NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2011年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

6月3日号

米大企業の代表、法人税率の低減と引き換えならば研究開発税控除を断念すると発言

下院歳入委員会が2011年6月2日に開催した事業税改革に関する公聴会で、米大企業数社の代表は、法人税率の低減と引き換えであれば、研究開発(R&D)税控除のような最もポピュラーな税控除を断念することも厭わないと証言した。

ボーイング社のJames Zrust副社長は、R&D税控除の複雑さと関連する遵守コストが税控除の便益を上回りつつあると指摘し、ボーイング社はR&Dに40億ドルを費やしているものの、R&D税控除の現行管理方法および税控除更新が不確かであるという事実を考えると、ボーイング社としては大幅な法人税率低減と引き換えに、喜んでR&D税控除を断念すると発言した。また、公聴会で証言した他の3社(Sears社を含む)の幹部もZrust氏に同感であると述べた。

Dave Camp下院歳入委員長(共和党、ミシガン州)を始めとする共和党議員数名は、法人税率を35%から25%に引下げるコストを相殺するために何らかの税控除の廃止を提唱しているが、撤回対象となる具体的な税控除については言及を避けており、R&D税控除に関しては大掛かりな税制改革であっても何らかの方法で維持されるものと憶測されていた。R&D税控除は期限付きの暫定的優遇税制であるために財務計画が困難であるというビジネス界の苦情に対応するため、数名の立法者およびオバマ大統領もR&D税控除を恒久化する提案を行っている。

R&D税控除の最大の恩恵享受者は製造業であり、法人税制の改革は製造業に打撃を与えると言われていることを考慮すると、米国最大の製造業者の一つであるボーイング社のZrust副社長のコメントは特に注目に値する。

Camp委員長は公聴会終了後にレポーターと会談し、本日の公聴会では企業幹部が法人税控除について非常に重要な指摘を繰り返し行ったと思うと語ったが、R&D税控除を廃止すべきであると明言するまでには至らなかった。一方、民主党議員は、証言した幹部等のR&D税控除断念気風が大企業を反映したものであるのか疑問視している。

(CQ Today Online News, June 2, 2011)

 

 


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