NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2012年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

4月4日号

カリフォルニア州に世界最大の太陽光発電プロジェクトを開発するソーラー・トラスト社、破産保護を申し立て

世界最大規模の太陽光発電プロジェクトとなるブライス・ソーラー・プロジェクト(1,000メガワット)の開発権を所有するソーラー・トラスト・オブ・アメリカ(Solar Trust of America)は、同社株式の70%を保有するソーラー・ミレニアム社が昨年12月にドイツで支払不能訴訟手続きを開始し、流動資産が足りなくなったことを受け、4月2日にデラウェア州の破産裁判所に破産保護を申し立てた。

カリフォルニア州オークランドに本拠を置くソーラー・トラスト社は2011年4月に、カリフォルニア州南部におけるブライス・プロジェクト開発でエネルギー省(DOE)から21億ドルの条件付ローン保証コミットメントを獲得。Ken Salazar内務長官とJerry Brownカリフォルニア州知事が2011年6月に同プロジェクトの起工式に参加したが、ソーラー・トラスト社がトラフ式太陽熱発電から太陽光発電への変更を決定したり、ソーラー・ミレニアがブライス・プロジェクトをソーラーハイブリッド社(独)へ売却するという仮取引が発表されたりと、同プロジェクトには起工式直後からほころびが出ていた。

ソーラー・トラスト社では既にブライス・プロジェクトの賃貸料支払いを6ヶ月分滞納しており、その他の期限が迫っている支払いを行うことも不可能であるという。同社の破産保護申請が同プロジェクトにどのような影響を及ぼすかは明らかでない。

(Reuters, April 2, 2012; Greenwire, April 4, 2012)

 

国防省、国内レアアース供給で軍事ニーズを満たし得ると結論づけた報告書を議会に提出

オバマ政権がレアアース問題で中国を相手に法的な異議申し立てを起こしている中、国防省は、2013年までは国内のレアアース材料供給で十分に防衛産業のニーズを満たすことができるという報告書を3月に米国議会へ提出した。

この7ページに及ぶ非公開報告書は、2011年国防省再認可法で議会が国防省に作成を義務付けたもので、防衛産業サプライチェーンで最も一般的な7つのレアアースについて考察を行っている。主な調査結果は下記の通り:

  • ジスプロシウム、エルビウム、ユウロピウム、ガドリニウム、ネオジム、及び、プラセオジムの6種類に関しては国内生産で国防省のニーズを2013年まで十分に満たすことが出来る。
  • レーザーやロケットスタビライザーに使用されるイットリウムに関しては、国防省は供給不足に直面する可能性がある。
  • レアアースへのアクセスの途絶は、軍事能力の変化や、技術代替策の必要性、製品生産の阻止、といった様々な影響をもたらし得る。

報告書では、国防省は警戒を怠らずに市場や生産水準を監視し、定期的に防衛産業のレアアース供給を見直し、緩衝在庫(buffer stock)の確立といった緊急時対応策を準備する計画であると説明する一方で、米国の商用・軍用のレアアース材料需要が2010年以来かなり落ち込んでおり、米国及び世界市場は新規投資や企業のリストラ及び技術の進歩によってこの市場環境に対応していると指摘している。

レアアース材料への依存度を過小に評価しようとする国防省の態度に、議会レアアース・コーカスのHank Johnson共同議長(民主党下院議員、ジョージア州)を始めとする議員等数名が立腹しており、Johnson下院議員のスタッフであるOssoff氏にいたっては、国防省指導層は現実を直視する必要があると酷評している。

同問題に関しては、議会は更に、レアアースの回収・再生利用・再加工(recovering, recycling and reprocessing)の可能性についての調査を行うよう国防省に命じている。

(Greenwire, April 4, 2012)

 

 

 

 

 

 


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