NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2011年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

8月5日号

米国風力産業の目覚しい成長を指摘しつつも、より確実な連邦政策を求める米国風力エネルギー協会

米国風力エネルギー協会(American Wind Energy Association =AWEA)が発表した『米国風力業界:第2四半期市場報告(U.S. Wind Industry Second Quarter Market Report)』によると、2011年1〜6月までに米国内で増設された風力発電設備容量は2,151メガワット(MW)で、風力発電の累積設備容量は2011年6月末で42,432 MWに達したという。これに加えて、米国28州では現在、7,432 MWの風力発電が建設されている。

州別では、2011年第2四半期の増設容量が最大であったのはカリフォルニア州の420 MWで、これにオレゴン州の201.3 MW、イリノイ州の150 MW、ユタ州の102 MW、オハイオ州の56.5 MWが続いている。累積設備容量では、上位4位は2011年第1四半期と同じ、テキサス州(10,135 MW)、アイオワ州(3,675 MW)、カリフォルニア州(3,599 MW)、ミネソタ州(2,518 MW)の順であるが、第5位と第6位が入れ替わり、イリノイ州(2,436 MW)、ワシントン州(2,356 MW)となっている。

図1 州別の風力累積設備容量

(出典:AWEA U.S. Wind Industry Second Quarter Market Report, August 2011)

米国の風力発電は2011年前半期に、2010年前半期の増設容量(1,250 MW)を72%も上回る大成長を遂げたものの、2012年で満期終了となる連邦政府エネルギー生産税控除の行方が不明であるため、今後、成長率が失速する可能性があるとAWEAは警告している。AWEAのDenise Bode会長は、風力税額控除が超党派の支持を享受していること、税額控除は歳出プログラムではないことを挙げ、生産税控除が2012年以降まで延長される見通しは良好であると語っている。しかしながら、連邦支出への懸念、および先日決着した債務交渉が、こうした税額控除の延長を説得しづらくする可能性がある。共和党議員の多くが、連邦赤字の削減方法を検討する際に優遇税制を厳しく見直すことを誓っている。(E&E News PM, August 4, 2011; AWEA U.S. Wind Industry Second Quarter Market Report, August 2011)

 

Bingaman上院議員、エネルギー法案を民主党の雇用アジェンダとして推し進める意向

Jeff Bingaman上院議員(民主党、ニューメキシコ州)は、自ら委員長を務める上院エネルギー天然資源委員会で可決したエネルギー法案14本の大半が雇用を創出するクリーンエネルギー関連法案であることを指摘し、今年秋の会期で民主党が雇用重視のアジェンダをまとめる際に、これらエネルギー法案の幾つかをアジェンダに盛り込むよう民主党指導層に働きかけていく意向であると記者団に語った。

Harry Reid上院院内総務(民主党、ネバダ州)も8月2日に、民主党が9月に雇用創出アジェンダの一環として持ち出す3つの優先分野の一つとして「クリーンエネルギー」を挙げている。しかしながら、民主党指導層がクリーンエネルギー雇用を推進する為にどの法案を推し進めるのかは今のところ明らかでない。

上院エネルギー天然資源委員会では、エネルギー効率化(注:1)、水力発電(注:2)、炭素回収貯留(CCS)(注:3)、電気自動車や代替燃料車(注:4)、小型のモジュール型原子力発電所(注:5)、および、エネルギー省(DOE)内にクリーンエネルギー技術に融資する「グリーン銀行(green bank)」の新設(注:6)といった法案の大半を超党派で(主として、共和党ランキングメンバーのLisa Murkowski共和党議員の賛成を得て)可決してはいるものの、上院本会議での採決は厳しいものになると見られている。(E&E News PM, August 3, 2011)

 

 


注釈:

1: 上院第398号議案(家電機器の効率向上)が4月12日、上院第1000号議案(ビルディングの効率向上)が7月14日に上院エネルギー天然資源委員会で可決されている。

2: 上院第629号議案(水力発電の向上)は4月12日に、上院第630号議案(海洋エネルギーおよびハイドロキネティック再生可能エネルギー推進法案)は5月26日に可決。上院第630号議案に関しては、デイリーレポート5月26日号を参照されたし。

3: 上院第699号議案(DOE炭素回収隔離計画)と上院第757号議案(二酸化炭素回収技術の開発・実施促進インセンティブ)は5月25日に可決。この両法案に関しては、デイリーレポート5月26日号を参照されたし。

4: 上院第734号議案(先進自動車研究開発)、上院第948号議案(電気自動車普及促進)、および上院第1001号議案(代替燃料車普及促進)は7月14日に可決。

5: 上院第1067号議案(原子力研究イニシアティブ)は7月14日に可決。

6: DOE内にクリーンエネルギー普及局(Clean Energy Deployment Administration)を設置する法案で、7月14日に可決。

 


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