NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2009年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

4月17日号

バイデン副大統領、スマートグリッド計画の詳細を発表

ミズーリ州ジェファーソン市を訪問中のジョー・バイデン副大統領は4月16日、「2009年アメリカの経済回復・再投資法(ARRA)」の一環としてエネルギー省(DOE)が行うスマートグリッド計画では、スマートグリッド技術開発グラントとして33億7,500万ドルを、スマートグリッドの貯蔵、モニタリング、及び技術実行可能性の実証で6億1,500万ドルを配分する予定であると発表した。

バイデン副大統領は、米国の豊富な再生可能資源を最大限に活用するためには配電網のアップグレードが必要であると語り、送電系統に今投資を行うことによって米国の家庭やビジネスの電気料金が下がるばかりか、輸入原油への依存度を軽減し、更には米国経済回復の機動力となる雇用を創出することにもなると主張した。

副大統領のミズーリ州訪問に同行したGary Locke商務長官はまた、5月上旬に首都ワシントンでスマートグリッド会合(議長はLocke商務長官とSteven Chuエネルギー長官)を開催する計画を発表した。主要な利害関係機関のリーダーを一同に集めるこの会合は、スマートグリッドの実現を可能にする業界全体の基準策定についての不可欠な話し合いを開始するものであり、会合に参加する業界リーダーはスマートグリッド開発に必須な業界規格の統一、基準合意へ至るスケジュールの厳守、考案された規格の順守を誓うことになると見込まれている。

バイデン副大統領のこの発表に時期を合わせ、DOEはスマートグリッド投資グラント計画の告知(Notice of Intent =NOI)とスマートグリッド地域実証イニシアティブの資金提供公募(Funding Opportunity Announcement =FOA)草案を公表した。DOEでは、このNOIとFOAに対するパブリックコメントを20日間受け付ける。スマートグリッドに関するDOE公表の概要は下記の通り:

スマートグリッド投資グラント計画(33億7,500万ドル)

  • スマートグリッド技術普及の為に、一件あたり50万ドルから2,000万ドルのグラントを給付。
  • 送電系統モニター装置の普及に一件あたり10万ドルから500万ドルのグラントを給付。
  • 電力業界その他機関の計画するスマートグリッド技術導入投資に最高50%のマッチンググラントを給付。
  • 応募資格者は、電力会社、電気販売業者、送電系統の運営業者、家電機器製造業者、スマートグリッド技術の設置を希望する業者、等。

スマートグリッド実証イニシアティブ(6億1,500万ドル)

  • 対象分野
    • スマートグリッド地域実証 …スマートグリッドのコストと効果の数量化、技術実行可能性の検証、新規ビジネスモデルの検討。
    • 実用規模のエネルギー貯蔵実証 …先進バッテリーシステム、大容量キャパシタ(ultra-capacitor)、フライホイール、圧縮空気エネルギー貯蔵システム、風力や太陽光発電の統合や送電系統の混雑緩和といった用途を含む。
    • 送電系統モニタリング実証 …位相計測装置(Phasor Measurement Unit)の設置とネットワーク接続を支援。
  • 各実証プロジェクトは、送電系統施設を所有する電力会社と連携して実施する。
  • 同プロジェクトには最低50%のコストシェアを義務付ける。

(White House Press Office Announcement, April 16, 2009)

 


環境保護庁、米国温室効果ガス排出目録を発表

環境保護庁(EPA)が4月15日に、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)事務局へ提出する年次報告書『米国温室効果ガス排出および吸収源の目録:1990〜2007年(Inventory of U.S. Greenhouse Gas Emissions and Sinks: 1990-2007)』を発表した。

この報告書は、米国の温室効果ガス(GHG)排出量が1990年から2007年の間に全体で17.2%増加し、2006年から2007年では1.4%増加したと報告している。2006年からの一年間におけるGHG排出増加の主たる要因は、(i)2006年に比べて2007年は冬が寒く夏が暑かった為に暖房用燃料と電気の需要が増加;(ii)発電用の化石燃料消費の増加;(iii)水力発電の大幅(14.2%)減少であると考えられている。

1990年から2007年の間に、二酸化炭素の排出量は20.2%増加したが、メタンは5.1%、亜酸化窒素(N2O)は1.0%減少している。同じ時期に、ハイドロフルオロカーボン(HFCs)、パーフルオロカーボン(PFCs)、六フッ化硫黄(SF6)の総合排出量は65.2%の上昇を見せている。HFCs・PFCs・SF6の排出量は他の温室効果ガスと比較すると量的には少ないものの、温室効果が著しく高いことを考慮すると、この排出増加は深刻な問題である。

反面、米国は森林や市街地の樹木や農耕用土壌等における炭素隔離でGHG排出量の一部を相殺しており、2007年には全体で、米国GHG総排出量の14.9%をオフセットしたと報告している。同報告書の情報は、http://epa.gov/climatechange/emissions/usinventoryreport.htmlで入手可能。

(EPA New Release, April 15, 2009)

 

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