NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2006年3月後半分

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

3月31日号

運輸省、軽トラック対象の企業平均燃費(CAFE)基準の引き上げを発表

運輸省(DOT)が3月29日に、スポーツ多目的車(SUV)、ピックアップトラック、および、ミニバンに対する新たな企業平均燃費(CAFE)基準を発表した。新規定は、ガロンあたり21.6マイルという現行のCAFE基準を向こう5年間で段階的に24マイルまで引き上げるというもので、2008年型車から2011年型車までの軽トラックが対象となる。現行規定では対象外となっている車両重量8,500 〜10,000 ポンドの車両にも適用され、Hummer H2は平均燃費を現在のガロンあたり13.8マイルから22マイルまで、Ford Explorer SUVは現在の17.7マイルから25.2マイルまで引き上げることを義務付けられる。

新規定によるガソリン節減量は107億ガロンと見込まれており、このうち2億5000万ガロンは、これまでCAFE基準の対象とならなかった大型のSUVやピックアップトラックの燃費改善によって実現されるものと推定されている。(DOT News Release, March 29, 2006; Washington Post, March 30, 2006)

幹細胞研究の財政支援を行う4番目の州となるメリーランド州

Robert Ehrlichメリーランド州知事(共和党)の署名を予定通り得ると、メリーランド州は米国で幹細胞研究の予算を許可した4番目の州となる。メリーランド州議会は、下院が同法案を90対48(共和党議員43人のうち4人が賛成)で可決していたものの、上院での議事進行妨害が危ぶまれていが、最終的には29対18(共和党議員14人のうち1人が賛成)で法案が可決された。この法案には以下の規定が含まれる。

  • 最高1500万ドルの予算が今後、幾つかの学術機関や民間部門の研究者への助成に充当される。州の委員会がこのグラント提供を担当する。
  • 州政府は将来の予算で幹細胞助成金の水準を決定しなければならない。
  • 胚芽幹細胞研究も行われることになるが、助成では成人幹細胞研究が優先される。

(Washington Post, March 30, 2006)


3月30日号

エネルギー省、車上搭載の水素貯蔵技術研究開発プロジェクトの公募を発表

エネルギー省(DOE)が車上搭載の水素貯蔵技術に取り組む応用研究開発プロジェクトの公募について発表した。公募の対象分野は、@既存の水素貯蔵優良センター(Hydrogen Storage Centers of Excellence)が実施している金属水素化物(metal hydride)、化学貯蔵、および、炭素ベース材料に関係する活動を支援・補足するプロジェクト;A材料発見、エンジニアリング科学、および、システム・安全性・環境分析というトピックのいずれかに取り組む単独の研究開発プロジェクト。応募資格者は、連邦省庁・FFRDC(連邦政府が資金負担する研究開発センター)の受託業者・1995年12月31日以降ロビー活動に従事した非営利機関を除く国内の全部門で、公募期間は2006年5月10日まで。

DOEでは3つのプロジェクトを選定する予定で、総額約600万ドルのグラント提供を見込んでいる。プロジェクト期間は最高5年間で、各プロジェクトに最高200万ドルのDOE予算が充てられる。(DOE News Release, March 28, 2006)

ナノテクノロジーへのベンチャーキャピタル投資、2005年は前年度比121%増の4億3,430万ドル

ナノテクノロジーへのベンチャーキャピタル投資が2005年に最高水準に達したという新たな調査結果が発表された。プライスウォーターハウスクーパース、トンプソン・ベンチャー・エコノミクス、および全米ベンチャーキャピタル協会が実施した、米国ベンチャーキャピタル投資活動に関するMoneyTree調査をSmall Times誌が分析したところ、2005年のナノテク投資は4億3,430万ドルに達し、2004年の投資額1億9,640万ドルから121%も増大したという結果がでている。その他の主要な分析結果は下記の通り:

  • 2005年の平均取引額は850万ドル。
  • 2005年のナノテクノロジー投資額の上位3州は、1位がカリフォルニア州(2億3,580万ドル)、2位がマサチューセッツ州(8,120万ドル)、3位がテキサス州(2,780万ドル)。
  • 投資件数は2004年の45件から2005年の51件へと若干上昇した。
  • 投資額増加の内訳は、2〜4年前に投資を開始したスタートアップ企業への後期助成金が多い。

(Small Times Magazine, March 2006)


3月24日号

米国風力エネルギー協会、2005年の風力エネルギー業界番付を発表

米国風力エネルギー協会(American Wind Energy Association = AWEA)が3月15日に、米国内における風力エネルギー開発の企業番付を発表した。風力エネルギー開発に積極的な州、風力タービンの供給業者、風力エネルギー施設の所有者、および、風力エネルギーの購入者等を盛り込んだ2005年のランキングは、米国風力エネルギー業界の規模についての有用な目安を提供している。

AWEAによると、2005年に新設された風力発電設置容量は過去の記録を容易に更新し、22州で2,431メガワット(MW)、投資額は30億ドルを超えたという。これにより、12月31日時点での国内風力総発電能力は9,149MWとなっている。

州別の設備容量では、カリフォルニア州が2,150MWで第1位、これにテキサス州の1,995MWが続いている。カリフォルニア州は1981年以来の第1位であるが、AWEAでは2006年にはテキサス州がカリフォルニア州を追い抜くことになると予測している。第3位はアイオワ州(836MW)、第4位はミネソタ州(744MW)、第5位はオクラホマ州(475MW)となっている。

米国内で稼動する最大規模の風力ファームは、オレゴン/ワシントン州境にあるStateline施設で300MW、2位はテキサス州のKing Mountain施設で278MW、これに、テキサス州のHorse Hollow 風力エネルギーセンター(210MW)、ニューメキシコ州のNew Mexico風力エネルギーセンター(204MW)、アイオワ州のStorm Lake施設(193MW)が続いている。

風力エネルギー発電施設を所有する企業別では、フロリダを本拠とするFPL Energy社が圧倒的な第1位で3,192MW。これに、2005年に400MWを増設したPPM Energy社(2004年は第5位;同社は2010年までに風力発電設備容量を2,300MWまで拡大することを公言している)が続く。第3位はMidAmerican Energy、4位がCaithness Energy、5位がEdison Mission Group、6位がShell Wind Energyであった。

風力発電の電力購入では、Xcel Energy社(1,048MW)が、これまで首位にあったSouthern California Edison社(1,021MW)を抜いて初めて1位となったものの、AWEAでは今後の購入競争が激化するものと予測している。(AWEA News Release, March 15, 2006)

インドと米環境保護庁、埋立地メタンガスのエネルギー利用で協力

米環境保護庁(EPA)とインド商工会議所連合会(Federation of Indian Chambers of Commerce and Industry)が、インドの埋立地メタンガスを回収・再利用するため、EPAのメタン市場化パートナーシップ(Methane to Market Partnership)の下でインドのゴミ処理業界や金融業界の利害関係者、および、インド政府と提携するという。

インドの都市ゴミ部門からのメタン排出量は向こう15年間に激増すると予想されているが、EPAでは、埋立地メタンガスの再利用で年間550万トン(二酸化炭素換算)のメタンガスを削減可能である推定している。デリーやムンバイ他の都市が候補地にあがっており、EPAはプロジェクトを進めるため、技術支援、技術移転、実証プロジェクト等でインドと協力する予定である。(EPA News Release, March 17, 2006)

環境投資連合のCeres、米国で事業活動を行う大手100社の気候変動戦略を番付

環境投資連合であるCeresが3月21日に発表した「2006年:コーポレートガバナンスと気候変動(2006: Corporate Governance and Climate Change)」という報告書によると、連邦政府による地球規模の気候変動への取り組みがほぼ皆無であるのに対し、大手米国企業の中ではそうした取り組みを行う企業が増えているという。報告書は米国で事業活動を行う大手100社 …米国企業76社および外資系企業24社… がいかに気候変動に関連する経済的リスクとビジネス機会に対処しているかを分析し、企業を@石油と天然ガス;A発電;B自動車;C化学品;D工業設備;E鉱業と金属;F石炭;G食品;H林産物という9つの部門毎に番付している。各部門のリーダー格の会社、および、立ち遅れている会社は下記の通り:

リーダー
立ち遅れ

石油・天然ガス

BP

ConocoPhillips、ExxonMobil

発電(米国企業のみ)

American、Cinergy

Electric Power Dominion、Constellation

自動車

トヨタ

BMW、日産

化学品

デュポン

Monsanto、PPG

工業設備

General Electric

Caterpillar、Deere

金属/鉱業

Alcan、Alcoa

U.S. Steel、Phelps Dodge

石炭

Rio Tinto

Arch、Foundation

食品

Unilever

PepsiCo、ConAgra

林産物

International Paper

Georgia-Pacific

    

CeresのMindy Lubber社長は、投資家からの圧力、温室効果ガス排出規制の拡大、クリーンエネルギー製品に対する世界的な需要の拡大によって、米国ビジネスも気候変動を無視できない状況になっていることを指摘し、多くの米国企業が気候変動をガバナンスや戦略企画に取り入れ始めた例として下記を挙げている:

  • シェブロンが、自社のエネルギーポートフォリオに再生可能技術を公式に統合。現在では、代替エネルギーに年間1億ドル強を投資。
  • 2003年には、米国自動車メーカーは燃費の悪い大型SUVの販売を主要な収益源としていたが、2004年にフォード自動車は米国製として初のハイブリッドSUVを販売。ハイブリッド自動車の製造を2010年までに10倍に増やし、年間25万台製造する計画を発表。
  • American Electric Powerが、石炭ガス化技術を導入した商業規模の発電所建設計画を発表。
  • General Electricが、2010年までに気候調和型技術への投資を倍増し、年間200億ドルを売り上げるという「ecoimagination」計画を開始。

同報告書のサマリー"Corporate Governance and Climate Change: Making the Connection" Summary Reportはhttp://www.ceres.org/pub/docs/Ceres_corp_gov_and_climate_change_sr_0306.pdfで入手可能。(Ceres News Release, March 21, 2006)


3月22日号

イノベーション測定メトリクスを検討する、米科学技術研究連合(ASTRA)

ワシントンDCを本拠とする米科学技術研究連合(Alliance for Science Technology Research in America = ASTRA)が、競争力に影響を及ぼす基礎研究活動のアウトプット指標となる「イノベーションのバイタルサイン(vital signs of innovation)」を確認・測定する努力に着手している。

ASTRAのRobert Boege専務理事によると、現在使用されているイノベーション・メトリクスの問題点はインプットを数量的に測定するだけで、イノベーションという大きなパズルの全体像を見落としていることであるという。この良い例が年間の特許授与数である。米国では、企業秘密保護の立場から特許申請を行わない業界関係者や研究者が多いのに対し、日本企業は特許を多数申請するという戦略を取っているため、単純に特許数を数えただけではイノベーションの実像は見えてこないという。Boege専務理事は、数が重要なのではなく、特許の質、特許が引用された回数、イノベーションにどのように影響を及ぼすかが重要なのであると主張している。また、研究開発の流れ、民間資本の流れ等を理解することは容易ではないが、ASTRAが注目しているのはまさにそういう点なのだという。

ASTRAのリサーチ作業部会では現在も研究を続行中であるが、Boege氏によると、データマイニング(data minig)の利用やその単なる焼き直しに終わるのではなく、幾つかの新たなアプローチが提案される見通しであるという。リサーチ作業部会では調査結果の第一回発表を数ヶ月後に行う見込みである。(Manufacturing and Technology News, March 17, 2006)

Feinstein上院議員、強制的なcap-and-trade型制度を導入する気候変動対策草案を公表

Dianne Feinstein上院議員(民主党、カリフォルニア州)が3月20日に、強制的なcap-and-trade型(上限設定取引型)制度を導入することによって、2020年までに温室効果ガス排出量を現行水準から7.25%削減するという気候変動対策草案について概説した。

Feinstein議員の草案は各企業に対し、2006年から2010年までは温室効果ガス排出量を現行水準にとどめるよう義務付け、2011年から2015年までは毎年0.5%の削減、2015年から2020年までは毎年約1%の排出削減を義務付ける内容となっている。各企業は、自社施設に排出抑制装置を設置するか、他企業から排出権を購入することによって、この義務要件を満たさねばならないが、各企業が年間目標を達成する方法については何らの要件も課していない。Feinstein草案はまた、このプログラムが国家経済に及ぼす影響を調べる炭素市場審査委員会(Carbon Market Review Commission)を設立し、必要であれば、これらの目標値実現のために、企業に更なる柔軟性を認めるとしているほか、自動車メーカーに省エネ自動車増産インセンティブ、農家にはバイオ燃料増産イニシアティブ、企業には省エネ電気機器やソーラーパネルの設置奨励インセンチブを提供する条項も含んでいる。

Feinstein法案は、John McCain上院議員(共和党、アリゾナ州)とJoe Lieberman上院議員(民主党、コネチカット州)が以前提案した気候変動法案に類似しているものの、下記のような点で異なっている:

  • McCain-Lieberman法案が、国内の炭素隔離プログラムから企業が購入できる炭素クレジット数に15%という上限を設定している一方、Feinstein法案は農地利用炭素隔離で農耕従事者が取得できる排出クレジット数に制限を設けていない。
  • Feinstein法案では企業は排出クレジットの最高25%を海外の排出源から購入できることになるが、McCain-Lieberman法案では15%。

(Greenwire, March 20, 2006)


3月21日号

連邦控訴院、ブッシュ政権による新排出源査定(NSR)の条項改定は大気汚染法違反と判定

ブッシュ政権は老朽化する石炭火力発電所の排出規制を緩和するため、新排出源査定(New Source Review = NSR)プログラムの変更を手掛けてきたが、コロンビア特別区の連邦控訴院は3月17日に、環境保護庁(EPA)の規定変更は大気汚染法違反であり、NSRの改訂権限を有するのは議会のみであるという判決を下だした。

EPA発表のNSR最終規定は、発電所やその他施設が設備改善に投じた費用が施設総価値の20%以下である場合にはNSR規定の適用対象とはならないというものであったが、この政策には、州政府や諸都市、および、環境保護グループが激しく反対し、ニューヨーク州を始めとする計14の州政府(注1)、諸都市および環境保護グループの連合がEPAを相手どって訴訟を起こしていた。

同訴訟で中心的役割を果たしたニューヨーク州検事局のPeter Lehner検事は、2003年8月発表のEPA規制改定に対する法廷闘争の正当性が立証されたと喜び、EPAと行政府がクリーンエア法緩和努力に見切りをつけ、法の施行に努力することを望んでいると語った。一方、ホワイトハウス環境問題委員会(Council on Environmental Quality)のMichelle St. Martin広報担当官は、施設改善への民間投資を奨励するため、EPAの改正規定を法令化するよう議会に要請する意向であると語っている。また、電力業界のロビイストであるScott Segal氏も、連邦控訴院の裁判官3名が揃ってNSR規制変更に反対票を投じたこと、および、今回の判決文書の語調がひどく厳しいことを考慮すると、上訴での成功はかなり難しいと予想されるため、2002年にブッシュ大統領が提案した「クリアスカイ」法案の議会採択が長期的には最善策であろうと指摘している。現時点では、EPAが上訴するか否かは明らかでない。(Washington Post, March 18, 1006; E&E News PM, March 17, 2006)

ナノ繊維で脳障害を修復

自己組織形成型・生分解性のナノ繊維を足場材料(scaffold)として、外科手技で盲目にしたハムスターの脳障害を治療し視力を回復した新たな研究が発表された。マサチューセッツ工科大学および香港医科大学の神経科学者で、この研究の指導的立案者であるRutledge Ellis-Behnke博士は、脳の修復にナノテクノロジーが利用されたのはこれが初めてであろうと語っている。研究者等は、脳の視覚系の神経路を切断して人為的に盲目にしたハムスターの脳にナノ繊維を注入したところ、次のような意外な所見が得られたとしている:

  • 「治癒された」ハムスターは盲目のハムスターよりもはるかに頻繁に、近くに置かれたひまわりの種に向かって走って行った。
  • ナノ繊維は切断された脳組織の修復に役立った。
  • ナノ繊維は神経路の形成を促す環境を育んだ。
  • ナノ繊維は脳障害にしばしば付随する瘢痕組織の形成を予防した。

(United Press Internantional, March 14, 2006)

Lugar上院議員、エネルギー問題に関する国際協力の強化を目的とする法案を提出

Richard Lugar上院議員(共和党、インディアナ州)が3月17日、エネルギー問題に関する国際協力の強化を図るよう連邦政府に求める「エネルギー外交および安全保障法案(Energy Diplomacy and Security Act:上院第2435号議案)」を提出した。同法案の主要条項は下記の通り:

  • 国務長官に、下記の構築に直ちにとりかかるよう要請する:
    (1) 主要なエネルギー生産国とエネルギー消費国の政府、および、その他諸国の政府との戦略エネルギーパートーナーシップ
    (2) 中国政府およびインド政府との石油危機対応メカニズム
    (3) 西半球エネルギー危機対応メカニズム
    (4) 地域ベースの閣僚レベル西半球エネルギー協力フォーラム(Western Hemisphere Energy Cooperation Forum)
  • 国際エネルギープログラム(International Energy Program)申請手続きを確立するメリットを、国際エネルギー機関(International Energy Agency = IEA)の理事会における議題として提案するよう、大統領に要請する。
  • 同法案成立に伴い新設される半球エネルギー協力フォーラムに、(1)エネルギー危機対応イニシアティブ;(2)エネルギー持続性イニシアティブ;(3)開発を推進するエネルギーイニシアティブの実施を求める。
  • 産業界や政府の代表者で構成される半球エネルギー業界グループ(Hemisphere Energy Industry Group)を設立するため、西半球の各国政府への協力要請を米国国務長官に促す。

(CRS Summary for S. 2435, March 16, 2006)

注釈:

1:ニューヨーク、カリフォルニア、コネチカット、デラウェア、イリノイ、メイン、メリーランド、マサチューセッツ、ニューハンプシャー、ニュージャージー、ニューメキシコ、ロードアイランド、バーモント、ウィスコンシンの14州。


3月17日号

経済競争力コーカスを発足させるGeorge Allen 上院議員

George Allen上院議員(共和党、バージニア州)は3月3日、米国が「イノベーションの世界的中心地(World capital of innovation)」という地位を保持し、投資および雇用創出の最適国であり続けることを保証するため、上院経済競争力コーカス(Senate Economic Competitiveness Caucus)を発足させる意向であると発表した。メンバーはこれからリクルートしていくという。

上院経済競争力コーカスでは、[Allen上院議員が]米国の経済競争力や経済オポチュニティを形成・強化するうえで重要になると判断した下記の9分野に焦点をあてることになる:

  • 国産エネルギーの不足に対応するため、@石油・天然ガスの深海探査;A北極圏野生生物保護区域(ANWR)の解禁;B原子力発電所や精油所の申請許可手続きの合理化;Cクリーンコール技術、石炭のガス化と液化、および、バイオ燃料や太陽光発電等の代替燃料利用拡大の奨励と含む、包括エネルギー法案を目指して努力する。
  • 医療貯蓄口座(Health Savings Accounts:自己負担の医療費を賄うための非課税貯蓄口座)を改善する。
  • 米国の製品や米国のサービスにとっての障壁を取り壊し、貿易ルールを執行する自由貿易協定を支持する。
  • 米国のIP(知的財産)製品の模造、違法な輸出補助、通貨操作、過度の市場障壁を取り締まる法案を支援する。
  • 幼稚園から大学までの数学・科学教育を改善する法案を支持・提案する。
  • 2001年以降制定された優遇税制を恒久化する法案を草稿・提案する。
  • 研究開発税額控除を強化および恒久化する法案を推進する。
  • 連邦政府科学プログラムの予算増額、および、製造技術普及計画(MEP)を支持する。
  • ブロードバンドの国内普及を加速化させるイニシアティブを奨励し、ブロードバンド普及を妨げる税制や規制に反対する。

(Office of Senator George Allen News Release, March 3, 2006)

Grassley上院議員とBaucus上院議員、「代替エネルギー税額控除延長法案」を提出

Charles Grassley上院財政委員会(共和党、アイオワ州)と同委員会の民主党ランキングメンバーであるMax Baucus上院議員(モンタナ州)が3月13日に、一連のエネルギー優遇税制の期限を3年間延長する「代替エネルギー税額控除延長法案(上院第2401号議案)」を提出した。同法案が延長する主要な優遇税制は下記の通り:

  • 風力、クローズドループ型バイオマス、オープンループ型バイオマス、地熱、小規模灌漑発電、埋立地ガス、ゴミ焼却、水力を利用した発電に対する再生可能資源利用発電クレジット(現行法では2008年1月1日に失効)
  • 太陽光発電システムを導入するビジネスに対する30%の税額控除(同上)
  • 燃料電池や定置型マイクロタービン発電装置を導入するビジネスへの税額控除(同上)
  • エネルギー効率の良い商業ビルに提供される立法フィートあたり最高$1.80の税額控除(同上)
  • エネルギー効率の良い新築住宅を対象とする2,000ドルの税額控除(同上。但し、プレハブ住宅の1,000ドルという税額控除は延長されず、2008年1月1日に失効)
  • 代替燃料、代替燃料補給所の整備に対する優遇税制
  • 適格石炭ガス化プロジェクト、および、適格先進型石炭プロジェクトに対する税額控除の拡大と延長

太陽エネルギー産業協会(Solar Energy Industries Association)のRhone Resch専務理事は、同法案が求める3年よりも長い期間の延長を要求しているが、法案そのものに関しては、上院が超党派で税額控除延長を進める用意のある証として、これを歓迎している。同法案は両党から幅広い支持を受けているため、財政委員会で速やかに承認されるという期待が再生可能エネルギー・省エネルギー唱道者の間で高まっている。(Alliance to Save Energy Legislative Alert, March 14, 2006; RenewableEnergyAccess.com, March 17, 2006)


3月16日号

農業従事者対象の代替エネルギー生産インセンティブ獲得を目的とする新ロビー団体が発足

Tom Daschle元上院民主党院内総務(サウスダコタ州)と Bob Dole元上院共和党院内総務(カンザス州)は3月15日、農業従事者対象の代替エネルギー生産インセンティブを要請するため、21世紀農業政策プロジェクト(21st Century Agriculture Policy Project)という新団体の発足を発表した。現行の農業法(2002年5月13日に制定された「Farm Security and Rural Investment Act of 2002」という法令)は2007年で満期となるため、この新団体は、2007年に米国議会が審議することになる次期農業法に狙いを定め、下記を始めとする施策についてロビー活動を行うことを検討しているという:

  • 多大な風力発電ポテンシャルを持つノースダコタ、サウスダコタ、モンタナの各州から中西部や西海岸の都市までの送電線整備に対する連邦政府の融資保証
  • トウモロコシの茎や麦藁、もみ殻や木くず他の農業廃棄物を原料とするエタノール生産施設建設に対するインセンティブ
  • バイオディーゼル、または、大豆油や植物油等を混合したディーゼル燃料の使用拡大義務付け
  • 農場で発電したエネルギーを販売したり、動物の排泄物からメタンガスを抽出する消化装置(digester)や風力タービン等のエネルギー生産装置を導入する農業従事者に財政支援を与える農業エネルギー共同体を推進するための優遇税制

(The Wall Street Journal, March 15, 2006; Greenwire, March 15, 2006)

エネルギー情報局、Cap-and-trade型制度がエネルギー市場にもたらす影響を分析した報告書を発表

エネルギー情報局(Energy Information Administration = EIA)が先ごろ、温室効果ガスの様々なCap-and-trade型(上限設定・取引)制度がエネルギー市場に及ぼす影響を分析する報告書を発表した。『代替的な温室効果ガス原単位削減目標がエネルギー市場に及ぼす影響(Energy Market Impacts of Alternative Greenhouse Gas Intensity Reduction Goals)』という報告書は、昨年9月に上院エネルギー・天然資源委員会が行った気候変動法案に関する公聴会の後でKen Salazar上院議員(民主党、コロラド州)がEIAに要請したもので、全米エネルギー政策委員会(National Commission on Energy Policy)の提案に盛り込まれたCap-and-trade型制度を再分析している。EIA報告書は次のように結論している:

  • 温室効果ガス(GHG)排出は、現在議会が検討中のあらゆる法案を含め、多くのCap-and-trade型制度のシナリオの下で、今後25年間増加し続ける。最も厳しい上限設定のモデルでは、GHG排出は2018年までゆっくり増加するが、2018年以後は減少に転じ、2030年には2004年水準の 僅か0.5%増まで低下する。
  • GHG排出権の1トン(二酸化炭素換算)あたりの価格は、2020年で8〜24ドル、2030年には10〜49ドル。
  • Cap-and-trade型プログラム下では、GHG排出権の価格が化石燃料利用のコストを引き上げることになる。安価ではあるものの、二酸化炭素含有量が比較的高い石炭は、他の化石燃料よりもGHG排出権から受ける影響が大きく、GHG排出権保有コスト込みの石炭価格は2020年には51.9〜156.8%、2030年には57.4〜305.6%上昇する。
  • 発電部門が、GHG排出と燃料利用で最も大きな変化を体験すると予測される。石炭火力発電がreference caseと比べ、2020年には4.8〜27.2%、2030年には15.8〜64.5%減少すると推定される一方、原子力発電は2004年から2030年までに6ギガワット増設され、再生可能エネルギー利用発電はreference caseの場合で2.2〜4.3%、program caseでは7.3〜20.6%拡大すると予測される。
  • 様々なCap-and-trade型制度は、排出制限の度合いに応じて、2010年から2030年の間に、米国の国内総生産を0.10%(2,440億ドル)から0.32%(8,000億ドル)縮小する。

(Environment and Energy Daily, March 14, 2006)

上院エネルギー・天然資源委員会、温室効果ガス排出権取引制度に関して100以上のコメントを受領

上院エネルギー・天然資源委員会が、強制的な温室効果ガス排出権取引制度の可否、および、その在り方について一般からのコメントを求めていたが、3月13日にこの公示期間が終了した。Pete Domenici委員長(共和党、ニューメキシコ州)とJeff Bingaman民主党上級リーダー(民主党、ニューメキシコ州)が草稿した「白書」に対して、100以上の団体が提出した見解は、早ければ今週末にも同委員会のウェブサイトに掲載される見込みである。提出された見解は、Bingaman上院議員が2005年エネルギー法案への添付を試みた修正法案は脆弱すぎて気候変動の影響に十分対応できないとする米国公益調査グループ(PIRG)の批判から、自主的な温室効果ガス排出対応以外の全ての制度に反対であるとする全米製造業者協会(NAM)のコメントまで、両極端の意見を反映しているという。

同委員会の次の作業は、これらの団体の中からどの団体を4月4日の気候変動に関する公聴会の証人として選ぶか決定することである。(Environment and Energy Daily, March 14, 2006)


Top Page