NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2009年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

3月2日号

中西部地域炭素隔離パートナーシップ、ミシガン盆地での二酸化炭素5万トン注入プロジェクトに着手

全米の各地域で最適な二酸化炭素(CO2)貯蔵アプローチを査定する目的で創設された7つのパートナーシップの一つである中西部地域炭素隔離パートナーシップ(Midwest Regional Carbon Sequestration Partnership =MRCSP)が、ミシガン州のミシガン盆地において、岩塩層に5万メトリックトンのCO2を注入するプロジェクトを開始した。今回の注入テストは、ミシガン地層に1万トンを注入したプロジェクトに立脚するもので、一時間平均250トン(最高600トン)の割合で3,500フィートの深さにCO2を6ヶ月間注入する。これが終了すると、CO2注入量は計6万トンとなり、米国では最大の岩塩深層注入プロジェクトになるという。

今回のテストが行われる既存の石油・ガス田では、Core Energy社による原油の二次回収操業が実施されており、CO2圧縮機や注入システム、既存井やパイプラインといった必要インフラが整っているため、CO2注入テストに理想的な場所となっている。

MRCSPチームは今回の注入テストで、掘削(wellbore)に沿ったCO2の動き、及び、地球科学的な変化を記録する。また、長期間にわたる大量のCO2注入は科学者に、地層内の温度や圧力の変化、及び、システムへの季節的変化に対する一層の洞察を提供することになると期待されている。

エネルギー省(DOE)のVictor Der化石エネルギー担当主席次官補代理によると、同注入プロジェクトは有望な隔離技術についての重要な情報を提供するだけでなく、エネルギー部門での雇用創出にも大きな役割を果たすことになるという。(DOE Fossil Energy Techline, February 27, 2009)


Reid上院院内総務、オバマ大統領のエネルギー目標を達成する三段階戦略を概説

Harry Reid上院院内総務(民主党、ネバダ州)は2月25日、オバマ大統領が2月24日の上下両院の合同会議で明示した大胆なエネルギー目標を達成するため、三段階の戦略で対応する意向であると発言した。Reid院内総務がレポーターに語った三段階戦略は下記の通り:

  • 第一に、再生可能エネルギー使用基準(Renewable Portfolio Standard)、省エネルギー策、その他のエネルギー効率改善規制を含むエネルギー法案に取り掛かる。上院エネルギー・天然資源委員会のJeff Bingaman委員長(民主党、ニューメキシコ州)と共和党ランキングメンバーのLisa Murkowski上院議員(アラスカ州)が既にエネルギー法案の作成に取り組んでおり、4月中旬の議会休会前には上院本会議に上程される可能性がある。
  • 第二に、オバマ政権の高官や民主党議員がエネルギーアジェンダの重要な一環として掲げている送電網の徹底的見直し、及び、風力やソーラーその他再生可能資源で発電した電気をある地域から他地域へと送る送配電ハイウェイの構築を行う法案に取り掛かる。
  • 第三に、Cap-and-trade法案に取り掛かる。

Reid院内総務は、明確な期限を提示することは出来ないものの、目標は上記3件の法案を今年中に片付けることであると語っている。(Greenwire, February 25, 2009)


アメリカ人はスマートグリッドを受け入れるようになるか?

ゼネラルエレクトリック(GE)社が今年のスーパーボール・ゲームに300万ドルを費やして、「スマートグリッド」技術の宣伝広告を出し、エネルギー業界による家庭部門の電力消費者を啓蒙する困難な道のりの第一歩が踏み出された。

電気事業者、環境保護者、および政府当局者は、スマートグリッドが発電・送配電の革命に不可欠であると見なしており、今年2月17日に成立した景気刺激策(「2009年アメリカの経済回復・再投資法」)でもスマートグリッド技術に110億ドルを計上している。しかしながら、GridWise AllianceがDCで実施した非科学的調査によると、「スマートグリッド」は、アメフトのテレビ中継で使用するファーストダウンを示すデジタルの標線であるという答えや、ワイヤレスで電気を送配する手段である等の答えが返ってきたという。

DOEスマートグリッド・タスクフォースのEric Lightnerディレクターは、政府のアウトリーチ・キャンペーンは主に、州政府の公益事業委員会や消費者擁護団体を対象とするもので、一般国民はスマートグリッドを正確に理解していないと指摘する。問題はスマートグリッドが非常に複雑で、説明が専門的になってしまうことであり、従って、タスクフォースの課題は消費者レベルでのベネフィットを如何にして簡潔に伝えるかにあるという。また、気候変動の影響を懸念する国民が増えていることから、再生可能エネルギーをエネルギーミックスに追加する可能性も、それ自体で十分に魅力的である。Lightner氏は、スマートグリッドの概念を国民に分かってもらるためには、ウィジェット(架空の製品)について語ることを止め、コスト削減や地球環境保護、プラグイン・ハイブリッド車の充電に如何に役立つのかを語る必要があると指摘する。

リアルタイム価格のスキームも電力需要家に対する魅力的なセールスポイントになり得る。需要反応・スマートグリッド同盟(Demand Response and Smart Grid Coalition)によると、カリフォルニア州で行われた「スマート・サーモスタット」をテストするパイロット計画では、参加者の87%がリアルタイム価格システムを公平であると評価し、パイロット計画終了後も参加者の約70%がリアルタイム価格システムに留まることを選択したという。コロラド州ボルダーにおけるXcel Energy社のSmartGridCity、テキサス州におけるCenterPoint Energy社のDemand Responseプロジェクト等、数々のパイロット計画が同様のスキームをテスト中である。(Greenwire, February 27, 2009)

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