NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2006年11月前半分

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

11月14日号

米国と欧州連合、経済統合の強化、および、雇用・経済成長・競争力の増長で協力を約束

ブッシュ政権は11月9日、欧米の経済統合や共有の経済問題を討議する、インフォーマルな第二回目の米国-欧州連合通商大臣会合を主催した。エネルギー省(DOE)のSamuel Bodmanと商務省のCarlos Gutierrez長官が、Guenter Verheugen欧州連合(EU)副委員長およびMauri Pekkarinenフィンランド通産相と会談し、イノベーションや知的所有権、規制面での協力やエネルギー安全保障といった欧米経済の最も重要な分野における進捗状況について確認し、米国とEUは以下の課題についての協力を強化することに合意した。

  • 貿易や投資の妨げとなる官僚主義や規制障壁の撤廃
  • 知的所有権の保護と強化:世界各地で激増している偽造や海賊版製品の取締まり
  • 技術革新における協力
  • エネルギー源の多様化に関する協力
  • エネルギー使用合理化の促進
  • クリーンエネルギー技術への投資の奨励

米国とEU は、自動車業界やヘルスケア業界といった部門でも、両経済に意義ある結果をもたらすような新プロジェクトの実施可能性を模索することでも合意した。これらのプロジェクトは米欧間の規制上の貿易障壁の撤廃に主眼を置くものとなる。(DOE News Release, November 9, 2006)

RAND社、2025年までに再生可能エネルギー25%を実現することは可能であると報告

RAND社が、エネルギー未来連合(Energy Future Coalition)の依頼で『再生可能エネルギー利用拡大が米国のエネルギー支出に及ぼす影響(Impacts on U.S. energy expenditures of increasing renewable energy use)』という研究報告書を作成した。連合は「2025年までに再生可能エネルギーの占有率を25%まで拡大する」という目標が経済に与える影響を評価するようRAND社に依頼していた。

RAND社は、エネルギー省のNational Energy Modeling System(NEMS)をベースにしたモデルを開発し、続いて、再生可能エネルギー源と従来型エネルギー源の価格や技術費用などの可変要素の影響を分析するために、1,500の異なるシナリオを設定した。モデルは、2006 年から 2025年にかけて、化石燃料価格が大きく下がらないのに対し、再生可能エネルギー技術費用は約20%低下すると想定している。この期間における20%の低下は近年の動向と一致している。また、モデルでは再生可能エネルギーとしての水素技術などの一部の新興技術は考慮していない。

モデル分析の結果、25%という目標値は米国全国のエネルギー支出を増加しないという結論が出ている。再生可能エネルギー25%という目標値の維持によって米国のエネルギー支出が増加するのは、石油価格がエネルギー情報局(Energy Information Administration)の見通しよりも低い水準まで大きく下がった場合に限られるという。

この研究のもう1つの大きな知見は、二酸化炭素排出量に関するものである。2025年までに再生可能エネルギーの占有率が25%になれば、2025年の二酸化炭素排出量は10億トン減少することになるという。これは、2025年の二酸化炭素排出量推計値の約15%にあたる。(RAND News Release, November 13, 2006)

放射線治療の副作用を削減する効果が期待されるナノ粒子

ペンシルバニア州フィラデルフィアのトーマス・ジェファーソン大学の研究者等が、フィラデルフィアで開催された米国治療放射線腫瘍学会の第7回年次会議で行ったプレゼンテーションによると、リエンジニアリングを施した炭素同位体フラーレンは、一般に化学療法に関連のある放射線損傷から正常組織を守る上で効果があるという。

研究では、DF-1と呼ばれるリエンジニアリングを施したフラーレンを、放射線の照射を受けたゼブラフィッシュの胚に投与した。これとは別に2種の抗酸化剤と、唯一のFDA認可薬であるアミフォスティンを、別々に他のゼブラフィッシュに投与したところ、DF-1はアミフォスティンと同じ程度に正常組織への損傷を回避することができ、他の抗酸化剤の効果はこの2つに及ばないことが明らかになったという。

研究者等は現在、米国癌研究所の協力を得て、マウスにおけるDF-1 の影響を研究している。(Science Daily, November 10, 2006)


11月9日号

住宅部門のエネルギー効率改善を推進する省庁間イニシアティブ、進捗状況を報告

エネルギー省(DOE)、環境保護庁(EPA)、および、住宅・都市開発省(HUD)が、住宅部門のエネルギー消費を2015年までに10%削減することを目標として2005年に設立した、家庭のエネルギー効率性に関するパートナーシップ(Partnership for Home Energy Efficiency = PHEE)が、『PHEE 2006年年次報告書(Partnership for Home Energy Efficiency 2006 Annual Report)』を発表した。同報告書によると、PHEEイニシアティブの下で実施された連邦政府の各種活動から、以下の成果が生まれたという。

  • 2005年には、エネルギースターに適合する住宅が167,000戸も新築された。
  • Building Performance Instituteへの予算配分により、エネルギー効率面で優秀な契約業者を認可する機会が増えた。
  • 省エネ家電やその他の省エネ製品の購入増加により、2005年には、住宅部門の電気代が10億ドル以上節減された。

(EPA News Release, November 1, 2006)

E. On U.S.社、FutureGen Industrial Allianceに加入

非営利団体のFutureGen Industrial Alliance が、E.ON U.S. を11社目の会員として迎えたことを発表した。FutureGenに2,500万ドルの資金拠出を誓約した同社は、米国中西部・南部に各種エネルギーを提供する大手エネルギー企業である。同社はFutureGen プロジェクトへの参加に関心を持った理由として、地球温暖化問題への関心を挙げている。たとえば2006年序盤には、E.ON U.S.社は、温室効果ガス排出削減に関連するケンタッキー大学の研究に3ヵ年で150万ドルのグラントを授与している。一方、FutureGen Industrial Allianceは、同社のプロジェクトへの参加が「国際的協力の増大」とクリーンコール・プロジェクトへの関心の高まりの証であると謳っている。

E.ON U.S.社は、ケンタッキー州ルイビル地域で天然ガスと電気をそれぞれ321,000戸と394,000戸の顧客に供給しているルイビル・ガス・アンド・エレクトリック社を所有・操業しているほか、レキシントンにも、顧客数525,000戸(ケンタッキーの77郡とバージニアの5郡にまたがる)の電気会社を所有している。(E.ON U.S. News Release, October 31, 2006; FutureGen Alliance Press Release, October 31, 2006)

ミズーリ州知事、エタノール給油ポンプ認可問題の迅速な解決を要請する書簡をUL所長に送付

Matt Bluntミズーリ州知事(共和党)がUnderwriters Laboratories, Inc. (UL)のKeith E. Williams所長に対し、エタノールを15%以上含有するエタノール混合燃料の給油ポンプの認可にまつわる問題を解決するよう要請する書簡を送った。この書簡は、ULがこの問題の解決に向けた「予定表の作成を拒否」したことを問題として取り上げ、このような遅延は既存のエタノールポンプに影響を与えるだけでなく、提案されているエタノール供給基盤や研究開発への投資にさえ影響を与えると指摘している。

この書簡は、国家安全保障を論拠として、ULがエネルギー自給自足への動きの失速を「助長」していると述べ、さらに、ULの立場は州や国の安全保障、経済および環境に深刻な影響をもたらしうると論じている。

ミズーリ州はE-85ポンプのUL認定を義務付けていない。E-85給油ポンプを管轄する同州農務省では、点検の頻度を6ヶ月毎から3ヶ月毎に増やすことを決定している。ミズーリ州では、農務省が安全面での危険性を検出しない限り、ULの認定のないポンプの操作も許可する予定であるという。(State of Missouri Office of the Governor Press Announcement, October 25, 2006)


11月9日特別号(11/12/2006アップデート)

米国の中間選挙:下院および上院で民主党が勝利

2006年11月7日に行われた中間選挙は、下院および上院ともに、民主党が共和党から多数党の座を奪う結果となった。11月9日午後の時点での集計として、ワシントンポスト紙は、民主党が下院(定員は435名)で230議席を獲得し、共和党は196議席、9議席が未確定であると報道(注:1)している。一方の上院は、本日午後にバージニア州現職のGeorge Allen議員(共和党)が民主党挑戦者のJim Webb氏に対して敗北を認めたことで、民主党が51議席、共和党が49議席となった。

第110議会の下院議長や上院多数党院内総務、および、各委員会の委員長の選出は来週に予定されているが、Nancy Pelosi現下院民主党院内総務(カリフォルニア州)が女性として初の下院議長(注:2)に就任し、Harry Reid現上院少数党院内総務(民主党、ネバダ州)が上院多数党院内総務に就任することが確実視されている。

次期下院議長に見込まれているPelosi院内総務は11月8日、第110議会の「立法審議開始100時間(first 100 legislative hours)」で取り上げる優先議題として、@ロビイスト主催の旅行やギフトの禁止、および、新たな減税を歳出削減で相殺することを義務付ける賦課式(pay-as-you-go)規定の復活を盛り込んだ下院規定案;A連邦最低賃金引上げと小企業向け税控除のパッケージ;B大手石油会社への優遇税制撤廃;C胎性幹細胞研究に対するブッシュ政権の規制撤廃;D学生ローン貸付金利の半減;E老齢者医療保険(MEDICARE)の処方箋薬価格の引き下げ交渉等をあげ、党派を超えた協力によってこれらの議題を進めていく意向であると語っている。米国議会の各委員会委員長は、先任権(年功序列)に従って決められることが一般的であるため、第110議会の下院エネルギー・商業委員会の次期委員長にはJohn Dingell下院議員(ミシガン州)、科学委員会委員長にはBart Gordon下院議員(テネシー州)、歳出委員会委員長にはDavid Obey下院議員(ウィスコンシン州)が就任し、一方の上院では、エネルギー・商業委員会の次期委員長にJeff Bingaman上院議員(ニューメキシコ州)、科学・商業・運輸委員会委員長にはDaniel Inouye上院議員(ハワイ州)、歳出委員会委員長にはRobert Byrd上院議員(ウェストバージニア州)、そして、環境・公共事業委員会委員長にはBarbara Boxer上院議員(カリフォルニア州)が就任するものと見られている。ここでは、これらの委員会に関して、新委員長の略歴と予想される政策動向について概説する。


A. 下院

1. エネルギー・商業委員会のJohn Dingell下院議員(ミシガン州)

《略歴》 1954年に29歳の若さで下院議員に初当選。1981年から1995年まで下院エネルギー・商業委員会の委員長を務めた経験者。1995年に下院の多数党の座を共和党に奪われてからは、同委員会のランキング・メンバー。原子力発電業界からの寄付金受領では民主党トップであり、自動車メーカーや自動車労働組合からの寄付金も多い。

《予想される政策動向》 11月8日の記者陣との電話会議で、下記の発言を行っている:

  • 米国の海外石油依存度を軽減するため、ディーゼル自動車や電気自動車等の技術的進歩を奨励し、代替燃料についても検討する。
  • 電気製品のエネルギー効率について連邦基準を設定するべきかについて公聴会を開催する。
  • ビルディングの省エネ推進施策を支援する。
  • 気候変動に関するリスポンシブルな法案を支持する準備がある。但し、全責任を産業界に転換する法案は支持できない。(注:3)
  • 自動車燃費の問題が来年、審議される可能性はある。しかしながら、自動車業界が厳格な燃費基準を達成する能力等、数々の要素が討議で非常に重要な役割を果たすことになる。
  • 資金不足が甚だしい、環境保護庁(EPA)のスーパーファンド計画について検討する。

2. 科学委員会のBart Gordon下院議員(テネシー州)

《略歴》 1984年に初当選。2003年から下院科学委員会のランキング・メンバー。民主党の中では、穏健派と見なされている。

《予想される政策動向》 月および火星への有人飛行計画を支持してはいるものの、米航空宇宙局(NASA)の航空・科学プログラム予算を削減して、それを宇宙探査に回すというブッシュ政権の計画を厳しく批判し、ブッシュ政権の科学優先事項にも反対の立場を表明している。Gordon議員主導の科学委員会では、世界的にみた米国科学競争力、および、技術職の海外アウトソーシングを取り上げるものと見られている。同氏はまた、代替燃料やエネルギー使用合理化に関するイニシアティブを提出する可能性もある。

3. 歳出委員会のDavid Obey下院議員(ウィスコンシン州)

《略歴》 1968年に初当選。民主党下院議員としては、John Dingell下院議員(ミシガン州)とJohn Conyers下院議員(ミシガン州)に続き、在任期間が3番目に長い議員。1994年から、下院歳出委員会のランキング・メンバー。

《予想される政策動向》 教育、医療研究、コミュニティー開発ブロックグラント、復員軍人の医療的ケア、および、国境警備の予算増額に努力してきたことから、国内の自由裁量的プログラムへの予算増額を積極的に推し進めるものと予想される。また、指定交付金(earmark)を求める場合、その指定交付金から議員が個人的な利益を得るか否かを言明するよう議員に義務付けるという民主党提案を支持していることから、指定交付金を吟味するものと見られている。

 

B. 上院

1. エネルギー・天然資源委員会のJeff Bingaman上院議員(ニューメキシコ州)

《略歴》 1982年に初当選。上院エネルギー・天然資源委員会のランキング・メンバー。1997年から2001年までエネルギー効率化を推進する「エネルギー節約同盟(Alliance to Save Energy = ASE)」(注:4)の5代目委員長を務める。

《予想される政策動向》 同委員会のPete Domenici現委員長(ニューメキシコ州)とはこれまでも法案策定で協力してきたことから、Bingaman上院議員が委員長となり、Domenici議員がランキング・メンバーとなっても両者の協力関係が継続することは明白で、委員会の変化は程度差の問題と見られている。Bingaman議員は、ASEの委員長を務めたことからも明らかなように、Domenici現委員長よりも強力にエネルギー効率化を支持しており、風力・太陽エネルギーといった再生可能エネルギー資源の利用拡大、クリーンコール研究の推進、および、自動車やスポーツ多目的車(SUV)の燃費基準の強化を支持している。原子力発電に関しては、Bingaman上院議員は一般的に支援者と見なされているものの、原子炉新設への奨励金には反対であり、ブッシュ政権が提案する世界原子力エネルギーパートナーシップ(GNEP)プログラムには懸念を表明しているため、原子力発電が新委員長のアジェンダのトップに位置する議題であるとは考え難い。

2. 科学・商業・運輸委員会のDaniel Inouye上院議員(ハワイ州)

《略歴》 1960年から下院議員を一期務めた後、1962年に上院選に出馬し、初当選。1975年から1979年まで上院のスパイ活動特別調査委員会の委員長、1987年から1995年、および、2001年から2002年まで上院インディアン問題委員会の委員長を務めた。現在は、上院科学・商業・運輸委員会のランキング・メンバー。

《予想される政策動向》 上院科学・商業・運輸委員会は、科学および宇宙、技術・イノベーションおよび競争力、航空、地球気候変動とその影響、エネルギー、陸上輸送と海運、通商や経済開発、消費者問題および製品安全性等、幅広い分野を管轄する。同委員会のTed Stevens現委員長(共和党、アラスカ州)とInouye上院議員は50年来の親しい間柄で、Inouye議員は共同議長という名称で呼ばれており、両者の立場が逆転しても、このパターンには変わりがないものと見られ、また、優先事項も共有している。Inouye上院議員は穏健派と見なされており、エネルギー政策問題や企業平均燃費(CAFE)に関しては見解を特に名言していない。しかしながら、同委員会のJohn Kerry議員(マサチューセッツ州)やMaria Cantwell議員(ワシントン州)やFrank Lautenberg議員(ニュージャージー州)といった左寄りの民主党メンバー数名が、多数党の地位を利用して、同議会における民主党エネルギー優先事項の検討を推し進める可能性もある。

3. 歳出委員会のRobert Byrd上院議員(ウェストバージニア州)

《略歴》 1954年から1958年まで下院議員。1958年に上院選に出馬し、初当選。1959年以来47年間という上院議員暦は米国史上で最長。1989年から1995年、更には2001年から2002年までの2度にわたり、上院歳出委員会の委員長を務めた。2003年に共和党に主導権を奪われてからは、同委員会の民主党ランキング・メンバー。

《予想される政策動向》 11月11日付けのブルーフィールド・デイリー・テレグラフ紙(ウェストバージニア州の地方紙)は、Byrd上院議員(注:5)が、ウェストバージニア州だけではなく米国全体に影響をもたらすことになる歳出委員会委員長として、重要課題に挑戦する準備は整っており、民主・共和両党の協力によって、雇用創出・ヘルスケアの改善・国土安全保障の強化といった米国民の優先事項を中心に据えて解決策を見出していく心積もりであると語ったと伝えている。

4. 環境・公共事業委員会のBarbara Boxer上院議員(カリフォルアニ州)

《略歴》 1992年に初当選。上院環境・公共事業委員会の現ランキング・メンバーであるJames Jeffords上院議員(無所属、バーモント州)が今会期を最後に引退することから、Boxer上院議員が第110議会の上院環境・公共事業委員会委員長に就くものと見込まれている。

《予想される政策動向》 地球温暖化が人的原因によることを懐疑視するJames Inhofe上院議員(共和党、オクラホマ州)から、同委員会の委員長職を受け継ぐlことになるBarbara Boxer上院議員は、民主党議員の中でも抜きん出た環境問題の唱道者(注:6)であり、11月9日の記者陣との電話会議では、地球温暖化を最優先事項として取り上げる意向であると語っている。地元カリフォルニア州は、米国内で最も積極的な温室効果ガス制御法令を今年成立させており、Boxer議員はこの地球温暖化新法案を、第110議会で連邦気候変動法案を草稿する際にモデルとして使用するつもりだという。

(CQ Today, November 9, 2006; Greenwire, November 8, 2006; E&E News PM, November 8, 2006; Inside EPA, November 10, 2006; Greenwire, November 10, 2006; Bluefield Daily Telegraph, November 11, 2006)


注釈:

1:CNNニュース(11月9日午後)によると、下院の内訳は、民主党が229議席、共和党が196議席で、未確定が10議席となっている。
2:大統領後継順序では、下院議長は副大統領に次いで三番目となる。
3:2006年11月10日付けのInside EPAによると、同氏は、温室効果ガス排出削減を狙った排出権取引プログラムを設置するcap-and-trade型プランを支持するか否かについてはコメントを控えたという。
4:1977年に創設された非営利団体で、健全な経済、クリーンな環境、および、エネルギー安全保障の達成を目的として、世界的なエネルギー効率化を推進している。
5:Byrd上院議員は地元ウェストバージニア州に多額の指定交付金をもたらす「ポークバレル(地元に地方開発補助金をばらまく)の王様」と呼ばれている。一方、下院歳出委員会のDavid Obey下院議員はこうした交付金の制限を検討するものと見られている。両者のこのような違いが、歳出法案審議 …特に、上下両院協議会でのすり合わせ… にどのような影響をもたらすことになるのかに留意する必要があろう。
6:Boxer上院議員はまた、北極圏野生生物保護区域(ANWR)の掘削解禁を阻止する民主党反対派のリーダーであり、発電所から放出される有毒物質の排出量の削減を強く要求している。


11月2日号

エネルギー省、北米における炭素隔離技術の普及に10年間で4.5億ドルを支援すると発表

エネルギー省(DOE)のJeffrey Jarrett化石エネルギー担当次官補が10月31日、炭素隔離技術の進展を目指し、北米で7件の大規模隔離テストを支援する計画であると発表した。DOEは、二酸化炭素の回収・輸送・注入・長期的貯留を安全かつ経済的に実施できることを立証するため、 DOEでは、7つの地域炭素隔離パートナーシップ(注:1)、および、産業界・学界・連邦政府・州政府・国立研究所の300を超えるパートナーと協力する意向であるという。こうした大規模な炭素隔離テストを展開する予定であるという。

Jarrett次官補によると、こうした大規模テストは、北米の地層が恒久的で安全な二酸化炭素貯留に適していることを確認することになるため、大統領の気候変動イニシアティブ達成に有用であるという。炭素隔離技術は既に世界数ヶ所で実証され、かなりの成功を収めており、米国においても2012年までに国内温室効果ガス原単位を18%削減する上で重要な役割を果たすものと期待されている。

この大規模炭素隔離実験で得られる結果は、DOEのFutureGen発電所 …電気と水素を生産する無公害石炭火力発電所… の開発にとって極めて重要であり、今回の大規模隔離実験でテストされる地質構造はFutureGenのような発電施設の候補用地になる可能性もある。DOEでは大規模隔離実験プロジェクトに向こう10ヵ年で4億5,000万ドル強を拠出する予定であるが、実際のグラント授与は2007年秋になる見通しであるという。(DOE Fossil Energy Techline News Release, October 31, 2006)

アリゾナ州企業委員会、再生可能エネルギー使用基準を2025年までに15%に引き上げる提案を可決

アリゾナ州企業委員会(Arizona Corporation Commission)が、現行1.1%という同州の再生可能エネルギー使用基準(Renewable Portfolio Standard = RPS)を2025年までに15%に引き上げる提案を4対1で可決した。この規定案が採用された場合、RPS の定める再生可能エネルギー使用量の約30%は、分散型発電技術で満たすことが義務付けられることになるが、一方で、この規定案にはRPS要件を満たすために新技術や振興技術の検討を認めるという柔軟な要素も盛り込まれている。発電会社は、消費者への請求額に上乗せ料金を課すことで、RPS準拠コストを賄うことになる。

太陽光発電の専門家等は、今回の新しい義務付けで新たに約2,000ワットの太陽光発電が行われるようになる可能性があり、そうなれば、アリゾナ州が太陽光発電産業の主要市場になると予測している。しかし、アリゾナ州には、まだ相互接続性基準やネットメーターリング(net metering)に関する規定が不在だという問題も残っている。(Greenwire, Noember 1, 2006; RenewableEnergyAccess.com, October 25, 2006)


注釈:

1:西海岸地域炭素隔離パートナーシップ ;南西部地域炭素隔離パートナーシップ;中西部地域炭素隔離パートナーシップ;南東部地域炭素隔離パートナーシップ;北ロッキー山脈・グレートプレーンズ地域炭素隔離パートナーシップ;中西部地中隔離コンソーシアム;プレーンズ二酸化炭素削減パートナーシップの7つ。


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