NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2009年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

5月19日特別号

ホワイトハウス、自動車の燃費改善と温室効果ガス排出削減を目指す国家政策を発表

オバマ大統領は5月19日、ホワイトハウスのローズガーデンで、米国内で販売される乗用車および軽トラックの燃費改善と温室効果ガス(GHG)排出削減の双方を狙った新たな国家政策を発表した。ホワイトハウス提案の国家政策は、2012年型車から2016年型車を対象とするもので、2016年までに企業平均燃費(CAFE)を1ガロンあたり35.5マイルに引き上げる(注:1)ことになる。具体的には、乗用車には1ガロンあたり39マイル、軽トラックには30マイルの燃費が義務付けられる。一方、車両からのGHG排出量に関しては規定草案が未だ発表されていないものの、ホワイトハウスの報道官によると、2016年には車両からのGHG排出量は250グラムに制限されるであろうという。これによって、石油消費は2012年から2016年の間に約18億バレル減少し、GHG排出は約9億メトリックトン削減すると推定されている。

ホワイトハウスのローズガーデンで行われた同記者会見には、主要自動車メーカー10社(Ford、トヨタ、GM、ホンダ、Chrysler、BMW、日産、Mercedes-Benz、マツダ、Volkswagen)および自動車労働者組合(UAW)の代表、Ray LaHood運輸長官、Lisa Jackson環境保護庁(EPA)長官、Carol Brownerエネルギー・環境問題大統領顧問の他、Nancy Pelosi下院議長(民主党、カリフォルニア州)、Arnold Schwarzeneggerカリフォルニア州知事(共和党)、Jennifer Granholmミシガン州知事(民主党)、Deval Patrickマサチューセッツ州知事(民主党)等が参列した。

本日の発表に対して、環境保護の非営利団体やシンクタンク、および、ゼネラルモーターズ(GM)が出した声明の概要は下記の通り:

  1. エネルギー節約同盟(Alliance to Save Energy =ASE)
    • オバマ政権の新政策は歴史的な第一歩であり、消費者、環境および米国エネルギー安全保障という全ての面でプラスとなる。
    • 新たなCAFE基準と排出基準によって米国は、オバマ大統領とASEが共に思い描いているグリーンエネルギー未来へとかなり近づくことになる。
    • CAFE基準引上げ期日の4年繰り上げは、我々の技術的ノウハウの範囲内であり、テールパイプ排出量の制限強化ともかみ合う。
    • 新基準により、新車価格は2016年に1,300ドル上昇すると報告されているが、消費者は燃料節約という形でこれを取り戻すことになる。
  2. 憂慮する科学者同盟(Union of Concerned Scientists =UCS)
    • UCSの分析によると、オバマ政権の新政策は2020年には、(i)米国の一日の石油消費量を140万バレル抑え;(ii)GHG排出量を2.3億メトリックトン削減し;(iii)ガソリン価格を1ガロンあたり2.25ドルと想定して、米国消費者に300億ドルの純節約をもたらす(注:2)ことになる。
    • 大統領候補としてデトロイトで自動車メーカーに選択の誤ちを指摘したオバマは、今回は大統領として、自動車公害と石油依存度を軽減する一方で自動車産業を活性化するという公約を果たすことになる。本日の発表は米国のクリーンカーにとって歴史的な日である。
    • オバマ大統領は州政府、EPA、運輸省、自動車産業、及び環境保護団体のリーダーと協力して偉大な合意を取りまとめた。米国史上初の自動車・トラック国家GHG排出基準は、自動車産業の大改革を助長する。
  3. 天然資源防衛委員会(Natural Resources Defense Council)
    • オバマ大統領、カリフォルニア州、自動車産業、および環境保護団体のリーダーは地球温暖化に対する解決策で団結した。この解決策は米国経済を強化し、自動車産業をクリーンエネルギー未来に向けた軌道に乗せることになる。自動車産業の将来は、GHG排出と石油依存度を軽減する、クリーンで燃費の良い車にかかっている。
  4. ゼネラルモーターズ(GM)
    • 自動車燃費を改善し、GHG排出を削減する統一した国家プログラムを設置するオバマ大統領のリーダーシップを称賛する。エネルギー安全保障と気候変動は、連邦レベルでのリーダーシップを必要とする国家優先事項であり、オバマ大統領の目標は米国と自動車産業にとって理にかなったことである。
    • 様々な規制の統一により、GMや自動車産業は製品計画を一貫してより確実に行うことが可能となり、消費者はクリーンで燃費の良い車を迅速かつ手頃な価格で購入することが可能となる。
    • GMはこの新アプローチに全面的にコミットする。

(The White House Press Release, May 19, 2009; Greenwire, May 19, 2009; ASE News Release, May 19, 2009; UCS Press Release, May 19, 2009; Natural Resources Defense Council News Release, May 19, 2009; GM Statement, May 19, 2009)

 


注釈:

1:2007年12月19日に成立した「エネルギー自立及びエネルギー安全保障法」の定める、2016年までに1ガロンあたり35マイルというCAFE基準の達成目標を4年早めることになる。

2:ガソリン価格が1ガロンあたり4ドルに高騰した場合には、純節約は700億ドルになるという。


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