NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2012年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

7月10日号

エネルギー省、固体吸着剤を使った二酸化炭素回収技術の大規模実験に同意

水銀抑制装置の販売で有名なADA-ES社の発表によると、エネルギー省(DOE)が同社製の新しい二酸化炭素(CO2)回収装置の大規模テストに資金を提供することで同意したという。これにより、アラバマ州バーミンガム近郊の大規模石炭火力発電所におけるCO2回収設備建設への道が開かれることになる。

殆どの炭素回収技術テストでは液体アンモニア系溶媒やアミン系溶媒を使用しているが、ADA-ES社の新技術では固体吸着剤を利用することになる。液体アンモニア系やアミノ系の溶媒は接触時にCO2を吸収するものの、溶媒を再利用するためにCO2を熱で駆除する際に大量のエネルギーが必要となる。この過程は炭素回収の「寄生負荷(parasitic load)」と呼ばれ、発電所の発電電力量の30%以上を消費している。ADA-ES社のMike Durham社長によると、固体吸着剤を利用したCO2回収では15〜20%の寄生負荷を目指しているという。

ADA-ES社は、米国南東部で最大級の発電所の一つであるJames H. Miller Jr. 発電所において少量の(2,822MWの内の1MWに相当する)燃焼排ガスを吸い上げてCO2の除去実験を行う予定であるが、同社がこれまでに行った実験はその1,000分の1にあたる1キロワット規模であるため、予定されているテストは商業用途向けの50MW級CO2排出抑制システムへ向けた大きな飛躍を意味することになる。

このパイロットプロジェクトの総額は2,050万ドルで、DOEが1,500万ドルを拠出し、ADA-ES社やJames H. Miller Jr.発電所の所有者であるサザン社(Southern Co.)等の民間企業が残りの550万ドルを出資する。

(E&E News PM, June 28, 2012)

 

 

 


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