NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2008年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

1月22日号

環境保護団体、米国各地で石炭火力発電所の新設を妨害

米国の電力業界はここ数十年間で最大の発電所建設ブームを迎えているが、環境保護団体は米国29州で予定されている少なくとも48ヶ所の石炭火力発電所建設を妨害するべく、州立裁判所および連邦裁判所で電力会社(注:1) を相手取った訴訟を起こしている。

企業を相手取った訴訟、および、連邦政府や州政府の規制当局者に対する積極的なロビー活動等、環境保護団体による一致団結した石炭反対の攻撃は地球温暖化論争における重要戦線として浮上しつつある。シエラ・クラブのBruce Nilles弁護士によると、シエラ・クラブは発電所の区画・大気・水資源許可から採掘許可および石炭運搬鉄道敷設許可まで、ありとあらゆる段階でプロジェクトに反対していく意向であるという。これに対して、石炭やエネルギー産業の代表は、環境保護団体のこうした行為は、米国の脆弱な送電網を弱体化させる恐れがあり、将来の電気代高騰や制御不能な停電の発端をつくりかねないと反論している。

安価で豊富な国産資源である石炭を使った火力発電所は米国の総電力の50%以上を賄う一方、温室効果ガス(GHG)を年間20億トン …米国の総排出量の約3分の1… 放出する国内最大の排出源でもある。しかしながら、石炭火力発電プロジェクト全てに反対することで、環境保護団体はGHG排出削減を期待できる先進石炭火力発電所を妨害する危険をおかすことになるという指摘もある。

環境保護団体が起こした最新の訴訟は、米国最大の石炭埋蔵量をほこるモンタナ州のグレートフォールズ地域に250メガワットの発電所建設を計画しているSouthern Montana電力を相手取った訴訟である。この発電所は、二酸化炭素換算で年間280万トンのGHGを放出すると推定されているにも拘わらず、モンタナ州大気質委員会はSouthern Montana電力に付与した大気許可の撤回を拒否している。(Arizona Republic, January 16, 2008)

 


注釈:

1:Peabody電力やアメリカン電力(American Electric Power)といった大手電力会社だけでなく、小規模な農業電力組合も告発対象となっている。 


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