NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2011年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

10月6日号

世界貿易機関(WTO): iPhoneは中国製ではない

世界貿易機関(WTO)によると、対外貿易を計るために、生産国ではなくて付加価値に基づいた新しい世界統計制度を採用するならば、米国の対中貿易赤字は大幅に縮減することになるという。

WTOではiPhoneを調査して、(i)貿易の流れの判断に生産国ベースの従来方法を使用すると、米国の2009年の対中貿易赤字が19億ドルとなること;(ii)iPhoneの部品の大半は中国産ではないため、従来法ではなく付加価値ベースの方法を採用すると、19億ドルの貿易赤字がiPhoneの主要部品を生産する各国に拡散されることが分かったという。付加価値の観点からすると、19億ドルという米国のiPhone貿易赤字の内訳は、対日赤字が最高で6億8,400万ドル、対独が3億4,100万ドル、対韓が2億5,900万ドル、対中が7,350万ドルで、その他諸国が5億4,300万ドルとなったという。

WTOのAndreas Maurer統計主任は、付加価値の観点で通商を分析することが通商摩擦やダンピング防止措置に異なる光を投じて、補完的な見解を提供することになり、また、「貿易は自分と相手との間の競争であるという考えに基づく古い重商主義的政策は完全な時代錯誤」であって、状況に合わせて通商政策を変えていく必要があると語った。(Manufacturing & Technology News, September 30, 2011)

 

下院天然資源委員会、一部エネルギープロジェクトへの政府融資を剥奪する法案を可決

下院天然資源委員会は10月5日、、「2009年アメリカの経済回復・再投資法(ARRA)」でエネルギー省(DOE)の西部地域電力公社(Western Area Power Administration)に付与した32.5億ドルの借用権(borrowing authority)を剥奪する法案(下院第2915号議案)を26対17の党派ラインで可決した。

西部地域電力公社では、送電線及び関連設備の新設または改良の支援、更に、再生可能エネルギー資源で発電した電力の送電系統への統合を促進するために、低利子ローンを提供することになっていた。

同法案の提案者であるTom McCllintock下院議員(共和党、カリフォルニア州)は、連邦政府のローン保証を受けたソリンドラ社の倒産から、同様な再生可能エネルギープロジェクトへのローンで、納税者の税金を危険に晒すべきではないという教訓を学んだという。

下院天然資源委員会の民主党議員等は、TransWest Expressプロジェクト(注:1)、SunZia Transmissionプロジェクト(注:2)、Centennial Westプロジェクトを始めとする幾つかの送電網プロジェクトを下院第2915号議案の撤回対象から免除する修正法案を提出したが、これは失敗に終わっている。(Energy & Environment Daily, October 6, 2011; CQ Today, October 5, 2011)

 

 

 

  


注釈:

1: オバマ政権の送電即応チーム(RRTT)が10月5日に発表したプロジェクトの一つ。西部地域電力公社では同プロジェクに15億ドルの低利子ローンを与えることを検討中。

2: RRTTが昨日発表したプロジェクトの一つ。アリゾナ州とニューメキシコ州に豊富にありながらも、既存送電網から遠いという理由で十分に活用されていない、ソーラー、風力、地熱発電の電力を南西部諸州の電力需要家に提供するプロジェクト。西部地域電力公社では1億ドルの低利子ローンを検討中。

  


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