万9,996ドル

376万7,382ドル

(DOE Press Release, June 9, 2005)

化学産業パートナーシップ、連邦政府との協力でナノテクノロジーR&D投資を最適化

化学産業ビジョン2020技術パートナーシップ(Chemical Industry Vision2020 Technology Partnership = Vision2020)が先頃、「2004年年次報告(Annual Report 2004)」を発表した。同報告書によると、Vision2020の活動は昨年、9,300万ドルを超える公共および民間研究開発(R&D)投資を生み出したという。

Vision2020の2004年の活動は、国家ナノテクノロジー・イニシアティブ(National Nanotechnology Initiative)の要請によって策定された「化学産業研究開発ロードマップ(Chemical Industry R&D Roadmap for Nanomaterials by Design: From Fundamentals to Function)」の実施が中心であった。ロードマップは、特定機能に最適な新材料を設計するうえで必要となるR&Dの道程を定めており、2004年の実施努力は下記のような顕著な業績に結びついたという:

  • 連邦政府とのナノテクノロジーR&Dを調整する機関として「NNI-化学産業ナノテクノロジー推進諮問委員会(NNI-Chemical Industry Consultative Board for Advancing Nanotechnology = CBAN)」を設立した。
  • Vision2020策定ロードマップの重要要素が、昨年12月に発表された「NNI 戦略プラン」に併合された。
  • ナノ材料に関して、半導体研究組合(Semiconductor Research Corporate)と米国化学工業協会(American Chemistry Council)の協力関係を立ち上げた。

(Vision2020 Press Release, June 2, 2005)

ClintonとGrahamの両上院議員、上院製造業コーカスを設立

Hillary Clinton上院議員(民主党、ニューヨーク州)とLindsey Graham上院議員(共和党、サウスカロライナ州)は6月14日に、米国製造業界の直面する問題に対応するため、超党派の上院製造業コーカス(Senate Manufacturing Caucus)を設立すると発表した。新コーカスでは、ビジネス界や労働界のリーダー、経済学者やその他利害関係者を招集して米国製造業界の重要課題 …医療保険コスト・年金コスト・製造業R&D投資拡大の必要性、等… を討議し、同業界が抱える問題の根本原因に対処する方法および同業界の雇用創出や雇用保護を助長する施策を検討する予定である。

Clinton議員とGraham議員は、同問題を経済および国家安全保障と結び付けているほか、健全で競争力ある製造業基盤を維持していく為にはイノベーションと生産性を持続する必要があると主張している。尚、新コーカスの委員長は両議員が共同で務める見通しである。(White House Bulletin, June 14, 2005)


Top Page