NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2008年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

6月12日号

下院金融サービス委員会の小委員会、ブッシュ政権のクリーンテクノロジー基金新設提案に懸念を表明

下院金融サービス委員会の国内外金融政策小委員会(Subcommittee on Monetary Policy)のメンバーは、6月5日に開催されたクリーンテクノロジー基金(Clean Technology Fund = CTF)(注:1) 設立提案に関する公聴会で、この多国間プログラムに対する疑念を表明した。

CTFは世界銀行によって管理される予定となっているが、世界銀行はこれまでにも環境に優しくないプログラムへの融資決定をして批判を浴びているほか、今年4月には化石燃料施設への大規模貸出プログラムも発表している。公聴会では、歴史的に見ても気候変動問題を重要視する機関とは言えない世界銀行にCTFの管理を委ねるというブッシュ政権の決定に対する質問が焦点となった。

ブッシュ政権が提案するCTFによると、CTFの資金は再生可能技術やクリーン技術よりもむしろ、新規石炭火力発電所といったマイナーな環境改善技術に計上されることになっている。同公聴会に出席したFriends of the Earth、Center for Global Development、World Resources Institute、および、Nature Conservancyの代表等は、米国納税者の税金(注:2) を含む公的資金が旧式燃焼炉よりも僅かばかりクリーンな大規模エネルギープロジェクトの支援に使われる可能性があるため、このプログラムへの予算計上を慎重に検討すべきであると証言した。Friends of the EarthのBrent Blackwelder会長は、予算を計上する前に世界銀行に「クリーンテクノロジー」の定義づけを義務付けることも検討すべきであり、更には、世界銀行以外のメカニズムを利用した投資の是非についても再検討すべきであると提言した。

一方、現政権の代表として公聴会で証言したDavid McCormick財務次官は、新規石炭火力発電所がCTF支援プロブラムの一部であることを認めはしたものの、途上国はどのみち石炭火力発電所を建設するわけであるから、CTFはこれ等諸国を[在来型よりも]クリーンな技術の利用へと転じさせる上で有用であると反論した。McCormick次官はまた、CTFが中国やインド等の諸国を新たな国際気候変動条約へ参加させる上で重要な役割を果たすことになると強調し、途上国におけるGHG排出の伸びに影響を与える以上の効果が期待されることを主張した。(NationalJournal.com, June 6, 2008; Gristmill, June 11, 2008)


注釈:

1:同基金の新設は、ブッシュ大統領が2007年9月27・28日に首都ワシントンで開催されたエネルギー安全保障と気候変動に関する主要排出国会議の席で提案したもので、既存のクリーン技術の利用を拡大することによって、途上国における温室効果ガス(GHG)排出の伸びを縮小することを目的としている。

2:ブッシュ政権は、総額100億ドルのクリーン技術基金に、3年間で20億ドルの拠出を提案しており、2009年度予算案には第1回拠出金にあたる4億ドルを盛り込んでいる


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