NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2011年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

8月16日号

汚水を動力源とする世界初の水素燃料供給所、カリフォルニア州で今月末にオープン予定

主要自動車メーカーは水素自動車を2015年までに発表するべく準備を進めている一方、水素燃料の持続可能性や可用性という問題が水素自動車の販売までに対処されているかどうかを疑問視している。こうした中で、今月末にカリフォルニア州ファウンテン・バレーでオープンする、汚水を動力源とする世界初の水素燃料供給所が、持続可能性についての問題に対応することになるのではと期待されている。

人糞や生ゴミ、その他汚物は汚水槽の中でガス、主にメタンガスを発生する。オレンジ郡の汚水処理施設で発生したメタンガスは殆どがフィルターにかけられて発電に使用されているが、余剰ガスは大気に消散されている。エネルギー省(DOE)の資金援助を受けて3ヵ年実証プロジェクトとして行われる同水素燃料供給所では、特有の300キロワット級燃料電池発電機を使って、この余剰メタンガスをオンサイトで水素に変換し、1日30台に水素燃料を供給する予定であるという。

このシステムを設計した、カリフォルニア大学アーバイン校のScott Samuelsen国立燃料電池研究センター所長は、絶えることのない人糞を輸送用燃料や電気に変換する同システムは持続可能性の見本であると語っている。

(Greenwire, August 12, 2011; NBC LA, August 16, 2011)

 

リーハイ大学の研究チーム、火力発電所から放出される二酸化炭素を捕獲するスポンジ素材を開発

リーハイ大学の科学者チームがNature Communications誌7月号で、二酸化炭素とメタンガスを選択的に吸収する多孔質の物質を作りだしたことを発表した。この二酸化炭素吸収スポンジは理論上では、石炭や天然ガスの燃焼で放出される温室効果ガス(GHG)を吸収することが可能であるという。

リーハイ大学のKai Landskron助教授によると、これまでにも炭素を吸収する素材を合成する試みはあったが、吸収材は二酸化炭素吸収に大量のエネルギーを消費したり、高温ではうまく行かなかったり、高価すぎる等の問題があったという。リーハイ大学の科学者チームが作成した新素材は、ジアミノベンジン(diaminobenzidine)とヘキサクロロシクロトリホスファゼン(hexachlorocyclotriphosphazine)という比較的安価な化学物質を使用したもので、摂氏400度の熱でも機能するという。この新素材はまた、熱と圧力の変化によって一度捉えたガスを放出するため、捕獲した二酸化炭素とメタンガスを圧縮して地下に永久貯蔵することが可能であるという。

一方で、この新技術に懐疑的な人々もいる。ニューサウスウェールズ大学のDianne Wiley教授は、リーハイ大学の研究は明るい話題ではあるが、火力発電所の放出するガスは、リーハイ大学研究チームが調査で使用したガスよりも遥かに複雑であるため、新素材が商業規模で機能するかどうかを知る術がないと語っているほか、商業生産が、適切に抑制できない化学副産物を生み出す可能性もあると指摘している。

リーハイ大学の二酸化炭素スポンジを実用化に持ち込むためには、徹底的な技術開発、および、投資家や政府の支援が必要である。

(ClimateWire, August 15, 2011)

 

 


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