NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2011年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

11月10日号

外部ピアレビューを伴わない、全米科学財団の「CREATIV」と呼ばれる新グラントメカニズム

グラントプログラムを安全第一で選定し、トランスフォーマティブな研究への支援が不十分であると批判されていた全米科学財団(NSF)が11月9日、学際的で型破りなプロジェクトの支援を目的とするCREATIV(Creative Research Awards for Transformative Interdisciplinary Ventures)という新たなグラントメカニズムの導入を発表した。

CREATIVの特徴は、分野横断的でトランスフォーマティブとなり得るリサーチ提案(5年間で最高100万ドルまで)を外部ピアレビューを使用せずに、内部のメリットレビューのみで審査を行うというもの。研究者は提案書を提出する前に、最低2名のNSFプログラムディレクターから書面による承認を獲得しなければならないものの、一度これがクリアされれば、NSFは2〜3ヶ月以内に提案について決定を下すことになる。2012年度にはCREATIVに2,400万ドルを充当する予定で、CREATIVEを考案したNSF内部委員会のRichard Behnke共同委員長によると、40から50のアワード支援を予定しているという。

CREATIVEグラントメカニズムの目標、出願資格、レビュー基準、及び、レビュー過程の概要は下記の通り:

【目標】

  • 新しい分野横断的なリサーチの機会を創出する。
  • 並外れて創造的で、リスクが高く報酬も大きい分野横断的な提案を奨励する。
  • 奇抜なアイディアを追求する調査段階(exploratory stage)だけに留まらず、十分な資金を提供する。
  • トピックは、NSFが支援する科学・工学・教育研究の全分野で受け入れる。

【出願資格】

  • NSF支援研究分野のいづれかで研究プログラムや学位を授ける(degree-granting)教育プログラムを持つ米国の学術機関、および、米国の非営利機関、非学術機関(博物館、天文台、研究所、研究活動や教育活動に従事する専門家協会他の機関)。
  • 単一のプロジェクトであるものの、複数機関から個別に提出される共同CREATIV提案は受け付けない。複数機関のCREATIVプロジェクトは単一提案として提出されなければならない。

【レビュー基準】

  • CREATIVアワードは、分野別提案を相加的に合体したものではなく、複数の分野を一体化するものでなければならない。提案は、複数分野の概念や方法を新しい意外な方法で結合したり、めったに交流することのない複数のコミュニティから新たなコミュニティを形成する等によって、プロジェクトが分野横断型であることを特定・証明しなければならない。
  • CREATIVアワードは、トランスフォーマティブとなる可能性をもたなければならない。提案は、下記の特徴の最低一つを満たしていなければならない:
    • 世間一般の通念に異議を唱える
    • 新たな手法(technique)や新たな方法論を実現可能にする見識につながる
    • 科学・工学・教育という分野間の境界線を再定義する

【レビュー過程】

  • 通常は、NSF内部メリットレビューのみで決定。プログラムディレクターが外部ピアレビューを選択する場合は、研究代表者(Principal Investigator =PI)にその旨を通知。
  • 各プログラムディレクターは上述のレビュー基準に基づき、CREATIV提案を管轄プログラムからの共同出資対象に推奨するか否かを決定。
  • 提案の提出後2〜3ヶ月以内に、PIに対して決定および意見(フィードバック)を通達。
  • 却下されたCREATIV提案の再検討は認められない。
  • CREATIVアワードの更新は、外部メリットレビューを受ける提案申請過程を通して要請することが可能。この場合、提案は「CREATIV 更新(CREATIV renewals)」と指定される。

(Science Insider, November 9, 2011;NSF Publications, Dear Colleague Letter - CREATIV, November 8, 2011)

 

Coffman下院議員、レアアースに関する議会幹部会の新設を発表

今年10月に議会宛ての書簡でレアアースに関する議会幹部会の設置を提言したレアース協会(Association of Rare Earth)の要請に応え、Mike Coffman下院議員(共和党、コロラド州)は11月9日、レアアース国内供給と成長する川下産業に重点を置く議会幹部会(congressional caucus)の新設を発表した。

自動車やスマートフォン他の技術にとって欠かせないレアアースの輸出を中国が制限したことで、世界各地で新資源探索の狂乱が起こり、米国のレアアース採掘も再開する運びとなっている。Coffman下院議員は、レアアース議会幹部会が、マグネット製造業者を始めとする関連業界を強化する政策の構築で一役かうことになると期待している。

レアアース協会のAdam Falkoff会長によると、どの議員がレアアース議会幹部会に参加するのかは未だ発表されていないものの、既に数名の下院議員が強い興味を示しているという。(Energy & Environment Daily, November 11, 2011)

 

 

 

  


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