NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2012年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

5月15日号

ローレンスバークレー国立研究所の科学者、ウイルスを使って発電する方法を開発

エネルギー省(DOE)傘下のローレンスバークレー国立研究所(LBNL)の科学者が、機械エネルギーを電気に変換する無害なウイルスを使って発電する方法を開発した。LBNLのSeung-Wuk Lee氏とByung Yang Lee氏を中心とする研究チームによると、遺伝子組み換えしたウイルスでコーティングした郵便切手大の電極を指で軽くたたくと、ウイルスがタッピングの力を電気に変換して、小さな液晶ディスプレーを操作するに十分な電流(単四電池の電圧の約4分の1)を生み出したという。

結晶やセラミクスといった無機物ではなく、生体物質の圧電特性(piezoelectric property)を利用することによって電気を作り出した発電機はこれが初めてとなる。LBNLのこのブレークスルーは、ドアを閉めたり階段を上がったりという日常行動で生まれる振動から電気エネルギーを取り込む小さなデバイスへと繋がる可能性があるほか、ウイルスには規則的薄膜へと自己組成する特性があるため、超小型デバイスを作るよりシンプルな方法を提示することにもなると期待される。

圧電効果は1880年に発見され、その後、結晶やセラミクス、骨やタンパク質やDNAが圧電効果を有することが明らかになっているが、圧電デバイスを作るために使用される材料は有毒で扱いが難しいために、用途は走査型プローブ顕微鏡等に限られていた。

Lee氏の研究チームが目をつけたのは、バクテリアだけを攻撃して人体には無害で、しかも圧電効果のあるM13バクテリオファージ。研究チームは、遺伝子組み換えによってウイルスの表面を覆うらせん形タンパク質の一端に4個の負荷電アミノ酸残基(negatively charged amino acid residue)を加え、このウイルスを積み重ねることによってシステムを更に向上させた。約20枚のスタックが最強の圧電効果を示したという。

圧電材料が実用化されることになれば、指先の圧力でノート型コンピューターに電気を供給したり、靴に埋め込まれたチップによって携帯電話のバッテリーを充電することも可能となる。LBNL研究チームに協力したカリフォルニア大学バークレー校のRamamoorthy Ramesh博士(DOEのSunShotプログラムの現リーダー)は、人体のリズムや血圧を心臓ペースメーカーの電源として利用することさえ可能になるかもしれないと語っている。この研究は、LBNLの研究開発費と全米国立財団(NSF)の支援で実施された。

(Berkeley Lab News, May 13, 2012; Greenwire, May 15, 2012)

 

内務省、産業界が連邦政府からリースしている土地・水域の約3分の2が未使用のままと報告

内務省は5月15日、産業界が連邦政府からリースしている水域(約3,600万エーカー)の内の70%以上、及び、アラスカとハワイを除く米国48州の陸上リース面積の約56%(約2,080万エーカー)が未利用状態にあり、探査も開発も生産も行われていないと指摘する報告書 "Oil and Gas Lease Utilization, Onshore and Offshore: Updated Report to the President" を発表した。

Ken Salazar内務省長官は同報告書の発表にあたり、オバマ政権の「全てのエネルギー活用戦略(all of the above energy strategy)」の一環として、内務省が今後も新たな国有地や連邦水域を安全でレスポンシブルな国内エネルギー生産へと開放していくことを約束する一方で、輸入石油への依存度を軽減するために、企業が既にリースしていながらも未利用で放置されている数千万エーカーの地域を早急に開発するようにと要請した。

(Department of Interior News Release, May 15, 2012)

 

 


Top Page