NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2006年6月後半分

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

6月30日号

韓国が米国のFutureGenプロジェクトに参加

韓国政府と米国政府が6月26日、FutureGenプロジェクトに関する合意書に調印し、これにより、韓国はインドに続いてFutureGen 国際パートナーシップに参加する2番目の国となった。この合意に基づき、韓国は世界初の無公害石炭火力発電所の建設・運営支援に5年間で1,000万ドルを提供するほか、同イニシアティブを監督する政府運営委員会に席をおくことになる。また、韓国企業が、同プロジェクトの民間コンポーネントであるFutureGen Industrial Allianceに参加することも認められる。エネルギー省(DOE)のJeffrey Jarrett化石エネルギー担当次官補は、韓国やインドのように石炭資源に恵まれた諸国では石炭を利用するのは当然のことであるため、同資源の賢明な利用は米国にとっても最大の利益になると語っている。(DOE Press Release, June 26, 2006; Platts Coal Trader, June 27, 2006)

米国が理工系卒業生輩出でトップの座を失ったという主張に疑いを投げかける、デューク大学の研究論文

一般に、中国とインドは米国よりも遥かに多くの理工系卒業者を輩出していると考えられているが、デューク大学大学院の技術経営学科修士課程が実施した調査研究では、この一般通念は間違いであると結論づけている。

デューク大学が発表した研究論文 『でっちあげの工学アウトソーシング論争(Framing the Engineering Outsourcing Debate: Placing the United States on a Level Playing Field With China and India)』では、全米科学アカデミー発行の『Rising Above the Gathering Storm』他、多数の報告書や記事が引用している理工系卒業生の数 …米国が年間7万人であるのに対し、中国は60万人、インドは35万人…は、米国の卒業者数を過小報告している一方で、外国の卒業者数を誇張していると指摘している。同調査研究の主な結果は下記の通り:

  • 工学やコンピューターサイエンス、および、情報技術専攻の学士号取得者は2004年に、米国で22万2,335名、インドが21.5万名、中国が64万4,106名。
  • 中国とインドの学士号取得者には、4年生大学の卒業生だけでなく、3年間の研修プログラムや準学士号取得者も含まれている。米国では同タイプの学位取得者が8万3,898名であったのに対し、インドは10.3万名、中国は29万2,569名であった。
  • 米国の大学で工学・コンピューターサイエンス・情報技術の学士号を取得した卒業生が、科学的知識を活用して高水準の問題に取り組み、特殊な専門技術用語を一般的な言い回しに言い換える能力を有する高技能の卒業生であるのに対し、準学士号や技術免状の取得者が大半を占める中国やインドの卒業生はリサーチ等に参加することもなく、どちらかというと機械的で反復的な仕事につく傾向がある。
  • 中国の人口は米国の約4倍、インドは米国の約3倍である。米国・中国・インドを対等な条件で比較すれば、米国は100万人あたり750名、中国は500名、インドは200名の技術専門家を輩出していることになる。

(Manufacturing & Technology News, June 21, 2006)

上院本会議、再生可能資源利用推進条項を盛り込んだ「国防省2007年度認可法案」を可決

上院本会議は6月22日、国防省、軍事建設、および、エネルギー省(DOE)の国家安全保障関連プログラムへの2007年度歳出を認可する「国防省2007年度認可法案(Department or Defense FY2007 Authorization Bill:上院第2766号議案)」を全会一致で可決した。同法案は、軍事輸送とその支援基盤の「エネルギー性能目標(energy performance goal)」を設定するよう国防省に義務づけているほか、再生可能エネルギー源を利用した発電や輸送用代替燃料の使用拡大を義務づける条項も盛り込んでいる。主要な条項は下記の通り:

  • [再生可能エネルギーの]コスト効率が良い場合には、国防省は2025年までに電力の最低25%を再生可能エネルギー源で賄うものとする。
  • 国防省は、軍事施設の建設にあたり、可能な範囲で省エネ製品を使用するものとする。
  • 国防省は、エタノール、バイオディーゼル、セルロース系エタノール、その他バイオ燃料といった代替燃料の利用に関して報告書を作成する。
  • 国防省は、通信網や周辺防備(perimeter security)および遠隔施設における予備発電装置として燃料電池の利用を検討することとする。
  • 国防省は、石油燃料消費削減のために実施した活動に関して、報告書を作成する。
  • 国防省は、兵器プラットフォームの性能を高め;燃料後方補給システムの規模を縮小し;コストを削減するために、兵器プラットフォームの燃料効率改善に努力するものとする。
  • 上院は、同法案(上院第2766号議案)と下院可決の下院第5122号議案とのすり合わせを行なうために上下両院協議会を要請し、John Warner(バージニア州)、John McCain(アリゾナ州)、James Inhofe(オクラホマ州)を始めとする共和党議員14名、Ted Kennedy(マサチューセッツ州)、Joe Lieberman(コネチカット州)、Hillary Clinton(ニューヨーク州)を始めとする民主党議員10名を上下両院協議会への上院代表に指名している。(Environment and Energy Daily, June 26, 2006)


6月29日号

自主的温室効果ガス排出登録制度の創設を目指す、中西部諸州

中西部諸州の高官等が地域初の自主的温室効果ガス登録制度の設置を目指している。イリノイ、インディアナ、ミシガン、オハイオ、ウィスコンシンの5州を含むミシガン湖地域大気質管理責任者コンソーシアム(Lake Michigan Air Directors Consortium = LMADC)は、登録制度を設置する最善のプロセスを判断するため、数度の公聴会を開催している。LMADC高官等は、環境保護庁(EPA)の気候リーダー・プログラムやエネルギー省(DOE)の1605 (b)プログラムおよびシカゴ気候取引所(Chicago Climate Exchange)といった既存プログラムはいずれも複数州の共同プロジェクトには部分的に不向きだと考えている。

LMADC高官等は新たな登録制度がどういう形をとるかについて、いくつかのプランを想定している。支持率の高いプランは、DOEのプログラムによく似た独立型の登録制度を設立することである。この他に、カリフォルニア州の気候行動登録制度(Climate Action Registry)や東部気候登録制度などの他の地域的温暖化ガス登録制度と「正式にリンクし、完全に協力する」ステップをとるプランも検討されている。(Inside EPA, June 23, 2006)

国立標準規格技術研究所(NIST)の製造技術普及計画(MEP)、次世代戦略プランを発表

製造技術普及計画(Manufacturing Extension Program = MEP)が先頃、技術革新および中小製造業者への技術移転において自らの役割を強化する新戦略プランを発表した。MEPは過去17年間、米国に本拠を置く製造業者の生産性向上で大きな成果をあげたものの、グローバル化による変化 …供給網の分散化、価格競争の深刻化、製品ライフサイクルの短期化、等…に対応するためには、リーン・マニュファクチャリングや生産性改善、および、マーケティング戦略の実施支援以上の活動が必要となっていることを認めている。米国を本拠とする製造業者が世界市場で今後競争していけるか否かは、革新技術および市場重視型ナレッジ(知識)の巧みな採用と実施にかかっているため、『次世代戦略プラン:グローバルな思考、地域的な活動、協力による技術革新(Next Generation strategic Plan - Think Globally, Act Locally, and Innovate Together)』という戦略プランでは、3ヵ年戦略目標と6ヵ年戦略目標を掲げ、これを達成する為に必要な活動を(i)パートナーシップ・モデルの活用;(ii)イノベーション重視;(iii)キャパシティと技能の拡張、に分けて提示している。

1. 戦略目標

a. 3ヵ年戦略目標
  • キャパシティの大半を製造業のビジネス拡張や変容を支援するプロジェクトへ振り替える。
  • 技術開発・労働力開発の提供者と戦略的なパートナーシップ関係を構築する。
  • 製造業者の競争力を支援・強化するため、多大な補完的キャパシティを持つ連邦省庁と戦略同盟を確立する。
  • 各州の経済開発戦略の中に、地域的なMEP戦略と活動を埋め込む。
  • 州政府・連邦政府の財政支援の質と持続性を改善する。

b. 6ヵ年戦略目標

  • 製造業界のイノベーションを支援する製品およびサービスを一セットに整えて、提供する。
  • 州政府・連邦政府のイニシアティブを通じて、全国的な技術普及制度を構築する。
  • MEPを、連邦省庁が利用する主要な製造技術普及プログラムとして確立させる。
  • 州政府やパートナーと共同で、地域的なMEP戦略開発を実施する。
  • 州政府・連邦政府・産業界イニシアティブを通じて、システム容量を拡大する。

2. 次世代MEP戦略達成に必要な活動

a. パートナーシップ・モデルの活用
  • 先進製造技術に的をあてた地域リーダーシップを提供する。
  • MEPを、付加価値を持った事業アドバイザーおよび技術アドバイザーに位置づける。
  • 地方パートナーシップを拡大して、技術資源ネットワークを構築する。
  • 労働力開発パートナーシップを拡張する。
  • 知識の共有と新サービスの市場化を促進する、システム主導型製品開発プロセスを構築する。

b. イノベーション重視

  • 供給基盤を支援するイノベーション・モデルやプロセスを策定し、維持する。
  • 業界のナリッジ基盤を構築し、維持する。
  • 技術にてこ入れして実用化する。 

c. MEPシステムのキャパシティと技能の拡張

  • その他の資源を統合する。
  • 戦略パートナーシップを活用する。
  • システム・ナリッジとシステム情報を捕まえ、活用する。
  • 変化する製造ニーズに応えるため、製品・サービス・スタッフ技能といったシステム能力を絶え間なく調整する。

(Manufacturing & Technology News, June 21, 2006; Hollings Manufacturing Extension Partnership Next Generation Strategic Plan, June 2006)


6月27日特別号

John Boehner下院共和党院内総務、「エネルギーウィーク」立ち消えの理由を釈明

John Boehner下院共和党院内総務(オハイオ州)は6月27日、「エネルギーウィーク」のアジェンダが数ヶ月前に共和党指導層が思い描いていた通りにはならなかったことを認めた。「エネルギーウィーク」という概念がこの春に出された時には、下院本会議におけるエネルギー関連法案の一括審議・採決が想定されていたが、法案は様々な理由で立ち往生となり、「エネルギーウィーク」で審議されるエネルギー関連法案は結局、連邦管轄大陸棚(OCS)での石油・天然ガス掘削を認める下院第4761号議案と2007年度科学・国務省・司法省・商務省歳出予算法案の二本だけであるという。

Boehner下院院内総務は記者会見で、「エネルギーウィーク」はあくまでもルースな概念であったこと;共和党のエネルギーアジェンダは1週間で審議できる範囲を超えていること;エネルギーウィークは数ヶ月のエネルギー月間(energy months)に変わること、を指摘した。下院エネルギー・商業委員会が先週可決した5本のエネルギー関連法案、下院科学委員会が本日(6月27日)可決した「2006年エネルギー研究・開発・実証・商業利用法案(下院第5656号議案)」、および、下院歳入委員会の税制法案は、独立記念日の休会が明けた7月に下院本会議で審議される可能性があるという。(E&E PM News, June 27, 2006)

21名の上院議員、アジア太平洋パートナーシップへの予算配分を求める書簡を上院歳出委員会に送付

上院議員21名が上院歳出委員会あてに、クリーンな開発と気候に関するアジア太平洋パートーナーシップ(Asia-Pacific Partnership on Clean Development and Climate = APP)への5,200万ドル予算配分を要請する書簡を送った。Check Hagel上院議員(共和党、ネブラスカ州)とMark Pryor上院議員(民主党、アーカンソー州)の率先で作成された同書簡は、温室効果ガス排出の激増が世界最大の諸国でクリーンエネルギー技術を推進するためにはこの予算が必要であると主張している。

下院議会は現在までのところ、ブッシュ政権のAPP予算要求を殆ど無視しており、僅か400万ドルの計上を認めたにとどまっている。一方、上院歳出委員会では6月26日の週に、APP予算を盛り込んだ内務省・環境保護庁他関連省庁歳出法案、エネルギー・水資源歳出法案、および、国務省・対外活動歳出法案をマークアップする予定となっている。

同書簡に署名した21名の内訳は民主党議員が4名で、共和党議員が17名。また、この21名の内、Mary Landrieu(民主党、ルイジアナ州)、Blanche Lincoln(民主党、アーカンソー州)、Sam Brownback(共和党、カンザス州)、および、Kit Bond(共和党、ミズーリ州)の4名は上院歳出委員会のメンバーである。(Environment & Energy Daily, June 23, 2006)


6月23日号

下院、来週を「エネルギーウィーク」と称し、幾つかのエネルギー関連法案を審議の見通し

下院は6月26日の週を「エネルギーウィーク」と称して、幾つかのエネルギー関連法案を審議する予定である。「エネルギーウィーク」に下院本会議で審議されるであろう法案として下記があげられている:

1. 下院エネルギー・商業委員会が6月20日に可決した法案5本

  • 企業平均燃費(CAFE)の違反金を代替燃料のアベイラビリティ拡大に必要なインフラ整備に利用するグラント・プログラムを創設する、下院第5534号議案
  • 合衆国法典(US Code)のTitle 49 Chapter 31を改定して、消費者にタイヤの燃料効率に関する情報を提供する国家プログラムを設立する、下院第5632号議案
  • 輸送用燃料の節約啓蒙キャンペーンを行うために、エネルギー長官と関連業界グループの間にパートナーシップを創設する、下院第5611号議案(別名:「燃料消費啓蒙法案(Fuel Consumption Education Act)」)
  • 米国とイスラエルの合弁事業に資金を提供するグラント・プログラムを設置する、下院第2730号議案(別名:ー米国-イスラエル・エネルギー協力法案(United States-Israel Energy Cooperation Act)」)
  • 米国内で省エネ・コンピューターの利用を調査・促進する法案(下院第5646号議案)

2. 下院資源委員会が6月21日に29対9で可決した法案

  • 連邦管轄大陸棚(OCS)での石油・天然ガス掘削を認める、「2006年深海エネルギー資源法案(Deep Ocean Energy Resources Act of 2006:下院第4761号議案)」

3. 下院科学委員会が6月27日にマークアップする予定の法案

  • 代替エネルギーの研究・開発推進を目的とする「2006年エネルギー研究・開発・実証・商業利用法案(Energy Research, Development, Demonstration, and Commercial Application Act of 2006:下院第5656号議案)」

4. その他

  • 下院農業委員会で検討中の商品取引(commodities trading)に関する法案
  • 下院歳入委員会に提出されている税制法案

当初は審議アジェンダに含まれると見られていた、@乗用車の企業平均燃費(CAFE)基準を改定する権限を運輸省に付与するという「Fuel Economy Standards Bill(下院第5359号議案)」;Aブティック燃料の種類を制限する「Fuel Blend Reduction Act of 2006(下院第5124号議案)」は、「エネルギーウィーク」には取り上げられない見通しである。(E&E PM News, June 20, 2006; Environment & Energy Daily, June 21, 2006)


6月22日号

ニューヨーク銀行、二酸化炭素レジストリに着手

自主的温室効果ガス・クレジットの国際市場が成長を見せているが、ニューヨーク銀行は先頃、この市場における取引の増加と緩和を目的とするレジストリ(登録簿)の作成に着手する計画であると発表した。このレジストリが対象とする自主取引は、京都議定書の定める義務取引とは異なり、欧州連合(EU)の排出取引制度によく似た仕組みとなる予定である。

ニューヨーク銀行レジストリの狙いは、自主的な排出権取引に通常伴なう多量の証書やコントラクトを「自主的炭素クレジット(Voluntary Carbon Credit)」と呼ばれる規格に統一することによって、こうした証書やコントラクトの数を削減することで、顧客の対象としては、京都議定書第1フェーズの規制対象外である自動車メーカーや航空会社が期待されている。このレジストリが米国の類似プログラムと異なる点は、京都議定書の枠内の炭素相殺プロジェクトを認証する独立第三者機関がニューヨーク銀行の炭素クレジットを検証する点である。(Greenwire, June 19, 2006)

上院と下院に提出された、2025年の再生可能エネルギー目標25%を提唱する議会決議案

2025年までに米国のエネルギー供給の25%を再生可能エネルギーで賄うという、新たな国家再生可能エネルギー目標を提唱する議会決議案が、上院(上院決議案第97号議案)と下院(下院決議案第424号議案)に提出された。この決議案を提出したのは、Bob Goodlatte下院議員(共和党、バージニア州)とChuck Grassley上院議員(共和党、インディアナ州)で、その他の代表的提唱者にはKen Salazar上院議員(民主党、コロラド州)、Dick Lugar 上院議員(共和党、インディアナ州)、Barack Obama上院議員(民主党、イリノイ州)、John Kerry上院議員(民主党、マサチューセッツ州)、Jim Talent上院議員(共和党、ミズーリ州)、下院ではCollin Peterson 下院議員(民主党、ミネソタ州)、Marilyn Musgrave 下院議員(共和党、コロラド州)、Mark Udall下院議員(民主党、コロダド州)が含まれる。

この決議案は、25x25イニシアティブ(2025年までに、米国のエネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合を25%まで拡大することを目指す環境・農業・産業団体の同盟)の集中的なロビー活動の成果である。25x25イニシアティブはこのほかにも、Jeb Bushフロリダ州知事(共和党)、Mitch Daniels インディアナ州知事(共和党)、Brian Schweitzer モンタナ州知事(民主党)、Kathleen Sebeliusカンザス州知事(民主党)などの多くの州知事の支持を受けている。(RenewableEnergyAccess.com, June 13, 2006)

Henry Waxman下院議員、科学に基づく「安全な気候法案」を提出

Henry Waxman下院議員(民主党、カリフォルニア州)が6月20日、14名の共同提案者とともに「2006年安全な気候法案(Safe Climate Act of 2006)」を提出した。この法案は、元に戻すことの出来ない危険な地球温暖化を回避するために温室効果ガス排出削減目標を設定し、経済全体の柔軟なcap-and-trade型(上限設置-取引)制度および再生可能エネルギー・省エネ・クリーン自動車の開発を推進する施策を活用することでこの削減目標を達成するという内容である。

法案は以下の排出削減目標設定を目指している:

  • 2010 年の排出量を2009年水準に凍結する。
  • 2011年以降2020年までは排出量を年間約2%削減する。2020年には排出量が1990年水準まで削減されることになる。
  • 2020年以降2050年までは、年間約5%削減する。2050年までに排出量は1990年水準の80%減となる。

同法案に盛り込まれている他の主要な条項は下記の通り:

  • 自動車の温室効果ガス排出量の削減基準(2014年までに、少なくともカリフォルニア州の現行基準と同程度を義務付けるもの)を定めるよう環境保護庁に指示する。
  • エネルギー全体に占める再生可能エネルギーの比率増大(2020年までに小売電気販売量の少なくとも20%)をエネルギー省に義務付ける。
  • 国立科学アカデミー(National Academy of Sciences)と全米研究委員会(National Research Council)に、米国の温室効果ガス排出削減の進捗状況を評価し、5年毎に政策提言を行うよう指示する。

(Rep. Henry Waxman Press Release, June 20, 2006)


6月21日号

Bushフロリダ州知事、燃料供給の多様化・省エネ推進を狙った4ヵ年計画を法制化

Jeb Bush フロリダ州知事(共和党)の署名をうけて、フロリダ再生可能エネルギー技術・エネルギー効率法(Florida Renewable Energy Technologies and Energy Efficiency Act)が成立した。同法は、代替エネルギーや省エネへの投資を奨励する数々の措置を定めるもので、これらの措置の経費は4年間で約1億ドルと見積もられている。具体的な措置には以下が含まれる。

  • 住宅や商業施設における太陽光および太陽熱発電設備の整備に対するリベート
  • 省エネ商品の購入が無課税となる6日間の消費税無課税期間の設置
  • 代替燃料車、再生可能エネルギー、および、水素・バイオ燃料・太陽光などの先進エネルギー技術に関連する研究開発を対象とするマッチング・グラントの提供
  • 発電所や配電線の立地に関する規制プロセスの簡易化
  • 9人のメンバーから成るフロリダ・エネルギー委員会の設置

(Florida Governor Press Release, June 19, 2006)

ジョンズ・ホプキンズ大学、胚芽幹細胞を使って運動神経修復機能を呼び覚ます方法を発見

ジョンズ・ホプキンズ大学の研究チームが、マウスの胚芽幹細胞から造った運動ニューロン回路(motor neuron circuit)をウィルスで損傷したラットの脊髄に注入したところ、ラットが再び歩行できるようになったという画期的な研究結果を報告した。同研究チームのリーダーであるDouglas Kerr博士によると、今回の研究は、胚芽幹細胞を用いることによって運動神経の発達初期段階に起きるプロセスを再現し、破損した神経系を直すことが可能であるということを証明するものであるという。

6月26日の神経学史(Annals of Neurology)で発表される予定の研究論文では、シンドビス・ウイルス(Sindbis virus)感染で運動神経を失い後肢が麻痺した15匹のラットに[上述の]運動ニューロンと神経の修復に役立ち、これらの異質細胞に対する免疫を全身で無効化する化学物質の「カクテル」を注入そたところ、11匹が部分的とはいえ麻痺状態から回復し、後肢で体重を支えて前向きに数歩歩くことができるようになったと報告している。

研究チームは、この新アプローチには筋萎縮性側索硬化症(ALS)や多発性硬化症、横断性脊髄炎や外傷性脊髄損傷などの障害を治癒する可能性があると語っているものの、人での治験はまだ数年先のことになると慎重さを促している。(Webwire.com, June 20, 2006)


6月15日号

再生可能エネルギーの共同研究所(Collaboratory)を設立するコロラド州

Bill Owensコロラド州知事(共和党)が、DOE傘下の国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory = NREL)、コロラド鉱業大学、コロラド州立大学、およびコロラド大学という4機関の間の再生可能エネルギー研究協力に対して資金を提供する法案に調印した。新設される「コロラド再生可能エネルギー共同研究所(Colorado Renewable Energy Collaboratory)」では2007年度予算から3年間、年間最高200万ドルを受け取れるものの、これはあくまでも、共同研究所が連邦政府や民間の研究プロジェクトを実施する際に必要となるマッチング資金としてのみ使用されることになる。同法令はまた、共同研究所が州政府提供資金をマッチング資金として利用し、開発した技術や技術の民間部門移転で収入を得た場合、共同研究所は州政府提供資金を州政府に返済しなければならないと定めている。

共同研究所の公式な設立は未だこれからであるが、NRELと上述の3大学は既に、エネルギー省(DOE)が発表予定の太陽エネルギー利用技術研究コントラクトに応募するため協力しているという。共同研究所では新技術の開発、および、既存技術商業化を目的とする民間部門への迅速な技術移転の推進に力を入れる予定である。(NREL Press Release, June 8, 2006)

マサチューセッツ大学アムハースト校、ナノテクセンター創設で1,600万ドルの助成を獲得

マサチューセッツ大学アムハースト校が先頃、ナノテクノロジー分野の革新技術を商品化する研究施設を創設することを目的として、全米科学財団(National Science Foundation = NSF)から5ヵ年総額1,600万ドルのグラントを獲得した。階層的製造センター(Center for Hierarchical Manufacturing = CHM)と呼ばれるこの施設は、ナノエレクトロニクス、バイオナノテク、および、「新素材と新工程」に注力するもので、CHMの主眼の1つは、ナノ製造研究開発界が信頼できるデータや情報を必要とする際に頼りになるオンライン情報センターを作ることである。

NSFのグラントはマサチューセッツ州が500万ドルのマッチング資金を提供することを条件としている。既に、ジョンアダムス革新技術研究所が200万ドルを計上しており、残りの300万ドルについては州議会に対して要請中であるという。(Manufacturing and Technology News, June 7, 2006)

商務省、みなし輸出ライセンスに対する規制変更案2件を撤回

商務省は先頃、みなし輸出ライセンスに対して規制変更案2件を提案していたが、この変更案に対する一般からのコメントは圧倒的に反対意見が多かったため、産業安全保障局(Bureau of Industry and Security = BIS)は5月31日付けの官報で変更案を撤回する決定を発表した。

変更案の1つは、みなし輸出ライセンスを外国人の出生国をベースにして発行するというもので、学術機関からは、まるで「海外のトップ人材お断り」という看板を研究所に掛けているようなものだという痛烈な批判が出ていた。BISは、外国人の現国籍あるいは永住国をベースにした現行の許可要件が適切であると判断し、これを撤回したと説明している。もう1つの変更案は「使用(use)」の定義を拡大するもので、これは結果的には、外国人が研究に参加する際に、みなし輸出ライセンスが必要となる可能性を大幅に増加させることになる。BISは、学生や職員が行う日常的操作までが「順守の必要な大きな負担」となってしまうほか、「民間や大学の実施する米国内の研究活動に冷却効果を与える」と主張するコメントを多数受け取ったという。

BISではこの変更案に代わり、将来の規制変更への指針を提供する「みなし輸出諮問委員会(Deemed Export Advisory Committee)」を創設するという。(Manufacturing and Technology News, June 7, 2006)


Top Page