NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2011年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

2月2日号

Bingaman上院エネルギー・天然資源委員長、クリーンエネルギー使用基準に関して大統領と本日懇談予定

クリーンエネルギー使用基準(Clean Energy Standard =CES)に関する議論がホワイトハウスと議会の間で加熱している中、上院エネルギー・天然資源委員会のJeff Bingaman委員長(民主党、ニューメキシコ州)は2月2日の午後、オバマ大統領と1対1でエネルギー政策を討議する予定となっている。

オバマ大統領は一般教書演説で、2035年までに米国総電力の80%をクリーンエネルギーで賄うという目標を発表したが、これまでのところCESの詳細については公表していない。Bingaman上院議員は再生可能エネルギー支持者であり、従来のエネルギー源を含めたCESには否定的であったが、大統領のクリーンエネルギー発電目標達成の実現に向けて、再生可能エネルギー資源、及び原子力等の低炭素エネルギー源を盛り込んだ法案を準備する意向であるという。

Bingaman上院議員は、大統領提案(CES 80%)が、再生可能エネルギー源と従来型低炭素エネルギー源を合わせた目標として十分に積極的であるかどうかを判断するには時期尚早であると指摘する一方で、Lisa Murkowski上院(共和党、アラスカ州)やLindsey Graham上院議員(共和党、サウスカロライナ州)との討議を開始しており、大統領目標を達成する提案を委員会メンバーと共に超党派で策定できるものと期待していると述べている。

本日の大統領との1対1の会談では、超党派支持獲得のために事前解決が必要であるとされる幾つかの問題 …クリーンエネルギー源の定義や排出権取引制度の取り入れ等… が議題にあがるものと見られている。

Bingaman上院議員によると、今議会ではCESの他に、電化製品・製造業・ビルディング・自動車のエネルギー効率改善;クリーンエネルギー技術向けの資金調達オプションや優遇税制の強化;原油流出対策法案の可決;配電網のサイバー攻撃からの保護、を優先事項として取り上げる意向であるという。(E&E News PM, January 31, 2011; Environment & Energy Daily, February 2, 2011)

 

NISTの技術革新プログラム(TIP)、今後の公募テーマを概説する3ヵ年プランを公開

国立標準規格技術研究所(National Institute of Standards and Technology =NIST)の技術革新プログラム(Technology Innovation Program =TIP)が、今後3年間のグラント公募で支援を予定しているトピックを概説する 『3ヵ年プラン(Three-Year Plan)』 を公開した。TIPの提案する分野は下記の通り:

  • 公共インフラストラクチャー : 検出、モニタリング、修復
    • 2011年度〜2014年度…高度検出技術(Advanced sensing technologies)、高度修復材料
  • 製造業 : 先端材料の製造工程、重要工程(Critical Processes)、知的オートメーション(Intelligent Automation)
    • 2011年度〜2014年度…先端材料、バイオ製造(Biomanufacturing)、製造技術
    • 2012年度〜2014年度…ロボット工学と知的オートメーション
  • エネルギー : スマートグリッド
    • 2012年度〜2014年度…スマートグリッドを可能にする技術
  • ヘルスケア : プロテオミクス、データの統合と分析、テーラーメイド医療の為のバイオ製造
    • 2012年度〜2014年度…テーラーメイド医療の為の技術
  • 水資源 : 水のアベイラビリティ(Water Availability)確保と管理
    • 2012年度〜2014年度…水の利用性(Water availability)技術
  • 複合ネットワーク
    • 2013年度〜2014年度…複合ネットワーク
  • 持続可能性
    • 2013年度〜2014年度…持続可能性

Patrick Gallagher NIST所長は、今回の3ヵ年プラン公開はユーザーである産業界や学界の研究グループに将来のR&D公募計画の情報を提供することが目的であると語り、公式な提案公募ではないことを強調した。また、上記7分野は変更不可能な絶対的テーマではないので、より良いアイディアがあれば教えて欲しいと述べている。(NIST Tech Beat, February 2, 2011)

 

エジプトの政治危機が契機となり、米国のエネルギー自立に向けた動きが復活

エジプトの政治的混乱とスエズ運河航路の安全に関する懸念が契機となり、米国議員の間ではエネルギーアジェンダを前進させようという動きが復活している。石油市場を揺がすエジプトの政情不安は、共和党議員にとっては国内石油生産拡大の必要を証明するものであり、民主党議員にとっては新たなエネルギー政策の必要性を強調するものとなっている。

昨年11月の中間選挙の結果、主導権が共和党へと移った下院天然資源委員会のDoc Hastings委員長(共和党、ワシントン州)は、ガソリン価格が上昇し米国経済が苦闘中の今こそ、国内のエネルギー生産を拡大し、海外エネルギー資源への依存率を縮減する時であると主張している。また、John Fleming下院議員(共和党、ルイジアナ州)を始めとするメキシコ湾岸沿いの州選出議員等もエジプトの混乱を理由に、オバマ政権に対しオフショア石油掘削再開へのプレッシャーを強めている。

一方、民主党議員は、米国の石油依存を断ち切ることが回答であって、燃費基準の引上げ・省エネ政策・代替燃料が消費を削減し、消費者を石油ショックから護ることになると主張している。(ClimateWire, February 2, 2011)

 


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