NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2012年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

6月6日号

エネルギー省、重要原料を研究するエネルギー革新拠点の立ち上げ計画を発表

Steven Chuエネルギー省(DOE)長官は5月31日、重要原料のエネルギー革新拠点(Energy Innovation Hub for Critical Materials)に着手する計画を発表した。新設される革新拠点は、各々の重要原料のライフサイクル全体(注:1)にわたる問題や課題の確認・解決方法の構築を行うための分野横断的な持続的取り組みを確立するもので、DOEは5年間で最高1億2,000万ドルを投資する予定である。

重要原料のエネルギー革新拠点(注:2)は、DOEが2011年12月に発表した『重要原料戦略(Critical Materials Strategy)』(注:3)に立脚するもので、米国の重要原料への依存度を軽減すること、及び、将来の重要材料の供給停止が国産エネルギー技術の普及の妨げにならないようにすること、を目的とする。

このエネルギー革新拠点の初年度予算は最高2,000万ドルで、内1,000万ドルまでを既存ビルの改築やビルの賃貸リース、設備・計装機器といったインフラストラクチャー準備へ充当することが認められ、その後の4年間は毎年2,500万ドルのグラントが給付される見通しである。

重要原料のエネルギー革新拠点のコンペティションへの参加資格を持つのは、大学、国立研究所、非営利機関や民間企業で、DOEはプロポーザル提出に際してパートナーシップを形成するよう奨励している。

(Department of Energy News Release, May 31, 2012)

 

 

連邦ビルへのクリーンエネルギー技術導入を促進する省庁間諮問委員会を新設

エネルギー省(DOE)は、オバマ政権の国内エネルギー全活用戦略(all-of-the-above approach)を支援し、連邦政府のエネルギー効率改善に貢献するために、省庁間技術展開作業部会(Interagency Technology Deployment Working Group)の下に、連邦政府部門でのクリーンエネルギー技術普及促進を目的とする省庁間諮問委員会を新設すると発表した。

DOE、一般調達局(General Services Administration)、及び国防省(陸軍と海軍を含む)の代表者を創設メンバーとするシニアエグゼクティブ技術展開委員会(Senior Executive Committee for Technology Deployment)は、メンバーが増大する見込みである。委員会では、革新的技術や十分活用されていない技術を実験・評価する一貫したプロセスを開発することによって省エネ技術の研究開発から商業化への移行を支援するほか、技術の性能や省全体での経済的価値について情報を共有するという。同委員会の活動は、DOEの連邦エネルギー管理プログラム(Federal Energy Management Program =FEMP)によって調整される。

DOEの監察官が先ごろ発表した報告書は、DOEが年間電力消費量の7.5%を再生可能資源で賄うという義務要件を3年早く達成はしたものの、オンサイトで再生可能資源による電力を生産するというよりはむしろ、1メガワット時あたり44¢から$26.67で外から購入していたことを指摘している。シニアエグゼクティブ技術展開委員会では、これとは逆で、連邦省庁にクリーンエネルギー技術を取り入れることで連邦政府全体の持続可能性目標を達成することに焦点をあてていく。

(DOE Energy Efficiency & Renewable Energy News, June 1, 2012; Environment and Energy Daily, June 1, 2012)

 

 

 

 


注釈:

1: 選鉱作業、製造、代替物、有効利用、及びリサイクル、等。

2: 原子炉モデリング・シミュレーションのエネルギー革新拠点(Nuclear Energy Modeling and Simulation Energy Innovation Hub)、太陽光利用燃料生産のエネルギー革新拠点(Fuels from Sunlight Energy Innovation Hub)、省エネビルディング・システム設計拠点(Energy-efficient Building systems Design Hub)、バッテリーとエネルギー貯蔵のエネルギー革新拠点(Energy Innovation Hub for Batteries and Energy Storage)に続き、5つ目のエネルギー革新拠点となる。

3: 同報告書の主要ポイントと、第6章「プログラムの方針」にあるR&Dの進捗状況については、NEDOワシントン調査レポート「エネルギー省が発表した『重要原料戦略』:概要」にて報告。

 


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