NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2005年7月前半分

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

7月14日号

輸出入銀行(Ex-Im Bank)、再生エネルギー関連輸出プロジェクト向けに15年償還期間を提案

米国輸出入銀行(Ex-Im Bank)は再生エネルギー関連輸出に関し、従来より好条件の輸出金融期間の提供を公表した。具体的には、風力、太陽光・熱、地熱、海洋・潮汐・潮流、波力、バイオエネルギーをエネルギー源とする再生エネルギープロジェクトに関し、一定の案件には15年の融資償還期間を認めるというものである。この新償還期間は、Ex-Im Bankが経済協力開発機構(OECD)との間で合意に達した後に公表された。この合意は、Ex-Im Bankからの要請によるもので、他のOECDメンバー国も再生エネルギー関連輸出に同様の金融条件を提供してもよいとの了解の下に合意された。

新償還期間の導入により、米国の技術がより競争的になることが期待されると同時に、再生エネルギープロジェクトが途上国にとってもっと経済的に引き合うものになることが確保される。新条件は、とりわけ世界中で急速な成長を経験している太陽エネルギー産業界には朗報となる。

OECDとの合意により、この新償還期間は、2005年7月1日から始まる2年間、試行的に有効なものとなる。合意はまた、上水・廃水処理プロジェクト関連輸出にも適用される。

(Ex-Im Bank, July 11, 2005)

エネルギー法案近況:ブッシュ、ドメニチ・バートン両委員長と面談、MTBEが引き続き焦点

現在まだ下院は両院協議会メンバーを指名していないものの、共和党関係者は両院協議会の計画を検討しつつある。

ブッシュ大統領は12日、上院のエネルギー委員会Pete Domenici委員長(共和党、ニューメキシコ州)と下院のエネルギー・商業委員会Joe Barton委員長(共和党、テキサス州)との間で会合を開き、両院協議会の日程について話し合った。現実的かどうかはさておき、大統領は依然として、両院協議会を2005年8月上旬に予定されている議会の夏期休暇以前に完了させるように主張している。

その間、上院と下院の議会スタッフたちは、それぞれのエネルギー法案において、どの条項がどのような理由により挿入されたのかなどについて、意見交換を続けている模様である。両院協議会は、下院のメンバーが指名され次第、今週にも開始されることが期待されている。

しかしながら、両院協議会を早期に完了させるための最大の障害は、燃料への酸素添加剤MTBEに関する責任問題である。下院議員たちは、東北諸州の上院議員たちとの間で、どのようにMTBE問題を解決すればよいか議論している。一案としては、製造業者の責任を免除する代わりに、汚染サイトの浄化のための信託基金を創設するという考えがあるが、いったいその基金がいくらあればよいのか、80億ドルから300億ドルというような予測もあり、不透明なまま、この2週間、特段の進展は見られていない。なお、現在の上院のエネルギー法案は、MTBE免責条項を含んでおらず、また、ニューハンプシャー州のJudd GreggやJohn Sununu、メイン州のOlympia SnoweやSusan Collins、ロードアイランド州のLincoln Chafeeの各共和党上院議員は、2003年のエネルギー法案ではMTBE条項の論点のおかげで反対票を投じた議員たちである。

Domenici委員長自身、限られた期間に両院協議会がこなさなければならない課題は数多いとしている。具体的には、上院が盛り込んだ、再生可能エネルギー使用基準(Renewable portfolio standard)や、洋上の石油・ガス資源調査などの文言が議論を呼ぶと想定されている。

(Environment and Energy Daily, July13, 2005)

共和党議員、幹細胞に関する代替法案を提案

上院与党院内総務のBill Frist (共和党、テネシー州)及び他の共和党議員は、来週投票予定の幹細胞法制のリストにまた一つ新しい法案を付け加えようとしている。法案支持者は、(下院第3144号議案と類似の)この法案はSpecter-Harkin法案(下院第810号議案、上院第471号議案)の代替案になりうる、なぜならこれは受精卵を破壊することなく多分化能を持つ幹細胞を得るための新手法に向けての研究を促進するものだからである、と述べている。

Specter-Harkins法案は、妊娠治療に用いられ、放置すれば破壊される受精卵の細胞を用いた研究など、幹細胞研究への連邦財政支援を拡大しようとするもので、下院を238対194で通過している。しかし大統領は胚幹細胞研究への連邦財政支援規制を弱める法案には拒否権を発動すると公言している。

これに対してFristたちが推進する新たな法案は、大統領生命倫理審議会が5月に発表した政策提言にもともと記述されていた下記のような手法を推進しようとするものである。

  • 細胞を多分化能を持つ状態に再度作り直す。
  • 初期8細胞期胚の受精卵から1,2の細胞を採取し他の幹細胞に移植する一方、受精卵自身は引き続き成長可能とする。
  • 受精卵の性質を具有するものの、変質したがゆえに受精卵には成長しない組織を創成する。

しかしながら、このような手法は科学的に立証されているわけではない。このため多くの幹細胞支持者は、この最後の段階になって係る代替案を推進することは、むしろ共和党の支持者によるSpecter-Harkin 法案への支持をそらし、大統領の拒否権発動から法案を守るために必要な60票の支持を減らしてしまうのではないかと信じられている。

(The New York Times, July 13, 2005)


7月13日号

環境主義者と産業界、それぞれ環境保護庁(EPA)のクリーンエア州間規定(CAIR)を提訴

石炭、天然ガス、原子力など様々な電力業界の12の請願者が、環境保護庁(EPA)のクリーンエア州間規定(Clean Air Interstate Rule: CAIR)を連邦裁判所(コロンビア特別区控訴裁判所)に提訴した。この提訴は、EPAが、大気汚染の低減という当初の狙いよりも行き過ぎて、CAIRの下に汚染クレジットを割り当て、特定の地理的領域における特定の工場の排出に上限を課すおそれがあるとの懸念を指摘している。

一方、環境保護主義者もノースカロライナ州とともにCAIRに対し提訴を行ったが、この訴訟はCAIRをとめたりその執行を阻止しようというわけではなく、CAIRのクレジット取引システムが予期される結果をもたらさないのではないかと主張するものである。原告はまた、CAIRの法制の2つの付属的文章…具体的にはCAIRの前文にある、電力会社をクリーンエア・アクトの規制対象から切り離して国立公園と野生保護区向けの特別規制に加えることを示唆した文章と、EPAは現在の基準を多くの地域が遵守するまでは大気汚染の地域的輸送を削減するための規制を新たに導入しないとした文章の2つ…が、EPAの将来の規則策定能力を制限しうるとも論じている。

CAIRは、ブッシュ政権がこの3年間以上議会で進捗を見せない「クリアスカイ法案」の代替案としてこの3月に発表した規則で、EPAによれば、今後15年の間に酸性雨の原因となる二酸化硫黄の排出を70%以上、スモッグの原因となる窒素酸化物を60%以上減らそうとするものであり、東部28州及びコロンビア特別区をカバーした新たな市場取引制度を通じて、発電所からの2010年、2015年の放出量上限を厳しくしようとするものである。

(Greenwire, July 12, 2005; Environment and Energy Daily, July 11, 2005)

環境主義者、環境保護庁(EPA)の発電所水銀放出規制を差し止めるべく提訴

環境主義者は、環境保護庁(EPA)が最近公表した水銀規制に対して、規制の執行を差し止めるべく連邦裁判所(コロンビア特別区控訴裁判所)に対し提訴を行った。

環境団体は、クリントン時代になされた「水銀に関しては、クリーンエア・アクトに基づき、ほとんど全ての石炭・石油火力発電所は最大限達成可能な制御技術を導入しなければならない」とする決定を、今年初めにブッシュ政権が覆したのは、法的な権限を逸脱するものだとして、EPAの政策の差し止め訴訟を行った。彼らによれば、本差止め請求は、裁判所が「差し止め」を認めるに必要な4つの条件…すなわち、@原告の勝訴の見通しが高く、A執行差止めを行わない限り原告は修復不可能な損害を被る見通しが高く、B執行を差し止めても他の関係者に実質的な損害を与えず、C執行差止めが公益に適う…を満たしている。本件では、EPAが不合理にも水銀を有毒物質リストから外しており、その結果公衆の健康リスクが生じているので差し止めが必要であると主張している。

連邦裁判所が行政府の規制の執行差し止めを命じるのは極めて稀なことではあるが、クリーンエア・アクト関係では、コロンビア特別区控訴裁判所は、過去10年に2例ほど差し止めを認めている。最近では2003年にニューヨーク司法長官Eliot Spitzerが行った、EPAの新排出源査定(New Source Review: NSR)の差止請求が認められている。

(Greenwire, July 11, 2005)

中小企業革新研究(SBIR)プログラム、ゆっくりと製造業指向に

大統領府科学技術政策局(OSTP)、中小企業庁(SBA)及び行政管理予算局(OMB)は、年間17億ドル以上の研究資金を投じている中小企業革新研究(Small Business Innovation Research = SBIR) プログラムが、2004年2月にブッシュ大統領が発出した大統領命令第13329号を遵守するべく、政策規定を書き改めつつある。「Encouraging Innovation in Manufacturing (製造関連イノベーションの促進)」と題した大統領命令において、大統領は省庁に対し、SBIRプログラムが製造関連の研究開発に高い優先度を置くように指示している。

5月19日にはSBAはSBIR政策規定に関する「修正提案」を公表、この中で「製造」に関する新たな定義を提示している。それは、「プロセス、設備、システムまたは製造にかかわる労働技能及び保護であって、単位プロセスの技術、機械レベルの技術、システムレベルの技術、環境・社会レベルの技術を含む」と記されている。各省庁は毎年3月15日までに大統領命令の実施に関する活動状況を報告することも要請されている。

しかしながら、依然として多くのことが不明確なまま残されており、はたから見ているといったい連邦政府は製造技術・プロセスに係る追加的資金支援を真剣に考えているのか疑問に感ぜざるを得ない。

  • SBIRグラントのうち何パーセントが製造関連プロジェクトに投じられればよいのか?(SBAのEdsel Brownによれば、SBAが関係省庁グループとともに評価したところ、2003年度実績は10.8%であった。Brownは、この数字から相当な増加が必要であるとするものの、OSTPもSBAも特定の数値目標を有しているわけではない。)
  • SBIRプログラムの担当省庁は、クライテリアもないまま、どうやって製造関連プロジェクトへの授賞であることを説明可能とするのか?
  • 実際に個別のプロジェクトが製造業関連かどうかを判断する上で鍵となる、「製造」関連用語の分類上の定義はどう定めればよいのか?

(Manufacturing & Technology News, July 8, 2005)


7月12日号

G8サミット、環境問題委員会(CEQ)議長は成功とほめそやし、環境主義者は不快感を表明

G8サミットが終了し、G8が示した気候変動行動計画に対しては、多くのグループから賛否両様の反応が聞こえている。ホワイトハウス関係者は、クリーンエネルギー技術への支援と途上国との間の「対話」が盛り込まれたことに歓迎の意を示しているが、環境主義者は同計画が温暖化ガス排出量に関する上限設定についての支持を書き込まなかったことについて、事態の緊急性を理解していないのではないかと立腹している。

ブッシュ大統領の環境問題アドバイザーのトップである環境問題委員会(Council on Environmental Quality)議長のJim Connaughtonは7月8日、George Marshall Instituteにおける講演で「サミットは成功」と宣言し、ことに指導者たちが、排出量の上限枠の議論を超えて気候変動問題に取り組むための議論を開始したことを歓迎した。彼は、スコットランドで署名されたG8コミュニケは、京都議定書や温暖化する地球に人間活動が貢献しているのかという科学的に不確かな質問を超えて世界を動かすこととなり、国際対話が次世代の技術、経済成長や途上国に焦点を当てることができるようになると指摘した。

一方、行動計画が京都議定書にほとんど言及していないことについて、グリーンピースのStephanie Tunmoreは「合意を目指すから結局、目標も予定表もないあたりさわりのない宣言ができて自体の緊急性が認識されなくなる」と指摘し、世界野生動物基金(World Wildlife Fund)のJennifer Morganは「ブッシュ政権のおかげで、世界一の排出国米国はすでに気候変動に悩まされている国々、特にアフリカ諸国にほとんど望みを与えてこなかった。技術は重要だが、真の温暖化ガス排出削減目標値がなければ、まったく十分とはいえない」という。もともブレア英首相は、サミット前から、米国の抵抗がある以上、地球温暖化問題に関して拘束力のあるコミットメントを文書化することは難しいだろうと認めていた。

しかしながら、地球の友(Friends of the Earth)のTony Juniperのように、ブレアが気候変動を優先課題としたことをよしとする環境主義者もいる、Juniperはいう、「最も目に見えにくい会合の結果だけど、一番大切なのは、地球温暖化と気候変動問題に関する一般の認識が格段に増加したことさ。」

(Energy & Environment Daily, July 8, 2005)


7月11日号

エネルギー省、大学石炭研究グラントの受賞者を発表

エネルギー省(DOE)Samuel Bodman長官は、7月7日、大学石炭研究プログラム(University Coal Research Program (UCR))に基づく研究グラント300万ドルの受賞者を発表した。同プログラムは、学生−教師間の研究にグラントを与えるもので、1979年の創設以来今年で26年目、累計で1億1,600万ドルを、1,700人の学生が685人の教師とともに行う研究プロジェクトに投入してきている。

今年は15の州にまたがる19の大学が、3つの主要分野において受賞した。「主要プログラム」は現在のDOEの化石エネルギープログラムにおける進行中の応用研究を補完するもので、10プロジェクトが選ばれた。将来のブレークスルーにつながるかもしれないユニークな発想を対象とした「革新的概念第1期プログラム」では8プロジェクトが選ばれた。以前第1期の資金拠出を受けたプロジェクトにさらに資金を提供する「革新的概念第2期プログラム」では1プロジェクトが選ばれた。受賞19プロジェクトのうち、5つは化石燃料ベースの原料から水素を製造する研究に関連している。

(DOE Press Release, July 7, 2005)

米国陸軍、IdaTech社と実施中の携帯用燃料電池プロジェクトを継続

米国陸軍は、燃料電池企業IdaTech LLC社との間で新たな契約を結んだ。この契約は2004年からの契約の継続で、同社は、軍事プログラムにおいて人間が携帯可能な250Wクラスの統合型水素イオン交換膜(PEM)燃料電池システムの開発改良を行う。同システムは、搭載・一括型液体燃料改質器をエネルギー源として用い、10キログラムに満たない軽量小型の燃料電池システムとなる見込み。

(IdaTech LLC, July 5, 2005)

商務省技術局、電子廃棄物の技術リサイクルが議会の関心を集める

5月24日、下院の超党派グループがCongressional Working Group on Electronic Device Recycling(電子機器リサイクルに関する議会作業部会)を新設した。深刻さを増す電子廃棄物問題の解決策を模索し、議員等にこの問題が引き起こす事態について啓蒙するのがこの部会設立の趣旨である。

同部会の議長はMary Bono (共和、カリフォルニア州)、モDukeモ Cunningham(共和、カリフォルニア州)、 Louis Slaughter (民主、カリフォルニア州)の3下院議員である。

この問題について議会でコンセンサスを形成しようとする分野には以下が含まれる:

  • 電子部品の収集と管理
  • 対象にする製品の範囲の定義
  • 各種のプログラムや活動への資金調達
  • 業界の自主的なリサイクル活動を促すインセンティブの形成

この発表に続いて、Benjamin Wu技術政策担当次官補は、今後の技術リサイクリング(Technology Recycling…実際にはコンピュータ・リサイクルを指すことが多い)法案の議会審査に貢献する意図から、重要問題への取り組みや、過去の措置の再吟味、さらには法案の方向性の模索のためのロードマップを提供するものとして、コンピュータ・リサイクリングに関する報告書を商務省技術局が刊行する計画を発表した。

(TA Press Release, June 20, 2005)

G8の行動計画はクリーンエネルギー投資を奨励する

スコットランドのG8主要国首脳会議の最終日に、主要国代表等は温暖化ガス削減と地球温暖化対策の行動計画を発表した。共同声明では、「我々は、化石燃料エネルギーの需要・使用の増大やその他の人間活動が多くの点で地球表面の温暖化を伴う温暖化ガスの増加に貢献するということを認識している」とし、さらに、「気候科学の理解には不確実性が残るものの、我々は、今行動するに十分な程度、かつ、我々自身を温暖化ガスの成長を遅らせ、そして科学的に妥当な範囲で抑止・削減する方向に踏み出させしめるのに十分な程度には理解しているのである」と述べている。

この文書の要点は、以下のとおり。

  • クリーン・エネルギー技術への投資を支持している。
  • 中国・インドなど、発展途上国との「対話」形成を奨励している。
  • 京都議定書についてほとんど言及がない…唯一、「京都議定書を批准したメンバーは、その発効を歓迎し、成功のために取り組むだろう」と記述した程度。

サミット宣言では「地球のエネルギー需要は今後25年間で60%増大するであろう。これは気候変動を伴う温暖化ガスの著しい増加をもたらす可能性を持っている。」と述べている。さらに続いて、「我々は機会に直面している。今後25年間にわたって、世界中のエネルギーシステムに16兆ドルの投資が必要となる。…今日の決定が投資を固定化し今後数十年間の排出を増加せしめうるわけだから、今こそ賢明に行動すべきときである」とも述べている。

ブレア英国首相は、サミット終了後、「もし我々が米国、そしてインド・中国が対話に関与するようにできなければ、問題解決に成功する可能性はない」と、発展途上国の関与の必要性に言及した。これに対し、中国の胡錦濤主席は、「気候変動問題に関する国際協力を促進するためには、まず国連気候変動枠組条約及び京都議定書気の指導的役割を是認することが必要だ」と述べ、気候変動問題に関してはG8及び先進国が引き続き先頭に立つように求めた。

一方ブレア首相は、11月1日から英国で、気候変動に関する会議を開催する計画を発表した。この会合は先進国及び発展途上国を集めてG8のいう気候変動・クリーンエネルギー・持続的開発に係る対話を行おうとするものである。11月下旬には、京都議定書批准国はモントリオールに集まり、京都議定書後の時代をどう形作るかについて議論することとなっている。

(Greenwire, July 8, 2005)

オレゴン大学、Voxtel社と提携

Voxtel社がポリマーにナノ結晶(量子ドット)を埋め込んだ高速マイクロ波回路の開発のために、米国空軍研究所から、2ヵ年750,000ドルの中小企業革新研究(Small Business Innovation Research = SBIR) 第2フェーズのグラントを受領した。

オレゴン大学のオレゴン・ナノテクノロジー・アンド・マイクロテクノロジー研究所(ONAMI)と材料化学研究所が、このプロジェクトでVoxtel社の主要提携機関を務める。ニューヨーク州トロイのエビデント・テクノロジーズ社もプロジェクトに寄与する予定である。

同大学は、選ばれた有機物質や無機物質の特性を同定し、理解し、このような先進物質技術の効果的製造を管理する目的で、材料学やポリマーに関連する具体的な専門知識と設備を提供する予定である。

(Small Times, July 7, 2005; Voxtel Press Release, June 8, 2005)

エネルギー法案近況

下院エネルギー商業委員会の民主党筆頭委員であるJohn Dingell 上院議員(民主党、ミシガン州)が、下院エネルギー法案の様々な条項(例えば送電、天然ガス基地の立地、州毎に異なるガソリン品質規制問題(boutique fuels)に関する特定の条項)が、州の権利と権限に影響すると指摘する書簡を各州知事に送付した。

一方、上院では、7月1日午後、エネルギー法案に関する両院協議会の上院側メンバーを14名指名した。開始日は決定されていないが、エネルギー天然資源委員会の広報担当Marnie Funkは、今月後半にも両院協議会が開始されるのではないかと期待している。上院の協議会メンバーは以下のとおり。

共和党:
エネルギー天然資源委員会委員長 Pete Domenici (ニューメキシコ州)、 財政委員会委員長 Chuck Grassley (アイオワ州) 、 Larry Craig (アイダホ州)、 Craig Thomas (ワイオミング州)、Lamar Alexander (テネシー州)、Lisa Murkowski (アラスカ州)、Richard Burr (ノースカロライナ州.) 、 Orrin Hatch (ユタ)。

民主党:
エネルギー天然資源委員会筆頭委員 Jeff Bingaman (ニューメキシコ州)、財政委員会筆頭委員 Max Baucus (モンタナ州) 、 Daniel Akaka (ハワイ州)、Byron Dorgan (ノースダコタ州)、Ron Wyden (オレゴン州) 、Tim Johnson (サウスダコタ州)。

なお、下院は同日時点ではまだ協議会メンバーを指名していない。

エネルギー省のSamuel Bodman長官は、議会は8月休会の前にエネルギー法案をまとめて大統領に送るだろうとの楽観的見通しを述べた。他方、ロビイスト等は、最高裁判所判事の指名の問題などの他の政治問題もあり、時間が限られていることから、エネルギー法案の可決の成否はのるかそるかという状況になるだろうと述べている。何人かのロビイスト等は、過去数年間でエネルギーについての論議がすでに多く交わされたことから、両院協議会の審議は短期間となるのではないかと推測している。

(Environment and Energy News PM, July 8 & July 1, 2005; DOE, July 7, 2005)


7月8日号

会計検査院(GAO)、添加剤混合燃料の効果に関する報告書発表

政府会計検査院(GAO)は、添加剤混合ガソリン…大気浄化法(Clean Air Act)に基づき、一部地域における排ガス中の揮発性有機化合物(VOC)、窒素酸化物(NOx)等の削減のために、エタノールなどの含酸素剤を添加したガソリン…について、その使用状況、大気の質への影響、ガソリン供給や価格への影響といった基本的な問題に答えるための研究を実施した。研究によれば、2004年の夏の時点において、全米で11種類…細かい質の違いも考慮すれば45種類…の添加剤が使用されていることが判明した。その多くは散在する大都市圏内で使用され、都市周辺部は通常ガソリンを使用していることが多い。

GAO報告書は、環境保護庁(EPA)のモデルによれば、添加剤混合ガソリンを用いたほうが大気汚染が少なくなる…例えばカリフォルニアの混合ガソリンではVOCが25-29%、NOxが6%、通常のガソリンよりも減少、またメキシコ湾岸の混合ガソリンではVOCが12-16%、NOXが1%未満減少する…ものの、実車ベースで添加剤混合ガソリンの排出削減への貢献度を他要因と分離して定量化するのは困難と述べている。報告書はまた、散在した地域でのみ添加物混合ガソリンの使用が認められるような場合は、効率が下がり、コストが上がると指摘している。異なる添加剤混合状態を維持するためには、輸送や運搬を他と分離しなければならず、このためインフラに制約を与え、結果として価格にも影響を与えるからである。

GAOは、EPAに対して、エネルギー省や他省庁と協力して特定燃料の環境上の利益とインフラに与える影響とのバランスをとる計画を立案すること、また他省庁とともに当該計画の実行のために必要な法制面等の改善策を検討することなどの提言を行っている。

(GAO, June 30, 2005)

カナダ、エタノールプラントに更なる資金供与

カナダは、第2期エタノール拡大計画(the Ethanol Expansion Program (EEP))のもとに総額4600万カナダドルの資金供与を発表した。この資金は5つのエタノールプラントの建設・拡張を可能とするもの。連邦資金の受益者は、自らもプロジェクトに資金を投与する。

これら5つのプロジェクト及び、第1期EEPで承認されたプロジェクト(6件、7200万カナダドル)をあわせれば2007年末には年間エタノール燃料生産高が12億リットルになることとなる。このため、カナダの年産エタノール生産高は2007年までには14億リットルとなり、国としての気候変動に係るエタノール製造目標を2年ほど前倒しで達成するのに十分となる。

(Natural Resources Canada, July 6, 2005)

自発的ナノテク規制を検討する環境保護庁(EPA)

米国科学振興協会(AAAS)は、6月23日に環境保護庁(EPA)が主催した、ナノ材料開発企業から製造物質の内容・量・労働者の潜在的暴露量に関する情報についての自発的報告を求めようとする試験的制度を作るとの同庁提案に対する意見を求めるための公開会合の状況を、サイエンスの7月1日号に報告した。

会議前には18の環境保護主義者及び健康主義団体が連携して、自発的プログラムはあらたな化学品の危険から人々を保護するには不十分と主張する文書を公表した。これに対して、ナノ粒子の製造企業の多くは、ナノレベルの大きさの粒子の潜在的危険性についての知見が極めて限られていることを理由に、EPAの当初計画案は適切だとの見解を示した。

しかしながら、ほとんどすべての関係者が、もっとはるかに多くの情報が必要であるとし、また多様な団体がナノ粒子の毒性及び健康に関する研究にもっと資金を投じるべきだと主張した。6月14日のウォール・ストリート・ジャーナルへの論評には、Environmental DefenseのFred Krupp理事長とDuPontのChad Holliday会長・CEOが、ナノテクノロジーの環境・健康・安全面への研究向け資金は、国家ナノテクノロジー・イニシアティブ(NNI)の予算12億ドルのうちの現行4%から10%にまで引き上げるべきだとの主張を行っている。

(Science, July 1, 2005)

ブッシュ大統領、人間活動が温暖化を招くと認めつつ、「ポスト京都」戦略を呼びかける

スコットランドでG8会合が開催される1日前、ブッシュ大統領は地球温暖化問題に関し、初めて人間活動が気温上昇に貢献していることを認めた。彼はデンマークのレポーターに対して、「私は、地表が暖まっており、人間がもたらした温暖化ガスの増加がこの問題に貢献していると認識している」と話した。しかしながら大統領は、サミットの結論として排出量削減を求めるような気候変動関連計画を米国が支援することには疑問を投げかけ、京都議定書に反対する立場を繰り返した。

ブッシュは「ポスト京都時代」に向けて、水素燃料電池自動車などの石油・ガス代替エネルギー開発への更なる投資を呼びかけた。政権の担当者Faryar Shirzadは大統領のG8会合における温暖化問題に係る目的として、「京都議定書に基づく協力を指向するG8諸国と、科学技術の進展を通じて長期的に解決しようとする米国との間で、共通の基盤を見つけ、かつて対立していた論点で統一をもたらす機会としてG8を活用したい」と論じた。

G8の指導者たちは本日7月7日に気候変動関係の声明を是認することが期待されていたが、ロンドンへの爆破攻撃のため、その活動は7月8日に順延された。

(Greenwire, July 6, 2005)


7月7日号

エネルギー省、燃料電池研究開発の公募を開始

エネルギー省(DOE)は、燃料電池関連研究開発に関する二種類の提案公募を発表した。一つ目は、固体酸化物燃料電池(SOFC)に関するもので、2つの主要課題が含まれる。第一の課題はSOFCの素材及びパイロットシステム(2キロワット級以下)に係る研究開発で、期間2年間、DOEの提供資金は最大248万ドル、実施者は20%のコスト負担を求められる。第二の課題はアラスカにおける水素・電気の共同製造技術(2キロワット級以上)に係る実証試験で、期間2年間、DOE提供資金は最大248万ドル、実施者は50%のコスト負担を求められる。公募締め切りは7月25日である。

もう一つの公募は、高温(120℃)及び低湿度(25-50%)で機能する高分子電解質膜(PEM)の開発に係るもので、こちらの公募も2つの主要課題に分かれている。第一の課題は−20℃〜120℃の範囲で機能する新たなPEM素材の研究開発で、5年間、DOEの提供資金総額は約1,500万ドル、最大10件程度を採択、実施者は20%のコスト負担を求められる。また、研究の状況次第で3年目の第3四半期に継続または中止の判断を行う。第二の課題は高温・低湿度膜に関する先導的プログラム研究開発で、実施者は自らも高分子電解質に係る評価法等の開発を行い、10程度の膜サンプルを最新技術により評価するかたわら、作業グループを組織し、年2回会合を開催し、成果を整理する。期間5年間、DOE提供資金は約250万ドル、実施者は20%のコスト負担を求められる。両課題に関するDOE提供資金合計額は最大1,750万ドル、公募締め切りは8月18日である。

(DOE News Release, June 29, 2005)

エネルギー省、北京に事務所設置

6月30日、米中エネルギー政策対話第1回会合がワシントンで開催された際、米国エネルギー省(DOE)Samuel Bodman長官は在中国北京米国大使館内にDOEのオフィスを設けることとしたと発表した。

当該事務所はエネルギー・原子力安全保障分野におけるDOEの協力活動の指導・支援を行う。「この現地支援によって、米中はエネルギー効率向上やエネルギー供給の多様化、クリーンエネルギー技術利用の拡大、両国における原子力安全保障の増進に向けた相互努力などを促進することができる。」とBodman長官は述べている。

(DOE News Release, June 30, 2005; Renewable EnergyAccess.com, July 5, 2005)

環境保護庁−自動二輪車の排出試験に国連基準の採用を提案へ

環境保護庁(EPA)は、自動二輪車の排気試験に関し、2006年から新しい規則を採用するとの提案を発表した。提案された規則は、最近の国連の世界自動車規制整合化フォーラム(The United Nation's World Forum for Harmonization of Vehicle Regulations)で採用された試験基準に沿ったものとなる。この基準はカナダ、中国、フランス、ドイツ、米国、日本などとの協力により作成されたもので、排出制御技術の製造業者や自動二輪車の乗り手などの主要利害関係者の意見を反映し、最新の検査技術を採用するとともに、現実の運転条件をこれまで以上に正確に反映した基準である。EPAが導入する新規則は、既存の自動二輪車には適用されず、基準の最終版が採用されて以後に販売向け認証を得たモデルにしか適用されることとなる。

(EPA Press Release、June 30, 2005)

会計検査院、国防総省の技術移転プログラムを検査

政府会計検査院(The Government Accountability Office (GAO)は最近、国防総省(DOD)の3つの技術開発・移転関連プログラムの検査を行った。プログラムは皆比較的小規模のプロジェクトを対象とし、2005年度には6400万ドルの予算規模である。検査対象となったプログラムは、以下の3つである。

  • 防衛調達チャレンジプログラム(Defense Acquisition Challenge Program (DACP))…調達を通じたDOD内外の技術移転に焦点を当てている。2003年のプロジェクト開始以来30プロジェクト、各プロジェクト期間は3年以内。
  • 技術移転イニシアティブ…軍隊のオペレーション能力向上のための新技術導入に焦点。これまで21プロジェクト、期間は2-4年。
  • 早期対応基金…即時かつ新たに開発が必要とされる戦闘員ニーズに焦点。17プロジェクト、期間は6−12ヶ月。

GAOはプログラムの影響度を決定するのは時期尚早と述べているが、報告書は、彼らのターゲットは的確に設定されていると結論している。長期的な成功度は同省がどのようにイニシアティブをよりよくマネージするかにかかっている。

(SSTI Weekly Digest, June 27, 2005)

国立標準技術研究所(NIST)、新たなウェブサービスで外国技術基準を追跡

国立標準技術研究所(The National Institute of Science and Technology (NIST))は、「米国通報(Notify US)」という名前の新しいウェブ方式の通報システムをお披露目した。このシステムは、米国の輸出市場へのアクセスに影響を与える可能性のある、世界貿易機構(World Trade Organization (WTO))メンバー国による技術基準や適合性評価手続きに係る提案について、情報提供を行うものである。

同システムは、利用者に対して、関心国や関心産業領域に関連する規制の変更があった場合に電子メールでメッセージを送る。くわえて利用者は、「米国通報」システムから当該規制の全文を入手できる。NISTの国家基準認証情報センター(National Center for Standards and Certification Information (NCSCI))がこのサービスを無料で運用している。

(NIST Tech Beat, June 30, 2005)


7月6日号

自動車燃料:風力由来の水素を用いた燃料電池自動車が最も健康・環境に好影響

スタンフォード大学の科学者M. Z. Jacobson氏とそのチームは、全米の自動車を全て水素燃料電池自動車に変換した場合の大気の質、健康、そして気候の改善効果を推計した。推計結果によると、水素を天然ガス改質、風力、石炭ガス化の3通りのいずれの方法から作った場合でも、化石燃料自動車や電気・ガソリンのハイブリッド車よりは大気の質および健康状態は改善する。気候への影響については、天然ガス改質や風力由来の水素を用いた燃料電池自動車は温暖化ガス排出削減効果が大きいが、石炭ガス化由来の水素を用いた燃料電池自動車は、電気・ガソリンのハイブリッド車よりも温暖化ガス排出削減効果が劣る。

水素燃料電池自動車にした場合、どの水素製造方式でも大気の質の改善を通じて健康状態が向上するが、風力由来の水素を用いた場合が、大気の質および気候への便益が最大で、天然ガス改質の場合はメタンの放出が増加する分、若干気候面での改善効果が劣る。風力あるいは天然ガス改質由来の水素を用いた燃料電池自動車に切り替えた場合、年間3,700人から6,400人の生命が救われる計算になるという。

なお、同調査は、GATOR-GCMOMモデルと全米排出量一覧(the US National Emission Inventory)データを用い、1999年放出データをベースライン・シナリオとし、化石燃料自動車から水素燃料電池自動車に切り替えた場合のエネルギー効率改善効果をを45%、水素漏出率を高めに10%と仮定して、推計を行ったものである。

(Greenwire, June 30, 2005; M.Z. Jacobson et al. Science Vol. 208, June 24, 2005)

エネルギー省、各州にエネルギー効率向上プログラム向け資金を供与

米国エネルギー省(DOE)Samuel Bodman長官は5日、州エネルギープログラム(State Energy Program(SEP))に基づき、38の州に対して、2005年度のグラントとして2,650万ドルの資金を供与することとしたと発表した。同プログラムは、各州における省エネやエネルギー効率向上に向けた取組を支援するためのものである。これは本年度総予算4,400万ドルの一部であり、今後残りの州や準州、プエルトリコ、バージン諸島などにも配布される予定である。

今回のグラント供与において金額が最大だったのはカリフォルニア州(295万3,000ドル)、次いでニューヨーク州(240万4,000ドル)であり、インディアナ州(104万8,000ドル)、ノースカロライナ州(101万6,000ドル)がこれに続く。

同プログラムにおいては、州政府や民間にも対応する負担が求められ、連邦政府投資額1ドルごとに、州政府・民間は3.54ドルを負担している計算になる。DOEの推計では、本プログラムによって年平均4,135万Btu、金額にして2億5,600万ドル分のエネルギー消費が全米で節約されているという。

(DOE, July 5, 2005)

上院、エネルギー・水歳出法案を承認

上院は7月1日(金)、2006年度のエネルギー・水開発プログラム向けに312億ドルの歳出を認める法案(下院第2419号議案)を92対3の大差で承認した。

本法案にはエネルギー省(DOE)向け2006年度予算が250億ドル強含まれており、これは今年2月時点の大統領予算要求よりも12億ドル、2005年度DOE予算水準よりも7億7,800万ドル増加した形となっている。このDOE向け250億ドルのうち、

  • 再生エネルギー向けは12億5,000万ドル、
    (大統領予算要求額より5,300万ドル多く、今年度水準より500万ドル増加。)
  • 化石燃料向けは6億4,100万ドル、
    (大統領予算要求額よりは1億600万ドル少ないものの、今年度水準よりは6,900万ドル増加。要求額からの減少は、クリーンコールテクノロジー向け基金のうち2億5,700万ドルが支出を認められず据え置かれたため。ただし、クリーンコール電力プログラム(Clean Coal Power Initiative (CCPI))には、5,000万ドル増加となる1億ドルの予算が認められた。)
  • Yucca Mountain核廃棄施設向けは5億7,700万ドル
    (大統領予算要求額から微減、今年度水準とほぼ同等。)

となっている。

本法案により予算が認められる他省庁案件としては、陸軍工兵隊の運河・洪水制御プログラム向けに約53億ドル(下院案より12%増)が認められたほか、内務省開拓局向けに10億8,000万ドルなどがある。

今後の検討は、上院案と5月に下院が承認した案との相違点を調整するための上下院両院協議会において、進められることとなる。

(Environment and Energy Daily, July 1, 2005; Platts Coal Trader, July 5, 2005; CQ.com, July 1, 2005; HR2419-Senate Report 109-84)


7月1日・5日合併号

ペンシルバニア州、代替エネルギープロジェクトに資金拠出

ペンシルバニア・エネルギー開発局(Pennsylvania Energy Development Authority =PEDA)が州内の17件のプロジェクトに1,000万ドルのローンとグラントを供与した。これらのプロジェクトは、風力、太陽光、バイオマス、廃石炭、石炭ガス化などのエネルギー資源に係わるものである。

選考はプロジェクトが州のエネルギー資源を利用できるか否か、エネルギーの多様化を推進できるか、雇用創出、環境へのメリット、技術的・経済的な実行可能性などの数々の基準に基づいて行われた。

PEDAは1982年に設立されたが、最近その目標や焦点が新たなものとなり、同局は現在では、代替エネルギーへの投資を通じて、州内で産出可能なエネルギー源の開発促進にもっとも注力している。

(Commonwealth of Pennsylvania, June 23, 2005)

米国・カナダの二国間グループ、電気供給信頼性問題でより効果的な協力へ

Samuel Bodmanエネルギー長官、Pat Wood III連邦エネルギー規制委員会(FERC)会長、R. John Effordカナダ天然資源相、Dwight Duncanオンタリオ州エネルギー相が、電気供給の信頼性の問題での協議と協力の枠組みを定める、法的拘束力のない付託条項(Terms of Reference)について合意したことを発表した。

二国間電気供給信頼性監督グループ(二国間グループ)は、この法的拘束力のない付託条項によって、以下を始めとする数々の活動に取り組むことができる。

  • 国際的な信頼性機関向けの指針の策定
  • 電気供給信頼性基準の調整
  • 信頼性政策・規制問題の協議

付託条項はまた、2004年2月に発足した二国間グループが定期的な会合を開く継続したフォーラムとなるよう提言している。

(Natural Resources Canada, June 30, 2005)

カナダ、環境協力枠組みおよび水銀排出基準を創案

カナダ環境関係閣僚会議(Canadian Council of Ministers of the Environment=CCME)の会合で、連邦政府、州政府・準州政府の環境相等が「Draft Commitment Statement on Environmental Sustainability in Canada(カナダの環境持続性に関するコミットメント声明案)」を発表した。この声明文は、環境分野における政府の新たな協調活動のベースとなるもので、CCMEは次の3分野を最初に手がけるべき分野として特定している:

  • 科学、テクノロジー、研究
  • モニタリング、モデリング、情報管理
  • 規制遵守および法規制執行の合理化

CCME参加者等は発電所からの水銀排出量についての全国基準(案)も承認した。この基準から、既存の発電所については、2010年までに2003-04年度レベルからおよそ52〜58%削減という水銀排出削減目標が生まれるものと思われる。新設発電所には市場で最も優れた排出削減技術の導入が義務付けられる。

コミットメント声明案と水銀排出基準は、2005年秋にCCMEで最終的にまとめられる可能性が高い。

(CCME, June 27,2005; Platts Coal Trader, June 29, 2005)

フォーサイト・ナノテク・インスティテュート、ナノテク技術ロードマップを作成へ

ナノテクノロジーの有力シンクタンク兼公益機関であるフォーサイト・ナノテク・インスティテュートと世界有数の国際研究開発機関であるバテルが「Technology Roadmap for Productive Nanosystems(プロダクティブ・ナノシステムの技術ロードマップ)」を作成する取り組みに着手した。最終的に2006年終盤の完成を目標として、プロジェクトは、Waitt Family財団からの25万ドルのグラントを元手に開始される。

ロードマップ作成プロセスは、業界、政府、研究機関・学界の代表から構成されるワールドクラスの運営委員会(現在組織中)が舵を取る。これらの各分野の専門家の意見を調整するために、一連のワークショップその他の活動が予定されている。初回のワークショップが今年の夏に行われる。

(Foresight Nanotech Institute Press Release, June 21, 2005)

米国のナノテク・リーダーとしての地位は脅かされている、と証言者は語る

下院科学委員会研究小委員会が久方ぶりにナノテクノロジーに関する2回目の公聴会を開催した。公聴会では、業界や研究機関の代表多数のほか、前回の公聴会には出席しなかったFloyd Kvamme大統領科学技術顧問委員会(President's Council of Advisors on Science and Technology= PCAST)共同議長が証言を行った。彼らは、米国はナノテク分野における海外との競争の増加に直面していると指摘した。

この論点は、PCASTが先月発表した報告書「ナノテクノロジー国家戦略(NNI)の5年間:国家ナノテク・アドバイザリー・パネルの評価と提言」から生じたものである。同報告書は、海外の競争相手との競争が増加していることを警告するとともに、NNIを強化し米国がこの分野での最強リーダーとしての地位を確保するための提言を示している。

Kvamme共同議長の証言は、こうした同報告書の発見事項を繰り返すもので、証言台に立った他の業界リーダー等もこの提言に賛成の意見を表明した。次の3点が焦点となった。

  1. ナノテクノロジーに関連する環境、健康、安全面(EHS)でのさらなる研究と規制措置
  2. ナノテクノロジー分野の人材開発を目的とする数学や科学の教育・研修に向けた投資の増大
  3. 目的のはっきりしたナノテクノロジー基礎研究への連邦政府の投資拡充

他の証言者は、Lux Research GroupのMathew Nordan副社長、Motorolaの知的財産インキュベーション・商用化担当副社長Jim O'Connor、NanoBusiness Alliance専務理事Sean Murdock氏らである。

(House Science Committee Press Release, June 29, 2005)

上院委員会、対外援助法案を環境資金供与付きで承認

上院歳出委員会が国務省、対外援助、輸出プログラムを対象とする318億ドルの歳出法案(下院第3057号議案)を承認した。この法案には数々の環境およびクリーンエネルギー関連の資金供与も盛り込まれている:

  • 176カ国が参加して発展途上国の持続可能な発展を支援する資金援助団体、地球環境ファシリティに1億750万ドル
  • 発展途上国のクリーンエネルギーおよび気候変動分野の政策・計画の助成金として1億8,000万ドル…このうち1億ドルは省エネ、エネルギー効率向上および再生・クリーンエネルギー技術向け、8,000万ドルは温暖化ガスの放出を「計測・監視・削減」し、炭素隔離を増大し、「気候変動の緩和および適応プログラム」向けである。
  • 生物多様性を直接保護するプログラムや活動に利用可能な開発援助資金として1億6,550万ドル

同法案はまた、来年早期までに、全ての連邦政府の2006年度国内外の気候変動関連活動やプログラム支出についての詳細な行政府報告を求めている。報告書は、USAIDの海外におけるクリーンエネルギー・エネルギー効率向上技術の促進や、温暖化ガス放出削減や炭素隔離の促進、さらには海外諸国がUNFCCCの枠組み下で責任を果たすことの支援等に用いられている支出額などについて、詳細を報告することとなる。同法案はさらに、財務長官に対して、米国における石油・ガス・石炭・木材ほかの天然資源の採掘や輸出は、公に入手可能な独立の歳入出監査を受けることを要件とすることが米国の政策である旨、国際金融機関に明言するよう求めている。

下院第3057号議案は委員会で全会一致で承認され、採決のために上院本会議に送られた。

(CQ Green Sheets, July 1, 2005)

中米自由貿易協定(CAFTA)、環境主義者の反対にもかかわらず上院を通過

上院本会議は6月30日、中米自由貿易協定(Central American Free Trade Agreement =CAFTA)を54対45で承認した。コスタリカ、エルサルバドル、グアテマラ、ホンデュラス、ニカラグア、ドミニカ共和国を含むこの協定は、今月後半に下院本会議での票決が予定されており、そこでは上院よりも票が割れる可能性が高い。

同協定は、環境法規を弱体化するとして環境団体から多くの批判を受けている。こういった批判に対し、ブッシュ政権は、環境法の施行に関する具体的な問題を国民が提起できる国民参加のメカニズムがこの協定に盛り込まれていると反論している。

(Energy & Environment Daily, July 1, 2005)


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