NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2012年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

9月19日号

行政管理予算局、自動歳出削減措置により2013年度連邦科学関連予算は8.2%削減になると推定

ホワイトハウスの行政管理予算局(Office of Management and Budget =OMB)は、2011年8月に成立した『2011年予算管理法(Budget Control Act of 2011 =BCA)』で規定されている自動歳出削減措置(sequestration)(注:1)が2013年1月2日に発効となった場合の防衛及び非防衛予算への影響を推定した報告書を発表した。

OMBの報告書は、自動歳出削減措置が国家安全保障、国内投資、及び主要な政府機能に壊滅的な影響を及ぼし、中産階級や高齢者及び児童に恩恵をもたらす政府プログラムに深刻な支障をもたらすことになると結論づけている。同報告書の主要点は以下の通り。

  • 算出基準
    • 自動歳出削減措置による年間の必要削減額は1,093億ドル(注:2)。これを防衛関連と非防衛関連プログラムで均等に二分。
    • 2013年度の自由裁量(discretionary)予算は、2012年度水準予算と既に成立している2013年度予算の合計額と仮定。

  • 自動歳出削減措置による自由裁量予算への影響
    • 免除対象にならない防衛関連自由裁量予算は9.4%の削減
    • 免除対象にならない非防衛関連自由歳出予算は8.2%の削減

  • 自動歳出削減措置による連邦科学機関予算への影響
    • 商務省の国立標準規格技術研究所(NIST)は6,200万ドル(8.2%)の削減
    • エネルギー省(DOE)の国家核安全保障局(NNSA)は10億3,500万ドル(9.4%)の削減。科学部の予算は4億ドル(8.2%)削減で44億7,400万ドル;化石エネルギー研究開発が4,400万ドル(8.2%)削減の4億9,000万ドル;、エネルギー効率化・再生可能エネルギーは1億4,800万ドル(8.2%)の削減で16億6,200万ドル;配電・エネルギー信頼性の予算は1,300万ドル(プログラムにより削減率が異なり8.2%と9.4%)削減の1億4,200万ドル;原子力が6,300万ドル(8.2%)削減で7億300万ドル;ARPA-Eの予算は2,300万ドル(8.2%)の削減で2億5,200万ドル
    • 厚生省(HHS)の国立衛生研究所は25億1,800万ドル(8.2%)の削減
    • 内務省米国地質調査局(USGS)の予算は8,800万ドル(8.2%)の削減で約10億ドル
    • 環境保護庁(EPA)の科学技術予算は6,500万ドル(8.2%)の削減で7億2,900万ドル
    • 米航空宇宙局(NASA)の全体予算は14億5,800万ドル(8.2%)の削減
    • 全米科学財団(NSF)の全体予算は5億8,600万ドル(プログラムにより削減率が異なり、7.6%から9.4%)の削減

オバマ政権高官によると、オバマ大統領は自動歳出削減措置を回避し、議会との協力で歳出削減と国家歳入増額の両方を含む赤字削減代替案を成立させることを望んでいるという。一方の共和党議員は、増税には二の足を踏んでいるものの、自動歳出削減措置で起きる国防省予算の大幅削減には断固反対の立場であるため、大統領選挙終了後には自動歳出削減措置を回避する新たな取引が成立するのではないかと期待される。

(Science Insider, September 14, 2012; EE News PM, September 14, 2012; ITTA Update on US FY2013 Budget; OMB Report Pursuant to the Sequestration Transparency Act of 2012)

 

 

 

 

 


注釈:

1: ホワイトハウスと連邦議会が2011年8月に米国の債務上限引き上げで合意に達した際に、合意条件の一環として設定されたもので、2012年末までに連邦議会の「スーパーコミティー」が連邦赤字を向こう10年間で1.2兆ドル削減する計画を策定することが出来なかった場合には、防衛・民生プログラムの双方の予算を自動的に一律削減するというもの。

2: OMBでは、1,200億ドル(財政赤字削減目標額)−216億(債務返済で生まれる節約)を9(2013年度から2021年度までの9年間)で割って算出。

 


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