NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2012年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

3月13日号

オバマ大統領、現政権エネルギー政策の過去1年間の業績を称える新報告書を発表

オバマ政権は2012年3月12日、『安定したエネルギー未来のためのブループリント:進捗状況報告(The Blueprint for a Secure Energy Future: Progress Report)』という新報告書を発表した。同報告書は、オバマ大統領が昨年3月に公表した『安定したエネルギー未来のためのブループリント(The Blueprint for a Secure Energy Future)』 …国内燃料の増産、天然ガスやバイオ燃料の使用拡大、及び、自動車やトラックの燃費改善によって石油輸入を削減するという包括的エネルギー戦略を概説した報告書… のアップデート版で、オバマ政権がここ1年間で達成したエネルギー政策の業績を報告している。新報告書に列挙された主要な業績は下記の通り:

米国のエネルギー自立の強化

  • オバマ大統領の就任以来、国内石油生産が毎年増加。2011年の1日当たりの国内原油生産量は2010年より約12万バレル多い560万バレルで、2003年以降最大。
  • 米国は2009年以来、世界の主要天然ガス生産国となっており、2011年の天然ガス生産高は1973年の過去最高記録を凌ぐ。
  • 石油輸入量は2005年以来減少傾向にあり、総消費量に対する輸入量の割合は2008年の57%を頂点として2011年には45%まで減少し、1995年以来の最低レベル。

21世紀輸送部門の構築

  • オバマ政権は大型トラックに史上初の燃費基準を導入。また、乗用車や小型トラック向けには2025年までに1ガロン当たり54.5マイルの平均燃費を義務付ける、米国史上で最も厳しい燃費基準を提案。この基準により、消費者は燃料費を約8,200ドル節約。
  • オバマ政権の投資により、米国は2015年までにプラグインハイブリッド車・電気自動車100万台を生産するに十分なバッテリーと部品の製造が可能。オバマ政権はまた、輸送部門における天然ガス利用拡大を狙った研究開発を実施。
  • 2011年にオバマ大統領は、商業用のセルロース系バイオ精製所又は先進バイオ精製所を2013年までに最低4ヶ所着工するという目標を設定したが、予定よりも1年早く同目標を達成。これら4ヶ所の精製所と関連する実証プロジェクトやパイロットプロジェクトにより、年間で総計約1億ガロンの先進バイオ燃料を生産可能。

米国経済の推進とエネルギー安全保障の強化

  • オバマ政権が「アメリカの経済回復・再投資法(ARRA:経済刺激策)」を介して行ったクリーンエネルギーへの史上最大の投資によって、米国の再生可能エネルギー発電量は2008年以降ほぼ倍増。業界専門家によると、米国の風力エネルギー・太陽エネルギー業界の雇用者数は現在数万人。
  • 内務省は2009年以来、陸上の再生可能エネルギープロジェクトを29件認可(ソーラー16件、風力5件、地熱8件:発電容量は総計で約6,600メガワット)。 国有地における太陽光発電第1号となるネバダ州の50MW施設は、2012年5月までに本格稼動し、送電系統に電力を供給する見通し。
  • オバマ政権はエネルギー省(DOE)のローン保証プログラムを介して、ジョージア州バークに建設される新原子力発電所の融資を支援することを条件付きで約束。この原子力発電所は今年2月に原子力規制委員会(NRC)から許可を取得。建設された暁には、140万人にクリーンな電気を提供。

より健全で住みやすいコミュニティの構築

  • DOEと住宅都市開発省(HUD)は2009年10月以来、全国100万以上の家庭のエネルギーアップグレードを終了。これらの家庭の多くは冷暖房費を初年だけで400ドル以上節約。
  • オバマ大統領のBetter Buildingsチャレンジの下、60を超える民間企業や病院、都市や州政府、大学やカレッジ等が総計20億ドルを地所16億平方フィート …500のエンパイア・ステート・ビルディングに匹敵する面積… のエネルギー効率改善にコミット。
  • オバマ政権は農務省のREAP(Rural Energy for America Program)その他プログラムを介して、約1万3,000の地方の小企業・農業従事者・牧場主が再生可能エネルギーシステムやエネルギー効率改善策を導入することによってエネルギーを節約し、収益を改善することを支援。

次世代へのイノベーション

  • DOEのARPA-Eは、トランスフォーメショナル及び新たなエネルギー技術ブレークスルーを目指すプロジェクトを120件以上支援。
  • エネルギーの大課題を解決するため、オバマ政権は、国内最高の研究者とエンジニアのチームを結集させるクリーンエネルギー革新拠点(clean energy innovation hub)を設置。クリーンエネルギー革新拠点の重点は、バッテリーとエネルギー貯蔵の改善;重要原料の研究;太陽光利用の燃料生産;省エネビルの設計;先進原子炉のモデリング・シミュレーション。
  • ソーラーモジュールの価格は2008年の1ワット当たり4ドルが現在は1ドルまで低下。米国は、2010年代末までに太陽光発電のコストを化石燃料と同等またはそれ以下にするという野心的目標の達成に向けて確実に進行。
  • オバマ政権は2011年10月に、送電即応チーム(Rapid Response Team for Transmission)を結成して、提案されている7件の送電網プロジェクトの認可レビューを迅速に行うことを発表。これらインフラ・プロジェクトが完成すれば、送電系統のキャパシティが増大し、再生可能エネルギー源の統合が進み、停電が回避され、増大する電気自動車への対応にも有用。

(The Blueprint For A Secure Energy Future: One-Year Progress Report. March 2012)

 

風力エネルギー税控除の延長案、上院本会議で否決

運輸法案(上院第1813号議案)を審議する上院本会議は2012年3月13日、同法案に対して提出された一連の修正法案の採決を行った。Debbie Stabenow上院議員(民主党、ミシガン州)が提出した、期限満了の近づく一連のエネルギー関連税額控除の延長 …風力エネルギー生産税控除の1年間延長を含む… を求める修正法案は49対49で却下された。

(CQ Today Action Alerts, March 13, 2012)

 

 

 


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