NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2011年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

6月7日号

MITの半固体フローバッテリー、電気自動車用バッテリーに大変革をもたらすか?

マサチューセッツ工科大学(MIT)のYet-Ming Chiang教授率いる研究チームが、従来の充電式バッテリーの観念を根底から覆す革新的な自動車用バッテリーを開発中である。

Chiang研究チームのシステムは、半固体フローセル(semi-solid flow cell)と呼ばれる革新的構造を利用するもので、セル内では固体粒子から成る陽性電極と陰性電極が電解液(electrolyte)中を浮遊し、この二つが、多孔質薄膜のようなフィルターで隔てられているシステムを通じて送り出されることになる。Chiang教授は、この新デザインの重要な特徴は、エネルギーの貯蔵と貯蔵エネルギーの放電というバッテリーの2つの機能を物理的に別々の構造に分けたことにあると説明している。

新デザインはバッテリーの大きさとコストを半減する可能性があるほか、自動車用としては、使用済みの液体スラリーをくみ出して、エネルギー充満の新しいスラリーを注入することによって、又は、タイヤを交換するように貯蔵タンクを交換することによって、バッテリーを簡単に補給できるという利点も持っている。また、時間はかかるものの、従来型バッテリーのように充電することも可能である。更に、Chiang教授によると、フローバッテリー(flow battery)はシンプルなデザインのため、大量生産も容易であるという。

ドレクセル大学のYury Gogotsiナノテクノロジー研究所長は、半固体リチウムイオン・バッテリーの実証は、スラリー状活性物質を使って電気エネルギーを貯蔵することが可能であることを示す重要なブレークスルーであり、将来のエネルギーの生産・貯蔵にとって極めて重要であると語る一方で、この蓄電池を実用化するためには更に優れた陽極・陰極材料や電解液を研究する必要があることを指摘している。

半固体フローバッテリーの研究開発は一部、国防省のDARPAとエネルギー省のARPA-Eからのグラントで援助されており、プロトタイプがARPA-Eグラントの終了まで(後2年ほど)に作成される予定となっている。

(ClimateWire, June 7, 2011; MIT News, June 6, 2011)

 

 


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