NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2012年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

3月27日号

オークリッジ国立研究所、ポリエチレンをカーボン・ファイバーに変換するプロセスを開発

エネルギー省(DOE)のオークリッジ国立研究所(ORNL)の研究チームが、プラスチックの袋に使用されるポリエチレンのような一般材料をカーボン・ファイバーといった遥かに貴重なものに変換できるプロセスを開発した。

ORNLの材料科学技術室のAmit Naskar氏率いる研究チームは、複合繊維紡糸(multi-component fiber spinning)とスルホン化技術(sulfonation technique)を組み合わせることによって、フィラメント径(filament diameter)をサブミクロンスケールで操作し、ポリエチレン塩基のカーボン・ファイバーを作るだけではなく、ファイバーの表面輪郭を特定用途に合わせてカスタマイズ出来ることを実証した。特許出願中の同プロセスはまた、多孔率(porosity)を調整できることから、ろ過や触媒、及び電気化学的エネルギー生産に有用な材料を作り出すことも可能であるという。

このプロジェクトで研究チームは、複合溶融押出式紡糸(multi-component melt extrusion-based fiber spinning)方法を使用して、中空の円筒型から歯車型といったユニークな断面形状を持つカーボン・ファイバーを作り出したが、Naskar氏によると、同プロセスの可能性は無限であるという。研究チームはまた、この発見が、軽量材料 …特に、米国自動車業界が安全性や快適性を犠牲にすることなく燃費を向上させ得る自動車を設計する為に有用な材料… の進歩を求めるDOEにとっての成功を表すものでもあると語っている。

Advanced Materials誌に掲載された "Patterned functional carbon fibers from polyethylene"という論文はhttp://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201104551/pdf から入手可能。

(Oak Ridge National Laboratory News Release, March 27, 2012)

 

環境保護庁、新設発電所を対象とする炭素排出基準を提案

環境保護庁(EPA)が2012年3月27日に、新設発電所から放出される炭素排出を規制する国家基準を発表した。EPAの規定案は新設される化石燃料使用の発電装置(electric utility generating units =EGUs)に対して、二酸化炭素(CO2)排出量を天然ガス発電所のそれと同等に抑制することを義務付けることになる。EPAが本日提案した新設発電所の炭素排出基準の概要は下記の通り:

  • EPA基準案の対象は、売電を目的とする25メガワット(MW)以上の新設化石燃料EGUsのみ。(化石燃料ボイラー、ガス化複合発電(IGCC)ユニット、定置型複合ユニット等)
  • EPA基準案では、下記を対象外としている:
    • 既存の発電ユニット
    • 建設許可を持ち、同提案発表後12ヶ月以内に建設が開始される「過渡期の(transitional)」発電所や、エネルギー省(DOE)実証事業の一環として建設許可を更新中であり同提案発表後12ヶ月以内に建設が開始される「過渡期の」発電所
    • ハワイやアメリカ領といった米国本土の外にある新規発電ユニット
    • 化石燃料を燃やさない新規発電ユニット(例:バイオマス燃焼のみ)
  • 新設される化石燃料EGUsは、CO2排出がメガワット時(MWh)あたり1,000ポンドという基準を遵守。
  • 石炭や石油コークスを使用するよう設計される新規の発電所では、基準達成のために炭素回収隔離(carbon capture and storage =CCS)等のCO2排出削減技術を組み込めるものとする。EPAはまた、炭素排出削減技術の段階的導入といった柔軟性を新規発電所に提供(CO2基準の毎年遵守を強いるのではなく、30年間の平均CO2排出量で遵守するオプションを提供)。

EPAによると、本日発表の基準は電力業界の現在の投資パターンに合致するため、同基準の遵守には追加費用が発生しないと予測している。環境保護団体や民主党議員は、同基準が危険な炭素汚染に達成可能な制限を課すと共にクリーンエネルギー技術への投資を促進することになるとしてこれを賞賛する一方、米国鉱業協会(National Mining Association)や共和党議員は電気料金が上昇して雇用喪失や経済損失を招くことになるとして、この基準を批判している。EPAでは、この基準案が連邦広報に掲載されてから60日間にわたりコメントを受け付ける。

(EPA News Release, March 27, 2012; EPA FACT SHEET: Proposed Carbon Pollution Standard for New Power Plants, March 27, 2012; CQ Today Online News-Environment, March 27, 2012)

 

 

 


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