NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2005年7月後半分

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

7月27日号

Spectrolab社の高密度太陽電池、変換効率で世界記録を更新

Spectrolab社が、エネルギー省(DOE)傘下の国立再生可能エネルギー研究所(NREL)からの委託契約の下で、変換効率39%の高密度太陽電池を作成したと発表した。この新太陽電池は、半導体材料の層を「多接合(multijunction)」したもので、各層は太陽光の異なる周波を捕らえるよう設計されている。多接合太陽電池の実験は既に1年以上行なわれているが、これまでのところ性能低下は見られないという。Spectrolab社製の太陽電池は、NRELが先頃達成した変換効率37.9%という世界記録を更新することになった。同社幹部によると、変換効率は2006年までには少なくとも40%に到達する見込みであるという。(DOE News, July 20, 2005)

新気候変動計画でリード役を担う世界銀行

スコットランドのグレンイーグルスで開催されたG-8サミット終了時、各国首脳は世界銀行グループに対し、新たな気候変動枠組へ融資するよう要請した。世界銀行のIan Johnson持続可能開発担当副総裁はロイター紙との先頃のインタビューで、低炭素開発プロジェクトへの融資面で重要性を増してきた同グループの役割を論じている。Johnson副総裁は、G-8サミットでの討議から生じたイニシアティブとして下記を概説した:

  1. ダイアログ・イニシアティブ … 世界銀行は、2012年以降の長期的気候変動管理に関するG-8諸国間(更には、G-8諸国と工業国および途上国間の)コンセンサス作りで、意見交換の促進を支援する。
  2. 投資の枠組み … 世界銀行は、低炭素経済拡張(特に、エネルギー効率化技術やクリーンエネルギー、気候変動への適応等)の為の投資枠組みを整備する。
  3. 世銀の貸出 … 世界銀行は、低炭素で気候に優しい経済開発への公的融資や民間融資を助長するため、貸出額を拡大する。

同氏はまた、気候変動に重点をあて、それを途上国との活動に盛り込んでいく方法についても論じている。特に、経済活動の炭素原単位を低減する方法として、下記をあげた:

  • より新しい技術に向けて、研究開発を推進する。
  • 炭素排出権取引やその他の市場志向型メカニズムといった融資ツールを開発する。
  • 持続可能な農業・森林・河川管理による荒廃地の緑化や修復を通じて、各国の気候変動への適応を助長する。

(World Bank News, July 19, 2005; Reuters News, July 21, 2005)

上院がWilliam Jeffrey博士を第13代NIST所長として承認

上院本会議は7月22日、国立標準規格技術研究所(National Institute of Standards and Technology = NIST)の第13代所長としてWilliam Alan Jeffrey博士を承認した。Jeffrey博士は、全米科学財団(National Science Foundation)総裁に指名・承認されたArden Bement第12代NIST所長の後を引き継ぐことになる。

Jeffrey氏は、今年の5月25日にブッシュ大統領により新NIST所長に指名された時点では標準規格の世界ではあまり知名度がなかったものの、政府の防衛技術界においては高い評価のある人物で、科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy)や国防先端研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency)、国防航空偵察局(Defense Airborne Reconnaissance Office)や防衛分析研究所(Institute for Defense Analyses)の要職を歴任している。(NIST News Release, July 22, 2005)


7月26日号

風力、太陽光、持続可能なデザインを採用したWal-Martの新店舗

大手小売業者のWal-Martが、エネルギー省(DOE)傘下のオークリッジ国立研究所との協力で、再生可能エネルギー技術とエネルギー効率化技術を装備した新店舗をテキサス州ダラス市近郊に開店した。この新店では、Bergey Windpower社製の50キロワット(kW)級風力タービン、総計59kWを発電する結晶系太陽光パネルおよび薄膜太陽光パネル、バイオ燃料ボイラーを設置しているほか、様々な節電原理 …オープン型の冷蔵食品ディスプレーケースにガラス扉を取付等… も取り入れている。Bergey Windopower社のMike Bergey社長によると、冷蔵食品ディスプレーケースのガラス扉だけで年間600,000キロワット時の電気節減に繋がるという。

オークリッジ国立研究所が向こう3年間、この実験的な大規模店舗デザインのあらゆるデータを分析することになっているが、その結果によっては、将来の大型小売店の設計や建設、および、ビルやエネルギー消費の管理方式等に大きな影響を与える可能性もあると期待される。(RenewableEnergyAccess.com, July 22, 2005)

エジソン物質技術センター、クリーンエア装置の研究にグラント供与

オハイオ州デイトン市にあるエジソン物質技術センター(Edison Materials Technology Center = EMTEC)が、石炭火力発電所や産業用ボイラー向けの大気汚染物質抑制装置の改善に炭素繊維が有効であるか否かを判定するため、Iten Industriesをリーダーとする研究チームに28万3,000ドルのグラントを授与した。同プロジェクトは、電気集塵装置の性能向上を可能にするファイバーグラス複合材料に、炭素ナノ繊維を利用出来るか否かを確認することを目的としており、プロジェクトの第一フェーズでは電気を通す低価格のファイバーグラス複合材料を開発することになる。

同プロジェクトには他に、オハイオ大学、Wright-Patterson空軍基地の空軍研究所、オハイオ州セダービルのApplied Science社、ケターリング国立複合物センター(National Composite Center of Kettering)、および、Southern Environmentが参加している。(Small Times, July 20, 2005)

上院エネルギー・天然資源委員会、地球温暖化に関して第一回目の公聴会を開催

上院エネルギー・天然資源委員会が7月21日、地球温暖化に関する科学的研究の現状、および、気候変動管理戦略の経済性について科学者や経済学者そして政策アナリスト等の意見を聴聞するため、「気候変動科学と経済性(Climate Change Science and Economics)」と呼ばれる第一回公聴会を開催した。同委員会のPete Domenici委員長(共和党、ニューメキシコ州)は、Jeff Bingaman上院議員(民主党、ニューメキシコ州)が提案した強制的な温室効果ガス(GHG)排出制限を共同提案する間際までいったものの、最後には二の足を踏み辞退したという経緯がある。このBingaman法案に関連する情報を更に収集するため、今回の公聴会が開催された。

公聴会では、エネルギー消費と気候変動の関連性;気候変動研究の最新動向;気候変動が米国経済に及ぼす影響;GHG排出抑制戦略が討議された。主な発言は下記の通り:

第1パネル - 科学者

A. 全米科学アカデミー(National Academy of Sciences)のRalph Cicerone総裁 - 気候変動は自然的可変性(natural variability)の範囲を越えている。世界の平均地表温度は1970年代初旬よりも華氏で0.7度上昇し、大気中の二酸化炭素(CO2)は40万年で最高の水準にあるだけでなく更に上昇傾向にある。また、現在の地球温暖化はGHG排出の増大、特に化石燃料の燃焼に依るところが大きい。

B. 1995年ノーベル賞受賞者で全米エネルギー政策委員会(National Commission on Energy Policy = NCEP:Bingaman提案にある政策提言を立案したグループ)メンバーでもある、マサチューセッツ工科大学のMarion Molina博士 - 地球温暖化が人間に及ぼすリスクはGHG排出増加に伴ない、ますます増えている。今すぐに何等かの大胆な行動を取らない限り、CO2は産業化以前のレベルの3倍に達する可能性すらあり、これは経済や環境面に遥かに深刻な悪影響をもたらすことになる。立法者はNCEPとBingaman議員のアプローチに従うべきである。

C. 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のJohn Houghton科学的評価作業部会共同委員長 - 世界は、米国が、ひいては、この委員会が何をするのかを見守っている。欧州連合は、中国が炭素回収・隔離技術を組み込みながら石炭火力発電のキャパシティを開発することを支援しているが、米国もこの努力に加わるべきである。

公聴会では第2パネルの経済学者や 政策アナリストから、地球温暖化や政策オプションが経済に及ぼす影響について意見を聞く予定であったが、他の行事のために公聴会が短縮され、第2パネルの証言は中止となった。Domenici委員長は、今後の公聴会でBingaman法案を討議することを約束しているが、それは8月休会が開けてからとなる。(Energy & Environment Daily, July 22, 2005)

環境保護庁、環境研究フェローシップ事業の募集要綱を発表

環境保護庁(DOE)がSTAR(Science to Achieve Results)計画の一環として、将来、環境関連部門での就職を望んでいる大学院生約100名にフェローシップを提供する予定であると発表した。出願資格を持つのは、米国市民または米国永住者に限られ、今回の応募締切は2005年10月18日となっている。EPAでは1,300名以上の応募を見込んでいるという。

同フェローシップの予算総額は約980万ドルで、フェローシップの各受賞者には年間最高3万7,000ドルが支給され、受領期間は修士課程の学生が最高2年、博士課程の学生が最高3年となる。(EPA News Release, July 25, 2005)


7月22日号

下院科学委員会の2つの小委員会、水素R&Dの推進状況に関する合同公聴会を開催

下院科学委員会のエネルギー小委員会と研究小委員会が、ブッシュ政権が水素イニシアティブを開始してからの水素R&D分野での進捗状況を調査するため、合同公聴会を開催した。

同公聴会の証言者は、エネルギー省(DOE)のDouglas Faulknerエネルギー効率化・再生エネルギー担当次官補代理、アルゴンヌ国立研究所のGeorge Crabtree博士、クレムソン大学国際自動車研究センターのDavid Bodde博士、ダイムラークライスラー社のMark Chernoby先端自動車部門副社長、マサチューセッツ工科大学のJohn Heywoodスロアン自動車研究所所長。これら証言者は水素R&Dが数々の重要なマイルストーンを達成したことを称賛した一方で、水素が化石燃料に代わって主要燃料となるためには、特に生産・貯蔵の部門において解決すべき課題が多数残っていると指摘した。非政府証言者等はまた、水素関連技術の市場化のために、連邦政府は一層の水素技術R&Dを奨励するインセンティブを採用すべきであり、水素やバイオマスといった代替エネルギー研究を継続しつつも燃料効率の即向上に繋がる技術開発に注力するという二股アプローチを取るべきであると主張した。

エネルギー小委員会のJudy Biggert委員長(共和党、イリノイ州)は、水素はエネルギー・環境面で非常に有望ではあるものの、在来型発電源と競争可能となるのは未だ未だ先のことであろうと発言した。これに対し、研究小委員会のBob Inglis委員長(共和党、サウスカロライナ州)は、水素R&Dの技術面・コスト面での課題は克服出来ないものではないという、幾分楽観的な見解を表明している。(Environment and Energy Daily, July 21, 2005)

下院の環境・有毒物質小委員会、E-リサイクル計画を検討する公聴会を開催

下院エネルギー・商業委員会の環境・有毒物質小委員会が、連邦政府電子機器リサイクル計画のオプションを審議するため、7月20日に公聴会を開催した。独自の「E-リサイクル」計画を持っているカリフォルニア州・メイン州・メリーランド州の代表者、および、商務省のBenjamin Wu技術政策担当次官補が同公聴会で証言を行なった。

3州代表者の証言により、3州が各々異なる「E-リサイクル」アプローチをとっていることが明らかとなったが、代表者全員がe-廃棄物の標準定義、リサイクルと破棄処分の経済的比較、蓄積された不要な電子機器の量に関する詳細情報を歓迎すると発言した。一方、Wu商務次官補によると、現在実施されている州別アプローチは、各々に異なる財政メカニズムを使用しているため、エレクトロニクス業界にとって問題となる可能性があるという。商務省の技術政策局では、米国や他国におけるエレクトロニクス他のリサイクル制度で使用されている多様な財政メカニズムを検討し、各メカニズムの長短所を議会に報告するため、その要綱を現在作成しているという。

小委員会では夏期休会明けの9月に第2回目の公聴会を開催し、エレクトロニクス製造業者や小売業者、リサイクル業者や環境保護者等から証言を聴聞する予定である。(Greenwire, July 21, 2005)

商務省のMahoney国立海洋大気局次官補、退職する意向を発表

商務省の国立海洋大気局(NOAA)次官補 兼 気候変動科学プログラム(Climate Change Science Program = CCSP)ディレクターであるJames Mahoney博士が、退職する意向を発表した。同氏はCCSPのディレクターとして、CCSP戦略プランの策定と導入に助力したほか、年間20億ドルという気候変動関連の科学的研究を調整・統合する予算を管理している。

同氏は7月19日付けのブッシュ大統領宛て書簡で、慢性の健康上の問題が主要原因であると説明している。Mahoney博士は、後任が指名されて承認されるまで、現職を継続する意向であると語っている。(CCSP Press Release, July 19, 2005)

環境保護庁のHolmstead次官、8月30日をもって辞職

環境保護庁(EPA)のJeffrey Holmstead大気・放射線担当次官が、家庭の理由で2005年8月30日をもって現職を退くという辞職願いをブッシュ大統領に届けた。ブッシュ政権下では最長のEPA次官となったHolmstead氏は、新排出源査定評価(New Source Review)や水銀規制に関して批判の矢面に立たされ、John Edwards元上院議員等から同氏の辞任を求める声があがったこともあった。

同氏の後任としては、EPAで現在Holmstead氏の主任法律顧問の地位にあるWilliam Wehrum氏が有力と見られている。(Environment and Energy Daily, July 21, 2005)


7月21日号

カナダ政府、大規模最終放出源からの温室効果ガス排出規制を告知

カナダ政府が7月15日付けのCanada Gazette(カナダ政府の官報)で、大規模最終放出源(Large Final Emitter = LFE)から排出される温室効果ガス(GHG)を規制する告知(notice of intent)を発表した。この告知でカナダ政府は、2008年〜2012年の京都議定書遵守期間における排出削減目標の設定方法、LEFの目標達成を可能にするメカニズム、および、1999年カナダ環境保護法(Canadian Environmental Protection Act of 1999)の下でシステムを実施する為の規制オプションを概説している。

700余りのLFEを対象に同提案が設定したGHG削減目標は45メガトン。対象とされているLFEは、エネルギー集約的な鉱業や製造業、および、石油・天然ガスや火力発電部門の会社であるが、これら企業から放出されるGHG排出量はカナダ全体の50%弱にあたるという。更に、同提案では、LEF各自の目標達成を可能にする方策として、新設された技術投資基金(Technology Investment Fund)への出資、および、排出権取引という選択肢を与えている。

カナダ石油化学生産者協会(Canadian Association of Petroleum Producers)やカナダ鉱業協会(Mining Association of Canada)といった産業団体は概して、カナダ政府の気候変動緩和戦略を支持しているものの、中には、米国のように京都議定書に従わない諸国がグローバル経済で得る競争面での利点という重要問題を指摘する者もいる。(The Green Lane, July 15, 2005; Greenwire, July 19, 2005)

カナダ、メタンガス排出削減を目的とするMethane to Markets Partnershipに加盟

環境保護庁(EPA)のSteve Johnson長官は、メタンガスを熱併給発電に利用することによってメタンガス排出の削減を狙うMethane to Markets Partnershipに、この度カナダが加盟したと発表した。これで、同パートナーシップの参加国は16ヵ国となった。

Methane to Markets Partnershipは、メタンの回収と利用を推進し、温室効果ガス排出を抑制し、メタンガス利用のクリーンエネルギーをコミュニティーやビジネスに提供するという国際的イニシアティブである。カナダは同パートナーシップに参加することによって、メタン排出削減技術分野における自国の専門的技術を他国へ移転・普及させる好機を得ることになる。(EPA Press Release, July 14, 2005)

コンピューターチップの大手企業とニューヨーク州がリソグラフィ研究で提携

ニューヨーク州政府とコンピューターチップの大手企業4社が本日、先端ナノリソグラフィ分野における研究パートナーシップ …5ヵ年で5億8,000万ドル… の形成を発表するものと見られている。国際ナノリソグラフィ・ベンチャー(International Venture for Nanolithography = INVENT)と呼ばれる同パートナーシップは、最新のリソグラフィ・ツールに対する早期アクセスを提供して、それらツールの使用方法を企業に習得させることを目的としている

現在生産されている最先端チップは幅が90ナノメーター(nm)。各社は2006年または2007年には幅65nmのチップの販売を開始する見込みである。トランジスターを引き続き45nmや22nmへと小型化していくためには、リソグラフィ・ツールの進歩が必要不可欠であるが、各進歩の段階で最高2,500万ドルのコストが発生する。このため、企業の新技術採用に役立つイノベーションを推進するためには、INVENTのような官民の研究開発パートナーシップが必要であるという。

同パートナーシップには、IBM社とAdvanced Micro Devices社、および、Infinion Technologies AGとMicron Technology社の4社が各々5,000万ドルづつ、そして、ニューヨーク州政府が約1億8,000万ドルを計上するほか、リソグラフィのツールや材料供給業者等も2億ドルを拠出する見通しである。(The Wall Street Journal, July 19, 2005)

Hydrogenics社CEOのRivard氏、カナダの燃料電池業界は飽和状態であると警告

カナダで二番目に大きい燃料電池会社であるHydrogenics社のPierre Rivard最高経営責任者(CEO)によると、カナダの燃料電池部門は小規模会社で立て込みすぎているため、大規模な企業でさえも収益をあげることに苦慮しているという。同部門にはこれほど多数の会社を維持できるほどの収益はないため、燃料電池業界には整理統合が必要であり、Hydrogenics社でさえもカナダ最大の燃料電池会社であるBallard Power Systems社との合併を検討しているという。

カナダの燃料電池業界は過去10年間、政府支援、および、新技術に対する投資家の 熱狂に支えられて拡大し、2004年には燃料電池開発業者の数は1999年の二倍になったと報告されている。無公害な水素燃料電池への期待は高かったが、同技術は未だ初期段階であり、Ballard Power社もHydrogenics社も燃料電池装置のコスト削減に苦闘している。投資家の中には燃料電池技術への投資がマイクロソフト同様の儲けをもたらす可能性があると信じた者もいたが、利益のあがるニッチを発見できた会社は極少数であり、Ballard Power Systems社やHydrogenics社を始めとする殆どの会社は損失を計上しているのが現実である。

こうした現状にも拘わらず、Rivard氏は同技術の将来が有望であると語る。燃料電池技術は、コンピューターやデータサーバーの予備電力、および、フォークリフト等の電力源という需要のお陰で、予想よりも早く市場化されることになるという。(Fuelcellstoday.com, July 19, 2005)


7月20日号

エネルギー省、低所得家庭の耐候化のために、19州に9,250万ドルを交付

エネルギー省(DOE)のSamuel Bodman長官が、2005年度の耐候化支援計画(Weatherization Assistance Program)の一環として、ペンシルバニア州(約1,477万ドル)、イリノイ州(約1,391万ドル)、ミネソタ州(約990万ドル)等19州に総額9,250万ドルを交付すると発表した。

米国の低所得家庭は平均して、所得の14%をエネルギー代に費やしている。DOEの耐候化支援計画の狙いは、空気漏れの防止・絶縁の改善・エアコンや暖房装置の整備等によって、無駄なエネルギー使用を減らし、家屋のエネルギー効率を改善させることである。この計画により、平均的な低所得家庭はエネルギー料金を年間237ドル節減していると推定されている。(DOE Press Release, July 18, 2005)

重量別に設定される可能性がある、軽トラックの新燃費基準

米国高速道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration = NHTSA)が、軽トラック向け企業平均燃費(corporate average fuel economy = CAFE)の新基準を提案する予定であると報告されている。現行基準が自動車メーカーの軽トラック全種の平均燃費を算出しているのに対し、NHTSAが検討中の新基準は、車両の重量別に燃費基準を設定するもようである。具体的には、軽トラックを重量に基づいて5つか6つのカテゴリーに細分し、小型で軽いトラックとスポーツ多目的車(SUV)には大型で重いトラックやSUVよりも厳しい燃費基準の遵守を義務づけるものと見られている。

一方、自動車安全の唱道者等は、小型の軽トラックに一層厳しいCAFE基準を設けることで、自動車メーカーがこの厳格な基準を回避する為に、基準の緩い大型の軽トラック製造にはしる可能性があるとして、重量別のCAFE新基準に反対を表明している。

NHTSAの提案は、Norman Mineta運輸長官の承認を得た後、行政管理予算局(Office of Management and Budget)のレビューを受けることになる。(The Wall Street Journal, July 19, 2005)

カリフォルニア大学ロサンジェルス校の研究チーム、ナノバルブを作成

カリフォルニア大学ロサンジェルス校(UCLA)の化学者達が、ナノサイズの分子を思いのままに封じ込めたり解放したりできるナノバルブ(nano valve)を初めて作成した。UCLAのJeffrey Zink化学・生化学教授によると、このナノバルブは投薬システムとして利用される可能性があるという。

約500ナノメーターの多孔性シリカ (porous silica) に取り付けられたナノバルブは、切り替え可能なロタキシン分子 (switchable rotaxane molecule) で出来ている。UCLAの研究チームは、このナノバルブを開閉する電力源として、単一電子を持つ化学エネルギーを使用したほか、冷光を放つ分子を使用して、ナノサイズ分子の幽閉または解放を確認している。

全米科学財団(National Science Foundation)からの100万ドルのグラントで行なわれたこの研究の成果は7月19日に、国立科学アカデミーの会報で発表される予定である。(UCLA News, July 15, 2005)

オレゴン州議会、大学発ベンチャー促進基金法案を可決

オレゴン州議会が先週、同州の公立大学7校において技術の実用化を推進するため、ベンチャー促進基金(venture development fund)を創設する第853号議案を圧倒的多数で可決した。同基金の目的は下記の通り:

  • 大学のアントルプルヌール・プログラムに資本を提供する
  • 研究を商業活動に応用する機会を学生に提供する
  • 研究開発の概念を商業性ある製品やサービスに変える「Proof-of-concept」に資金を提供する
  • 研究を商業ベンチャーに変える起業チャンスを提供する
  • 大学技術実用化活動への寄与者に税控除を提供する。

更に、第853号議案はグラント申請者に対し、グラント受領後の最低5年間は州内に留まるか、または、グラント額と利息を払い戻すよう義務づけている。Ted Kulongoski州知事(民主党)は、同法案に署名するものと見られている。(SSTI Weekly Digest, July 18, 2005)


7月19日号

コーネル大他研究者、穀物由来のエタノールやバイオディーゼルはエネルギー収支がマイナスと結論

とうもろこし、大豆、ひまわりなどの植物由来のエタノールやバイオディーゼルは、実はエネルギーを節約するのではなく浪費している…このような結論を、コーネル大のDavid Pimental教授及びカリフォルニア大バークレー校のTad W. Patzek教授が新たな研究結果として主張している。

この研究は、とうもろこし、スイッチグラス(きびの一種)、木材からエタノールを作る場合と、大豆やひまわりからバイオディーゼルを作る場合とについて、投入エネルギーと産出エネルギーとの比を計算したものである。エネルギー投入の算出には、穀物の生産…農薬や肥料の製造、農業機械の運転、灌漑、穀物の粉砕や輸送…に必要なエネルギーや、エタノールの発酵・蒸留に必要なエネルギーを考慮した。政府から消費者への補助金や、穀物生産の環境コストなどは分析には盛り込まれていない。

研究成果は、エタノール生産については以下のとおり。

  • とうもろこしの生産は、それによって産出しうる燃料よりも29%多く化石燃料の消費を必要とする。
  • スイッチグラスの生産は、それによって産出しうる燃料よりも45%多く化石燃料の消費を必要とする。
  • 木質バイオマスの生産は、それによって産出しうる燃料よりも57%多く化石燃料の消費を必要とする。

バイオディーゼル生産については以下のとおり。

  • 大豆の生産は、それによって産出しうる燃料よりも27%多く化石燃料の消費を必要とする。
  • ひまわりの生産は、それによって産出しうる燃料よりも118%多く化石燃料の消費を必要とする。

Pimentel教授によれば、バイオマスは熱エネルギーの生成には効率的であるが、液体燃料を製造するには非効率的である。Pimentel教授は、政府の資金拠出や補助金は、ネットのエネルギー利得がなく、経済的とはいえないエタノール製造に対するよりも、太陽光、風力、バイオマス燃焼、水素等から電力を得る技術に向けたほうがよいとのことである。

なお、この研究報告書は、Natural Resources Research (Vol. 14; 1, 65-76)から刊行予定である。

(Cornell University, July 5, 2005)

東北10州で販売される電子製品に廃棄物手数料を課すことが提案される

北東部リサイクル協議会(Northeast Recycling Council (NERC))及び州政府協議会・東部地域委員会(Council of State Governments/ Eastern Regional Conference (CSG/ERC))が、ニューイングランド6州(メイン、ニューハンプシャー、バーモント、マサチューセッツ、ロードアイランド、コネチカット)、デラウェア、ニュージャージー、ニューヨーク、ペンシルバニアの計10州の間で電子廃棄物(e-waste)を管理するための統一的な法的アプローチを開発するための法案を公開した。

2月からずっと検討されてきた結果の本提案には、手数料の金額は明記されていないが、負担は製造業者に課すことを宣言している。この種のプログラムの下では、電子製品の製造業者は、加盟10州において販売された特定の電子デバイスにつき指定された手数料を支払うこととなる。

本法案で特に懸念されているのが、以下の電子デバイスである。

  • カドミウムを含有する集積回路抵抗器(Chip Resistors)及び半導体
  • 鉛を含有するコンピュータモニター及び集積回路基板(circuit board)
  • 集積回路基板及びプラスチック・カバー上の臭化難燃剤

米国では、時に有害な電子機器が毎年220万トンも廃棄されており、環境保護庁によれば再利用あるいはリサイクルされている電子廃棄物は10%にも満たない状況にある。

これまでカリフォルニア州、メイン州及びメリーランド州が電子廃棄物計画を採用したが、これらの州では、製造業者から資金を集めてリサイクル費用を賄うメカニズムがばらばらになっている。しかも、さらに1ダース以上の他州が、独自の電子廃棄物法制を検討中である。

米国電子工業会(Electronic Industry Alliance)の環境問題担当ディレクターRick Gossは、先月、50州全体からの信任を受ける差し迫った必要性はないにしても、全国的な一貫性を検討することが出発点として必要だろうと述べている。「もし全国的な一貫性が手遅れだとなれば、理論的には地域的なアプローチが次に検討されることとなるだろう。」

NERC及びCSG/ERCは、今月後半にもコネチカット州で法案に関する公開会合を開催予定である。

(Energy & Environment Daily, July 15, 2005)

ブッシュ政権、研究開発支出の調整を要請

ホワイトハウスは7月8日、政府の研究開発における優先度を特記するとともに、科学技術の優秀性と指導性を維持するため、マネジメントとパフォーマンスを改善すべきことを強調した覚書を公開した。科学技術政策局(OSTP)のJohn H. Marburger (III世)局長と行政管理予算局(OMB)のJushua B. Bolten局長とが署名を取り交わした。

同文書には、研究開発プログラムの中で優先度付けを行う場合の一般的なガイドライン、省庁間の研究開発協力で予算要求時に特に焦点が当たる案件、各省庁が研究開発プログラムの投資決定や管理を改善するために用いるべき研究開発投資クライテリアの再掲などが提示されている。

とりわけ同文書は、重複的で見返りの少ないプロジェクトを削減して、省庁間会議である国家科学技術会議(National Science and Technology Council)が設定した目標を達成すべく、各省庁の個別の研究開発努力を連携させることを要請している。

同文書によれば、「一般に、政権は以下のような研究開発投資を好む。

  • 将来の生活の質を改善するための基盤的な科学的発見を進展させる研究開発
  • 科学技術の社会的・環境的影響(倫理的、国家安全保障、国土安全保障問題を含む)に対処する研究開発
  • 当該省庁に特別に与えられた任務を支援し、またユーザー・ファシリティの管理を通じて他省庁の任務を支援する研究開発
  • 国家安全保障やエネルギー自立などの長期的な国家目標を達成するために連邦政府の関与を必要とするような、見返りの大きい潜在的活動を可能とするような研究開発
  • 経済的な競争力及び新たな雇用創出を刺激するような技術革新を支援する研究開発
  • 国民の健康を向上させる研究開発
  • 数学・科学に関して優れたパフォーマンスをあげられる理数工学系の教育や実績を強化する研究開発
  • 科学に習熟した人々と、国家の需要に見合う質の高い技術人材の供給を確保する研究開発
  • 地球環境問題を理解し対処する能力を高める研究開発
  • 競争的かつピアレビュー方式を用いた案件決定及びレビュープロセスや、省庁の任務に照らして生産性が限界的あるいは重要でないプログラムの廃止など、研究開発機関の効率・効果を最大化する研究開発
  • 科学の先端領域の進展をはぐくみ、国境を越えた科学の進展を加速化する国際的パートナーシップを強化する研究開発」

さらに、同文書は、省庁間連携が特に必要であり特別の注目を集めるべき領域として以下を特定している。

  • 国土安全保障
  • 高速コンピューティング及びネットワーキング
  • ナノテクノロジー
  • 物理科学
  • 複雑な生物システムの理解
  • エネルギー・環境

また、大統領のマネジメント・アジェンダが各省庁に対し用いるよう指示している研究開発投資クライテリアとして、@関連性(Relevance)、A質(Quality)及びB業績(Performance)である(応用研究開発の場合は追加的なクライテリアが適用される)を挙げ、各プログラムがこの投資クライテリアを満たしていることを実証するための活動は、プログラム評価採点ツール(Program Assessment Rating Tool (PART))に従って実施するよう指示している。

なお、同文書の原文は以下のサイトから入手可能である。

http://www.ostp.gov/html/budget/2007/ostp_omb_guidancememo_FY07.pdf

(Washington Technology, July 13, 2005)


7月18日号

エネルギー省(DOE)、国内自動車業界(USCAR)と高エネルギー効率車の開発に係る新協力へ

エネルギー省(DOE)は7月14日、米国自動車研究評議会(United States Council for Automotive Research =USCAR)との間で、電気自動車・ハイブリッド電気自動車・燃料電池自動車用途の先進・高性能バッテリーの研究開発に関する新たな5年契約を結んだと公表した。これらの技術によるエネルギー貯蔵量の増大、充電・放電性能の向上、耐久性や信頼性の向上などが期待されている。この契約は当初3年継続する予定で、その後1年単位で2回まで契約を延長するオプションがある。契約金合計額は最高1億2,500万ドルで、業界(USCARの先進バッテリーコンソーシアム)とDOE(FreedomCARプログラム)がこの費用を共に負担する予定である。

もともと両者は5月には燃料効率向上のための軽量・高強度の自動車材料開発に最高7,000万ドルかける研究開発契約を結んでおり、今次契約により5年間で総額1億9,500万ドルの自動車技術開発投資となる可能性がある。

(DOE, July 14, 2005)

ニューハンプシャー州、再生エネルギー開発促進へ

John Lynchニューハンプシャー州知事(民主党)が、州内での再生可能エネルギー資源の開発を推進するインセンティブについて検討する委員会を設立する法案に署名した。委員会は風力、太陽、水力、バイオマス、地熱ヒートポンプ(geoexchange)の現状と深部地熱サイトの潜在性の評価を行うとともに、潜在的な風力発電地域に係るデータ収集や、個別ビルあるいは発電所規模での太陽エネルギー技術利用の実現性の調査を行う。委員会は2005年11月1日までに評価及び報告を完了することになっている。

この委員会の検討は第一ステップであり、これを基盤にさらに多くの法律が制定され、究極的に何らかの再生可能エネルギー使用基準(Renewable Portfolio Standard = RPS)が確立される可能性がある。ニューハンプシャー州は東北部でRPSのない唯一の州であり、これまで再生可能エネルギーの伝統的支持者ではなかった。

(Renewableenergyaccess.com, July 15, 2005)

CCSPとNRC、気候関連研究活動の助言・評価のためのレビュー委員会創設に合意

米気候変動科学プログラム(U.S. Climate Change Science Program =CCSP)と全米研究委員会(National Research Council =NRC)がCCSP戦略プランの実施に独立の立場からアドバイスを提供する新たなNRC委員会を設立することに合意した。

この委員会の今後3年間の主眼は次の通りとなる。

  • 所定の目標実現に向けたCCSP の進捗状況の測定
  • 研究に関する指令を実践する戦略の評価
  • 重点的に実施すべきプログラムの特定
  • CCSP の戦略プランに概説されているCCSPによる意思決定支援資料の作成の評価

CCSPはまた、11月14日にバージニア州アーリントンで「Climate Science in Support of Decision Making…意思決定を支援する気候科学」と題するワークショップを開催し、プログラムの進捗状況を確認するとともに、政策立案者に対して健全な科学情報を提供するための将来努力について議論する予定である。

(CCSP Press Release, June 27,2005)

米航空宇宙局(NASA)の衛星、海水位を計測・監視

米航空宇宙局(NASA)の高官が発表したところによれば、次のような重要な新型人工衛星や観測システムによって、海水位がどれほど急速に変化しているかが史上初めて把握できるようになるという。

  • Ocean Topography Experiment (TOPEX/ポセイドン):レーダーで海洋面の特徴を正確にマッピングする
  • Jason(ジェイソン):海面の高さを測定し、海洋循環をモニターする
  • Ice, Cloud and Land Elevation Satellite (ICESat):極域氷床を調査し、それが地球全体の海水位の変化にどのように寄与しているかを調べる
  • Gravity Recovery And Climate Experiment (GRACE):地球の重力場をマッピングし、地球全体での水の動きの理解に貢献する

前世紀には、科学者等は海水位を直接測定することができたが、観測された変化のどれほどが実際のもので、どれだけが陸の上下動に関係するものかは分からなかった。今日では、この技術を用いて、陸の動きを無視して海面の高さの変化を判断する基準があるため、科学者等は海水位上昇の速さをより正確に予測することができるようになった。

(NASA News, July 7, 2005)

エネルギー法案、下院のメンバー指名を受け、両院協議会が開始される

7月14日、エネルギー法案に関する上下両院協議会の参加者が下院で選ばれ、同日、両院協議会の初回会合が開催された。下院議員の協議会参加者は12の委員会から選抜された。大半は下院エネルギー商業委員会のメンバーで、それに加えて、他の11の委員会から委員長1名、民主党議員1名、共和党議員1名の3名ずつが参加者に選ばれた。下院エネルギー商業委員会から選ばれた協議会メンバーは以下のとおり。

共和党:

エネルギー商業委員会委員長Joe Barton(テキサス州)、Ralph Hall (テキサス州)、 Mike Bilirakis (フロリダ州)、Fred Upton (ミシガン州)、Clifford Stearns (フロリダ州)、Paul Gillmor (オハイオ州)、 John Shimkus (イリノイ州)、 John Shadegg (アリゾナ州)、Chip Pickering (ミシシッピ州)、Roy Blunt (ミズーリ州)、Charles Bass (ニューハンプシャー州)。

民主党:

John Dingell (ミシガン州)、Ed Markey (マサチューセッツ州)、Rick Boucher (バーモント州)、Bart Stupak (ミシガン州)、Albert Wynn (メリーランド州)、Hilda Solis(カリフォルニア州)、Lois Capps (カリフォルニア州)。

このほか、他の11の下院委員会から協議会に参加するメンバーは以下のとおり。

農業委員会:

委員長Bob Goodlatte(共和党、バージニア州)、Frank Lucas (共和党、オクラホマ州)、Collin Peterson(民主党、ミネソタ州)。

軍事委員会:

委員長Duncan Hunter(共和党、カリフォルニア州)、Curt Weldon(共和党、ペンシルバニア州)、Ike Skelton(民主党、ミズーリ州)。

教育労働力委員会:

委員長Charles Norwood(共和党、ジョージア州)、Sam Johnson(共和党、テキサス州)、Ron Kind(民主党、ウィスコンシン州)。

金融サービス委員会:

委員長Michael Oxley(共和党、オハイオ州)、Bob Ney(共和党、オハイオ州)、Maxine Waters(民主党、カリフォルニア州)。

政府改革委員会:

委員長Tom Davis(共和党、ヴァージニア州)、Darrell Issa(共和党、カリフォルニア州)、Diane Watson(民主党、カリフォルニア州)。

司法委員会:

委員長James Sensenbrenner(共和党、ウィスコンシン州)、Steve Chabot(共和党、オハイオ州)、John Conyers(民主党、ミシガン州)。

資源委員会:

委員長Richard Pombo(共和党、カリフォルニア州)、Barbara Cubin(共和党、ワイオミング州)、Nick Rahall(民主党、バージニア州)。

規則委員会:

委員長David Dreier(共和党、カリフォルニア州)、Lincoln Diaz-Balart(共和党、フロリダ州)、Louise Slaughter(民主党、ニューヨーク州)。

科学委員会:

委員長Sherwood Boehlert(共和党、ニューヨーク州)、Judy Biggert(共和党、イリノイ州)、Bart Gordon(民主党、テネシー州)、Jerry Costello(民主党、イリノイ州)。

運輸・インフラ委員会:

委員長Don Young(共和党、アラスカ州)、Thomas Petri(共和党、ウィスコンシン州)、James Oberstar(民主党、ミネソタ州)。

歳入委員会:

委員長Bill Thomas(共和党、カリフォルニア州)、Dave Camp(共和党、ミシガン州)、Charles Rangel(民主党、ニューヨーク州)。

会議の初回会合はすでに開催され、今後2005年7月末までに4回の会議が予定されている。下院のBarton議長は、「今回が3回目の議会の3回目の協議会であり、早期に結論を得ることができるはずだ」として、7月19日(火)、21日(木)に難しい問題を処理し、その翌週には最終的に結論を得ようという意欲的なスケジュールを立てている。もし議論が難航するようであれば、週末(23、24日)に会合が行われる可能性もある。

この会議はこれまでの会議よりも超党派的な色合いが濃いようで、保守的な下院もエネルギー法案を大統領のもとに送るために一部の分野でこれまでよりも譲歩する態度を見せている。

Barton議長は、最も論争が予想されるMTBEの責任問題に関して提案を行ったと述べているが、おそらくそれはMTBE汚染を除去するための信託基金の設立を盛り込んだものと思われる。基金は一部を納税者が、一部を産業界が支払う形となろう。しかしながら、詳細はBarton議員が交渉内容を明らかにしようとしないため不明である(基金の規模に関しても諸説がある)。

両院協議会で議論を呼びそうな他の問題は、上院が盛り込んだ再生可能エネルギー使用基準(Renewable Portfolio Standard (RPS))や、中国の国営石油企業CNOOCによるUnocal Corp.の買収提案問題である。下院は現在では、代替エネルギーの範囲にクリーンコール技術や原子力を含めるとよいというような示唆をするなど、ややRPSを受け入れやすそうにみえる。一方、Richard Pompo下院議員(共和党、カリフォルニア州)は、すでにCNOOC問題に関して、これを本質的に遅らせるような条項を協議会報告書に盛り込むよう提案している。しかしながら、Barton議長がこの戦略に同意しているわけではない。なお、Barton議長は、暗礁に乗り上げているクリアスカイ法案関係の文言については、エネルギー法案に含めることはしないとすでに明言している。

(Environment and Energy Daily, July 15, 2005; E&E News PM, July 14, 2005)


7月15日号

農務省(USDA)、連邦調達向けバイオベース品目を初めて指定

米国農務省(USDA)は7月5日、2002年農場法(Farm Bill)により創設された「連邦バイオベース製品優先調達プログラム」のもとで、全連邦政府省庁が優先的に調達する対象となりうるバイオベースの品目を初めて指定する規則を提案した。提案された規則において指定されたバイオベースの品目は、以下の6つである。

  • 可動式設備の作動液
  • ウレタン製屋根の被覆剤
  • 水タンクの被覆剤
  • ディーゼル燃料の添加剤
  • 浸透性潤滑剤
  • 寝具、シーツ・枕カバー等のリネン類、タオル類

今次提案はバイオベースの品目を規定する一連の規則の最初のもの。USDAは、110を超える品目を特定し、今後の指定のために必要な試験データを収集予定である。

今次提案は2005年9月6日まで、パブリックコメントを受け付けている。今次規則が決定され、官報(Federal Register)に掲載された後には、連邦政府省庁は、調達の際に資格のあるバイオベースの品目を優先的に調達しなければならない。

(USDA News Release, July 5, 2005)

ブッシュ政権は、10億ドルかかるディーゼル排気法案を支持せず

ブッシュ政権担当者は7月12日、上院クリーンエア・気候変動・公共事業小委員会において、ディーゼル排気の削減に10億ドルの支出を認める「Diesel Emissions Reduction Act of 2005; 2005年ディーゼル排気削減法案」について、政権としては同法案の目的は賛同しうるものの費用がかかりすぎ、ホワイトハウスの2006年度財政支出上限額を超えてしまうため、これを支持しないだろうと述べた。同担当者はまた、政権はすでにディーゼルエンジンの改良に合計2,500万ドルの予算を求めており、自発的なディーゼルエンジン改良に向けたプログラムもいくつか開始していると述べた。

同法案は、小委員会委員長George Voinovich(共和党、オハイオ州)が導入したもので、現在は上院エネルギー法案に添付されている。政権の反対にもかかわらず、

Voinovich議員は、経済・環境面での便益は当面のコストを上回るとして法案の通過を目指しており、また、この法案はきわめて重要なので、エネルギー法案の成立を待っていられないとして、個別の法案としての成立を目指すとしている。上院環境・公共事業委員会のJames Inhofe委員長(共和党、オクラホマ州)は、来週には委員会全体で取りまとめ審議を行うと述べた。

(Environmental and Energy Daily, July 13, 2005)

ナノ粒子が癌退治の薬をネズミの腫瘍細胞まで運ぶ、効果は高く毒性は低く

ミシガン・ナノテクノロジー研究所の研究者は、動物実験を用いて、dendrimersと呼ばれる球状のナノテク高分子が、腫瘍を標的として抗癌薬を直接運搬し、治療に効果的なデバイスとして使えるということを初めて示した。ミシガン大学は、特定目標を持ったナノ粒子技術として特許申請を登録しており、実施契約についても現在Ann Arborにあるバイオ製薬企業Avidmer Therapeuticsとの間で交渉中である。将来研究では、ミシガン・ナノテクノロジー研究所の科学者たちは、実験動物に関する、ナノ粒子が目標とする抗癌薬の最大限の治療投与量を決定していくであろう。彼らはまた、2年以内の開始を予定している人間を対象とした最初の治験の準備のための予備研究も完了するであろう。

(National Cancer Institute News, June 15, 2005)


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