NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2012年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

5月25日号

環境保護庁、新設発電所の炭素排出基準に関する公聴会を首都ワシントンとシカゴ市にて開催

環境保護庁(EPA)が2012年5月24日、新設発電所を対象とする温室効果ガス(GHG)排出国家基準(注:1)に関して利害関係者からのインプットを収集するため、首都ワシントン及びシカゴ市の二箇所で公聴会を開催した。

首都ワシントンでの公聴会では、シエラクラブや米国肺協会や天然資源防衛委員会(Natural Resources Defense Council =NRDC)といった団体の姿が目立ち、午前中のセッションは、発電所からの二酸化炭素(CO2)排出量を1メガワット時あたり1,000ポンドに制限する基準によって達成し得る公衆衛生上の利益が焦点となった。ワシントンDCで開催された公聴会での主な発言者と発言内容の概要は以下の通り:

  • 米国肺協会のPaul Billings副会長は、EPA提案がGHG規制への「重要な第一歩」であると評価する一方で、既存排出源を対象とする規制も設定するようにと強く要請した。
  • クリーンエア・タスクフォース(Clean Air Task Force)のDarin Schroeder氏もまた、CO2排出の大部分が既存発電所からであることを挙げ、次のステップとしてEPAが、切望されている既存排出源からのCO2排出削減行動をとることを期待すると語った。
  • 国際電気工組合(International Brotherhood of Electrical Workers)のJim Hunter氏は、EPA提案の基準が種類の異なる燃料を識別しておらず、このEPA基準には致命的な欠陥があると批判。また、炭素回収隔離(CCS)技術の商業規模実証が米国内では行われていないため、EPAは新設の石炭火力発電所にCCS技術の設置を義務付ける規定を削除して、燃料タイプ別に異なる性能基準を設定すべきであると主張した。
  • 電気信頼性調整委員会(Electric Reliability Coordinating Council)のScott Segal氏もまた、EPAが使用燃料の種類を考慮せずに全ての発電所を同様に扱っていることには法的欠陥があると主張し、天然ガスを一燃料としてではなく性能基準とみなし、これを他種の燃料のベンチマークに使用していることは不適切な対応であると批判した。
  • 天然資源防衛委員会(NRDC)のDavid Doninger氏は、EPA提案が石炭火力発電所を閉鎖に追い込むという業界団体の主張はまやかしであり、市場の実情がすでに新規発電所を石炭から遠ざける誘引になっていると反論した。また、新しい複合サイクル天然ガス発電所では1メガワット時あたり1,000ポンド以下のCO2排出を既に達成しているため、CCS技術を使用する新設の石炭火力発電所に対しても1,000ポンドよりも更に厳格な性能基準を設定するようEPAに要請した。

(Greenwire, May 24, 2012; Bloomberg Environment Health & Safety News, May 25, 2012)

 

上院、議事堂駐車場に電気自動車の充電器設置を認める法案を可決

上院本会議は2012年5月24日、上院議員や上院スタッフが上院議会管轄の駐車場で電気自動車を充電することを認める法案(上院第739号法案)を全会一致で可決した。

同法案は、Carl Levin上院議員(民主党、ミシガン州)を始めとする計8名の上院議員(注:2)が超党派で昨年4月に提案したもので、米国議事堂監(Architect of Capitol)が上院議会管轄の駐車場にプラグイン自動車用の充電器を設置することを認め、充電器設置コストを相殺するためにドライバーには充電料金を課すという内容になっている。

Dale Kildee下院議員(民主党、ミシガン州)が類似法案(下院第1402号議案)を下院に昨年提出しているが、こちらは未だに審議に至っていない。(Greenwire, May 25, 2012)

 

 

 

 


注釈:

1: EPAが2012年3月27日に発表した基準。提案された基準の概要については、2012年3月27日付けデイリーレポートを参照されたし。

2: 民主党議員6名(ミシガン州のLevin議員とStabenow議員、ニューメキシコ州のBingaman議員、マサチューセッツ州のJohn Kerry議員、オレゴン州のMerkley議員、ニューヨーク州のSchumer議員)と共和党上院議員2名(テネシー州のLamar Alexander議員、アラスカ州のLisa Murkowski議員)。

 


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