NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2012年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

1月6日号

エネルギー省、サイバー攻撃からの米国送電網保護を強化する新たな官民イニシアティブに着手

米国送電網のセキュリティと信頼度を向上させるオバマ政権努力の一環として、エネルギー省(DOE)のSteven Chu長官が1月5日、「電力部門サイバーセキュリティ リスク管理成熟度(Electric Sector Cybersecurity Risk Management Maturity)」プロジェクトという新たなイニシアティブを発表した。

DOEが国土安全保障省(DHS)と協力して主導する同イニシアティブは、民間産業と民間部門専門家の見識を活用して、米国エネルギー配給システムを守る包括的で一貫性のあるアプローチを既存サイバーセキュリティ対策・戦略に立脚して策定することを目指すもので、具体的には、公益事業会社やグリッド運用者が自社の現行能力を測定して、自社のサイバー防御におけるギャップを分析できるようにする「成熟度モデル(maturity model)」を開発することになる。

DOEでは、電力部門を通じて利用され得る「成熟度モデル」を草稿するため、民間部門とのワークショップを今後数ヶ月間に数回開催し、十数件の電力会社やグリッド運用者が「成熟度モデル」の実験・有効性の評価・結果の立証を行うパイロット計画に参加する見通しである。この官民パートナーシップで開発されるリスク管理成熟度モデルは、今年の晩夏には電力部門に提供される予定である。

Steven Chu長官によると、包括的なサイバーセキュリティ・アプローチは、サイバーセキュリティ・リスクへのグリッドの対応能力を改善する重要なツールを公益事業会社やグリッド運用者に提供することになるという。

(Department of Energy News, January 5, 2012)

 

 

日本のエヌ・イー ケムキャット社、ブルックヘーブン国立研究所開発の電解触媒技術の使用ライセンスを取得

日本の触媒および貴金属化合物メーカーであるエヌ・イー ケムキャット社(N.E. Chemcat Corporation)が、ブルックヘーブン国立研究所の科学者によって開発された電解触媒(electrocatalyst)の使用ライセンスを獲得した。この電解触媒技術は、高価なプラチナの使用量を減らして、電気自動車に燃料電池を使用する有効性を高めることを可能とするもので、エヌ・イー ケムキャット社が取得したライセンスには、触媒の革新的な作成方法と、触媒作成に使われた装置設計も含まれている。

プラチナは燃料電池にとって最も効率的な電解触媒であるものの、プラチナをベースとする触媒は高価格で不安定、耐久性が低いという難点がある。今回ライセンスされた電解触媒は、原子1個の厚みのプラチナ単分子層で覆われたパラジウム又はパラジウム合金のナノ粒子から成るもので、燃料電池に使われる在来型触媒と比べるとプラチナ使用量が約10分の1である一方、活動性・安定性・耐久性が高いという。

研究チームのリーダーであるRadoslav Adzic氏は、プラチナ単分子層電解触媒の技術が手頃な価格で信頼できる燃料電池電気自動車の開発を助長することを期待していると語った。(Brookhaven National Laboratory News Release, January 3, 2012)

 

 

 

  


Top Page