NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2009年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

1月26日特別号

オバマ大統領、自動車排気に関して2つの大統領覚書に署名

バラック・オバマ大統領が1月26日朝、Ray LaHood運輸長官とLisa Jackson環境庁(EPA)長官の見守る中、米国をエネルギー自立の軌道に乗せることを目的とした2つの大統領覚書(presidential memorandum)に署名した。署名に先立ち、大統領は、数十年間来る年も来る年も、断固たる行動よりも遅延策を選んできた米国だが、「足を引きずって歩く日々は終った」と宣言し、エネルギーと環境問題で行動するときであると主張した。大統領はまた、凝り固まったイデオロギーが健全な科学を封じ込めてきたと批判した一方で、自分の政権は事実(ファクツ)を否定することはなく、事実によって導かれていくことになると語った。

オバマ大統領が署名した大統領覚書は、(i)カリフォルニア州及びその他13州(注:1)に連邦自動車排出規制からの免除(ウェイバー)(注:2)を許可するか否かを再検討するようEPAに指示する覚書;(ii)2020年までに乗用車と軽トラックの企業平均燃費(CAFE)を1ガロンあたり35マイルまで引き上げるという目標の達成に向け、運輸省に2011年型乗用車の燃費基準を今年3月31日までにまとめ(注:3)、更には、ブッシュ政権が提案した2012年〜2015年の燃費基準提案の見直しを行って変更を提案するように指示する覚書の二つで、環境政策面でブッシュ政権からの劇的な変化が予想される。

オバマ大統領の発言概要

  • 我が国は今、岐路に立っている。我々には変化に必要な資源があり、我々の科学者、ビジネスマンそして労働者には我が国を前進させるだけの力がある。現在の進路に付随する危険のリスクをとるか、エネルギー自立の可能性にかけるかは我々の選択にかかっている。米国の安全保障、経済および我が惑星のために、我々は変わる勇気を持ちこれにコミットしなければならない。
  • 海外石油への依存度を軽減すると同時に、数百万の雇用を創出する新エネルギー経済を構築することが私の政権の政策である。私は手早い解決策を約束することは出来ないし、たった一つの技術や一連の規制で前途に横たわるタスクを成し遂げられるとは思っていないが、エネルギー依存から開放されたアメリカの追求に全力を傾ける意向である。
  • エネルギー自立に向けての道のりの第一ステップをここに発表する:
    • 米国内で数百万の雇用創出に繋がる新米国エネルギー経済を構築するために大胆な行動をとらねばならない。議会で審議されている「アメリカの経済回復及び再投資計画」は新経済に向けての頭金となる。議会はこの法案を可決し、米国民は共通の繁栄と安全保障のために一致団結しなければならない。
    • 燃費の良い明日の自動車が米国製であることを確かなものにしなければならない。自動車やトラックの燃費向上は、海外石油依存のサイクルを打ち破るために我々がとれる最も重要なステップである。燃費向上はまた、米国自動車メーカーが海外競争相手に遅れずについて行くために必要なイノベーションの火付け役ともなる。先ずは、2011年型車の新燃費基準を実施することから始めていく。議会は2020年までに1ガロンあたり最低35マイルのCAFEを法制化したが、これによって、米国は一日200万バレル以上の石油を節減することが可能になる。
    • 連邦政府は温室効果ガス排出削減で、州政府に反対するのではなく、協力していかねばならない。カリフォルニア州は21世紀の基準を築くべく、大胆なリーダーシップを発揮しており、12以上の州がそのリードに従っている。ところが、ワシントンはというと、州政府のパートナーとなる代わりに、それを妨害している。ワシントンが足を引きずって歩く日々は終った。州政府に責任転嫁したり、責任を押し付けるを余裕などない。私が、カリフォルニア州の免除(ウェイバー)要請を直ちに再検討するようEPAに指示したのはこのためである。

(Voice of America, January 26, 2009; Environment & Energy Daily, January 26, 2009; Remarks by the President on Jobs, Energy Independence, and Climate Change, January 26, 2009 )



注釈:

1:アリゾナ、コネチカット、メイン、メリーランド、マサチューセッツ、ニュージャージー、ニューメキシコ、ニューヨーク、オレゴン、ペンシルバニア、ロードアイランド、バーモント、ワシントンの13州。

2:「クリーンエア法」の第209条は、連邦法令が成立する以前から自動車排出を規制してきたカリフォルニア州に対して、連邦政府規制よりも厳格な基準を制定できる特別権限を付与している。但し、カリフォルニア州は独自の規制を発効する前に、連邦政府排出規制からの免除(ウェイバー)承認をEPAから獲得しなければならないことになっている。免除が認められれば、その他の州は、カリフォルニア規制か連邦規制のどちらかを選択することが出来ることになる。

3:「2007年エネルギー自立及び安全保障法」は、大統領は自動車燃費の引上げにあたり、新年型車の発表される18ヶ月前までに新燃費基準を発表しなければならないと定めている。ブッシュ前政権は2011〜2015年までの燃費基準を提案はしたものの、最終案をまとめずに終っている。ブッシュ前政権が提案した燃費基準案は、環境保護者達から不十分であるという批判を受けている。


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