NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2011年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

8月9日号

エネルギー省、先進燃料電池と水素貯蔵システムの研究に約700万ドルを交付

エネルギー省(DOE)が8月9日、燃料電池と水素貯蔵システムの研究開発努力を支援するコスト分析プロジェクト4件に5ヵ年で総額約700万ドルを交付することを発表した。今回選定された4プロジェクトでは、運輸用・定置用の燃料電池システムや水素貯蔵システムの生産コスト低減方法を確認する際に役立つ、製造装置・労働力・エネルギー・原材料・各種コンポーネントの綿密なコスト見積もりを作成する予定である。

4件のプロジェクトでは、様々な大きさのシステムや生産量、及び、運輸用や非常用電源およびフォークリストのような資材運搬機器といった様々な用途を分析して、既存および構想段階の運輸用・定置用燃料電池システムのライフサイクル・コスト分析を作成することになる。今回選定されたプロジェクトの概要は下記の通り:

  • Directed Technologies社(バージニア州アーリントン) … DOE助成はプロジェクト2件に最高300万ドル

    1件は、運輸用燃料電池システムに関するコスト分析で、軽量自動車やバス等の車両に使用される燃料電池システムのコストを分析・推定するプロジェクト。もう1件は、水素貯蔵システムに関するコスト分析で、システムコストを低減する原価作用因(cost drivers)や進路(future pathways)を理解するために多様なコスト・パラメーター(資本設備や原材料、労働力やエネルギー等)を調査するプロジェクト。

  • ローレンスバークレー国立研究所(カリフォルニア州バークレー) … DOE助成は最高190万ドル

    低温・高温の定置用燃料電池システム(最高250 kW)の総コスト・モデルを開発するプロジェクトで、現行システムの正確なコスト見積もりを出し、最先端製造技術や増産や設計変更が短期・新興燃料電池市場の体制やライフサイクルに与える影響を評価する。

  • バテル記念研究所(オハイオ州コロンバス) … DOE助成は最高200万ドル

    フォークリストや非常用電源装置、主電源やCHP装置といった最高25kWまでの定置用燃料電池のコスト見積もりを提供するほか、補助電源や主電源、大型CHP装置といった100〜250kWまでの大型燃料電池のコスト分析を提供する。

 (Department of Energy News, August 9, 2011)

 

史上最低レベルに落ち込むカーボンオフセット価格

カーボンオフセットの価格が史上最低に落ち込み、世界で実績が最低の商品となっている。カーボンオフセット価格の下落は、世界経済の弱まりで生産が減速し、発生する温室効果ガス(GHG)が減少してオフセット需要が縮小したことに起因している。また、炭素オフセットはというと、主要市場である欧州連合市場の減速にも拘わらず、国連気候パネルが炭素排出権を発行し続けたために排出権が供給過剰となり、他に類を見ないほど意気消沈している。Schwarzthal KapitalのアナリストであるMarius-Cristian Frunza 氏は、欧州経済が二番底入り(double-dip recession)することになれば、それは炭素市場にとって致命的な打撃になると指摘する。

また、認証排出削減量(certified emissions reductions =CERs)のクレジットを発行する国連のクリーン開発メカニズム(Clean Development Mechanism =CDM)は経済問題に加えて、関係諸国が2012年以降の炭素排出上限で合意できないという官僚的問題にも直面している。財政危機が世界気候変動に関する会議を脱線させており、世界気候変動での合意は数年遅れになるもようである。因みに、CER市場は2008年のピーク時には263億ドルと評価されていたが、2010年には183億ドルに低下した。(Reuters, August 5, 2011; ClimateWire, August 9, 2011)

 

 


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