NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2008年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

1月7日号

America COMPETES法成立後の2008年度予算の実態

研究予算の長期的低迷による国内物理科学部門の悲惨な状況についての訴え、米国競争力の危機に警鐘をならす数限りない調査報告書や公聴会、物理科学研究の連邦予算倍増を目的とする「America COMPETES法(America Creating Opportunities to Meaningfully Promote Excellence in Technology, Education and Science Act )」(注:1) の成立といった多くの段階を経た後、大幅な予算増額が期待された物理科学研究であるが、2007年12月17日の週に米国議会で可決された「2008年総合歳出予算法案(Consolidated Appropriations Act, 2008: 総額5,157億ドル)」(注:2) に盛り込まれた物理科学予算は、途方もない侮辱としかいえない金額となっている。

鳴り物入りで成立した「America COMPETES法」は何の意味ももたず、科学技術が国家の将来に如何に重要であるかを語る政治家の言葉はもはや信じるに値しない。「2008年総合歳出予算法」に盛り込まれた科学研究費増額の殆ど全てが、科学とは何の関係も無い選挙区向け人気取り事業(pork barrel project)となっている。政治家の間では、研究開発は政府予算の優先事項では最下位のようだ。

ブッシュ大統領がアメリカ競争力イニシアティブ(America Competitive Initiative)で予算倍増を提示した、全米科学財団(National Science Foundation)、商務省の国立標準規格技術研究所(National Institute of Standards and Technology)、エネルギー省(DOE)科学局の2007年度予算、2008年度大統領要求、America COMPETES法認可額、2008年予算の比較は下記の通り。

(Manufacturing & Technology News, December 21, 2007)


エネルギー情報局、『2008年エネルギー見通し』をアップデート中

エネルギー情報局(Energy Information Administration = EIA)では、2030年までの米国エネルギー需給を予測する『2008年エネルギー年次見通し(Annual Energy Outlook 2008 = AEO2008)』の早期リリース版(early release)を先月発表したばかりであるが、ブッシュ大統領の署名をもって「2007年エネルギー自立およびエネルギー安全保障法(Energy Independence and Security Act of 2007)」が2007年12月19日に成立したことをうけ、この新法令が将来のエネルギー消費に及ぼす影響を反映させるようAEO2008の内容(注:4) をアップデートする予定であるという。

新エネルギー法令には今後25年間にわたって米国で生産・消費されるエネルギーの種類と量に大きな影響をもたらす条項が多数含まれているが、初期評価レビューを行ったEIAスタッフによると、自動車の新燃費基準、バイオ燃料使用の大幅拡大、電化製品と照明機器の省エネ新基準が特に、エネルギー予測に重大な影響を及ぼす可能性が高いという。

EIAではAEO2008レファレンスケース(基準ケース)のアップデート版を2月末に公表予定である一方、多数のサイドケースやセンシティブな分析を盛り込んだAEO2008最終報告の発表は2008年4月まで延期となる見通しである。(EIA News Release, January 3, 2008)


注釈:

1:同法令の概要は調査レポート『上院両院協議会、米国競争力強化を目指すAmerica COMPETES法案で合意』で紹介。

2: 同法案は、ブッシュ大統領の署名をもって2007年12月16日に法制化された。

3:資金指定交付(earmark)を差し引くと、2008年予算は38億9,420万ドルで、2007年度予算比2.6%増にすぎない。

4:初期公開版のレファレンスケースは、2007年10月時点での既存法令や政策に基づいて算出されている。


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