NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2009年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

10月22日号

上院本会議、ARPA-E局長に指名されていたMajumdar博士を全会一致で承認

上院本会議は10月21日に全会一致で、Arun Majumdar博士をエネルギー省(DOE)に新設されたARPA-Eの初代ディレクターに承認した。

Arun Majumdar博士(インド生まれ)は、カリフォルニア大学バークレー校の機械工学教授を務めるかたわら、バークレー・ナノ科学ナノ工学研究所(Berkeley Nanosciences and Nanoengineering Institute)所長を兼任。更には、DOE傘下のローレンスバークレー国立研究所のエネルギー・環境担当部長(注:1)、大統領の科学技術諮問委員会(PCAST)ナノテクノロジー技術諮問グループのメンバーでもある。

Majumdar博士は、エネルギー使用の合理化推進でローレンスバークレー国立研究所と中国の清華大学との協力関係構築に尽力したほか、温室効果ガス(GHG)排出削減に関して米国とインドの研究者を結集した米国・インド間の共同研究開発プログラム設置にも貢献した人物である。(Lawrence Berkeley National Laboratory Press Release, September 18, 2009; White House Press Release, September 18, 2009; Greenwire, October 22, 2009)

 


2009年第3四半期のベンチャーキャピタル投資は拡大傾向ながら、年間ベースではかなり縮小の見通し

National Venture Capitalist Association(NVCA)とPricewaterhouseCoopersが発表した『MoneyTreeレポート』によると、2009年第3四半期のベンチャーキャピタル投資は同年第2四半期と比べると、件数は657件から637件に減ったものの、投資総額は7億ドル(17%)増えて48億ドルになったという。しかしながら、これは、2009年総投資額が150億〜200億ドルとなるペースであって、過去2年間の年間約300億ドルと比較すると、2009年のベンチャーキャピトル投資はかなりの落ち込みとなる見通しである。

2009年第3四半期の投資総額増額の主因は、クリーンテクノロジー部門へ大型投資が数件あったことにあり、その内の一件は1995年以来で9番目に大きな投資額となっている。また、生命科学部門(バイオテクノロジーと医療機器を合わせた部門)への投資が堅実であったのに対し、ソフトウエア部門はランキングが下がり、投資番付第3位となっている。

NVCAのMark Heesen社長によると、第3四半期には、長期的なベンチャーキャピタル投資戦略を狙った意図的な支援産業部門のシフトが見られるという。10〜12年間にわたって資本や専門的技術を必要とするクリーンテクノロジーや生命科学等の部門に焦点をあてるベンチャーキャピタリストが増加しているが、これは情報技術への短期投資にベンチャーキャピタリストが見切りつけたということではなく、むしろ、投資がバランスよくミックスされるようになっていることを意味するという。2009年第3四半期におけるベンチャーキャピタル投資の特徴は下記の通り:

  • 業界別の分析
    • バイオテクノロジー部門への投資件数は104件で、投資総額は9億500万ドル。2009年第2四半期との比較では、投資件数は14件(16%)増えたものの、投資総額は4,200万ドル(4%)減少。
    • 医療機器部門への投資件数は第2四半期よりも15%減って71件。投資総額は6%減少の6億1,700万ドル。
    • ソフトウェア部門への投資件数は13件(9%)少ない128件で、投資総額は5,800万ドル(9%)減少の6億2,200万ドル。同部門への四半期毎投資額は1996年第3四半期以来の最低レベルとなった。
    • クリーンテクノロジー部門への投資総額は第2四半期比89%増の8億9,800万ドル。投資件数は8件(16%)増えて57件。
    • 半導体部門への投資総額が14%減でここ10年間で最低レベルとなっているほか、ヘルスケア部門は57%減、コンピューター・周辺機器部門も40%の減少となっている。
  • 開発段階別の分析
    • シーズ/早期段階への投資件数は29件増えて284件となった一方、投資総額は4%(600万ドル)縮減の16億ドル。シーズ段階の一件あたりの平均的投資額は、第2四半期の960万ドル(同期には大型契約が1件あったため)より590万ドルに激減。早期段階の1件あたりの平均的投資額は560万ドルより550万ドルへと減少。
    • 拡張(Expansion)段階への投資件数は185件で、投資総額は16億ドル。1件あたりの平均投資額は870万ドル(第2四半期は660万ドル)。
    • 後期開発段階への投資総額は35%増で16億ドルとなったものの、投資件数は20%減の168件。一件あたりの平均投資額は第2四半期の570万ドルから960万ドルへ著しく上昇。
  • 初回融資
    • ベンチャーキャピタル投資を始めて受けた会社への投資総額は第2四半期よりも20%少ない6億3,300万ドルで、記録史上で最低のレベル。
    • 初回融資で高額を受領した部門は、ソフトウェア、バイオテクノロジー、エネルギー。
    • 一件あたりの平均的投資額は第2四半期よりも100万ドル少ない410万ドル。

詳細なベンチャーキャピタリスト・企業リストは2009年11月2日にPricewaterhouseCoopers社によって公開される見通しとなっている。

(Washington Post, October 20, 2009; NCVA/PricewaterhouseCoopers Press Release, October 20, 2009)

 


注釈:

1:Majumdar博士は2007年から同職。Steven Chuエネルギー長官がローレンスバークレー国立研究所所長(2004〜2009年)を務めていた時期に重なる。


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