NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2011年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

8月19日号

太陽光-地熱ハイブリッド発電所プロジェクトにゴーサイン

Enel Green Power North America社がネバダ州チャーチル郡で、地熱発電のベースロード電源と太陽光発電のピーク容量を組み合わせる、米国初の太陽光-地熱ハイブリッド発電所を運転する予定である。

この2つの技術の融合により、各技術の特徴がうまく利用されてコミュニティの需要により良く対応することが可能となるほか、送電線や運転設備の共有でコストが削減し、環境影響を和らげることも可能となる。

Enel社はチャーチル郡で、地熱流体の抽出に大型電動水中ポンプ(electric submersible pump)を使用する世界唯一の地熱発電所であるStilwater地熱発電所を2009年から運転している。同社では、この地熱サイトに隣接する240エーカーの土地に、多結晶PVパネルを8.1万以上設置して、24メガワットのピークエネルギーを発電する予定である。Stillwaterハイブリッド発電所で発電する電力は全て、長期売電契約の下でNV Energyが買い取ることになる。

(Reuters, August 17, 2011)

 

 

米国とブラジル、戦略エネルギーダイアログに着手

米国エネルギー省(DOE)のDaniel Poneman副長官はブラジルの首都ブラジリアで8月17日、ブラジル鉱物エネルギー省(MME)のMarcio Zimmermann大臣と共に、米国-ブラジル戦略エネルギーダイアログ(U.S.-Brazil Strategic Energy Dialogue)の発足会議(注:1)を行った。

米国-ブラジル戦略エネルギーダイアログは、両国間のエネルギー協力強化のために包括的枠組を提供するパートナーシップで、2011年3月のブラジル訪問時にオバマ大統領とRousseffブラジル大統領により発表された。Poneman DOE副長官は、両国の協力によって、両国の経済成長;地域的・世界的なエネルギー安定供給の増進;クリーンなエネルギー未来の構築、を助長することが可能であると発言した。

このダイアログはバイオ燃料; 再生可能エネルギーとエネルギー効率化;石油と天然ガス;原子力発電と原子力安全保障の4分野を重視するもので、米国とブラジルは一連の技術作業部会やハイレベル対話を通じて、同ダイアログの目標を引き続き前進させていくための多様な方策で合意している。主な方策は下記の通り:

  • ブラジル市場で米国製グリーンテクノロジーやサービスの広報宣伝を行うことを目的とする、「グリーン輸出」貿易視察団を2011年8月27日から9月2日までブラジルに派遣
  • 新たなバイオ燃料生産方法の開発を目的とする、DOEの国立再生可能エネルギー研究所(NREL)とブラジルペトロブラス技術開発センター(CENPES)のバイオ燃料共同研究を支援
  • エタノール混合率の高い燃料を原動力とするフレックス燃料自動車の効率を改善する活動
  • 窓や断熱材やクールルーフといった建築材料や製品の省エネ性能を格付けするテスト方法や表示制度に関する情報を共有する、ワークショップを2011年11月1日に開催
  • 中規模風力エネルギー技術の更なる開発・導入機会を評価検討するため、2012年末までにワークショップを開催
  • 最新技術および福島原発後の原子力安全性に関する教訓という分野で、米国-ブラジル原子力協力を支援
  • 各国が低炭素電力の恩恵を享受できるよう、民生用原子力協力の国際枠組み構築の支援で連携

(Department of Energy News, August 18, 2011)

 

 

ホワイトハウス行政管理予算局、連邦各省庁に2013年度予算の5%削減を指示

次年度予算の編成に先立ち、予算編成の手引き(budget guidance)を連邦各省庁に毎年提示しているホワイトハウス行政管理予算局(Office of Management and Budget =OMB)が8月17日、2013年度予算要求額を2011年度自由裁量予算水準の最低5%減とすること; 2013年度予算を2011年度自由裁量予算水準の10%減まで引下げることを可能にする、追加の予算削減リストを[2013年度予算要求に]添付すること、を命じるメモを連邦各省庁に送った。

OMBのメモは連邦各省庁に対して、省内一律で5%削減を行うのではなく、経済成長を将来もたらす可能性のあるプロジェクトは予算を増額し、重複または無駄なプログラムを整理統合または削除(注:2)するというように、論理的に削減対象を決定するよう指示している。OMBはまた、義務的歳出予算の削減; 現在の自由裁量予算を義務的歳出予算へ再分類; 歳出の相殺を狙った新たな利用者手数料の設定、を禁じている。

米国公務員連合(American Federation of Government Employees)の公共政策ディレクターであるJacqueline Simon女史は、これほどの予算削減は連邦雇用の削減を意味し、政府や公務員の支出に依存する民間企業に打撃を与え、就職危機の真っ只中で失業問題を更に悪化させることになると指摘し、このOMBの指針は「筋が通らない」と批判している。自らの選挙区に数多くの連邦政府公務員を抱えるJim Moran下院議員(民主党、バージニア州)も、経済成長が停滞して失業率が高い中で、米国の長期赤字の背後にある構造上の原因に適切に対応することもなく、連邦政府プログラムを大幅に削減するということは、経済活動の縮減と雇用喪失に繋がると発言した。

(E&E News PM, August 18, 2011)

 

 

  


注釈:

1: 米国側からはDO・国務省;商務省の高官の他に、ホワイトハウス国家安全保障問題担当スタッフや米国貿易開発局(U.S. Trade and Development Agency)、海外民間投資会社(Overseas Private Investment Corporation)の代表が、ブラジル側からはMMEと外務省の高官が参加。

2: OMBは各省庁に、政府説明責任局(Government Accountability Office)が作成した重複プログラムのリストの検討を奨励している。

 

 


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